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エクセルの参謀本部 ‐ ウィキパディア

ウィキパディア-フリー百科事典

ページ/ノート

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エクセルの参謀本部

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エクセルの参謀本部とは旧アルマタリオン帝国の首都カルマルの宮殿エクセルの地下で発見された地下構造物内で発生する魔法現象ならびに、それらを引き起こす地下構造物の総称である。


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概要


エクセルの参謀本部が公的に発見されたのはエモ建国暦1333年7月2日である。セモイ戦争に勝利したエモ帝国軍が占領下においたアルマタリオン帝国の首都カルマルにおいて、宮殿エクセルの略奪中にエモ帝国軍の兵団の兵士によって発見され、その後、その特異性から統一魔法界協会の管理下におかれた。


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外観


エクセルの参謀本部はアルマタリオン帝国の皇帝の住まいであった宮殿エクセルの地下に存在する。地下構造物の内、どこまでがエクセルの参謀本部に含まれるかには議論があるが、エクセルの地下構造物全体がエクセルの参謀本部であるという考えに基づけば、その構造の建造想定年代は大よそ3つの時代区分に分ける事ができる。古代前記、古代後期、近代の3区分である。


エクセルの参謀本部の最も外側は地上のエクセルの宮殿からエクセルの参謀本部へと入る為の通路とエクセルの参謀本部を内包する地下空間である。通路は大理石で作られた回廊であり、通路の左右にはアルマタリオン帝国の歴代皇帝の彫像が飾られている。この回廊を進むと、高さ30シオン、幅80シオンの大きさの正方形状の大理石で作られた巨大地下空間が存在する。この地下空間の中央部にエクセルの参謀本部の本体がある。この通路と地下空間は最も最近の時代に作られた物で建造推定年代はエモ建国暦383年頃だと推定される。アルマタリオン帝国がエクセルの参謀本部を発見した後に地上の宮殿とエクセルの参謀本部とを繋ぐ為に作られたと推測されている。


地下空間内には古代後期(エモ建国暦-3600年~-3000年頃)の時代に建てられたと思われるドーム状の構造物が存在し、構造物への入り口が一つ存在する。入口は厚さ0.8シオンの未知の金属製の扉が設置され内部には23の部屋が存在する。室内には古代の調度品や日用品と思われる物品が多数残されているが、その構造は非常にシンプルであり質素である。ドーム状構造物の中央部にはドーム状の空間が存在する。この空間への侵入口もドーム状構造物への入り口と同じように空間へと出入りできる入り口は1つしかなく、その入り口には厚さ0.8シオンの未知の金属製の扉が存在している。このドーム状構造物が何を意味しているかは定かではないが、古代の文明がエクセルの参謀本部を発見し何らかの理由でエクセルの参謀本部を覆う様に建設したのではないかと考えられている。このドーム状構造物は非常に高い強度と耐久性を持っており、外壁は近年までその繋ぎ目の無い構造から、材質に何が使われているのか、分からなかったが、エモ建国暦1431年にリュク魔法大学の建築学者サラマンドルフ・サーシャウルフマン学師の研究によって混凝土と呼ばれる砂、砂利、水などを膠灰で固めた建築素材と似た建築素材によって作られている事が判明した。サラマンドルフ学師の調査はその構造にまで及び、外壁の内部には金属製の棒が複数配置され、これによって強度や耐久性をより向上させている事が分かった。このドーム状構造物の外壁は厚さが5シオンとなっている。


