死地 - ウィキパディア
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死地
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死地(しち 大陸共通語:□□□□□ □□□)とは、アルカディア地方のセネラル海に位置するロボス大陸の大陸内外における呼称である。
ロボス大陸はインド亜大陸に相当する面積の大陸。ドルネア軍事国のフェンデルツ辺境伯領に属する。
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概要
死地は現在のロボス大陸の古来よりの呼称。中央暦307年頃に成立した十八勇者伝説がその初出。十八勇者伝説は世界的な伝説である為、この影響からロボス大陸は死地と世界的な半ばの名称となった。
日本においては西暦2037年(中央暦23001年)以降に、充分な量の再構築後の詳細な地理情報を、日本及び、日本と共に唯一の地球国家であったフランス共和国の両国が降臨世界の国々などとの交流を通して得る事ができた事から、これらの国々がロボス大陸の事を様々な現地の言語で死地と呼んでいた為、日本やフランスにおいても、ロボス大陸の通称名は死地と呼ぶ様になった。
なお、フランス国内においては一部の人権団体などから、死地と呼ぶ事について批判の声がある。こうした一部の人権団体は死地の名称は現地の人々への差別を助長する恐れがあるとし、正式名称のロボス大陸と呼ぶべきだとしている。フランス政府はこうした一部の批判については、諸外国では死地という名称が一般的であり、また、ロボス大陸の人々も自分たちの住む土地の事を死地と呼んでいる事を指摘し死地の名称は問題ないとの見解を示している。
死地であるロボス大陸の人口は西暦2044年(中央暦23008年)現在、推計で73万人。ドルネア軍事国のフェンデルツ辺境伯領である。最大都市はフェンデルツ辺境伯の首府が置かれているメルテッロス市。メルテッロス市の人口は7万人。メルテッロス市を除いて人口が1万人を超えている都市は他になく、小規模な村や町が各地に点在している。
死地の人口の大半は獣族で、それ以外の種族の数は非常に少ない。人族や魔族は全人口の3%未満である。この人口比率は、他の地域では獣族と他種族の人口比率は獣族は多くても20%未満であるのと比較しても非常に高い数値であり、死地は世界で最も人口に対する獣族が占める割合が高い地域となっている。
主要産業は第一次産業が中心である。農耕が盛んで、一部では小規模であるが鉄鉱石、金鉱石、銀鉱石、魔法鉱石などの鉱業も盛ん。大陸外との交易は余り盛んではなく、経済活動の殆どが死地内によるものとなっている。西暦2044年現在は良質な石炭の鉱脈と天然ガス油田がフランスの企業によって発見された事からドルネア軍事国との合意のもと、合弁会社の設立等の共同開発の計画が進められている。
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十八勇者伝説
ロボス大陸が死地と呼ばれる様になった経緯は中央暦307年頃に成立した十八勇者伝説まで遡るとされる。日本やフランスにおいては、西暦2043年時点までは、考古学的には十八勇者伝説の信憑性は疑問視されていた。しかし、西暦2044年にこの伝説は概ね事実である事が証明された。
なお、降臨世界から地球へと転移してきた国家においては十八勇者伝説は歴史的事実として扱われていた。これは、降臨世界からの転移諸国には天使と呼ばれる存在が古来より存在しており、これら天使は中央暦0年の降臨と呼ばれる出来事によって、以降、現在に至るまで降臨世界諸国に存在し続けている寿命のない存在で、これらの存在を中心に十八勇者伝説は語られ、そして、これを聞いた庶民の間で語り継がれていた為である。
ただし、十八勇者伝説の内容を正確に知っている人は降臨世界の地域において稀である。正確に内容を知っているのは、天使や神官など、天使に近い者が多い。一般庶民においては十八勇者伝説を含めた多くの神話はあくまで物語として、知られており、信仰とは切り離されている為、これらの物語を好む人ならば、知っているが、興味のない人は十八勇者伝説やそれに登場する単語等の名前は知っていても内容までは知らない人が大半である。
十八勇者伝説の大まかな流れは、魔族との戦いの始まりの章と、勇者召喚の章、勇者の旅立ちの章、勇者結集の章、聖戦の章、勝利の章、怒りと滅びの章、新たな章の、計8つの章で構成される。執筆は全編が、執筆の神であるテウト神に仕える天使セルエルによって執筆され纏まとめられた。
