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プーの流れ星 ‐ ウィキパディア

ウィキパディア-フリー百科事典

ページ/ノート

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プーの流れ星

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プーの流れ星とは高度約32,808フィートから高度約98,425フィート上空を高速で飛行している正体不明の飛行物体群である。聖歴1678年現在では観測できているだけで8,898個のプーの流れ星が確認されている。

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概要


プーの流れ星は聖暦の時代より古くからその伝承が各地に残されており古い時代から存在する飛行物体群である。長年、天文魔道学の分野において研究が続けられている。その飛行ルートは非常に不規則であり現状、計算などによる通常手法による飛行ルートの算出は不可能であり現状での飛行ルートの予測はプーの流れ星を専門的に研究している天文魔道士の魔道予知術のみとなっている。しかし、魔道予知術による飛行ルートの予知も予知精度は現状では高くはなく、予知範囲は広域となっている。


プーの流れ星の正体がなんなのかという議論の記録も残っているだけでも古くは聖暦356年頃にまで遡る。しかし、現在に至るまでその正体は多くの天文魔道士によって仮説が出ているものの、分かっていない。


しかし、長年行われていた観測によってプーの流れ星の飛行形態などにはある程度の研究が進んでいる。プーの流れ星は基本的に集団飛行、単独飛行、規則飛行と呼ばれる飛行を行っているとされる。以下はそれについて解説する。


・集団飛行

プーの流れ星は基本的に多数のプーの流れ星が集まり飛行している。現在、集団飛行をしている集団は2つ確認されており、それぞれが、命名者の名前を取って天体魔道学においてはビルヘルム集団とラインハルト集団と呼ばれている。両、集団は互いに約3,106.856マイルから6,213.712マイル以上の距離を取って飛行している。ビルヘルム集団は4,449個、ラインハルト集団は4,321個で集団を有している。この様に集団で飛行をする集団の飛行を集団飛行と呼ぶ。


・単独飛行

プーの流れ星は基本的に集団飛行をしているが現状137個のプーの流れ星が単独、もしくは2個から3個の小集団で飛行している個体が確認されている。この大集団には属さずに飛行をしている個体を単独飛行と呼ぶ。単独飛行のプーの流れ星は現在、137個が確認されているが、単独飛行の個体は発見が難しい為、今後も新たな個体が発見される可能性がある。


・規則飛行

規則飛行とは集団飛行、単独飛行のみならずに確認される飛行である。規則飛行は最低3個から最大10個のプーの流れ星で構成される。プーの流れ星は集団飛行、単独飛行に関わらず、V字型になるようなまるで飛行編隊を形成しているかのような規則的な飛行を行う。これを規則飛行と呼ぶ、この規則飛行は3個以上のプーの流れ星が集まると形成される。


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研究


プーの流れ星に関しては多くの研究者から様々な仮説が発表されているが、王国連合天球天文魔道学連盟が公式に発表している仮説は現状、天体説、魔獣説、動物説、魔力収縮体説、レイライン説、古代遺物説の5つである。このうち、魔獣説、魔力収縮体説、レイライン説に関してはセレント島事件を受けて現在では否定されている。以下は説一覧。


・天体説

天体説はプーの流れ星が文字通りの天体であるとする説である。天体説を主張する天体魔道学者はプーの流れ星を超低空衛星と呼称しており、天球を公転する月やルナツと同じ衛星だとしている。天体説によればプーの流れ星は天上世界より落下してきた流れ星が天球の聖大気圏に突入後も摩擦熱によって消滅せず、速度と突入角度の関係で天球の聖大気圏内の飛行を続けているとされる。プーの流れ星の軌道が読みにくいのは空気摩擦や大気の流れが原因とされる。しかし集団飛行や規則飛行の原理が説明されておらず、天体魔道学者の間でも天体説に対して否定的な意見を取る者が多数居る。


・魔獣説

魔獣説はプーの流れ星がある程度の知性を有した魔獣の一種ではないかという説である。この説は魔道生物学者が提唱している説であり、プーの流れ星の規則飛行や集団飛行、単独飛行などを単なる自然現象では考えられないとし、プーの流れ星を魔獣であるとの説が提唱された。この説はプーの流れ星の挙動が詳細に分かるに連れて考えられた説で最初に提唱されたのは聖歴1378年頃となっている。しかし、この魔獣説はセレント島事件を受けて現在では魔道生物学界から否定されている。