ドーム状構造物中央の空間内にはさらに古い古代前期(エモ建国暦-6000年~-5000年頃)の時代に建てられたと思われる長方形型の石造りの石室が存在する。この石室は1つの入口から内部に侵入でき、内部は2つの部屋と1つの廊下で構成される。入口から内部に入るとまず、最初の部屋があり、その部屋の左隅に廊下が存在する。そして、侵入者から見て廊下の最奥、右側の壁に入口があり、その先に2つ目の部屋がある。この部屋がエクセルの参謀本部が引き起こす魔法現象の発生場所である。なお、この石室は他の構造物とは違い、調度品等が殆ど残されていない。唯一存在するのは最初の部屋内にある2つの水瓶だと思われる土器だけである。また、石室の構造は極めてシンプルであり、石を積み上げただけである。石材も既存の石材だという事が確認されている。しかし、単純な構造物であるにも関わらず、その建物の強度と耐久性は異常そのものであり、これを覆うドーム状構造物よりも遥かに高い強度と耐久性を持っており、統一魔法界協会が行ったサンプル採取の試みは全て失敗に終わっている。また、実験では、魔法使による大出力のライトニードルの射撃耐久度実験も行われたが、この時行われたライトニードルの威力が1トン相当の大理石を粉砕可能な破壊力であったにも関わらず、このライトニードルの直撃を受けた石室は一切のダメージを受けなかった。また、石を積み上げただけの単純な構造である事から石を一つずつ外してサンプルを採取するという試みも試されたが、解体行為はその一切の試みが失敗した。


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魔法現象


統一魔法界協会の調査によってエクセルの参謀本部が引き起こす魔法現象は以下の条件下によって発動する事が判明している。


・時刻が深夜である事

・石室への侵入者が何らかの言語を話せる事

・石室への破壊活動をしなかった者である事

・石室への侵入者が1人である事


この4つの条件がエクセルの参謀本部が引き起こす魔法現象の発生条件である。一つでも該当しなかった場合、魔法現象は発生しない。


エクセルの参謀本部は石室侵入者に対する幻影である。この幻影は石室への侵入者に対してのみ発動する。外部から侵入者を観察した場合、観察者には幻影の影響は一切発生しない。したがって外部からの観察者は侵入者が何の変哲も無い石室に侵入している様にしか観察できない。


しかし、侵入者は幻影の影響によって外部から観察できる様子とはまったく違う情景を五感の全てで体感する。


侵入者はまず、石室の入口に入ると一瞬、軽度の目眩の様な感覚を覚える。目眩はその後すぐに治まるが、目眩が治まるとその時点から幻影が始まる。


エクセルの参謀本部の影響を受けた侵入者は石室の内部について、同じ構造(2つの部屋と1つの廊下)の石室ではない別の空間に居ると認識する。


侵入者が認識するその空間はその時々によって違う空間であり、例を挙げれば、ある時は、砂利の地面に建てられランプの灯りが灯った天幕内であったり、またある時は、豪華な調度品が飾り付けられ窓まで存在し窓の外を見れば豪華絢爛な色とりどりの庭園が広がる宮殿か屋敷の様な建物内であったり、またある時は、松明の灯りが灯り、これまでに確認された事の無い象形文字や絵が壁一面に描かれた空間や、またある時は、石室を覆うドーム状構造物の室内の様に混凝土で作られたと思われる質素な印象の室内に幾らかの調度品が置かれた建物内に居る様に認識する。


侵入者がその様な認識下に置かれた状態で石室内を進み最初の部屋から廊下へと進むと、次に侵入者は人の話し声を認識する。その話し声は2つ目の部屋内から漏れ聞こえてきている。侵入者が2つ目の部屋への入口の地点に到達すると、そこに扉やもしくは、天幕の布で入口が塞がれている様に感じる。現実では石室内には一切の扉や天幕の布等は存在しない。


なお、この時、侵入者が石室の入口から外へと出た場合、エクセルの参謀本部は不活性化し、幻影の現象は終息する。


二つ目の部屋の前で侵入者には室内から複数の人の話声が聞こえるが、この言語は侵入者にとってその大半が未知の言語である。しかし、侵入者はその言語の内容を理解する事ができる。話し声の内容は主に何らかの作戦会議の様な内容であり、その内容の詳細は幻影毎に異なるが、基本的にはこれまで確認された全ての例において、どうすれば勝てたのかという議題で、会話を行っている。