なお、この8章の内、7章までが中央暦307年頃までに十八勇者伝説として完成した。8章目の新たな章が十八勇者伝説に加えられたのは、中央暦2850年頃の事である。
以下は十八勇者伝説に記載されている死地に纏わる簡単な内容。ただし、十八勇者伝説の内容は膨大である為、あくまでここに書かれている内容は表面的な内容である事には留意。
その昔、中央暦200年。魔族の王、魔王ルキフェルは魔族を率いて神々に対する大規模な反乱を起こした。魔王ルキフェルは魔族の領域の天使達を幽閉した。そして、全魔族を率い魔族以外の全種族を打倒し、神々すらも打倒して降臨世界に魔族による王道楽土を作らんとした。
魔族の神々への反乱に対して、天使達は激怒した。神々の子達(この場合の神々の子達とは降臨世界の全ての種族の事を指す)を守る為に魔族の打倒を全種族に啓示した。全種族は魔族の打倒の為に団結する事となった。国々はそれぞれの諍いを捨てさり、神聖同盟を結成した。軍団を組織し、新たな魔法を作り、剣を作り、槍を作り、弓矢を作り、新たな武器である魔法筒(魔砲)も作った。聖戦が始まった。
しかし、魔王ルキフェルに率いられた魔族の軍団は強大だった。魔族によって多くの国々が攻め滅ぼされ、男は殺され女は奴隷や家畜となった。さらに魔王ルキフェルは畏れ多くも神々にしか許されない生命の創造に手を出した。知性の無い獣である魔獣を創造し、それを全世界に解き放った。魔獣は世界各地で多くの被害を出した。
聖戦は80年以上もの歳月を経たせた。狡猾な魔王ルキフェルの戦略と策略により、気づけば世界の半分以上の土地が魔王ルキフェルの軍団に支配されてしまった。
神聖同盟にはもはや、成せる事は少なくなっていた。もはや、魔族からの攻撃に耐える事だけが精一杯であった。民が魔族によって蹂躙されようとも、捕われようとも、もはや救うすべは無かった。
だが、ドドルス帝国の魔法使いリチャード・エヴェリフェクトは、諦めなかった。リチャード・エヴェリフェクトは古の時代の文献を探す旅に出て、幾月日の時がたった後に、古の時代、降臨暦より以前の古い時代に使われていたという古の魔法、勇者の召喚魔法を発見した。リチャード・エヴェリフェクトはすぐに国へと帰るとこの召喚魔法の事を皇帝へと伝えた。皇帝は大層喜ぶと、各国に使いを出した。
リチャード・エヴェリフェクトの発見はすぐに全ての国々に伝えられた。そして、多くの魔法使いがリチャード・エヴェリフェクトの召喚魔法を学んだ。
勇者の召喚は18人を召喚するのが限度であった。勇者の召喚は最高神ゼウスの神殿で行われた各国の王による神前会議の末、18の魔法に優れた国々が行う事となった。ドドルス帝国、ノモネア帝国、アマゾネス、アルテミス王国、ヘルメスリア王国、ディオニューソス王国、ベルセポネス王国、アイルーン王国、アシアー王国、アルセイス王国、ドリュアス人国、ネーレーイス海上帝国、ヘーラーイース、ポモルネア、デュオッソス王国、ラクセリア王国、ポポルネア王国、ゼクセン首長国。この18の国が召喚を行う事となった。
そして召喚魔法は行われた。召喚された勇者はそれぞれ、ドドルス帝国のミハイル・クズネツォフ。ノモネア帝国のアルミニウス・マクシミリアン・アーベントロード。アマゾネスのムラタニ・ダイスケ。アルテミス王国のミキス・イリオポウロス。ヘルメスリア王国のヘンリー・ブルーフォード。ディオニューソス王国のシュ・ジュカ。ベルセポネス王国のオウ・ラン。アイルーン王国のサチン・メータ・ルイ。アシアー王国のアーデル・ハジャル・ハーレ。アルセイス王国のセキセイ。ドリュアス人国のサロージニー・タゴール・チャットパディヤーイ。ネーレーイス海上帝国のジュリアン・ウッド・カーター。ヘーラーイースのアン・ショーン。ポモルネアのトゥー・スアン・チャ。デュオッソス王国のジリオラ・マルターニ。ラクセリア王国のアリシア・ロペス・リベーラ。ポポルネア王国のムラヤマ・シトウ。ゼクセン首長国のアイノ・リョンロート。これら召喚された勇者は十八勇者となった。
召喚された十八勇者は1人を除いて全員が人族だった。召喚された勇者達はそれぞれの国や周辺国で魔王ルキフェルを討つべく鍛錬に励む事となる。
十八勇者の召喚国として選ばれた国の中に、ロボス大陸の半分を支配する人族の国、アルセイス王国があった。アルセイス王国はアルセイス王クセルセス8世によって治められた国だった。
クセルセス8世は人族の勇敢なる男の勇者を召喚する気であった。しかし、召喚されたのは十八勇者の中で唯一の異種族の勇者であるセキセイであった。勇者セキセイは女であり、さらにその姿は不気味な人形の姿であった。魔族にも似た異様な勇者セキセイの姿にアルセイス王国の魔法使いや神官たちは狼狽した。しかし、勇者セキセイは紛れもない十八勇者の一人であった。聞けば勇者セキセイはオートマタと呼ばれる降臨世界には存在しない種類の種族だった。
