无限星云 ‐ ウィキパディア
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无限星云
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无限星云(発音:ウーシィェン・シィンイン、日本語:無限星雲、誕生日:7月10日)は中国、ナイジェリアのVtuber。バーチャルアーティスト。個人活動を経て、その後はラゴス・テレコムに所属。愛称はウーシェン。最後のVtuberとして一般に広く知られる。
プロフィール
キャラクターデザイン:ふうまたろう(キャラクターデザイン・モデリング)
別名:Sleeing Girl
:Ear Crusher
:Last Vtuber
誕生日:7月10日
年齢:自称16歳 → 宇宙年齢16歳
性別:女性
身長:145cm
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人物
職業 :Vtuber
公式サイト:Youtude → Nigeriabook
公式別名 :無限星雲(日本名)
:Wuxian Hoshiun(英語名)
チャンネル:Wuxian Ch,无限星云
活動期間 :2020年‐2058年
ジャンル :動画配信
:ゲーム実況
:アニメや映画の同時視聴
:歌配信
:ASMR
登録者数 :1,1080人(Youtude)
アクセス数:189万人(Nigeriabook)
所属 :ラゴス・テレコム
関連人物 :ANEW
:Jenny Marksthin
:Tendou Misaki
挨拶 :ヘイ ガーイズ!次元を超えた新星!无限星云で~す!(英語)
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概要
次元の彼方より地球に降り立った宇宙の女神。帰り方が分からなくなりVtuberとして活動を始めたという。将来の夢は偉大な女神になる事(設定)。
キャラクターデザインとLive2Dのモデルは日本のイラストレーター、ふうまたろう氏に依頼。ふうまたろう氏とは日本のイラスト依頼サイトを通じて知り合った。ファンネームは "宇宙信者" 。
Vtuberに興味を持ったきっかけは元々、日本のアニメやゲームの文化が好きで、Vtuberの文化に関しても2019年頃から当時、世界最大規模の動画サイトであったYoutude上で視聴していた事から触れており、Vtuberになる事を決めたという。
当時は中国の河北省出身の中国籍で香港に住んでおり、大学に在学中だったが、ふうまたろう氏に依頼を出し、自身が監修した上でLive2Dモデルを製作しYoutude上に自身のチャンネルを開設し活動を始めた。当時19歳。
活動初期はチャンネル登録者数が200人未満であったが、スペイン語の勉強配信を期にチャンネル登録者数が増加し、スペイン語圏の視聴者の増加と共に英語圏からの視聴者も増加。英語圏やスペイン語圏からの視聴者を獲得した。
Youtude時代の活動内容は主にゲーム配信、雑談配信、スペイン語勉強配信が中心でそれ以外の配信は余り行わなかった。コラボ相手としては同じ香港のVtuber、夕焼小春( ゆうやけ こはる )やワトソン・ネムと頻繁にコラボを行った。二人とは仲が良く、オフコラボ配信も何回も行われている。
2021年、父親の周宏傑氏がナイジェリアに赴任する事が決まり、无限星云も大学卒業後の2023年に幼少期から過ごした香港を離れナイジェリアに移住した。香港を離れる前に夕焼小春とワトソン・ネムとはオフコラボ配信を行いお別れ会を行った。2024年、父親がナイジェリア国籍を取得した事から无限星云もナイジェリア国籍を取得。ナイジェリアでもYoutudeを使ってVtuber活動を続けた。
Youtudeチャンネルの最終的なチャンネル登録者数は1,1080人に達した。
2025年にワールドショックが起こると、Vtuber活動を行っていたYoutudeが消滅してしまった事から活動を休止したが、2026年には自身の使用していないゲーミングパソコンを使用して "Wuxian blog Ch,无限星云" ブログを開設し、そこでイラストや画像や文字を主体に日記、ゲームのプレイ紹介やストーリー紹介、アニメや映画やドラマのストーリー紹介や考察などを公開した。
无限星云によれば、ブログの来場者数は初期の頃は一日平均で100件から300件はあったそうだが、ワールドショックの影響により機能するインターネット通信インフラが減少していくと、アクセス数は減少し末期には一日平均で10件から50件程度のアクセス数になったという。