・動物説

動物説はセレント島事件を受けて魔獣説が完全に否定された事を受けて聖暦1632年に魔道生物学界から新たに提唱された説である。プーの流れ星が通常の魔力を持たない動物と同じ普通動物の分類であるという説である。


・魔力収縮体説

魔力縮退説は大気中の魔力が収縮した事によってプーの流れ星が現象として発生したとする説である。しかし、現在ではセレント島事件を受けて現在では否定されている。


・レイライン説

レイライン説は通常、地中に存在している魔力の流れであるレイラインが上層の大気中においては低酸素等の環境的要因が重なり大気中の魔力がレイラインを形成し存在し、それが視覚可能な発光現象を起こしながらプーの流れ星として現れているという説である。しかし、現在ではセレント島事件を受けて現在では否定されている。


・古代遺物説

古代遺物説とはセレント島事件を受けて天体魔道学、魔道工学、魔道考古学の観点から提唱された説である。主に考古学的観点から見られた説であり現在知られている文明以外の未知の第三の文明がプーの流れ星を何らかの目的で開発したとする説である。しかし、最新の魔道考古学では聖暦以前の時代にも文明があった事が知られているが、聖暦以前の時代の魔道の技術は未熟、もしくは存在しなかった可能性が指定されており魔道の力なしでのプーの流れ星の挙動は考えられないと古代遺物説に関しては各界からの批判が存在する。


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プーの青い帯


プーの流れ星は地上から見ると蒼いラインを描くように飛行しているように見ることができる。この飛行した軌跡が短時間に渡って青く光り帯状に線を描いている事からこの現象はプーの青い帯と呼ばれている。


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プーの落下現象


プーの流れ星は通常、亜音速と呼ばれる超高速の速度を維持して飛行している。その為、落下する事は無いが、プーの流れ星は数年から十数年に一度の頻度でその個体の内一つ、もしくは複数が地上に落下する原因不明の現象を引き起こす事がある。これはプーの落下現象と呼ばれており、一度落下した場合、落下地点に甚大な被害を引き起こしている。複数落下の現象は現在より約600年前の記録以降確認されてはいない。現在までに判明している詳細な落下数は全世界で2339地点である。しかしながら、実際の数はこれよりも多いと予想される。


・プーの落下現象の前兆と落下までの過程

プーの流れ星がプーの落下現象を引き押す前兆は近年になって長年に渡る度重なる観測によって確認されている。プーの落下現象を引き起こす個体はその多くはビルヘルム集団に属している個体であるとされる。ラインハルト集団からの落下現象は観測史上3回ほどしか確認されていない。一方でビルヘルム集団からの落下現象は観測の本格開始後、少なくとも100回以上が確認されている。ビルヘルム集団においては、プーの落下現象を起こす個体は規則飛行の列から外れ、突如として単独の飛行を始め加速現象が発生する。この際、落下しないその他の集団も離れていく落下する個体に遅れて高度を維持した状態で追尾する様な現象を見せる。その後、落下する個体が高度を下げて徐々に落下のコースに入ると、その他の落下しない集団の追尾現象が徐々に止まる。そして落下個体からある一定の距離をとった状態で、規則飛行の形が崩れプーの流れ星が一列となる。落下する個体はその後、地表に落下する。この際、一列となった集団は落下地点を中心に影響範囲外を円状になる様に飛行を行う。この飛行は凡そ5時間に渡って続く。その後は再び規則飛行の状態に戻り、通常の飛行を行う。


ただし、これは集団に限った事であり、単独飛行の個体に関しては落下の前兆は高度の低下と加速以外には確認されない。


・落下の影響

プーの流れ星は地表に落下すると地表へと墜落寸前の地上から約984フィートから約1968フィートの間の空中にて大規模な爆発現象を発生させる。この現象は非常に広範囲にわたって影響を引き起こす。プーの流れ星は爆発すると半径約8,748.91ヤードの範囲に渡って巨大な超高温の火球を発生させる。それとほぼ同時に強力な熱線と衝撃波、爆風が発生し爆心地から離れた地域にも甚大な影響を与える。これほどの巨大な爆発現象は現状、プーの流れ星の落下以外には確認されておらず現状、天球上で発生する爆発現象の中では最大規模の爆発である。この爆発は遠く離れた場所からも確認が可能であり爆発地点から離れた地域からは巨大なキノコ状の雲が確認する事ができる。


