あとがき
今回のあとがきには本編のネタバレが含まれています。
未読の方はご注意ください。
以上で「引退変身ヒーロー、学校へ行く!」は完結となりました。
もし後から何か書く時はシリーズ作品として紐付けして別に始めたいと思います。
本作の第1部分「プロローグ」の投稿が2018年2月7日ですから、ほぼ3年近い連載期間となり、それだけの間、エタらずによう続けられたと自分で自分を褒めてやりたいくらいです。
もちろん自分だけではなく、読者諸兄一人一人に感謝し、厚く御礼申し上げます。
ブクマに評価のポイント。
アクセス解析で確認したPV数。
感想欄にコメントくれた方やレビューを頂いた方。
あるいはTwitterでいいねやリツィートをしてくれた方々。
その一人一人のおかげで私のモチベーションが3年近い長期間に渡って続いたといっても過言ではないのでしょう。
誠にありがとうございました。
実の所、連載開始前は私としてもこんな長期間に渡って本作を続けるつもりはまったくもってなく、それというのも私が連載前に用意していたプロットがスッカスカの物だったために、それに肉付けしていったら自分でも思ってなかった文量になってしまったというのがその原因となります。
多分、他の方が用意するプロットが人体骨格標本くらいの物なのだとしたら、私のプロットは昔ネットで流行った先行者レベルのものなのではないでしょうか?
今、感想欄に自分で書いたコメントへの返事を読み返してみても、後の展開と矛盾があったりするのはその後の展開の枝葉の部分を決めきれていなかったためなんですね。
我ながら酷いなぁと思うのが、コメント返しを見返してみると本作のラスボスを誰にするかすら決めてなかった事がバレてしまうという事。
連載開始前は「ラスボスは主人公と戦う力を取り戻したヒロインが手を組んで戦う」「主人公の最終決戦用の新フォームはデスサイズ・リバース」「デスサイズ・リバースの特殊能力」程度のものは用意していたのですが、連載途中に「平行世界の主人公、ペイルライダー」というラスボスをこねくり回してでっちあげたというのは今になってみれば良い思い出です。
ペイルライダーというラスボスを作るまでは「ロキがなんやかんやドエラい強敵を出してくる」「咲良ちゃん=デモンライザー」「ウドン屋さん」とか色々とラスボスを考えてました。
あと、本作には「コメディ」のタグが付いていますが、これは本作のメインテーマに関わる部分の他に「当事者たちはシリアスで切羽詰まった状況でも、別の視点を持つ者(=作者、読者)から見てみると笑える状況」とか、あとはただ単に私がブラックな笑いが好きだからというのがあります。
ただ連載開始から3年近くも(構想段階からするとさらに前)経つと私自身、感性が変化したのか「これはコメディとして成り立つのだろうか……」と自問自答する事が多々ありました。
一例としてあげると「EX-3-37」でゼロ君が死に際に「頼む、誠だけは死なせないでやってくれ!!」とか言ってるけど、その当の本人である誠君はデスサイズ・リバースになった後はポンポン死にまくってるとか……。これって笑い所になりえますかね?
