絶対福祉都市 ‐ ウィキパディア
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絶対福祉都市
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絶対福祉都市(ぜったいふくしとし 葡:Absolutamente Previdência social Cidades(略:APC) 英:Uncoditonal Welfare City(略:UWC)羅:Sine exceptinne Welfare Urbs(略:SWU))は2161年に国連国際福祉都市協議会の決議第132号によって実施されたプロジェクトNEW WORLD ORDERによって全世界17箇所に建設された都市である。
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目次
1.概要
2.理念
3.福祉
4.技術
5.建設
6.都市
7.法治
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概要
絶対福祉都市は、2118年にポルトガルの社会福祉学者マルコス・カルヴァーリョが提唱した”全自動型社会福祉社会の構築について”の論文を元に、社会的、行動学的、生物学的、技術的などの様々な学術的観点から実現可能なプロジェクトへと再考され、2161年に現在の国際福祉都市連合(英:United of Welfare Cities(略:UWC))の前身組織である国際連合の国連人類社会福祉局・国際福祉都市協議会の決議第132号によって実施されたプロジェクトNEW WORLD ORDERによって建造されたハイパービルディング型ドーム型都市である。
国連人類社会福祉局・国際福祉都市協議会の選定によって全世界17箇所。東京、エカテリンブルグ、上海、台北、ベルリン、パリ、ロンドン、カイロ、ケープタウン、リヤド、ロサンゼルス、シアトル、モスクワ、ヘルシンキ、北京、ニューヨーク、サンティアゴの地点に建造された。
絶対福祉都市は絶対福祉の理念の下、全市民の最大限の幸福と向上的かつ社会的な経済活動及びその最大限の援助、最大限の医療援助などを提供する目的で建造はされた。
なお、建造された17の絶対福祉都市はいずれも人類が建造した史上最大級の高層巨大建造物である。
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理念
絶対福祉都市は2118年に登場した絶対福祉もしくは新福祉主義や絶対福祉主義とも呼ばれる福祉の新しい理念をコンセプトに設計及び運営がされている。
絶対福祉とは2118年にポルトガルの社会福祉学者マルコス・カルヴァーリョが提唱したのを始まりとする理念である。マルコス・カルヴァーリョが執筆した論文”全自動型社会福祉社会の構築について”が初出。論文が書かれた社会的背景としては当時、全世界で発生していた社会的、経済的な混乱と崩壊の最中に絶対福祉は考案された。
絶対福祉の登場以前、福祉とは幸せや豊かさを意味する言葉であり、全市民に最低限の幸福と社会的援助を提供するという理念だった。しかし、マルコス・カルヴァーリョが提唱した絶対福祉は、全市民に対し、最大限の幸福と向上的かつ社会的な経済活動及びその最大限の援助、最大限の医療援助を柱とし、そのサポートは社会インフラのシステムが投入できる全てのリソースを投入して行われるとしたそれまでの福祉とは全く違う福祉のあり方を提唱した。
マルコス・カルヴァーリョはこの新しい福祉の実現の為には、社会インフラを根本から築きなおし、最新のテクノロジーを駆使した全自動型の新社会を構築する必要があると論文中で述べ、それに必要な社会や経済などの新インフラ機構を提案した。
しかし、マルコス・カルヴァーリョの提唱した論文は発表当初、猛烈な批判を各界から受けた。批判は主に市民に対して提供する社会福祉の限度を超えているというものから、技術的に不可能とする指摘などであった。
だが、2150年にマルコス・カルヴァーリョの提唱した絶対福祉は国際的に再評価された。マルコス・カルヴァーリョが提唱した絶対福祉は大きな注目を集め、国際連合の機関である国連人類社会福祉局・国際福祉都市協議会は、絶対福祉を福祉の新たな福祉の形と決議し絶対福祉が以後、福祉の新たな基本理念となった。
国連人類社会福祉局・国際福祉都市協議会は絶対福祉を実現する為にマルコス・カルヴァーリョの論文を元にこれを社会的、行動学的、生物学的、技術的などの様々な学術的観点から実現可能なプロジェクトへと再考した。
これによって完成したのが現在の絶対福祉都市を形作る絶対福祉である。世界各国は絶対福祉をスローガンに政治、社会、市場、医療、経済、軍事に最新技術や大幅な制度改革を積極的に実施した。