侵入者はこの時、来た道を戻り現象を終わらせるか、二つ目の部屋内へと入るか、そのままその場で話声を聞き続けるかのいずれかの行動ができる。破壊行為はそれを行う事は侵入者が強烈な嫌悪感や罪悪感を感じ殆どの場合は実現する事はできない。この嫌悪感や罪悪感の反応はエクセルの参謀本部の魔法現象的影響の一部であると考えられている。なお、この時、嫌悪感や罪悪感を押し殺し破壊行為を行った場合、エクセルの参謀本部は急激に不活性化し現象は終息するが、破壊行為を行った侵入者はその後も嫌悪感や罪悪感の感覚が残り、これは時間経過と共により強力となる。殆どの場合、破壊行為を行った侵入者はその後に重度の鬱病や精神疾患を発症し最終的には自身の生命を絶つ事となる。


破壊行為を行わない場合、その場で二つ目の部屋から漏れる話し声を聞き続けた場合は、エクセルの参謀本部の現象はその後も活性化状態を維持する。この状態は非常に長時間継続すると考えられており統一魔法界協会の実験では、1ヶ月分の生活物資を持たせた侵入者に対して二つ目の部屋に入らずに廊下で話し声の内容を記録し、さらにその状態でエクセルの参謀本部がどれだけの時間、発動を続けるのかの実験が行われたが、侵入者が持ち込んだ生活物資が尽きやむ終えず石室から侵入者が退出するまで現象は継続した。なお、その間、作戦会議は絶え間なく続いた。


侵入者が認識している扉もしくは天幕の布を開けて二つ目の部屋へと入ると、侵入者はその時点でまず、匂いを感じる。その匂いは発生している現象毎に違うが、例えば煙草の煙の匂いであったり、酒の匂いであったり、料理の匂いであったりとその種類は様々である。


二つ目の部屋の内部には中央部に地図の置かれた大きなテーブル、もしくは砂場、もしくは地図が映し出された奇妙な光る魔法具が存在し、それを囲う様に複数の人物達が存在する。また、部屋の四隅にも机等があり複数の人物達が何らかの作業をしている場合もある。部屋の壁に地図が貼ってあり地図を眺めている人物達が居る場合もある。人物達の配置や格好や部屋の様子は現象のその時々によって違う。


人物達は基本的に部屋の中央部において、廊下に漏れ聞こえていたのと同様の何らかの作戦会議を行っている。その様子は話しながら例えば地図にペンで線を引いたり軍隊の配置駒だと思われる物を動かしたり、もしくは、砂場である場合は木の棒で砂に線を引いたりして作戦会議を行っている。


これら一連の石室内の様子や人物達はその殆どが、何なのか、何者なのか良く分かっていないが、一部の出現記録から、この石室内の様子や人物は過去に実在した様々な国の天幕や建物、指揮官階級の戦士を石室の構造に合わせて石室内に幻影として侵入者に対して再現し見せているのではないかと考えられている。


侵入者はこの作戦会議を行っている人物達に話しかける事ができる。話しかけなければ、人物達は作戦会議を継続するが、この時、室内に居る人物に対して話しかけると、その人物に作戦会議を行っている場所に誘導される。そして恐らくはその場で一番身分的に偉いと思われる人物の元まで連れて行かれると、それまで部屋に入っても一切を気にせずに作戦会議を行っていた人物達が侵入者に対して反応を始める。すると一番身分的に偉いと思われる人物は侵入者に対して、攻撃相手と自軍の情報を示せと言ってくる。この時に、侵入者が何も言わない、もしくは別の話題の話をした場合、エクセルの参謀本部は急激に不活性化し現象は終息する。


一方で侵入者が一番身分的に偉いと思われる人物の問いに対して、自身が攻略したい対象の情報を述べるもしくは、情報を提示すると、一番身分的に偉いと思われる人物を中心にその周辺の人物達を交えての侵入者が提示した攻略対象の攻略を如何にするかの作戦会議が始まる。


人物達は侵入者の提示した内容や侵入者に対して非常に親身になって対応する。そして作戦会議は人物達によって幾つかの案が示され、最終的には1つに絞られるまで続く。作戦会議は侵入者が提示した攻略対象の難しさに応じて長くなる傾向にあるが、基本は数時間から長くても数日中には案は1つに絞られる。