アルセイス王クセルセス8世は、望んでいた男の勇者でなく、さらには人族の勇者でなかった事に激怒し、勇者セキセイを召喚した宮廷魔法使いや神官を処刑した。クセルセス8世は、新たな勇者を召喚しようとしたが、新たな勇者の召喚は召喚した勇者が死ななければできなかった。
クセルセス8世は勇者セキセイの勇者の力を試すと称して、闘技場で力試しをするとした。しかし、クセルセス8世は勇者セキセイをあわよくば、殺すつもりであった。王国最強の剣士エミュリオ、エルティウス、パトリキスを勇者セキセイと対決させた。クセルセス8世は勇者が召喚したばかりの時は大した力はまだ持っていない事を他国の召喚勇者の話から知っていた。
クセルセス8世は勇者セキセイを確実に殺そうとした。しかし、勇者セキセイは十八勇者の中でも最強の力を持った勇者であった。クセルセス8世は剣豪や弓兵、腕利きの魔法戦士を30人以上を差し向けた。だが、勇者セキセイの力は強大であり、剣豪は大剣をへし折られ、弓兵は矢を放つ事なく魔法によって倒され、魔法戦士は勇者セキセイの膨大な魔力の前に戦う事なく恐怖でひれ伏した。
戦いの様子を眺めていたクセルセス8世は、渋々、勇者セキセイを倒せない事を悟った。他の国からの目もあった為、クセルセス8世は、勇者セキセイを勇者として認め、勇者としての鍛錬を始める事にした。
他の国では勇者の鍛錬には勇者に万が一の事が起こらない様に、多くの兵士を護衛に付ける事が多かった。しかしクセルセス8世は、勇者セキセイは強力な力を既に持っているのだからと、護衛の兵士は数名しか付けなかった。クセルセス8世は、アルセイス王国の騎士団の中から、女性騎士団のヴァルキュリャ騎士団から、騎士団長エリスと副騎士団長アリーシャ、騎士団唯一の男性騎士である老いた教練長の男性騎士クルト、そして数名の女性騎士しか護衛を許さなかった。
クセルセス8世は、あわよくば鍛錬の最中に勇者セキセイが死ぬ事を望んだ。そして、クセルセス8世にとって女性の騎士団であるヴァルキュリャ騎士団は厄介者だった。ヴァルキリャ騎士団は先々代のアルセイス王によって創設された騎士団であったが、それ以降のアルセイス王からは女が戦の場に出る事を嫌がった為に嫌われた存在だった。クセルセス8世は、勇者セキセイだけでなく、あわよくば、勇者セキセイの護衛で問題が起きれば、ヴァルキュリャ騎士団を解散させる口実になると考えた。
こうして勇者セキセイは勇者としての鍛錬の旅に発った。勇者セキセイは数名の騎士団員と共にロボス大陸中を旅した。各地に出没する魔獣を倒した。十八勇者は召喚時には殆ど力は持たないが、戦いの経験を積む事で通常の人々よりも、圧倒的な強力な力を得る事ができた。しかし、勇者セキセイはこれまでの古の記録の勇者と比べても異質な勇者であった。召喚時から強大な力を持ち、大剣を振い、空を舞う事もでき、強大な魔法を使う事もできた。その一方で召喚時の力以上の力はその後も奮えなかったという。しかし、勇者セキセイは十八勇者の中で最強の力を持っていた。
勇者セキセイが各地で挙げる戦果に、クセルセス8世はもはや、勇者セキセイを認めるより他なかった。大陸中で勇者セキセイを称える声が相次いだ。特にロボス大陸の半分を占める異種族(獣族)の国々は同じ異種族の勇者の活躍を賞賛した。
ロボス大陸の半分を占める異種族の国々は降臨世界において人族以外の異種族の王が治める土地としては唯一の土地だった。
勇者セキセイは鍛錬の最中、獣族の治める小国テメルシス王国のアルセイス王国と隣接する小さな村を拠点にした。勇者セキセイはこの村に来る以前、魔獣の群れに襲われた白茶狼族の母子を助けた。しかし、母親は助けが間に合わずに死んだ。母親の子のアルネとエイネという白茶狼族の姉妹は助ける事ができた。勇者セキセイはこの2人の白茶狼族の姉妹を村へと送り届けると、以降、この村を拠点にし姉妹を非常に気に掛け、明らかに可愛がっていたという。
勇者セキセイは鍛錬の最中、この貧しかった村に井戸や水路を掘り、村の生活をより良くした。当初は、勇者セキセイの姿から不気味がった村人もしだいに勇者セキセイを賞賛する様になったという。
こうして十八勇者達の鍛錬は2年の歳月が経った。ロボス大陸においては、勇者セキセイの活躍により、殆どの魔獣が討伐され、魔獣が世界に解き放なたれて以降で最も平和な時代が訪れていた。
2年の鍛錬の歳月の後、十八勇者達は魔王ルキフェルとその軍団の討伐の為にドドルス帝国の帝都ドドルスノプルのゼウス神殿の地にて結集する事になった。結集にあたって、十八勇者の召喚国は勇者と共に戦う選りすぐりの軍団と共にゼウス神殿の地にて結集する事となった。