2035年に父親の周宏傑氏がラゴス・テレコムを立ち上げると、2037年にラゴス・テレコムがサービスの提供を開始したNigeriabookの配信番組の一つとしてVtuber活動を再開した。
Nigeriabookは動画SNSの復活を掲げてラゴス・テレコムがサービスを開始した配信プラットホームだが、ワールドショック前のYoutude等の動画配信プラットフォームに比べるとその差は歴然としており、動画の投稿や配信機能はラゴス・テレコムが認めた極僅かな配信事業者( メディアなど )しか認められなかったが、彼女はラゴス・テレコムのCEOの娘であり、父親に娯楽の必要性を直談判した結果、配信が認められたという。その結果、Nigeriabook唯一のサブカルチャーに特化した配信チャンネルとなった。また、Nigeriabookでの活動に伴って、无限星云はラゴス・テレコムの所属となった。
配信内容は当初はYoutude時代の配信内容を踏襲し、ゲーム配信と雑談配信を中心に行った。しかし、Nigeriabookでの活動2年目以降はアニメや映画の同時視聴配信や歌配信、ASMRを行う様になった。无限星云によれば、本来は歌配信やASMRは自信が無くやるつもりは当初は無かったが、現在活動中のVtuberが自分ひとりである事を考え、Vtuberの文化を守る為に行う事にしたとしている。なお。ASMR用の高性能マイクを无限星云は持っていなかった為、ラゴス・テレコムを通じて地元のテレビ局から配信の度に借りて行っていた。
アニメや映画の同時視聴配信は配信画面に直接、視聴するアニメや映画の画面を映し出して劇中音声も含めて視聴者と共に見る方式が採られた。ワールドショック前の社会においては、この様な行為は様々な法に抵触する為、Vtuber文化が盛んであったアジアや欧米諸国では到底許容される物では無かったが、ワールドショック後はもはや著作権を守る様々な法律は存在しないも同然であった為、行う事ができた。この様なアニメや映画の配信について无限星云は自分の好きな文化をもっと色んな人に知ってほしいとし、文化を残す為に行っているとした。
なお、Nigeriabookは基本的には無料で視聴ができるが、各チャンネルの有料視聴者サービスの限定公開の機能(各チャンネルの有料視聴者サービスに登録している有料ユーザーのみが観覧できる動画や配信の機能)を利用してWuxian Ch,无限星云の有料視聴者サービスに登録すると実況無しのアニメや映画の本編の映像のみがアップロードされており視聴する事が出来る様にされた。
无限星云の配信内容の特徴としては配信時間の多くは1時間から3時間程が多い。それ以上になる事は稀となっている。ワールドショック前の自身の体験談や当時のアニメやゲームやインターネット関連の話題などの昔の話題から最近の話題まで幅広い話題を話し、ワールドショック前のオカルトや怪談や都市伝説の話も好きでよく行った。ゲームでゲームオーバーになったりホラーゲームをするとよく絶叫する。ダーティージョークをよく話す。ダーティージョークは本人曰く生々し過ぎなければOKとの事。本人が掲げる配信のポリシーは皆を楽しませる事。
また、无限星云はワールドショック前に撮影した夕焼小春やワトソン・ネムとのコラボ配信の動画を幾つか保存していた為、それも7本公開している。无限星云はこの7本の動画の同時視聴配信も行っており、2人の事を話している際に何度も涙ぐんだ声の様子を見せた。
よくプレイするゲームのジャンルはFPSやアクションRPGが多いが基本的には全てプレイする。プレイするゲームは本人が持っているゲームソフトの他、視聴者から提供されたゲームソフトをプレイしている。デジタルゲームソフト以外にもカメラと手袋を使用してアナログゲームもプレイする。ちなみに、カメラを使って料理配信も稀に行うが、料理だけは壊滅的に下手でまともな料理にならない為、余り行っていない。
Nigeriabookでの活動開始から2年が経過した頃には自身のチャンネル内で自身のチャンネルを併用する形での共演者兼、独立した配信者としてANEWの発表を行っている。ANEWは无限星云の友人で、チャンネル内で週に一度、ANEW単身で歌配信やゲーム配信をした他、无限星云とのコラボ配信を行った。无限星云によれば、ANEWと共に活動を始めたのは一人での活動に限界を感じたからだと言う。
