トンガ大首長国防衛局 - ウィキパディア
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トンガ大首長国防衛局
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トンガ大首長国防衛局(現地名称:防衛局)とはトンガ大首長国が有する唯一の軍事組織である。また、平時には警察活動も行う。主に航空隊、陸軍、海軍の3つの部隊で構成される。
トンガ大首長国防衛局の任務はトンガ大首長国の主権と諸島間の海上航路を守る事である。また、トンガ大首長国はイギリス、オーストラリア、ニュージーランドとの間で防衛協定を締結している。
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目次
1.概要
1.1歴史
2.編成
2.1トンガ大首長国防衛局本部
2.2統合軍本部
2.3郷土防衛隊
2.4航空隊
2.4.1航空団
2.4.2訓練航空団
2.5陸軍
2.5.1防衛局作戦軍
2.5.2警備隊(旧防衛局後方作戦軍)
2.6海軍
2.6.1駐留艦隊(旧警備艦隊)
2.6.2海兵隊
3.防衛局海軍の保有艦艇
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概要
トンガ大首長国防衛局は主に航空隊、陸軍、海軍の3つの部隊で構成された軍事組織である。トンガ大首長国防衛局は防衛協定を結んでいるイギリス、オーストラリア、ニュージーランドと関係が強く、近年ではかつては仮想敵国であったアメリカとの関係も強化しておりベトナム戦争や湾岸戦争に参戦して海軍を派兵してアメリカとの関係も強化している。また、トンガ大首長国は海洋国家である為、海上航路の重要性から航空隊、陸軍、海軍の3つの部隊の内、最も国家予算が投入されているのは、海軍となっている。防衛局は平時には国内の警察活動も行っている。トンガ大首長国防衛局は未だにほぼ全ての部隊がブロディヘルメットを正式採用している事でも有名な軍隊である。
・歴史
トンガ大首長国は地球上に現存する国家では世界最古の国家でありその歴史は平坦な物ではなく中世のヨーロッパ人との接触以降、激動の時代となった。
15世紀当時、トンガ大首長国は現在よりも広大な領域を領土としていた。現在のトンガタプ、サモア、フィジー、ティコピア、ニウエ、クック、ツバル、フォリスフツナ、ポリネシアを有しさらに、その影響力はハワイ王国やミクロネシア、メラネシアの一部諸島国家にまで及んでいた。
しかしヨーロッパ人が到来すると、状況は大きく変わり諸外国への影響力は事実上消失した。そして、トンガ大首長国は18世紀までにツバル、フォリスフツナ、ポリネシアをドイツやフランスなどの欧米の国家によって侵略され植民地にされた(ツバルに関してはイギリスの保護地域という名目で事実上の植民地と同じ扱いになった。しかし、現在は回復している)。
当時のトンガ大首長国はイギリスとの友好関係を取り付けることで独立を維持したが、1894年にトンガ大首長国の友好国であり同盟国でもあったハワイ王国がアメリカによって滅亡するとトンガ大首長国は大きな衝撃を受けた。
さらに、1895年、サモア諸島において居住していたアメリカ人の住民がトンガ大首長国の支配は受け入れられないなどと武装蜂起してサモア共和国を宣言する事件が起きた。この事件はウポル島、サバイイ島を中心に発生していたが、この武装蜂起は同島の先住民の戦士団によって鎮圧された。しかし、トゥトゥイラ島、アウヌウ島、マヌア諸島の鎮圧には失敗し、アメリカの艦隊がアメリカ人を保護するという名目でトゥトゥイラ島、アウヌウ島、マヌア諸島を占領し植民地とした。
この一連の事件によって、ハワイ王国の滅亡が他人事ではなくなったトンガ大首長国は近代化した軍隊の創設に乗り出した。それ以前は各島の防衛は各島の部族の戦士に任されていたが、それを一元化する組織の設立の為にイギリスの軍事顧問の協力を得て、イギリス軍をモデルに、そこで結成されたのがトンガ大首長国防衛局である。
トンガ大首長国は第一次世界大戦時にはイギリスの要請で連合国陣営として参戦しイギリスより武装商船を寄与され大戦期間中は自国の領土領海の警戒に務めた。しかし、大戦期間中はトンガ大首長国の領土領海において戦闘行為などは発生しなかった。イギリスより供与された武装商船は当初こそイギリスの平均的な武装商船と同様の内容だったが2代目の武装商船はQF12ポンド 12cwt砲を6門とQF2ポンド砲 Mk VIIIを4基搭載した軽武装の仮想巡洋艦並みの重武装となった。これらのイギリスより供与された武装商船は後に防衛局の本格的な近代海軍の発展の礎となった。
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編成
・トンガ大首長国防衛局本部