さらに爆発の終息後もこれらの爆発に巻き込まれた地域では原因不明の奇病が蔓延する傾向にある。この奇病は対策方法が現在でも確立されておらず、爆発後は爆発の範囲内だった地域では長期間に渡って多くの種族、動植物が住めなくなるという事態が発生する。特に爆心地に近ければ近いほど原因不明の奇病の影響を受け、爆心地では人間種は5分、屈強な種族とされるリザードマンでさえも30分も生存していられないとされる。これらの奇病はその後、時間の経過と共に影響力を衰えさせていくが、生物にとって無害な状態になるまでには、少なくとも20年以上の時間が必要である。また、この奇病によって影響を受けたと思われる奇形動植物や奇形児などの存在も多数報告されている。


 ・爆発と奇病の原因

現在の所、プーの流れ星がなぜ爆発するのかはその原理は解明されていない。爆裂系の魔道の一種であるとの指摘もかねてよりあるが、爆発の発生時の観測では現在までに一度も爆発に関連すると思われる魔力は検出されていない。また奇病に関しても呪術に関連する魔道が発生している疑惑が兼ねてより指摘されているが奇病の発生地域では呪術に関連する魔力も検出されず、いずれも原因不明となっている。


・対策

現状、有効な対策は前兆を観測し落下予想が出た場合は落下地域に住民を地下へ避難、もしくは魔道士教会や城など、魔道による強力な結界が張られた場所などに避難する方法しかないのが現状である。しかも、落下の前兆現象発生後、落下までに要する時間は僅か数分であり充分な数の魔道士が居ない場合は対応が非常に困難となる。各国の首都ではこの対策として有能な魔道士が多く居る場合、超高純度の希少魔道鉱石を有する国の場合は都市全域に広域結界を張る場合もある。結界を張った場合は結界以内においては奇病の発生度が外部に比べて極端に低下し人体に殆ど影響がないように出来る事が確認されている。過去には航空魔道士部隊などによるプーの流れ星を撃墜する試みも行われたが、全て失敗している。


・落下地点について

これまで、記録に残っている限りではプーの落下現象が発生した地域はその殆どが、人口密集地や大穀倉地帯となっている。その為、落下が発生すると何らかの社会問題を引き起こす原因となる。


・プーの落下現象が仮説に与えた影響

プーの落下現象はプーの流れ星を研究する上で幾つかの仮説に影響を与えている。中でも魔力縮退説とレイライン説には大きな影響を与えており、魔力縮退説ではプーの落下現象を収縮した魔力が結晶化し、地表に落ちたと考え、レイライン説では上空のレイラインは地下のレイラインに比べて安定性が悪く、地下のレイラインに引き寄せられて落下したと考えられた。


・複数落下事件

プーの落下現象は基本的に1回の落下、もしくは3回程度の個体の落下のみでありそれ以上の数の個体が複数落下する事態は非常に稀な現象となっている。現状、複数落下に関する現象は2回報告されている。以下はその落下事案。


 ・ゴードン事件

聖暦1333年9月2日、当時、北方の大国であったゴードン王国においてビルヘルム集団のプーの流れ星、計53個が落下した。落下箇所は首都エルサンラルランドの他、ゴードン王国の19の地方都市、大穀倉地帯だった。この複数落下現象によってゴードン王国は事実上壊滅し滅亡した。滅亡後、ゴードン王国の国土であった地域のほぼ全域の地域が落下による奇病の蔓延により以後、80年間に渡って植物すら生存が出来ない不毛な大地となった。爆発を生きながらえ近隣諸国に脱出した住民も多く居たが、その殆どは爆発に伴う奇病の影響を受けており5年以内で死亡したとされる。また、ゴードン王国の首都は列強国の中でも有数と言われる非常に強力な広域結界によって首都全域が守られていた事が知られていたが、後に行われた各国共同の調査の結果によると首都の広域結界は3回目の爆発までは防御に成功したが、4回目の爆発には耐えられなかった事が判明した。