クセルセス8世は勇者セキセイの事を嫌っていたが、風の噂で勇者セキセイが他のどの勇者よりも強い事を確信していた。クセルセス8世は一転、勇者セキセイを賞賛し、諸国にアルセイス王国の召喚した勇者を喧伝する為に、ヴァルキュリャ騎士団の他、アルセイス王国の精鋭部隊を集め、これらの騎士達にはアルセイス王国で選りすぐりの武具や防具を与え、1千の軍団を作り、勇者セキセイに与えた。
また、クセルセス8世の娘、テナス王女はクセルセス8世に勇者セキセイへの扱いを変える様に鍛錬の最中、説得していたりしていたのも、クセルセス8世の判断を変える理由の一つにもなったとされる。テナス王女は宮廷内で勇者セキセイを唯一、積極的な支援をしていた人物だった。
勇者セキセイは、勇者の結集の為に、白茶狼族の娘、アルネとエイネを村に残して旅立つ事にした。そして2人や村人との別れの宴の後、セキセイはアルセイス王国の王都へと向かいそして、それからドドルス帝国へと向かった。
ドドルス帝国に向かう道中、多くの国々で獣族が奴隷や貧しい生活を強いられている様子を見ると、ひどく考え込む事が多くなったという。勇者セキセイは多くの地で奴隷の子供を見かけると金で買い取った。そして、その地の孤児院や教会や神殿などに勇者の名の下で預け、世話をする為の金も渡した。
ゼウス神殿の地にて結集した十八勇者は紆余曲折がありながらも、魔王ルキフェルの打倒で一致した。勇者セキセイは十八勇者の中でも、勇者ムラヤマ・シトウ、勇者ミキス・イリオポウロス、勇者アリシア・ロペス・リベーラと親交を深めた。
各国の王は十八勇者と共にゼウス神殿で、神前会議を開いた。そして、十八勇者を交えて戦略を練った。神前会議は3日3晩続いた。そして、決定の後、すぐに十八勇者による聖戦への参戦の準備が進められた。1ヶ月の時間の後、帝都ドドルスノプルには世界各地から大量の聖戦の為に使われる物資が集まった。
十八勇者はそれぞれ、このゼウス神殿の地から、自身に付き従う軍団と共に魔王ルキフェルの軍団が迫る各戦線へと向かう事となり、これによって十八勇者による聖戦は始まった。
勇者セキセイと仲間の騎士団は、時には勇者セキセイが召喚した召喚獣、射る球( いるたま )とも呼ばれた飛行獣ボール。三脚の巨王( さんきゃくのきょおう )とも呼ばれた巨大獣トライポットなどの召喚獣と共に旅や戦いをしたり、時には他の勇者と合流したり、別れたりなどを繰り返しながら魔王ルキフェルの軍団と戦った。
そして、幾多の戦いと犠牲の末、3年の戦いの末、十八勇者とその仲間達は魔王ルキフェルとそれに付き従った魔族の軍団の討伐に成功した。
勇者セキセイとその騎士団は最後の戦いである魔王城の戦いにおいて、他の勇者達に魔王城を背後から奇襲させる為に囮を引き受け、魔族の軍団100万の兵力を一身に引き受けたという。勇者セキセイは騎士団の団員に怪我人こそ出したものの、一切の損害を出さずに戦いに勝利し、魔族の100万の軍団を全滅させた。勇者セキセイが囮を勤めている間に他の十八勇者達は魔王城を襲撃し魔王ルキフェルとの激しい戦いの末、魔王ルキフェルを討ち取った。
聖戦は十八勇者の活躍によって大勝利に終わった。この3年間の聖戦での戦いを通じて十八勇者の間では勇者セキセイへの認識が最初の結集時点での見方から大きく変わったとされる。十八勇者の多くは結集の時点では、勇者セキセイを見た目から、仲間として信頼しなかったり、対立的だったりした。しかし、聖戦を通じて勇者セキセイの実力が十八勇者の中で一番である事を認めるに至っていた。そして最後の戦いにおいては、勇者セキセイを完全に信頼して立てられた作戦だった。
聖戦において十八勇者に追従した各国の軍団は3年間の戦いの末、大きな被害を受けた。中には壊滅寸前になった軍団もいる。しかし、その様な状況において、勇者セキセイの騎士団は最初にアルセイス王国を旅立った1千人の内、犠牲者は僅か200名で収まっていた。しかも、この被害は勇者セキセイが軍団から緊急の所用で離れていた間に魔族の軍団から奇襲を受けた際に負った被害で、勇者セキセイが居る間では騎士団に死亡者は一切出なかったという。
戦いを終えた十八勇者は、降伏した魔族の処遇を決めた後に、ドドルス帝国のゼウス神殿へと帰路の旅路についた。1年の旅の末、帝都ドドルスノプルに一同は帰還した。そして、盛大な凱旋式が行われ、豪勢な宴も1ヶ月間に渡って行われる予定であった。
しかし、勇者セキセイは宴には最初の3日間は参加したものの、その後は、宴には参加せず、騎士団と共にロボス大陸に急ぎ帰路に付く事にした。勇者セキセイは聖戦の最中、週に1回欠かさずに、魔法の手紙を召喚した魔物に持たせ、白茶狼族の娘アルネとエイネと、文通のやり取りを行っていた。しかし、1ヶ月程前から、手紙の返信が返って来なくなっていた。
