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ジヲルの破城槌 ‐ ウィキパディア

ウィキパディア-フリー百科事典

ページ/ノート

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ジヲルの破城槌

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ジヲルの破城槌( ジヲルのはじょうつい )とはパルー王国で発明された飛翔武器。


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名称


ジヲル半島において発明され、その形状が破城縋に似ている事から、一般的にジヲルの破城縋と呼ばれる。ただし、発明国のパルー王国ではジヲルの破城縋ではなく、破城縋爆( はじょうついばく ハンボック・エクスプロジオン )と呼ばれている。


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概要


ジヲルの破城縋はパルー王国の宮廷錬金術師フレデリカ・ロンメルが考案、発明した飛翔武器である。


パルー王国の宮廷錬金術師フレデリカ・ロンメルはパルー王国軍からの依頼で新たらしい攻城武器の開発を依頼されていた。フレデリカ・ロンメルが、12年間にも及ぶ開発の試行錯誤の末、発明に成功したのがジヲルの破城縋である。


ジヲルの破城縋は先端を円錐形に尖らせた金属の筒状の形状をしており、内部にはフレデリカ・ロンメルの発明した、フレデリカの炎薬とフレデリカの爆薬と呼ばれる2種類の混合薬を満載している。フレデリカの炎薬と、フレデリカの爆薬は両者とも爆発的な燃焼性のある混合薬である。


ジヲルの破城縋は底部に噴射口があり、ここからフレデリカの炎薬の燃焼による炎を噴射し、これによって脅威的な速度でジヲルの破城縋本体を飛翔させて、これで対象を攻撃する。対象に命中すると満載されたフレデリカの爆薬が爆発して、単にジヲルの破城縋本体が命中した時よりも、対象に対して強力な被害を与えられる様になっている。


ジヲルの破城縋は当初は城壁や城門を破壊する為の攻城兵器として発明された。しかし、ジヲルの破城縋は、それまでの既存の如何なる矢やカタパルトによる投石よりも、革新的な飛翔距離を持ち、また、非常に高い汎用性と扱いのしやすい武器であった事から、攻城戦以外にも野戦などの幅広い用途に使われる武器となった。


パルー王国は様々な用途のジヲルの破城縋を作り、城門や城壁を壊す目的の物以外にも、多数のジヲルの破城縋を一斉発射し広範囲の面での攻撃を重視した多連装破城縋爆。金属の筒の中に1発のジヲルの破城縋を込め、歩兵が1人でも運用が可能な破城縋爆。超長距離の攻撃を可能とした大型破城縋爆など、多数の種類のジヲルの破城縋を作った。


ジヲルの破城縋は、それまでの既存の如何なる矢や投石よりも、革新的な飛翔距離を持っているが、これは、矢やカタパルトによる投石の飛翔距離は世界で最も強力であるとされる物でも500エレムから1ムリム以内の飛翔距離が限界であるのに対して、ジヲルの破城縋は種類によるものの、その最低飛翔距離は1ムリムを優に超える性能がある。


パルー王国が製作したジヲルの破城縋の中でも、最も長い飛翔距離を記録したのは、パルー王国の国王カルロス3世の名前を冠した名前を持つ大型破城縋爆カルロス3世である。大型破城縋爆カルロス3世の本体は全長16エレム、最大直径1.35エレム、重量は16,200ケレグレムにも及ぶ超重量であるが、この超重量にも関わらず、ジヲル半島の沿岸都市ヘベルタから東部のパラムイ海に向けて発射された実験では、最大飛翔距離87ムリムを記録し、名実共に世界最長の飛翔距離性能を持つ武器となった。


なお、大型破城縋爆のカルロス3世は、パルー王国が製作したジヲルの破城縋の中で最も大型のジヲルの破城縋である。


こうした多種多様なジヲルの破城縋の登場はパルー王国軍の形態に多大な変容を齎した。パルー王国軍には爆兵( エクスプロジオンゾルダート )と呼ばれる新たな専門兵士が誕生し、歩兵が1人で運用可能な種類のジヲルの破城縋を専門的に扱う兵士が誕生した。爆兵は発射したジヲルの破城縋の炎や煙の噴射に耐える為に、全身に専用の防護革鎧と頭に瓦斯仮面を被った兵士である。


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フレデリカの炎薬とフレデリカの爆薬


ジヲルの破城縋の想像絶する飛翔距離を実現させている冴えたる物がパルー王国の宮廷錬金術師フレデリカ・ロンメルが考案、発明した混合薬であるフレデリカの炎薬とフレデリカの爆薬である。


フレデリカの炎薬とフレデリカの爆薬は秘薬であり、パルー王国によってその製法は厳格に管理され秘密にされている。多くの錬金術師や魔法使いがフレデリカの炎薬とフレデリカの爆薬の組成の秘密を暴こうとしているが、現在までに、その作り方を解明できた例はない。