 ・聖暦738年頃

現在判明している複数落下において最古の事例であり、また史上最大最悪の被害を引き起こしたとされる落下事案である。レムリア大陸において発生した。この事例が判明したのは聖暦1100年の事である。聖暦1100年当時、レムリア大陸は生命が生存不可能な水晶大陸として知られていた。ここに聖暦997年、流浪の民の大魔道士であったアゼット・アームン老師が弟子達11名を連れてレムリア大陸の探検に訪れた。この際、アゼット・アームン老師ら一行は大陸の内陸部の各所にて魔道文明の痕跡や遺跡を発見した。さらに一行はレムリア大陸における言語の解析に成功し凡そ300年前に大レムリア帝国と呼ばれる一大魔道文明が存在していた事を明らかにした。さらに一行は調査を進めた結果、大レムリア帝国の首都とみられる遺跡の地下にて大レムリア帝国の滅亡の原因に関する資料を発見した。その解読によると、聖暦738年頃、大レムリア帝国の各地の上空にて2つのプーの流れ星の集団(恐らくビルヘルム集団とラインハルト集団であると考えられる)が互いにまるで争うかのように空中で爆発し合い、その爆発の数は帝国全土で三千をも超え、その爆発に巻き込まれ多くの土地が炎に飲み込まれたと記されており、この複数の爆発が原因でレムリア大陸は滅んだとされる。ただし、この判明したレムリア大陸での事例では、その爆発の殆どが通常の落下ではなく上空高くで爆発したと記述されており、プーの流れ星を研究する上では特異な事例として現在では考えられている。


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セレント島事件


セレント島事件とは聖暦1628年にロンディニウム魔道帝国領セレント島で発生したプーの流れ星の落下事件の事である。この時、プーの流れ星は通常であれば大規模な爆発を引き起こすはずであったが、この時は原因は不明だが爆発現象が発生せず、プーの流れ星が地面に墜落するという事が発生した。この際、調査によってプーの流れ星の物体が回収されたが、この物体は魔力を帯びていない事が判明した。また、プーの流れ星の詳細な形状も判明する事になった。この調査を受けて魔力を帯びていない事などから、プーの流れ星に関する仮説の内、魔獣説、魔力収縮体説、レイライン説などの魔道に関連する仮設は否定された。現在、この回収されたプーの流れ星の個体はロンディニウム魔道帝国の帝国立魔道博物館にて保管されている。また、この時、落下したプーの流れ星は集団には属さない単独飛行の個体であった事が分かっている。


このプーの流れ星を解体し調査をしようという議論が兼ねてより存在するが、ロンディニウム魔道帝国魔道省は爆発の危険性を否定できないとして解体作業は現在に至るまで認めていない。


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知能を有する可能性


プーの流れ星は知能を有している可能性が度々指摘されている。いずれも魔獣説、動物説において唱えられており、プーの流れ星の規則飛行、集団飛行、単独飛行などの現象を非常に社会的であると指摘し、さらに聖暦1454年にワーステール皇国の航空魔道士部隊や地上魔道士部隊が落下するプーの流れ星に対して撃墜を試みた際には回避運動の様な現象が見られたとしており、魔獣説、動物説においてはプーの流れ星を知性を有する生物と定義している。


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形状


プーの流れ星の形状はセレント島事件で回収された物は全長が32.1522フィート、幅が10.8268フィートの大きさで全体的には柱の様な正円柱状の形状をしている。先端と思われる部分は丸みがかかった先が尖った様な形状をしている。末端部分と思われる箇所には噴射口と思われる穴が確認された。また、円柱の側面には小さな羽の様なものが、数枚確認されている。ロンディニウム魔道帝国の見解では回収されたプーの流れ星とみられる物体は金属の様な未知の物質で構成されていた事が分かっている。さらに、その表面には「надежда」と奇妙な模様も描かれていた。


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語源


プーの流れ星の語源は神話のラグナロクの章にも登場する悪魔の一族である古の死の五王の一人、プ=チーンから取られていると考えられている。また「プーの流れ星」というプーの流れ星を指す単語自体は聖暦の初期の時代には既に使われており当時の遺跡などに刻まれた古代文字でも同様の単語がプーの流れ星を指す単語として使用されている。


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― 新着の感想 ―
[一言] プーの流れ星は明らかに大気圏で待機するタイプの核ミサイルのようですね。 ロシア滅亡後も残っていたのでしょうかね。しかし迷惑すぎるもののようです。
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