勇者セキセイは3ヶ月かかる帰路を1ヶ月に短縮して騎士団を引き連れながらロボス大陸へと帰還した。ロボス大陸へと帰ってきた勇者セキセイは、見た光景に言葉を失ったとされる。各地では町や村が焼き尽くされ破壊され多くの獣族が無残にも皆殺しにされていた跡だった。そして各地にはアルセイス王国の旗が立っていたという。アルセイス王国軍は略奪や虐殺の限りを尽くし繰り広げていた。
勇者セキセイや仲間の騎士団は余りの惨状に何をやっているのかと上陸した町にいたアルセイス王国軍の指揮官に問うた。アルセイス王国軍の指揮官は1ヶ月程前にアルセイス王国とその他のロボス大陸の諸国の間で戦争が勃発し終わったばかりだと答えた。そして、この戦争は邪悪な魔王ルキフェルを倒した偉大なる勇者セキセイの為に行っていると答えた。
一同は困惑した。勇者セキセイは騎士団の面々が聖戦の激しい戦いの間でも一度も目にした事のない様な様子となっている姿を目にした。勇者セキセイは我を忘れる様に飛び立つと白茶狼族の娘がいる村の方角へと急ぎ飛んでいった。騎士団も慌てて馬で勇者セキセイを追った。馬に乗れなかった者は追えるだけの体力がある者は走って追ったのだという。
そして、村にたどり着き、そこで勇者セキセイが見た光景は余りにも残酷な光景であった。勇者セキセイが目にした光景は無残にも破壊され、燃やされ、住民が皆殺しにされた後の変わり果てた村の様子だった。勇者セキセイを追ってきた騎士団は、勇者セキセイが座り込み、腐敗し蛆に食い荒らされた2人分の子供の死体を抱えている光景を目にしたという。
しばらく勇者セキセイはそのままで居たのだという。騎士団は誰一人として勇者セキセイに話しかける事はできず誰もが暗い顔をしていたのだという。暫くの時間がたち、勇者セキセイは何かをブツブツと呟きながら2人の子供の死体をアイテムボックスへとしまうと、立ち上がり、そのままアルセイス王国の王都の方角に向かって騎士団の団員たちが声をかける間もなく飛び立っていった。
騎士団は何かを悟ったのか、すぐに王都へと向かった。
勇者セキセイは、アルセイス王国の王都にある王宮へと向かった。そして王宮に到着すると早足でクセルセス8世の元へと向かった。道中、勇者セキセイを見かけた宮廷の騎士や宮廷の官僚達は勇者セキセイに魔王ルキフェルの勝利を賞賛する言葉を投げかけたという。勇者セキセイには誰も戦争の事は気にしている様に見えなかった。
王の間に踏みいった勇者セキセイはクセルセス8世と会った。王の間には、クセルセス王とその重臣達がいた。クセルセス王の重臣達は突然現れた勇者セキセイの姿に何故ここに居るのかと、驚きの表情を見せた。
勇者セキセイは、ロボス大陸のこの惨状は何なのかと問うた。これにクセルセス8世は喜びの笑みを浮かべて魔王ルキフェルの勝利を賞賛する言葉を並べ、そして、この今起きている戦争は勇者セキセイに対する褒賞の為だと言った。曰く、ロボス大陸の野蛮な獣族の国を滅ぼし平定し、その地の統治を魔王の討伐に貢献した勇者セキセイに貴族の位と共に授けるとし、曰く、勇者セキセイは獣族に慈悲深いという事で勇者セキセイの活躍を称えて、勇者セキセイへの供物としてロボス大陸中の獣族の命を捧げたのだと。獣族の住んでいた土地は穢れており、直接の統治など王国はご免であるが、獣族に慈悲深かった勇者セキセイならば、その穢れも問題はないだろうとし、勇者セキセイに対して魔王ルキフェルの討伐の褒賞として、さも相応しい素晴らしい褒賞かの様に語った。
そして、勇者セキセイが帰ってくるのが早かった事に驚いた旨を伝え、あと1ヶ月程でロボス大陸の半分を完全に平定し、勇者セキセイに授ける準備ができたのだがと伝えた。そして、この褒賞は、ここに居る皆で決めたと述べ、王国の民も魔王ルキフェルを倒し、そればかりか、野蛮な獣族を一掃する事ができて皆、喜んでいるとも言い、勇者セキセイに与える土地の為に民に挙兵を呼びかけたら、皆、我先にと挙って志願したのだと自慢話を語った。
勇者セキセイが帰ってきた事を聞いたテナス王女は侍女ユリスティアと共に、急ぎ王の間へと向かった。テナス王女が王の間で見た光景は壮絶なものであった。
勇者セキセイは、クセルセス8世とその周りにいた重臣を皆殺しにした。クセルセス8世は手足を切り落とされた後、生きたまま虫に食い殺され、重臣達も次々と呪いや毒などの様々な手段によって苦しみ悶えて死んだのだという。クセルセス8世はその最期の時まで、セキセイがなぜ自分を殺そうとするのか最期まで分からなかったとされ、セキセイに何故こんな事をするのかと苦しみ悶えながら言っていたとされる。
勇者セキセイは王の間へと入ってきたテナス王女と侍女ユリスティア、そして王の間の外に居た護衛の騎士達が王の間の異変を悟り踏み込んできた様子を見ると、護衛の騎士が目の前の惨状を見て自身の王を救おうと勇者セキセイに向かったが、勇者セキセイが大剣を一振るいすると、触れていないにも関わらず、護衛の騎士達は無残な肉塊へと姿を変えた。