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福祉
絶対福祉都市では、都市が投入可能な社会インフラの総てが投入され、構成各市民の健康と幸福が社会都市インフラが提供可能な最大限の支援を受けられる。絶対福祉都市の社会都市インフラによって構成各市民に提供される総ての支援は市民による自発的社会経済活動を害さない形で行われている。
構成各市民に対する支援は多岐に及び、医療サービスや社会サービスの他、政治、社会、教育、経済、軍事など、社会を構成する総ての側面から、大よそ構成各市民のライフ(人生)の殆ど全てに関与して支援されている。
・自発的社会経済活動の定義と支援
絶対福祉都市における市民の自発的社会経済活動とは、市民個人が自主的に行う社会的活動及び経済的活動と定義されている。例えば、とある市民が学校や病院など特定の場所に行く目的で行動を起こしている場合、その市民の目的を害さないように絶対福祉都市はその市民を最大限サポートする。
これはその他、様々な面でも適応されており、例えば例を挙げると、就労をしたい市民がいた場合、絶対福祉都市はその市民の目標が最大限達成出来る様にその市民への安全性など様々な面を考慮した上で最大限のサポートを行う。物を購入し消費するという行動に対しても、その行動を害さない範囲で絶対福祉都市は市民を最大限サポートする。
ただし、絶対福祉都市は市民の目的をできる限り害さない様にサポートはするが、そのサポート範囲はその市民やその他の市民の生命や財産を害さない範囲で行われる。
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技術
絶対福祉都市は2161年から2186年までに人類文明が投入可能であった殆ど総ての先端科学技術が投入されている。当時最先端の情報工学、ロボット工学、都市構造学、人間工学など様々な高度技術が導入されている。
絶対福祉都市の運用は分散型人工知能ネットワークによって構築、運用されている。プロジェクトNEW WORLD ORDERの開始当初、都市の運営が始まった当初は大型コンピューターを利用した集中型ネットワークを採用していた。しかし、2179年に、モスクワの中央管理システムがダウンし48時間にも渡って都市の全てのインフラが停止する重大事故が発生した事から、リスク分散の観点からによる分散型人工知能ネットワークに移行された。
この絶対福祉都市に導入された分散型人工知能ネットワークは、クラウドコンピューティングに接続可能な絶対福祉都市内に存在する全てのコンピューターサーバー及び、アプリケーションソフトウェアによって構成される。
絶対福祉都市の分散型人工知能ネットワークを構成するコンピューター及びアプリケーションソフトウェアは、その計算能力、機能、性能に関わらず、全てがクラウドコンピューティングに接続され全システムによって市民への支援を検討し実施し絶対福祉都市の運営を行っている。
これは言わば、絶対福祉都市は都市を構成する全ての物が一つの巨大な意思決定プロセスを構成している。
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建設
絶対福祉都市は2161年にプロジェクトNEW WORLD ORDERの始動によって世界17箇所で現在の国際福祉都市連合の前身組織である国際連合の国連人類社会福祉局・国際福祉都市協議会の主導の下、ほぼ同時期に全ての都市は建設を開始された。
建設には国際連合のほぼ全ての機関が参加し、また各国政府の機関や企業も参加した。
ヘルシンキが2169年に最初の都市として完成。以降、順じ各都市は完成し、2173年にリヤドが最後の都市として完成。これによって17の全ての絶対福祉都市が完成した。
各都市の住民の受け入れはそれぞれの都市の完成後、6ヶ月以降に行われた。
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都市
絶対福祉都市はハイパービルディング型ドーム型都市であると同時に、完全環境都市(アーコロジー 英:Arcolngy)である。建造された17の都市全ては、高層ビル群や超高層ビル群等の建造物群を含む都市を階層状に内包した巨大なドーム状構造物によって構成される。
絶対福祉都市には、人間が活動するのに必要な全ての社会及び経済インフラが内包されており、絶対福祉都市は居住する全ての住民が都市内で全ての生活リズムを完結可能にしている。都市1つに付き、居住可能人口は最大で600万人。
それぞれの都市には発電機能が備わっており、発電方式は核融合発電方式を採用している。核融合炉は12基が都市の最深部に整備されており、それぞれの核融合炉は4基ずつの3つのグループに分けられ、正、副、予備の3系統に分けられる。これによって都市で停電が発生するリスクを軽減している。また、緊急時の補助発電設備として、24基のLNG火力発電設備も存在する。しかし、LNG火力発電設備は、24基全てを稼動させても都市全体の電力を賄う事はできず、あくまで緊急時に都市から電力が失われる事を防ぐ為の補助として存在する。
