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馬面彼女~チェンジ可能!~  作者: 蛇真谷 駿一


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30/62

30 T君

割と今更ですが、タイトルの意味としては、


馬面(を被った)彼女〜(お面をいっぱい持ってる子だから色々お面を)チェンジ可能(ですよ!お得ですね!)〜


って感じです。


本当はもっと沢山お面チェンジする予定でしたが、気がつけばずっと馬面ばかりでしたね。


お面の設定だけ沢山……。


 デート当日。

 いよいよ当日だ。


 恐らく今日が最後のチャンスだ。


 余裕をもって待ち合わせ時間の一時間前に来た。

 そして待ち合わせ場所でじっと待って、声をかけられるまで待つんだ。


 向こうに声をかけられるまで。

 少々情けないがこれが最も可能性の高い作戦。


 というか最初に一緒に帰るときに試した作戦だけど、前と違って流石に初デートでお面は被ってこないだろう。



 と、待ち合わせ場所に近づくと、何やらもめごとが起きている様子。



「……まさか姫が先に来ていて、物語よろしくナンパとかされているんじゃ」


 と創作でよくありそうなテンプレを想像しつつその場に近づくと。




『あ、あの、その……』

「うん、とりあえず身分証を見せてもらえる?」

「後持ち物もいいかな?」


 ――なんかクアッカワラビーが警察に職質されてるぅ……。


 正確に言うなら、クアッカワラビーのお面をした、大層オシャレした女の子が、だ。

 若干いつもより声が籠っているけど、聞いたことある声だね。


 もう間違いなく俺の彼女なので、とりあえず助け出すか。




『び、びっくりしたぁ……』

「まあ流石にビックリしたのはこっちだよね」


『ごめんなさい』


 一応俺が知り合いだと通せば、割と普通に解放してくれた。


 いや、ちょっと怪訝そうな顔をしてたけど、口から出まかせに「排水溝の中に風船持ったピエロを見た」って言ったら、ものすごい真剣な顔で「君たちはもう帰りなさい」って解放された。

 ――……いんの? この町いんの? マジで?


 それはさておいて、俺は姫と向かい合う。



「……………………」


『……………………』



 ジッと目を見ていると、クアッカワラビーはゆっくりと目を逸らしだす。


 ――自覚はあるのね。


「お姫様」

『なんでしょう』


「お聞きしたいことがございます」

『…………お面のこと以外であれば』



「さすがにお面のことだよねぇ! 初デートは素顔で来ると思ってたんだけど!?」


『ごめんなさいぃぃぃ……! そのぉ! 楽しみすぎて……!』


「寝坊してお化粧の暇がなかったとかかなぁ!? でも急いで来てみたら時間間違えてたとかかなぁ!?」


『わ、わぁ、すごーい。超能力みたーい』


「割と簡単に予想つくことかな! ……もぉ……」


 思わず額に手をやり、項垂れる。

 こうも計画通りにはいかんか。


 姫もさすがに申し訳ないと思っているのか、気遣わしげに声をかけてくる。


『ご、ごめんね……?』


「いや、大丈夫……というか、元々待ち合わせ時間には早いから、今の時間でしてきても大丈夫だよ? 俺も本当は先に着いて待ってるつもりだったし」


『ほ、ほんと!? ごめんね! じゃあちょっと行ってくる!』


「え? あ。うん」

 ――言ってみるものだ……これはうまくいく感じか……?


『……? …………?? ――――』


 あ、ダメだ。

 探してるものが鞄の中に見当たらなくて頭が真っ白になってるって顔してる。


『あ…………あの、大変、申し上げにくいのですが……』

「忘れちゃったのね? おけ。じゃこのままデートしようか」


 まあ、こういう事もあると納得するしかないでしょう。


『ほんとにごめん……』


「いいって。それより……どうする? 俺もピクニックしたいのは山々なんだけど…………その、国家権力さんに絡まれた後だと、ちょっとね」


『うぅ……』


 ちょっと本気で落ち込んでるかな……さて、でも実際どうしたものか……。


「あ、そうだ姫……猫好き?」

『え? ……あ、うん!! 私は重度の猫派でございます!!』



「そりゃ上々。じゃあ家のお猫様を紹介しよう」



『……え? え? え?』



「だから、家においでってこと。せっかく作ってくれたお弁当だから本当は外で食べてあげたかったけど、まあ、うちで食べよう?」


『……いいの?』

「俺から誘ってるのにいいかどうか聞いちゃう?」


『あ、でででも、ご両親とか……』



「あー、言ってなかったっけ。うち父親は単身赴任で、母親はどうせ今日も仕事だから、家には誰もいないよ」



『!? ~~~~そ、それは、その……でも、まだ早い気も……で、でも大我くんが、その……』



 ――? なんか急に様子が変わったな……俺なんか変なこと……言ったな。言ったわ。



「あー! 言ったね! おかしなこと言ったごめん! えーっと……そういう意味で言ったのではなくてですね……えと、大して意味はなかったので、変な勘違いさせてしまい、大変申し訳ない」



『ふぇ!? あ、あえと、そんなかんちがいなんてしてませんことよ!?』



「…………さようでございますかお姫様」


 さすがにあまりツッコまないで上げよう。

 俺のウッカリ発言が原因だし。


ハァイ、調子いい?

感想とか待ってるんだけどどう?

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハァイジョージィ クアッカワラビー知らなくてググってしまったw あれの首から下がめっちゃお洒落… [一言] ハァイジョージィに弱い
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