話は戻りますが、自分の想定以上に連載が長期化せざるを得なかったため、プロットを削りまくったら、本来は必要な部分まで削ってしまい、それに気付いて本編終了後に番外編を入れる事になってしまった件について。
・それまで反物質爆弾搭載のミサイルとして説明されていた“世界”を「ハドー総攻撃編」の誠君の独白にて「世界さん」という言い方をする。
・「ハロウィン編」でモッコスさんのボディーとなった“愚者”の存在。
・序盤の方で明智君と災害対策室の木村さんが誠君の引っ越しに便宜を図った者の存在を示唆していたのにその後の音沙汰無し
ってのは削ったプロットに含まれていました。テヘペロ。
そんな感じで拙い小説ではありますが、精一杯頑張って書きましたので、本作を楽しんで頂けましたなら幸いです。
ここまでお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。
本作で得た改善点等を活かして次回作を書く事がありましたら、どうか、その時はまたお付き合いくださいませ。
以下、本作の主要キャラクターたちについて少しずつ書いていこうかと思いますが、本編で使われなかった部分については無かったものとしてご理解頂いても結構です。
・石動誠
誰がなんと言おうと本作の主人公。
現代社会風の世界でバンバン普通に人を殺す主人公? なら、そもそも戦いに向いてない子供だから相手を殺さずに捕える余裕が無い+悪の組織に改造された改造人間で、洗脳処置以外にも外科脳手術で殺人の忌避感を消去されている事にしよう! 後はコメディとするなら主人公のせいで学校の皆が狙われたら話が暗くなるかな? よし、主人公はヤベぇ奴だと思われてる事にしよう! みたいな感じで作った覚えがあります。
・羽沢真愛(魔法少女プリティ☆キュート)
影が薄いのではないかと作者の胃を痛めつけてくる系ヒロイン。実際のとこどうなんやろな?
イメージは「主人公がヤバい奴? ならヒロインは主人公に付き合いきれるようなもっとヤバい奴にしたろ!」
結果、主人公は心が折れぬ限りヒロインの盾となり続ける。
・明智元親
頭脳労働系脳筋主義者。自分で戦う力が無いだけで誠君よりもアレな人かもしれぬ。
主人公の理解者兼親友ポジ。
・三浦君
主人公の友人ポジ。誠君にとっての日常の象徴その1
兄は忍者、でも知らない。けど作中の怪人でも強力な存在として知られている設定のハドー怪人に嬲られて入院してもすぐに戻ってくるあたり、なんらかの素質でもあるような……?
・天道さん
主人公の友人ポジ。誠君にとっての日常の象徴その2
ヤクザガールズの子たちの先輩だったり、初恋の人が主人公の兄だったり。でも後半になるにつれて出番は激減。
・石動仁
馬鹿兄貴。マッチョでイケメン。
ノー天気に陽気に生きているようで、辛い過去を弟に知られぬようにふるまっていたり。正統派主人公のイメージ。
空手+石動流闘法を使い、その天性のセンスで様々な格闘技の技を使ったりする。
正直、バカ兄貴に任せておけばなんとかなるかな~、くらいのイメージがあるので本編終了後の番外編で彼のイメージが崩れないかな~って心配になったり。
・松田晶
主人公に兄以外で(良い意味でも、悪い意味でも)ヒーローとしての覚悟を教える人。主人公が回りからヤバい奴だと思われているのはこの人と一緒に行動していた時期のせいでもあったり。
「夫と息子を殺されて悪党専門の殺人鬼になった」というのはラスボスとなったペイルライダーをこじんまりとさせたものと見る事もできるかもしれないので、この人が死後のペイルライダーについていったのはそういう面もあるのかもしれぬ。
・乾譲司
ガンマン兼セクハラオヤジ。
主人公たちが通う高校の生徒会長の父だったり、「日本一のガンマン」としてそれなりに名が知られているようで涼子ちゃんは彼の銃弾を跳弾させるという技を使ったり、小沢さんは彼の戦い方から対ハドー怪人戦のヒントをもらったり。あるいは咲良ちゃんの過去編で悪魔と戦ったり、意外と美味しいトコを持ってく人。
・米内蛍
ヤクザガールズの先代組長。
ヤクザガールズの組長の割にはむしろヤンキースタイルなのは何故なのか?
主人公に惚れてるんじゃないかっぽい描写はあったけど、その主人公の平行世界の存在である誠とはどのような感覚でともに戦っているのだろうか?