なお、この間、作戦会議が数時間以上の長時間に及ぶ場合は、作戦会議中、廊下から扉を開けて給仕を行う人物が現れ、飲食物を提供してくる。この時提供される飲食物の内容は、石室の幻影の状況と同じく、発生している幻影によってメニューが違う。侵入者がこの飲食物を摂取すると、侵入者は五感の全てにおいて、本物の食べ物と大差ない感覚を感じる。またこれによって空腹も発生しない。外部からの観察においては侵入者は一切の飲食物の摂取は行っておらずあくまで幻影である。しかし、侵入者は不思議な事にこの飲食物の摂取を続ける事によって生命活動の維持を可能にしていると考えられ、統一魔法界協会の実験では最長で30日間もの間、侵入者が現実では何の飲食もしていないにも関わらず、生命活動を維持した。また、侵入者は、エクセルの参謀本部の現象の影響を受けている間、一切の尿意や便意を感じず、さらに排便を行なわなくても生命維持が可能となっている。


作戦会議が終了すると人物達は侵入者に対して石室からの退出を促し、早く作戦を実施する様に促す。これに従って侵入者が石室より退出すると、エクセルの参謀本部は急激に不活性化し現象は終息する。一方で理由無く退出しない場合、人物達の内、身分的に低いと思われる人物達に無理やり部屋から退出させられ廊下に出される。そして扉、もしくは天幕の布が閉じられ、室内からは再び一番最初と同じ内容に関する作戦会議の声が漏れ聞こえてくる。この後、侵入者が再び二つ目の部屋へと侵入を試みた場合、侵入者が扉もしくは天幕を開けたその瞬間にエクセルの参謀本部は急激に不活性化し現象は終息する。ただし、廊下や一つ目の部屋に居る場合はエクセルの参謀本部は活性化状態を維持する。


なお、侵入者の中には作戦会議中に人物達と会話を進めて行く上で稀に人物達に対して尊敬の念や畏敬の念に似た感情を抱く事がある。これは全ての現象に共通する訳ではなく、あくまでごく稀な事ではあるが、侵入者はこの様な感情を抱く場合がある。この様な感情を抱いた侵入者の内、一部は、一番偉い身分と思われる人物に対して、自身を部下にしてほしいと懇願する。これが発生した場合、人物達は侵入者に対して思いとどまるように説得するが、侵入者の懇願の気持ちが強い場合、人物達の説得が失敗した場合は、一番偉い身分と思われる人物が侵入者に対して了承する言葉を送る。そしてそれに対して侵入者が礼の言葉を述べるとその瞬間にエクセルの参謀本部は急激に不活性化を始め、現象は最終的に終息する。しかし、この時、この現象の終息と共に侵入者も消滅する。


この消滅について統一魔法界協会は長年、この時消滅した人物がどうなったのか不明だった。その為、統一魔法界協会では消滅者は死亡者として扱われた。しかしエモ建国暦1443年の実験中に出現した幻影の人物中に、過去の消滅した人物が、幻影の人物と同じ服装をして侵入者に対して給仕をする姿が確認された。この時の実験の幻影中で出現した一番偉い身分と思われる人物は消滅者が消滅する際の実験時に出現していた人物と同じであった。この事から、エクセルの参謀本部は一部の条件を満たした人間をその魔法現象に組み込むものと推測されている。


なお、この時に消滅者に対して話しかける事が成功しており、消滅者は一番偉い身分と思われる人物の名前を挙げて、彼の元で働けるのは非常に名誉な事だと答えた。その後もこの消滅者は、特定の幻影の人物が出現する際に現れるのが確認されている。なお、この消滅者が実験で消滅したのはエモ建国暦1372年の事であり、実験中に消滅してから最初に再確認された頃には実に71年もの月日が経過し、実験当時の年齢が51歳であった事から、再確認された頃には実に122歳という年齢の計算になったが、再確認された消滅者は外見的に一切の年齢をとっている様には見えなかったとされる。そして最も最近に確認されたのがエモ建国暦1513年であり、実験中の消滅から実に141年もの月日が経過していたが、消滅者は一切の年齢をとっている様には確認できなかったとされる。