次に勇者セキセイの大剣はテナス王女へと向けられ、今にも振るわれそうになったが、それに気がついた侍女ユリスティアはテナス王女の前に立ち塞がると、勇者セキセイに向かってテナス王女はあの惨状を何としても止め様と奔走されていたのですと叫んだ。それを聞いた勇者セキセイはしばし動きを止めると侍女ユリスティアとテナス王女の顔を見て大剣を下ろしたのだという。
そして、王宮の王の間より上の階は光によって破壊された。勇者セキセイは王宮より飛び上がると、王都に向かって無数の光を放った。王都のそこかしろで爆炎があがり、十八勇者による魔王ルキフェルの討伐と獣族の討伐を喜び称える声を上げていた王都の人々の声は恐怖と悲鳴に変わったという。
勇者セキセイは怨嗟に飲まれ、自身の召喚獣を次々とロボス大陸中へと解き放った。アルセイス王国の王都は1日も経たない間に跡形も無く滅びさったという。
ロボス大陸は、ありとあらゆる生者が生きられなくなった。勇者セキセイが解き放った召喚獣は日増しに増えていった。最初の3日間は射る球が。それ以降には三脚の巨王が姿を表したという。射る玉は大空を飛びまわり三脚の巨王は陸地を闊歩した。勇者セキセイによって召喚された召喚獣は、人族や魔族を見境無く襲った。女や子供も関係なく殺したという。
唯一の例外が、獣族と、勇者セキセイと親交のあった者達だった。騎士団やテナス王女と侍女ユリスティア、街の商人や鍛冶屋など。これらの人々は人族や魔族であっても召喚獣に襲われる事は無かったという。
勇者セキセイがロボス大陸中を焦土に変えるのに時間は掛からなかった。ロボス大陸は僅か1週間足らずで、殆どの生者は姿を消し、街や村は燃え尽きた。これが起きる前、千万以上の民がいた降臨世界でも有数の豊かな大陸は事が始まって1週間足らずで生者の数は、万も居なくなったという。
2千年の歴史を持っていたアルセイス王国は滅亡し、それ以外の獣族の国もアルセイス王国が起こした戦によってとうに滅びさっていた。
勇者セキセイによるロボス大陸の滅亡。この知らせは魔王ルキフェルの討伐に今だ沸き立つ諸国を震撼させた。さらに問題はそれだけでなかった。勇者セキセイによって召喚された召喚獣の内、三脚の巨王はロボス大陸を逃れようとした人々の乗った船を追って諸国にまで達し殺戮を繰り広げた。
神聖同盟は勇者セキセイ以外の全ての十八勇者を急遽、招集した。そして、勇者セキセイの討伐を求めた。十八勇者は三脚の巨王の討伐の依頼は全員が一致した。しかし、勇者セキセイの討伐に関しては全員で束になってかかったとしても勝つ事はできないとほぼ全員の勇者が明確に否定した。また、半数近くの勇者は事が事態が起こった経緯を知った後、アルセイス王国は滅ぼされてもしかたないと同情する様子は見せなかった。
だが、連日の様に各地に上陸してくる三脚の巨王による被害を受けて神聖同盟の各王は改めて、十八勇者に勇者セキセイの討伐を求めた。十八勇者は紛糾したとされるが、勇者ムラタニ・ダイスケ、勇者アリシア・ロペス・リベーラの2人が勇者セキセイを説得するという名目でロボス大陸へと向かう事になった。勇者ムラタニ・ダイスケは聖戦中、正義王と呼ばれ周囲から尊敬を集めていた勇者で、勇者セキセイの暴走を止めなければならないという使命感にかられていたという。一方で勇者アリシア・ロペス・リベーラは友人として説得しようとした。
2人の勇者はロボス大陸へと諸国の軍団を引き連れて向かった。勇者セキセイによって召喚された召喚獣を倒しながら、一同はロボス大陸の奥深くにまで進んだ。そして勇者セキセイとの接触に成功したという。
しかし、説得はできず、勇者ムラタニ・ダイスケと勇者セキセイは戦闘となった。この戦いで勇者ムラタニ・ダイスケは死んだ。胸を大剣で突き刺されたのだという。神聖同盟の軍団は勇者ムラタニ・ダイスケを加勢したが全滅に近い状態となった。勇者アリシア・ロペス・リベーラは両者を止めようとしたができず、失意のうちにロボス大陸を後する事になったという。これが、以降、2000年間に渡り、この大陸から最後に生きて帰ってきた唯一の者となった。
ロボス大陸は死の土地として恐れられた。ロボス大陸を人々は一度、足を踏む入れたら最後、死の運命しか待っていない呪われた土地だとし、以降、降臨世界の人々はロボス大陸の事を死の待つ土地という意味を込めて死地と呼ぶ様になった。
死地では、十八勇者の鍛錬の間に勇者セキセイの活躍によって魔獣が全て討伐されていた状態であったが、いつのまにか魔獣も復活していった。そして、死地は全域が深い霧に包まれたのだという。