・ヤクザガールズの子たち
真愛ちゃんが変身できなくなった時代の魔法少女たち。
「魔法が使えるだけじゃテッペン狙えるわけじゃないのよ?」的なイメージを読者諸兄に感じてもらうためのポジション。
いっぱいいるけど作者は栗田さんが好き。あと栗田さんとか小沢さんとか魔法の能力に制限があるけど、その制限内で戦ってる感は好きだったり。
・神田君(と神田パパ、withスティンガー・タイタン)
人間サイズのロボットを扱う少年。
当初は「ハドー総攻撃編」で主人公たちの活路を切り開くために特攻、タイタンは爆散する予定だったけど、もったいない精神で「ハドー編」に「咲良ちゃんの過去編」「対ナイアルラトホテプ編」で活躍してもらってから平行世界のタイタンがペイルライダーにさくっとやられる事でラスボスの強さを印象付けしたり。
過去編では本編で死んでる神田パパが登場したり、とある世界の神田君はタイタンが破壊された後もヒーローとしての道を志して野球妖怪のチームに入団したり、そんなストーリーの橋渡し的な存在。
・マックス君
本編作中の地球人類においては魔力を持つ者は極めて稀である。という設定から「逆に異世界の人間なら魔力を持っててもおかしくはないやろ」的な感覚で産まれたキャラクター。
あとは「なろう」だから勇者とか魔王とかファンタジーっぽいの出したかった。
・アーシラト(魔王アスタロト)
主人公やヒロインと、ラスボス候補でもあった咲良ちゃんとの橋渡し役。
咲良ちゃんサイドから見ても、「アーシラトの巫女になった→咲良ちゃんが地球人には稀な魔力を持つ事になった理由付け」だったり、咲良ちゃんがエクソシストを志したり悪魔や妖怪と共に生きていこうとする理由だったり、後から咲良ちゃんがプロレス技を使って戦っても違和感が無いように前もってアーシラトさんがプロレスで戦っていたりとか、ストーリー展開上も重要な人物。
・西住涼子
まだいくらでも悪の組織がいるのに主人公がのほほんと学校に行ってても読者諸兄からヘイトが向かないようにとニューヒーローを……、みたいな感じで登場。
作者にもう少し大河力があればもう少し違う感じになったのかなぁと思わないではない。
咲良ちゃんが悪魔やら妖怪とオカルト系と仲良くなるのに対して、涼子ちゃんは異星人に異次元人、異星人に作られたアンドロイドと仲良くなれる。
ちょいちょい彼女の給料っていくらくらいだろうと思わないではない。
・宇佐(その他、ハドー獣人)
ハドーという組織は「主人公がヤバい奴だと思われているんだったら、戦ってくれる相手に困る→んじゃ、資源を使い果たした世界の組織で、ケツに火がついた状態→だからデスサイズでも構わずに襲ってくる」的な設定だったのですが、逆にそんな連中ならメシ食って落ち着けば地球人とも仲良くなれるんじゃね?って感じ。
敵としてのハドー怪人も獣人という都合上、数を作るのも楽で、しかも「それなりに強力」って設定のおかげで苦戦している所に主人公が救援に現れるって展開も作れてお得!
あと、とある別世界のキャプテンUSAは某アメコミヒーローっぽい名前だけど、盾を持っていないのは彼女自体が他者の盾だから。当然、そんな事をしてれば死ぬ。
・ジュン、チョーサク、ミナミ
見た目は化け物! 中身はけっこういい人たち。主人公を含め悪玉から善玉になるのではなく、最初から地球人の味方って立ち位置の人たち。
ミナミさんは「銀河帝国の文化圏では宇宙怪獣サウスガルム」として知られている種族、でも別の文化圏では「旧支配者クトゥグア」として知られている。そのせいでとある場面ではエラい事に……。
いつかの感想欄の返信でも書いたけど、銀河帝国の宇宙巡洋艦を占拠した宇宙テロリストたちが巨大化したミナミさんを見てやたら驚いていたのは、読者諸兄の感覚だと「地球人がクトゥグアを差し向けてきた」って思えば分かり易いかもしれぬ。
・長瀬咲良と愉快な仲間たち(デモンライザー)
主人公を強制的にステルスモードにする女。
本編登場前に過去編を用意されていたり、作中唯一、挿絵があったりと、もうこれ誰が主人公だか分かんねぇな。
変身するまでが長かったり、変身する前にデモンライザーの力を使って怪我をしたという描写があったり、色んな平行世界でも存在感を示していたり、ホント扱いが良いよね!