その後、約1年後にANEWはNigeriabookが新たな配信事業者枠を増やした際にこれをラゴス・テレコムから獲得した為、チャンネルを分離し无限星云と同じ様にラゴス・テレコムに所属して自身のチャンネルを開設した。
このANEWのデビューはゲームや歌などを扱う配信者が新たに生まれる大きなきっかけとなり、Jenny MarksthinやTendou Misakiなどの配信者もその後に生まれる事になった。
なお、ANEWやTendou Misakiは当初はVtuberとして活動していた。しかし、技術的な問題によりVtuberのアバターとして用いられるトラッキングを用いたLive2Dモデルや3Dモデルを製作できなかった事から、やむを得ずGIF画像を発音に合わせて動かすアバターを使用している状況だった。この事からANEWやTendou Misakiはその後に、自身達をVtuberとは名乗らなくなり、代わりにGIFtuberを名乗る様になった。
无限星云はANEW、Jenny Marksthin、Tendou Misakiの3人とよく頻繁にコラボを行い、ANEWやTendou Misakiとはオフコラボを行う仲で、ANEWは料理がすごく上手だった事から、ANEWと一緒に料理を作るオフコラボ等を行いその料理を食べて絶賛する配信をしたり、Tendou MisakiとはFPS仲間だった。
Nigeriabookでの活動開始後の人気の推移は活動開始当初から、爆発的な伸びを獲得しており、活動開始から2年後にはNigeriabookで一番のアクセス数を得た。ここまでの急成長を遂げた理由は、ナイジェリアにおけるサブカルチャー文化の下地があった事が理由として考えられている。
ナイジェリアでは1980年代後半から1990年代にかけて日本のロボットアニメなどの作品が放送されており、日本のアニメーションのファン層の下地が作られ、以降、2000年代にはアニメファンコミュニティが形成され日本のアニメーションの人気が高まりワールドショック前には個人単位の小規模オフラインイベントやアニメコンベンション等のイベントが各地で開かれる程の人気を得ていた。しかし、ワールドショックにより新規の日本のアニメーションの供給が絶たれ、さらには海外の様々な映画やドラマや音楽の供給も途絶えた。こうした中、Nigeriabookがサービスの提供を始め、そこで无限星云が活動を開始した事で、それまで新規のサブカルチャー文化に触れられず、さらにはワールドショックによるナイジェリアの社会的、経済的、情勢的な混乱の影響によって娯楽文化にすら中々、触れられなかった人々の層に火が付き人気が急上昇したものと見られている。
无限星云のNigeriabookのチャンネル視聴者数は2058年には130万人を突破し、2068年には189万人に達した。これはワールドショック後、ラゴス・テレコムがナイジェリアにおいて唯一実効的に機能するインターネットサービスプロバイダーである事を考慮すると、2068年現在、ラゴス・テレコムのローカルインターネットサービスの顧客数が約600万人である為、ラゴス・テレコムのローカルインターネットサービス利用者の実に3人に1人が无限星云の配信や動画を視聴している事になる。
无限星云は現在、活動していないが、それでも配信や動画の再生回数は伸び続けており、配信や動画の再生数は2068年現在、最低でも70万再生。最高で1353万再生となっている。
チャンネルの限定公開の動画や配信を視聴できる有料視聴者サービスの登録者数はNigeriabookの仕様上、公開されていない為、正確な登録者の数は不明なものの、限定公開の動画や配信でもその最低再生数は20万再生。最高では600万再生を突破している為、相当数が有料視聴者サービスに登録している物と考えられている。
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出演
以下は公式に出演した例。
・ラジオ
・ナイジェリアラジオ放送公社のニュース番組(ニュースの読み上げ)
・ラジオラゴス(Galaxy☆Radio:无限星云の冠番組。全78回)
・テレビ
・ラゴステレビジョン
・OrugoTV
・プレスTVアフリカ
・AriseTV
・ゲーム
・无限星云ゲームズ(アナログゲーム)
