31 Hちゃん
もっと読まれたいなぁ。
――わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………ッ!!
わたし、これから、はじめて、たいがくんの、おうちに、いく。
私の凡ミスからデートが台無しになってしまうこと所を、大我くんが機転を利かせてくれて、おうちデートすることに。
緊張する。
ものすごく。
お面の中があっつあつ。
どうしようこの《クアッカワラビー型全頭面――笑美望》には冷却機能は付いてないのに。
一応換気機関はあるけど、正直足りないくらい顔熱い。
――と、とりあえず、やるだけやっておこう。
とにかく、粗相のないように気を付けないと。
「ここだよ、姫」
『みゃいっ!!』
「みゃ……? まあ入って」
いよいよ、私は好きな人のおうちに突入いたします。
『お、おおおおおおおおじゃましますう』
「はい、いらっしゃい…………いや、いいいいいいらっしゃいませーにしたほうがいいか」
『え、あ、合わせなくても大丈夫だよ!!』
私の緊張を見て、クスクス笑う大我くん。
――もー! もー! なんでそんな余裕な感じなの!? 私死んじゃいそうなくらい緊張してるのに!!
『た、大我くん!! 笑っちゃダメ!』
「はーい、ごめんなさい」
『うぅ……私だけ緊張してる……』
「はっはっは、そうだねぇ。俺も最初はちょっとは緊張してたけど……よく言うでしょ? 自分より緊張してる人を見ると逆に落ち着くって。それ」
『うぅぅぅ……』
「唸らない唸らない。多分いつものとこで寝てるとは思うけど……少なくてもエビ天は」
『そうなんだ…………ん? エビ天……?』
思ってもなかった単語が聞こえて、つい聞いてしまった。
もしかして、名前なのかな。
「そ。茶虎のエビ天と白猫のイカ天。うちの猫の名前。変わってるでしょ?」
『うん……あんまり聞かない名前だけど……すっごくいい名前だね! なんか可愛い!!』
「あはは、ありがとう。俺がフィーリングでつけた名前だけど、割と不評でね。でも俺自身は結構気に入ってるからさ」
『不評だったの? 可愛いのに……』
「まあ意外とみんなすぐ慣れてったからいいんだけどさ」
そして案内されたリビングを覗くと、大きい茶虎がデンッ! とソファーによしかかっていた。
あれがエビ天ちゃんだね。
それと、ソファーの後ろから少し顔を覗かせてるのが見えたので、多分そっちがイカ天ちゃん。
「イカ天は臆病だけど、エビ天はふてぶてしいから普通に触れると思うけど……」
『大丈夫! 猫カフェとかよく行くし、昔おばあちゃんの家にも猫が住んでたから!』
「そか」
そしてゆっくりリビングにお邪魔する。
これからも大我くんのお家にはぜひともお邪魔させてもらいたいと心から思っているので、何とかエビ天ちゃんイカ天ちゃんとも仲良くしたい――と思ったんだけど。
――ボッ! ズダダダダダダッ!!
『えぇぇ…………』
エビ天ちゃんもイカ天ちゃんも両方毛を逆立たせて逃げ去ってしまった。
『なんでぇ…………』
「おー……イカ天はともかく、不動と思われたエビ天すらあの速さで逃げ出すとは……」
私の後ろから感心したように声をかけてくる大我くん。
一も二もなく縋り付いてしまう。
「うぉ!」
『た、大我くんなぜぇ……』
「あー……まあ、流石にそのお面被ってたら猫もビビるんじゃないかなぁとは思う」
『えっ』
「うーん、正直ビビるかなとは思ってた。まあエビ天ならもしやとも考えたから案内したけど……ダメだったかぁ」
そ、そうか。
このお面を被っていたから怯えさせちゃったのか。
だったら答えは一つだね。
『大我くん!』
「あはい」
『お手洗いはどちらですか!?』
「へ? え、ああ、部屋出て右斜め向かい……玄関入ってすぐ右の扉って言ったほうが分かりやすいかな」
『ありがとう! ちょっとお借りします! すぐ戻ってくるから待ってて!』
「うん……」
ちょっとした設定小ネタ
《超高性能馬面――快頭爛馬》
《メディア特化型馬面――カメラ馬笑》
《ジムトレーニング対応爆弾面――トレーニングボム》
《クアッカワラビー型全頭面――笑美望》
《????全頭面――???(???????)》次回登場予定
現在登場未定
《水中用高性能全頭面――ジョーズに泳GO!》
《試作型高性能馬面――七天馬頭》
その他設定だけ作って名前を考え中のお面多数。
感想お待ちしてます!!