世界の多くの国は同じ勇者すら殺した勇者セキセイを忌み恐れた。勇者セキセイが獣族への虐殺がきっかけで、この様な事を起こした事から、それまで獣族に対して奴隷や差別を行っていた多くの国々では、勇者セキセイからの攻撃を受ける事を恐れ、獣族への扱いを人族と同じにする事に決めた。
神聖同盟はドドルス帝国のゼウス神殿で開かれた神前会議にて勇者セキセイの十八勇者としての除名を全ての王と他全ての十八勇者の賛成によって決定した。勇者セキセイは勇者にあらず、魔の者であるとし、魔王ルキフェルと同格の存在であるとした。さらにセキセイの名は決して呼んではならぬ禁忌の名であるとされ、勇者セキセイは死の鳥、死鳥であると決議された。
王達は天使にも決議への賛成を求めた。だが、天使達は死鳥の所業は人のした所業(この場合における”人”とは神によって作られた子、全種族の事を指す)であるとして、不干渉を決めた。
死地の周辺ではその後も度々、三脚の巨王が人々を襲ったが、残りの十八勇者によって全て討伐された。三脚の巨王の襲来は、時が経つとなくなったという。
死鳥をその目で見た者は以降はもうおらず。死地は、死鳥の僕たる召喚獣によって支配され、人族や魔族は踏み入る事もできず、民も殆どが死した為、死地との交流も殆どが途絶えた。
死地が再び人の手に戻ってきたのは、それから2千5百年以上余り後の事だった。十八勇者の後、勇者の召喚魔法は、死鳥を召喚したとして、忌み嫌われ使われなかった。だが、召喚魔法の消失前に最後の勇者として召喚された最後の勇者エルフレクトは、魔王軍との戦いの最中、死地を訪れ、死鳥の僕の殆どを討伐する事に成功したという。三脚の巨王も倒した。この時、死鳥は一度も姿を表す事はなかった。
また、死鳥の僕達も大きく力が衰えていた。この頃には僕達は仕える王が居ないからか、完全い狂い、見境なく死地の住民達を襲っていたのだという。死地の人々は最後の勇者エルフレクトを解放者であると称えた。死鳥の僕の殆どが倒されると死地を覆っていた深い霧も晴れたのだという。
こうして、最後の勇者エルフレクトによって奪還された死地は以降、ペレシア帝国に併合され、永きを経て人の手に戻ってくる事となった。
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現在の死地と十八勇者伝説
現在、死地ことロボス大陸は全域がドルネア軍事国のフェンデルツ辺境伯領に組み込まれている。死地は半ば孤立している状況にある。面積の割りに人口が少なく、人口も各地に分散しており、経済力が弱い為に大陸外との交易も余り盛んではなく、また十八勇者伝説によって死地という名称が知れ渡っている事もあって、降臨世界の全ての種族の間から土地が忌み避けられている傾向にあり、外部からの往来が殆ど無い状況である。
また、こうした外部からの往来が殆ど無い状況の影響から、死地の人々は外部の人々に対して排外的であるとする見方もある。
現在、死地に住まう人々の大半は、自分達の血筋に関して、十八勇者伝説に登場する死鳥によって虐殺されなかった人々の子孫であると信じている。人族は騎士団や死鳥と交流のあった者達の子孫であると信じられ、獣族も大半が、アルセイス王国による獣族の虐殺を生き延びた者達の子孫であると信じられている。
なお、全ての人々がこの様な血筋であると信じられている訳ではなく、死地を治めるフェンデルツ辺境伯などは、ドルネア軍事国の貴族の血筋である。大陸外からの移民系が少数であるが存在する。
現地の宗教に関しては、文献上では、最後の勇者エルフレクトが現れる1千年ほど前までは、死地の獣族は死鳥を獣族を救った神として崇拝していたとする記録が残っているが、最後の勇者エルフレクトが死地へとやってきた時代になると、既に死鳥への崇拝は殆ど見られなかったとされる。これは死鳥が召喚した僕が時代の経過と共におかしくなり、無差別に人を襲う様になったからだと言われている。勇者エルフレクトによる解放後は、現地の宗教は大陸外の宗教と完全に同化した。
死地の自然界における現在の環境については、大陸外に比べて魔獣の生息数が若干多い傾向にある。これについては、現地の人々は死地の魔獣が大陸外の地域に比べて多いのには、十八勇者伝説で語られる殺された人々の怨念によるものだと考えている人々が多いとされる。なお、十八勇者伝説において死鳥の僕とされている射る球は少数が現在でも生息が確認されており、目撃例や襲われる例が存在している。
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地球国家側から見た十八勇者伝説の考古学的検証