・バーチャル恋列伝(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅱ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅲ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅳ 新たなる希望(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅴ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅵ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅶ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅷ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅸ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅹ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅺ(恋愛シュミレーションゲーム)
・バーチャル恋列伝Ⅻ(恋愛シュミレーションゲーム)
・アニメーションバトルロイヤル(アナログゲーム)
・バーチャルサバイバル列伝( アナログゲーム )
・无限星云戦記Ⅰ(縦スクロールのシューティングゲーム)
・无限星云戦記Ⅱ(縦スクロールのシューティングゲーム)
・无限星云戦記Ⅲ(縦スクロールのシューティングゲーム)
・恋歌無双Ⅰ(リズムゲーム)
・恋歌無双Ⅱ(リズムゲーム)
・恋歌無双Ⅲ(リズムゲーム)
・恋歌無双Ⅳ(リズムゲーム)
・恋歌無双Ⅴ(リズムゲーム)
・ナイジェリアンストラテジーウォー(アナログゲーム※ゲスト出演)
・ナイジェリアンストラテジーウォー(デジタルゲーム※ゲスト出演)
・ライブイベント
・通算94店舗のレストランでモーニングショー(出演はテレビ中継)
・通算89店舗のレストランでランチショー(出演はテレビ中継)
・通算97店舗のレストランでディナーショー(出演はテレビ中継)
※これらの食事付きのショーは年に2回程、朝の部、昼の部、夜の部のいずれもが複数のレストランで同時開催された。
・教育
・ラゴス市の小学生から中学生向け歴史の教科書で紹介。
・ラゴス市のデジタル教育の教科書に紹介。
・ラゴス市の大学で2度講演。
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タイアップ
・ラゴス市内の4つのスーパーマーケットでコラボグッズ販売。
・ラゴス市内の24のホテルで宿泊者にコラボグッズを贈呈。
・ラゴス市水道局とのコラボポスター。
・ラゴス市内のショッピングモールでコラボグッズ販売。
・ラゴス市内の映画館で配信の上映会及びコラボグッズ販売。
・ラゴス市内の児童支援団体とコラボしコラボチャリティーグッズ販売。
・ラゴス中国総領事館とのコラボ対談企画及び中国人支援のコラボチャリティーグッズ販売。
・ナイジェリア華人相互援助協会とのコラボチャリティーグッズ販売。
・ラゴス市の1日市長就任。及びコラボグッズ販売。
・Nigeriabook公式デジタルアンバサダー就任。
・ナイジェリア政府系軍閥のイシャヤ・カツィナ大佐系の勢力が軍用車両全車に无限星云のワンポイントイラストを永久掲載するコラボを実施。※イシャヤ・カツィナ大佐はコラボ前から无限星云のファンを公言していた事で有名。
・ナイジェリア政府系軍閥のイシャヤ・カツィナ大佐系の勢力の1日司令官に就任。コラボポスターでナイジェリア陸軍姿でコラボ。
・イシャヤ・カツィナ大佐系の勢力とのコラボ後、ナイジェリア政府系軍閥の内2つの別の勢力もコラボを実施。コラボポスターに起用。
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衣装
无限星云の全GIF衣装を含めた全衣装の詳細に関しては「无限星云の衣装一覧」の記事を参照。本項目では代表的な衣装を記載する。なお、Live2D衣装の種類は下記の一覧で全てであるが、狐耳と狐尻尾を追加したりする機能の他、女子高生衣装に関しては4段階程、衣服を追加したり減らす機能もあった。
・Live2D衣装
・通常衣装
・着物衣装
・女子高生衣装
・漢服衣装
・GIF衣装
・ナイジェリア衣装
・サンタクロース衣装
・狐のマスコット衣装
・小悪魔衣装
・その他
Live2D衣装に関しては无限星云は香港でのアルバイト代からかなりの額を注ぎ込んだと話しており、キャラクターデザインとモデリングを行ってくれた、ふうまたろう氏と出会えたのは幸運で感謝してもしきれないとしている。