防衛局本部は防衛局の全体の兵力を統括する本部である。トンガ大首長国の首都が置かれているトンガタプ島のヌクアロファ(首都)に防衛局本部の庁舎が置かれ、さらに、それに付属する通信施設などがトンガタプ島に設置されている。統合軍本部と郷土防衛隊を配下に置いている。
・統合軍本部
統合軍本部は航空隊、陸軍、海軍を統括する本部である。トンガ大首長国の首都が置かれているトンガタプ島のティーキウに統合軍本部の庁舎と付属施設が置かれている。
・郷土防衛隊
郷土防衛隊はトンガ大首長国に所属する各島々において有事の際の為に自国の防衛を目的とし、地域ごとの組織で編成されている組織である。国家の有事の際には編成地区ごとで防衛に当たる。郷土防衛隊はトンガ大首長国防衛局本部の直属の組織となっている。平時における常備隊員は各部族の戦士階級が務めている事が多い。
・航空隊
防衛局航空隊は2000年に設立された比較的、新しい部隊である。航空機の運用機数が増えた事から陸軍から分離して設立した。各空港を基地としている。航空団と訓練航空団を有している。
・航空団
航空団は訓練航空団で訓練課程を全て終了し航空隊への配属が認められた所謂エリート層のパイロットと訓練航空団で経験をつんだ整備員が配属される部隊である。航空団にはアメリカから輸入したロビンソンR22×10機、イギリスから供与されたウェストランド・スカウト×2機、輸入したセスナ機×4機、オーストラリアの支援を受けて購入したボーイング737‐300(政府専用機)×1を保有している。平時には災害や遭難者の捜索、救出なども行っている。
・訓練航空団
訓練航空団は航空機のパイロットを育成する為に組織された部隊である。ロビンソンR22×2機、セスナ機×2機を保有している。訓練航空団は有事の際には航空団の後方支援を行う。訓練航空団の拠点空港はフィジーのバトア島に置かれている。
・陸軍
防衛局陸軍は防衛局発足時に海軍と共に最初に発足された部隊である。防衛局陸軍の兵力は常備1600人となっている。防衛局陸軍には防衛局作戦軍といわれる部隊と警備隊といわれる後方支援部隊を有している。防衛局陸軍や警備隊はIMIガリル、UZI、M4カービン、M16、FN FNC、リー・エンフィールド、ブローニングM2重機関銃、M203グレネードランチャー等の歩兵装備が配備されている。また、FV432装甲兵員輸送車を2両保有している。
・防衛局作戦軍
防衛局作戦軍には常備1100人の兵士が属しており有事の際には陸上戦の主力となる部隊である。
・警備隊(旧防衛局後方作戦軍)
警備隊は2001年に旧名の防衛局後方作戦軍の名称を改称して現在の名称になった。常備500人の兵士が属しており、平時は主に国内の治安維持任務として警察活動を行っている。実質の警察部隊である。有事の際には防衛局作戦軍の後方支援を行う。
・海軍
防衛局海軍は防衛局発足時に陸軍と共に最初に発足された部隊である。防衛局海軍の兵力は常備5600人となっている。防衛局海軍には駐留艦隊といわれる艦船を扱う艦隊と海兵隊といわれる部隊が存在する。
・駐留艦隊(旧警備艦隊)
駐留艦隊は防衛局海軍が保有している艦船が所属するトンガ大首長国の諸島や島に駐留している艦隊である。現在、艦隊の最大戦力が駐留している基地はニウエである。駐留艦隊の始まりは第一次世界大戦時に発足された旧警備艦隊である。この旧警備艦隊が後に防衛局海軍の戦力拡充と共に駐留艦隊へと再編された。現在、防衛局海軍の最大拠点はニウエ島となっている。
・海兵隊
海兵隊は対テロを専門とする防衛局の特殊部隊部門である。常備100人の兵士が所属している。オーストラリアやニュージーランドの対テロ部隊との交流がある。
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防衛局海軍の保有艦艇
・現有戦力(2014年現在)
【トゥイタトゥイ級1番艦トゥイタトゥイ】
:1933年に日本から輸入した高雄型重巡洋艦。
【ムア級モニター1番艦ムア】
:1952年にイギリスから輸入した洋上迷彩が施されたロバーツ級モニターの二番艦。
【パシフィック級哨戒艇】
:オーストラリアが主催する太平洋哨戒艇計画によって建造され、南太平洋の各国に供与された哨戒艇。防衛局海軍ではこの哨戒艇にブローニングM2重機関銃を搭載して運用している。
【パシフィック級哨戒艇】
【パシフィック級哨戒艇】
【フィジー級哨戒艇】
:2008年に日本のプリンセスヨットジャパン社のクルーザー、プリンセス52を中古で購入し洋上迷彩を施した哨戒艇。
【フィジー級哨戒艇】
【フィジー級哨戒艇】
・駐留艦隊の編成(2014年現在)
・ニウエ駐留艦隊
:トゥイタトゥイ(旗艦)
:ムア
:パシフィック級哨戒艇
:パシフィック級哨戒艇
・フィジー駐留艦隊
:フィジー級哨戒艇(旗艦)
:フィジー級哨戒艇
・ティコピア駐留艦隊
:パシフィック級哨戒艇
・クック駐留艦隊
:フィジー級哨戒艇
・トンガタプ駐留艦隊
・サモア駐留艦隊
・ツバル駐留艦隊