元々は「主人公が時空間エンジンとかわけわかんねぇモン持ってるなら、ラスボスはオカルトで戦うしかないじゃない!?」と思ってた頃に構想してた子。
でもよくよく考えてみると主人公はバカ兄貴と一緒に本編開始前にク・リトル・リトル(本作ではクトゥルーの末端端末の扱いだけど)を殺ってる設定だったので「オカルトじゃ駄目か……」ってなってラスボス案は没になりますた。
・D-バスター
コイツ、何やっても許される感あるよね。
D-バスターにショゴスD-バスター、平行世界のD-コマンダーに量産型D-バスター、脳波コントロール対応型D-バスターにジャイアントD-バスター。コイツらだけGジェネでもやってんのかな?と思う。
作者としては「最近、コメディ成分が足りねぇなぁ」と思えばコイツら出しておけば良いので楽。
・泊満さん
100歳超えた爺。でも強い。作者が何かの本を読んで対戦中のエースパイロットが「昼間でも星が見える」とか言ってたってのを見て「刻が見えるニュータイプと変わらんやん!」って思って、そこから着想を得たキャラクター。で、戦闘機乗りから戦車兵へ。
強キャラ感は出せたと思うので、そのせいか噛ませ犬にしちゃった感はあるので彼には申し訳ない気持ちです。
・ルックズ星人(アっ君、イっ君、イっ君の弟)
ルックズ星人のコンセプトは「地球人より人間らしい異星人」、結果は作中香川県民に人生を狂わされた人たち。
・桑原天(“輝く巨人”、UUT、うどん屋さん)
元々は咲良ちゃんの後にラスボスとして想定していた子。
「すでにオカルト入ってるク・リトル・リトルを主人公が倒していたから」って理由で咲良ちゃんラスボス案を没にしたのに、ク・リトル・リトルみたいな巨大な敵を用意するって作者はバカなんじゃなかろうかと思う。そういうわけでもちろん没。
その後なんやかんやあってほぼ別のキャラクターとなって登場したわけだけど、主人公の蚊帳の外感をのぞけば良いキャラに仕上がったんじゃないかと思う。
・ロキ
なんかコイツのせいにしとけばすんなりくる気がする。
善玉でも悪玉でもない独自の立ち位置にできたんじゃないかなぁと思います。
ちな、コイツの手下がラスボスだった時には明智君にボコられる予定でした。
・シュブ=ニグラス
なにしても許される系のビッチ系邪神様。
・石動誠
本作のラスボス。
今まで積み木のように積み上げてきたストーリーの上に乗せる最後の1ピースとしての強大なラスボス。
主人公の影が薄くなったりと弊害もあったものの、ラスボスの強さを描写できた事で私の拙い大河的転回は完璧なものではないにしても価値のあるものにできたのではないだろうか?
あと、ラスボスとしてペイルライダーを思い付いた後、「デスサイズの必殺技が『デスサイズキック』だから、平行正解の存在であるペイルライダーの必殺技として『ペイル“ライダーキック”』が使えるじゃん!」って気付いた時は1人で嬉しくなりました。
・ブレイブファイブの人たち
本作はコメディってタグ付けてる割に人がよく死ぬので、話が重くなり過ぎないように「なろう」的に異世界に行ってる事にしたのに、話が長くなりすぎるからって端折られて異世界での活躍はハナとケツだけになりました。
以上、色々と書き連ねてきましたが、名残惜しい気持ちは尽きぬものですね。
それではまたどこかでお会いしましょう!
ご愛読、誠にありがとうございました!