なお、无限星云はLive2Dの各衣装につぎ込んだ予算も明かしており、ふうまたろう氏は相場からすれば額が安く通常衣装は当時の日本円で9万円、着物衣装は9万7千円、女子高生衣装は17万円、漢服衣装は11万円で請け負っていくれていたという。価格は相場からすれば安く設定されてはいたが、ふうまたろう氏は明らかにプロの技術を持っており、かなりよく動くモデルが作られた。
无限星云は自身の配信でなぜ、ふうまたろう氏が相場よりも安く依頼を受けてくれていたのかについて考察しており、彼女の考察では当時はCOVID‐19の世界的な流行が起こっており、この影響によって企業のリストラが相次いでいた事から、ふうまたろう氏もリストラ、もしくは会社を辞めてフリーランスで活動を始めたばかりの頃だったのではないかとしている。
なお、Live2D衣装について。无限星云はLive2DモデルのデータやLive2Dモデルを動かすソフトウェアを所持していた事から、これを解析し複製しVtuberを復活させるプロジェクトを立ち上げていたが、ラゴス・テレコムは電話事業やインターネット事業などの本業を維持する人員で手一杯の状況であった事から中々、プロジェクトは進まず、停滞した状況が長期に渡って続いた。しかし、後述の出来事によりプロジェクトは永久に完遂が不可能な状態となった。
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事件
2058年7月9日22時18分32秒、ラゴス・テレコム本社ビルに隣接する无限星云が住居兼、配信を行っていた社宅ビルにて、自動車爆弾による自爆テロが発生した。この自爆テロにより、社宅ビルは凡そ半分の面積が倒壊、破壊され、社宅ビルに居た5名が死亡、24名が負傷する事態となった。自動車爆弾は无限星云の自宅の真下の階で炸裂し、无限星云の中の人、张雨桐( チョウ・ユートン )氏も爆発に巻き込まれ死亡した。爆発が発生した時刻は丁度、歌配信を終え、明日の自身の誕生日配信を予告して、この日の配信を終えた僅か6分後の事だった。享年57歳。Vtuber歴38年目の事だった。
事件の発生直後、すぐにラゴス・テレコムの周辺をパトロールしていた政府系軍閥の部隊がかけつけ現場近くにいた実行犯のメンバーと銃撃戦となり、その場に居た実行犯のメンバー3名が射殺された。その後は生存者救出作業や火災の鎮火作業が行われた。すぐに警察も動き始め、翌日の7月10日にはこの自爆テロが张雨桐氏を標的とした物だと分かった。防犯カメラの映像には爆発直前の22時17分15秒に张雨桐氏の部屋に向かってRPG‐7だと思われるロケット弾が3発撃ちこまれる様子が捉えられた他、その直後に爆弾を積んだ自動車がまっすぐに社宅ビルの1階部分に突っ込み爆発する様子が捉えられた。
ラゴス・テレコムのCEO周宏傑氏は事件翌日に緊急記者会見を行い、報道陣の前で涙ながらに自爆テロを非難すると共に、自身の娘であり、无限星云の中の人でもある、张雨桐氏の死亡を公表した。无限星云の中の人が张雨桐氏である事はこの時、初めて公表された。誕生日配信を翌日に控え配信予約枠まで配信サイトに既に出されていた中、起こったこの悲惨な事件はラゴスやその近郊の住民を震撼させる大事件となった。
ラゴス市内では无限星云のファンの多くが街に繰り出し各地で泣いている様子が見られた。ラゴス州政府庁舎とラゴス市庁舎は半旗を掲げ、多くの住民も半旗を掲げた。张雨桐氏が生まれた母国でもある中国の総領事館も半旗を掲げ、声明を発表し彼女の死は全人類の損失だと発表した。そうした中の19時頃にラゴス市内のテレビ局など報道機関に一斉に犯行声明文がメールで届けられた。犯行声明を出したのは政府系軍閥と長年、対立しているイスラム過激派勢力ボコ・ハラムだった。
7月11日、ラゴス市内では事件を防げなかった政府系軍閥に対する住民の怒りから暴動が起こった。政府系軍閥は地区の警備担当者を解任させる事を即日表明した。また、ラゴス・テレコムと契約している政府系軍閥は連名で自爆テロを行った勢力を徹底的に殲滅すると表明した。しかし、そうした中、17時頃にラゴス市内で活動しているキリスト教系過激派団体KNNも犯行声明を発表した。KNNは長年、无限星云の活動を背教的として批判している事で有名な団体であった。