都市内部の交通機関の乗り物としてはモノレールやリニアモータカーの他、バス、自動車等が整備されている。整備されている交通機関の乗り物は全て充電式の電気駆動である。都市内部で利用される乗り物は全てコンピューターソフトウェアによる制御を受けており、人間の操縦は安全性の観点から行われない。
都市内部では基本的に住民が操縦したり利用して怪我もしくは死亡する恐れのある乗り物は全て排除されており、例えば、自転車、一輪車、ローラースケートやキックスケーター等の乗り物は絶対福祉都市内では運用されていない。
また、絶対福祉都市間の交通機関として、2197年には地下ハイパーループ鉄道網が整備された。これによって全ての都市は、ハイパーループ鉄道網によって接続され、各都市は隣接する都市に対しハイパーループを使用する事で、5時間以内での迅速な人や貨物の移動を可能にしている。
都市の物理的な管理にはアクアノートと呼ばれるロボットが運用されている。都市内では、産業用アクアノートの他、愛玩用アクアノートが運用されている。アクアノートは狭域の意味で言えば、様々な用途の産業用アクアノートの他、住民の愛玩用である人型やペット型等のアクアノートの事だが、広域の意味で言えば、アクアノートには都市内で運用される自動制御の交通機関の乗り物も含まれる。広域の意味で言うアクアノートの意味には人工知能と自走能力の2つを備える物であれば含まれる。
なお、アクアノートについて、2691年現在、愛玩用アクアノートについては2592年に利用されたのを最後に現在は住民による購入はされておらず、都市内においては、販売広告や販売カタログ等以外で姿を目撃する事はごく稀となっている。
都市で日々消費される様々な物資の工業製品に関しては、都市を維持するのに必要な物品や、市民が消費する物品は、全て都市内部に整備された生産工場で生産が可能である。食料品に関しても、野菜や穀物等は都市内に整備された食物生産プラントによって自給が可能となっている。ただし、動物性食品に関しては、生産を都市外部に完全に依存している。
建造当初、絶対福祉都市は17都市存在していたが、2691年現在までに運用中の絶対福祉都市は13都市となっている。4都市は廃止された。廃止された4都市については、都市鉱山としてのリサイクルが実施されており、他の都市に対して必要に応じて順じ解体作業を行い資源を提供している。
以下は建造された絶対福祉都市一覧。
[都市名] [稼働状況]
・東京 運用中
・エカテリンブルグ 運用中
・上海 運用中
・台北 運用中
・ベルリン 運用中
・パリ 運用中
・ロンドン 運用中
・カイロ 運用中
・ケープタウン 運用中
・リヤド 運用中
・ロサンゼルス 運用中
・シアトル 運用中
・モスクワ 廃止
・ヘルシンキ 廃止
・北京 廃止
・ニューヨーク 運用中
・サンティアゴ 廃止
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法治
全ての絶対福祉都市は各都市が存在する各国の領土、領域に関わらず、プロジェクトNEW WORLD ORDERに従って各国政府からは独立した統治が認められている。絶対福祉の理念に基づき各都市では絶対福祉都市のシステムの支援も受けつつ、自発的な統治を実施している。
全ての都市は同様の統治機構を個別に有しており、住民による最高意思決定機関としては市参事会が設置されている。市参事会は終身制を採用し議席は最大で6議席となっている。その下部組織として、都市管理局、市民管理局、中央教育局、中央管理局、中央情報局、中央警備局の6部局が設置されている。
6部局の役割はそれぞれ、都市管理局が都市の維持と整備を管轄。市民管理局は市民サービス全般及び市民情報の保護及び管理を管轄。中央教育局は市民に対する教育サービスの提供と情報の保護及び管理を管轄。中央管理局は全部局の管理と調整を管轄。中央情報局は都市の情報セキュリティーを管轄。中央警備局は都市内の治安維持や市民の安全確保を管轄している。
全ての都市は国際連合を前身とする全世界の絶対福祉都市による国際機関である国際福祉都市連合に加盟しており、行政機能的には、この組織は連絡機関であるが、都市の運用面では、この枠組みによって全ての絶対福祉都市は接続され市民を支援する分散型人工知能ネットワークの強化と一体化を行っている。
国際福祉都市連合は2173年に発足され、設立当初は17の絶対福祉都市が加盟。2691年現在は、4都市が廃止された事を受けて13都市となっている。廃棄された都市は国際福祉都市連合によって共同管理が行われている。