十八勇者伝説の真意については日本やフランスでは懐疑的な見方が多かった。2万年以上前の出来事であり、考古学的な物証が殆ど確認できない為である。地球におけるアーサー王伝説などとは違い、執筆者が存命であるという点はあったが、物証が殆ど残っていないという点から考古学会や歴史学会では懐疑的な見方が強かった。あくまで伝説や神話、寓話の延長線上であり部分的には実話が入っていたとしても、創作的な内容が強いと考えられていた。しかし、西暦2044年以降は、一部の内容に誤りはあったものの、十八勇者伝説の内容は概ね史実に則した内容である事が判明した。
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注釈
・降臨世界 ‐ 西暦2035年に地球と融合した世界の呼称。降臨世界はスポンジ状に無数の洞窟が惑星深部まで続いている空洞惑星であった。西暦2035年に地球質量の70‐80%以上が、消失し降臨世界と融合した。転移発生時点における文明度は地球における中世の水準に相当した。
・再構築 ‐ 西暦2035年、中央暦22999年に地球に降臨世界が融合した災害。
・ダンジョン ‐ 降臨世界の地下に無数に広がる洞窟群。降臨世界においては、地表からの深さ1000m毎に第〇層(〇には数字が入る。地表に一番近い層が第1層と呼ばれ、深度が深くなるにつれて第2層や第3層といった様に数字が増える)という言い方がされ、その第〇層の範囲内にある洞窟はフロアと呼ばれる。フロアには発見順に数字が付けれられる。例えば、地表から1630mの地点にある洞窟は第2層に分類され、その洞窟が、その階層(第2層)内で68番目に発見された洞窟の場合はフロア68という呼ばれ方をされる。
・天使 - 中央暦0年に降臨と呼ばれる出来事によって降臨世界に現れた不老不死に限りなく近い知的生命体。神の使者を自称している。その数は全世界に数十から数百万人が存在。子孫を作る事はできないとされる。各地でそれぞれの天使が仕える神の信者を集めた何かしらの団体を形成している事が多い。降臨世界の地域社会に深く根付いており、至る所でその存在を確認できる。その社会的地位は必ずしも高い訳ではなく、有力者的な天使も居れば、一般庶民と変らない天使もいる。非常に世俗的な存在である。
・人族 ‐ 地球人類と遺伝子学的に非常によく似た降臨世界の知的生命体の降臨世界における呼称。降臨世界の知的生命体の中で最も多い人口を有する。
・獣族 ‐ 地球人類と遺伝子学的に非常によく似た遺伝子持ち、体の構造の多くも非常に良く似ているものの、体の各種部位に人以外の動物の部位に似た器官を持つ知的生命体の降臨世界における呼称。
・魔族 ‐ 様々な多種多様な容姿の知的生命体の降臨世界における総称。
・魔獣 ‐ 魔王ルキフェルが創造したと十八勇者伝説で伝わる生命体の降臨世界における総称。魔法鉱石を体内に有し魔力を持った非常に凶暴な性格の動物。多種多様な種類が確認されている。一般的な動物とは分けられている。通常の動物とは違い、生殖行為などではなく魔力が集まる事によって誕生する。現在でも世界各地に生息しており、最も生息数が多いのは降臨世界で通称ダンジョンと呼ばれる惑星の地下に無数に広がる洞窟群。地表からの深度が深い程、強力な個体が居る傾向がある。
・魔砲 ‐ 魔法を使って石球を発射する降臨世界における大砲の総称。発明から1万年間は、直接的な魔力で石球を撃ちだす魔力砲と呼ばれる方式が使われてきたが、その後は、風の魔法で瞬時に圧縮した空気を利用して石球を撃ちだす風石砲と呼ばれる方式の魔砲が主流となった。風石砲は、地球文明における18世紀から20世紀初頭の大砲の射程及び命中精度に相当する性能を有している。なお、魔砲は小型化が困難であった為、地球における鉄砲の様な武器は降臨世界では誕生しなかった。
・神前会議 ‐ 神を祀った神殿で行われる会議の事。似た会議としては同じく神殿で行われる神前裁判がある。
・ドドルス帝国 ‐ 十八勇者伝説に登場する古代の魔法帝国。
・ペレシア帝国 ‐ 十八勇者伝説に登場する古代の帝国。ドドルス帝国の崩壊前のドドルス帝国の地方政権を前身とし、その後に巨大な帝国となったとされる古代の国。
・ドルネア軍事国 ‐ 現代の降臨世界国家。セネラル海に面する大陸沿岸部からその内陸部までの広い地域と、セネラル海に位置する死地の他、周辺の島嶼部を支配している。首都の気候が1年を通して冬である為、別名、氷の国、北方帝国とも呼ばれる。ただし、国土の半分以上は地球における湿潤大陸性気候、西岸海洋性気候、地中海性気候に類似した比較的温暖な気候。死地も温暖な気候帯に位置。貴族制の国家で国家元首は現在11歳の女性皇帝。有力な貴族議員による議会政治が行われている。地球国家とは2038年に最初にフランスが接触に成功した。その後に最初に接触に成功したフランス、その次に日本という順で国交が結ばれた。
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