これらの犯行グループに関する情報はすぐにメディアやインターネットや口コミを通じて広まり、ラゴス市内では怒る市民達が様々な物を持ち寄って徒党を組み、KNN系団体の施設等を襲撃した。この襲撃には政府系軍閥の一部も加わっており、勝手に基地から出発したT‐72M1戦車がKNNの本部施設を破壊し、施設に居た団体幹部を市民らと協力して地面に縛り上げた上で寝転ばせて戦車でひき殺すなどした。この襲撃によりKNN系団体の関係者138名が殺害され、22名が重症を負った。なお、犠牲者の中にはKNNのメンバーでない一般人も少なくとも7名含まれており、群衆に間違えられて殺害されてしまった。KNNはこの襲撃によって消滅した。
ボコ・ハラムに対しては7月下旬から政府系軍閥による攻勢がかけられ、ボコ・ハラムの中心都市マイドゥグリへの複数回の報復空爆も行われた。
実際に犯行を行った犯人グループはボコ・ハラムか、もしくはKNNのどちらか一方であると警察は考えているが、2068年現在もどちらが、実際に犯行を企てたのかは議論が分かれており真相は不明である。なお、ボコ・ハラムは2068年現在に至るまでこの事件を主導したと主張し続けている。
事件後、ANEWは配信活動がストップし事件から3ヵ月後の10月8日に、事件のショックから活動をしばらく休止すると発表。Jenny Marksthinは7月11日にテロリストを非難する配信を行い张雨桐氏の冥福を祈り、視聴者に向けて "彼女はこんな誰もが思いもしないような形で旅立ってしまったけど、彼女が活動した証は永遠に残る" と言葉を投げかけた。Tendou Misakiは7月19日に事件後初めて配信を行い、その場で泣きながら无限星云を忘れないでと呼びかけ "无限星云の中の魂は次元の彼方へと帰ってしまったかもしれないけど、无限星云は皆さんの中で永遠に生き続ける" と語った。ANEWも休止発表から3カ月後に復帰し、配信活動を絶対にやめないと表明した。他、Nigeriabookで配信活動を行っている13人のGIFtuberも各々に事件を非難する表明もしくは配信を行っており、これらによってNigeriabookでサブカルチャー系の活動を行う全配信者が事件を非難した。
この事件はナイジェリア、ひいては地球のVtuber文化に破滅的な影響を与えた。まず、无限星云というナイジェリアで唯一のVtuber兼、ナイジェリアのインターネット界及びラゴスにおいて最も著名かつ人々から親しまれていた人物が殺害され失われてしまった事。そして、さらには无限星云が行っていたVtuber文化の復活プロジェクトであるLive2Dモデルやそれを動かすソフトウェアの解析を行っていた部屋が、丁度、无限星云の住居の真下の階にあり爆発によって機材もろとも破壊された他、その解析元であるデータやソフトウェアが保管された无限星云の部屋も破壊され失われた事により、无限星云が夢描いていたVtuber文化を復活させるという試みが永久に絶たれてしまった。
无限星云はワールドショック後の地球において唯一活動していたVtuberであった事から、これにより、地球上におけるVtuberは完全に消滅してしまった。この事からラゴスの人々は事件以後、无限星云に関して彼女への尊敬と敬愛を込めて "最後のVtuber(英:The Last Vtuber)" や "地球最後のVtuber(英:The Last Vtuber on Earth)" との敬称を付けた。
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事件後
无限星云のNigeriabookのチャンネルは事件後も全てのアーカイブを残す事に決まった。チャンネルの有料視聴者サービスも引き続き継続された。本来、2058年7月10日に行われる筈だった彼女の誕生日配信の配信予約枠も配信時間を延期し続ける事でそのままの状態で表示され続ける事が決定さた。また、事件現場となったラゴス・テレコムの社宅は、爆発を受けても残った建物の部分は修復され引き続き社宅として利用されたものの、爆発による倒壊した箇所の敷地には公園が整備されており、この公園はグラウンド・ゼロと一般的には呼ばれ、无限星云の部屋があった地点には无限星云のイラストが、ふんだんにあしらわれた慰霊塔が設置された。无限星云の中の人、张雨桐の墓はラゴスの市内にあるアピーナ墓地に埋葬され、墓石には彼女の写真の他に生前に彼女が好きだと公言していたアニメキャラクター達やゲームキャラクター達に囲まれた无限星云のイラストが描かれた。