その為、ジヲルの破城縋はパルー王国だけが現在、技術を完全に独占している状態である。


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パルー王国海軍の変容


パルー王国海軍では、ジヲルの破城縋が発明されるまで、その他の国々と同じ様に、ガリオネ船を軍船として利用していた。しかし、ジヲルの破城縋が発明されるとジヲルの破城縋は船上武器としても導入される事になり、これに合わせてパルー王国海軍はガリオネ船を戦闘用の軍船としては用いなくなり、各国では時代遅れの旧式船とされたガリー船が復古した。


ジヲルの破城縋は飛翔させると噴射口から後方に向けて強烈な炎や煙が噴射される事から、多くの帆を甲板上に持つガリオネ船では火災などの危険から運用が困難だった。その為、帆の数を最低限にまで減らし、動力として人間が櫂で漕ぐ方式へと換えた結果、かつての旧式船であるとされたガリー船が復古した。パルー王国が導入したガリー船は帆を船の中央に置き、艦首側と艦尾側の甲板上にジヲルの破城縋の発射機を設置するという形状である。また、ガリー船の甲板上にはジヲルの破城縋を発射する際の炎が甲板の木材に燃え移らない様に、甲板の木材をタイルで覆うなどの工夫が行われた。


これによってジヲルの破城縋を発射する際、ジヲルの破城縋の発射機を船の側面側へと旋回させて使用する事で、ジヲルの破城縋の後方には殆ど燃える物が無いという環境を作りだす事ができ、安全に発射する事ができた。


ガリー船は船を効率よく動かす為には多数の船員が櫂を漕ぐ必要がある事から、運用に費用が非常にかかるが、ジヲルの破城縋を装備した事でパルー王国海軍の軍船は海戦において非常に強力な攻撃力を持つ海軍となった。


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破壊力


ジヲルの破城縋は非常に強力な破壊力を有している。この破壊力はフレデリカ・ロンメルが考案、発明した混合薬であるフレデリカの爆薬によって齎されている。


フレデリカの爆薬によって齎されるジヲルの破城縋の破壊力は非常に凄まじく、既存の如何なる武器よりも強力である。ある程度の大きさを有するジヲルの破城縋が城壁や城門などに使用されれば、大抵の城壁や城門はその攻撃には耐える事はできず、1発から数発程度の攻撃でも容易に破壊が可能な威力である。


この破壊力はフレデリカの爆薬の積載量に比例すると考えられている。


また、パルー王国は様々なジヲルの破城縋を開発し、対歩兵戦闘にも特化したジヲルの破城縋の開発も行っているが、これらの多くはその他のジヲルの破城縋と同じく、単純な爆発力によって歩兵を攻撃するものが一般的ではあるものの、中にはジヲルの破城縋内に混合薬と共に、金属製の小さな矢を大量に仕込み、爆発と同時に大量の矢が周囲に飛び、辺り一帯を無差別に攻撃するという様なジヲルの破城縋も作られた。


この様な、拡散物を含むジヲルの破城縋は単純な爆発力による攻撃力とは、また別の新たな攻撃力を生み出している。


しかし、この様に非常に強力なジヲルの破城縋であるが、聖奉教会では、ジヲルの破城縋には非常に否定的な見方が多く、パルー王国外の聖奉教会ではジヲルの破城縋を、あまりに殺傷能力が高すぎる事から、非道徳的だとの批難の声が上がっている。聖奉教会が特定の武器を批難したのは、クロスボウに次いで、ジヲルの破城縋が2例目である。パルー王国国内においても、国内の聖奉教会が、ジヲルの破城縋の内、混合薬と共に拡散物を仕込んだジヲルの破城縋については、非道徳的な武器だと非難をしており、これを受けてパルー王国軍が混合薬に拡散物を含むジヲルの破城縋は使用と開発の禁止を決定する事態にもなっている。


なお、パルー王国の聖奉教会は、拡散物を含むものについては明確な反対の声を上げているものの、ジヲルの破城縋自体については表立った批判の声は国外の聖奉教会とは違い、一度も出していない。ただし、パルー王国の聖奉教会がジヲルの破城縋を完全に肯定しているという訳ではなく、パルー王国の聖奉教会内でも批判の声が一定数あるのが現状となっている。

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ウィキパディアの裏話や創作活動に関する情報を掲載。月2~3回を目安に更新予定。


https://youtu.be/fTUJFvq7J5o

 

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― 新着の感想 ―
[一言] > ジヲルの破城縋 お疲れ様です。この武器の説明からしてロケット弾そのものですよね。開発者の名前も気になるのですけど謎すぎる武器です。
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