現在も彼女の命日にはラゴス中で半旗が掲げられ、彼女の眠る墓地や事件現場の跡地に整備された公園では追悼集会が開かれる他、誕生日には追悼イベントが各地で開かれている。追悼集会は彼女の死を悼む厳粛な集会であるが、追悼イベントはサブカルチャー等の文化イベントが開かれている。この追悼イベントは彼女と交流の深かったANEWやJenny MarksthinやTendou Misakiの呼びかけによって始まったイベントで、无限星云は自身の配信のポリシーを皆を楽しませる事と公言していた事から、悲しみ続ける事を彼女は望んでいないとして楽しいイベントをしようと企画して始まった。この3人の呼びかけによって始まったこの追悼イベントはその後、ラゴスの人々に伝播し企業から個人のレベルまで様々なイベントが模様される様になり、現在ではラゴスで年に一度のフェスティバルの様なイベントとなっている。正式な名称は追悼祭であるが、一般的にこの追悼イベントは无限フェスティバルと呼ばれている。この追悼イベントは現在、ナイジェリア最大の映画やドラマをも含めたサブカルチャー祭として知られる。
なお、公式的には无限星云は死亡してはいない事になっている。ラゴス・テレコムは无限星云に関して彼女は一時的に次元の彼方へと帰っただけという立場を示しており、无限星云のNigeriabookのチャンネルの概要欄には "无限星云は皆さんが忘れない限り永遠に生きています。彼女は一時的に故郷の次元の世界に帰ってしまっただけです。次の誕生日配信までには帰って来る予定ですが、恐らく寝過ごしてしまっているのでしょう" と書かれている。
この无限星云が死亡していないとするラゴス・テレコムの立場の決定にはTendou Misakiが言った "无限星云の中の魂は次元の彼方へと帰ってしまったかもしれないけど、无限星云は皆さんの中で永遠に生き続ける" が影響しているとされる。Tendou Misakiが事件を受けて配信中に述べたこの言葉は、その後、无限星云の多くのファンに大きな影響を与えた。
无限星云の身に起きた事件の影響は政治情勢にまで大きな影響を与えている。ラゴスを中心にアブジャ、イバダンではインターネットの自由を掲げる政治団体ナイジェリア・フリーダム・インターネット・ユニオン(英:Nigerian Freedom Internet Union 略:NFIU)が結成された。この政治団体は発足されるとラゴスにおいて、すぐに爆発的に支持者を増やし、ラゴス最大の政治団体となった。支持者の多くは无限星云のファンの他、Nigeriabookを普段見ている人や、インターネットを利用している人々となっている。この政治団体には政府系軍閥の一部勢力も参加している。2068年現在、NFIUはラゴス市議会において最大与党を形成している他、内戦の影響により政治機能としては殆ど機能してはいないものの、ラゴス州議会においても最大野党派閥を形成している。
NFIUは団体のシンボルに无限星云を使用しており、様々な无限星云のイラストが様々な用途でよく使用されている。例えば、団体旗はナイジェリア国旗とラゴス州旗を組み合わせた様なデザインの旗が使用されているが、この旗には无限星云イラストが何処かしろに挿入されて使用されている。比率としては无限星云のミニキャラが使われている物が多い。NFIUの規定によれば、団体旗には无限星云のイラストを入れるのが決まりとなっている。なお、特段、決まったデザインのイラストを団体旗に入れる必要は無く各々が自由に无限星云のイラストを団体旗に印刷や張り付けて使用して良い事になっている。NFIUはTendou Misakiが言った "无限星云は皆さんの中で永遠に生き続ける" を団体の標語としており、団体旗やTシャツなどにも書かれている事がよくある。NFIUの集会やイベントやデモ等では、この様な団体旗やグッズがよく使用されている。
なお、NFIUは无限星云を団体のシンボルとして使用しているが、无限星云が所属するラゴス・テレコムは会社としてこれを公認した事は一度も無く、あくまでもNFIUで使用される无限星云はラゴス・テレコムの非公式に行われている。
事件後の配信業界全体の変化については、地球最後のVtubeが消失してしまったという結果は変わらず残ってしまったが、事件から1年後にはラゴス・テレコムはGIFtuberの配信枠の拡大を発表。Nigeriabookに新たに7つのチャンネルが開設され、配信者オーディションも大々的に開催される事になった。これによってGIFtuberの総チャンネル数はNigeriabook全体の合計で現在20チャンネルとなっており、業界としては拡大を続けている。
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