この消滅者の例から、エクセルの参謀本部の魔法現象の被験者は細心の注意を払う様に統一魔法界協会はエクセルの参謀本部を管轄する全魔法使に求めている。


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アルマタリオン帝国との関係


エクセルの参謀本部とアルマタリオン帝国は密接に関係が深かったと推測されている。アルマタリオン帝国が領土拡張を開始したエモ建国暦383年からエクセルの参謀本部の魔法現象を利用していた可能性が考えられており、当時、西方のまだ小王国であった国がこの年以降に恐るべき速度で領土拡張を続けた要因として挙げられる。また、アルマタリオン帝国軍の戦争記録を精査しても、その戦術や戦略は非常に卓越したものが多かったが、統一魔法界協会がエクセルの参謀本部を利用して得た戦術や戦略の情報の中には、アルマタリオン帝国軍が使用した戦略や戦術の幾つかが確認された。


さらにアルマタリオン帝国がエクセルの参謀本部を利用した証拠として、アルマタリオン帝国が降伏時に焼却処分をしきれなかった国家機密情報の中にはエモ建国暦383年からエモ建国暦1333年にも及ぶエクセルの参謀本部の利用記録の一部が残されていた。この利用記録はエクセルの参謀本部の現象で出現した人物の名簿帳であり、2つ目の部屋で出現する人物達の内、一番偉い身分と思われる人物の名前を記した名簿である。


以下は名簿帳の名前一覧の内、エモ建国暦383年の記録と、アルマタリオン帝国が領土の大拡大を開始したエモ建国暦1259年、エモ建国暦1330年の記録を抜粋する。


・エモ建国暦383年

 ・ガイウス・ユリウス・カエサル

 ・ラムセス

 ・リク ヨウ

 ・ミトリダテス

 ・アウグストゥス

 ・スキピオ

 ・スパルタクス

 ・クトゥブッディーン・アイバク

 ・ミシェル・ネイ

 ・ディオクレティアヌス


・エモ建国暦1259年

 ・ハンニバル

 ・マルクス・アントニウス

 ・アレクサンドロス

 ・ソン・ブ

 ・エルヴィン・ロンメル

 ・ヤマモト・イソロク

 ・ホレーショ・ネルソン

 ・ハインツ・ヴィルヘルム・グデーリアン

 ・ジェレンジョネム・ショルセン

 ・オダ・ノブナガ

 ・スパルタクス

 ・アルミニウス

 ・ニュレベサリオス

 ・フラウィウス・ベリサリウス

 ・ディオクレティオヌス

 ・ピョートル

 ・ワシーリー・チュイコフ

 ・ゲオルギー・ジューコフ

 ・ヤマシタ・トモユキ

 ・グラッリアーニ

 ・クリバヤシ・タダミチ

 ・ガク・キ

 ・ハク・キ

 ・モンゴメリー

 ・キム・ジョンウン

 ・コンスタンチン・コンスタンチノヴィチ・ロコソフスキー

 ・トクガワ・イエヤス

 ・ウエスギ・ケンシン

 ・ニカノル

 ・ヴォー・グエン・ザップ

 ・ジョン・フラフスキー

 ・アレクサンドル・スヴォーロフ

 ・ダグラス・マッカーサ―

 ・デービッドソン

 ・マーカス・エスパー

 ・ポンペイウス


・エモ建国暦1330年

 ・クィントゥス・セルトリウス

 ・エーリッヒ・フォン・マンシュタイン

 ・ルイス・マウントバッテン

 ・アッティラ

 ・ベルトラン・デュ・ゲクラン

 ・エー・シックスナインセブンスリースリー・エー・ファイブ・コマンダー

 ・ルイ

 ・アダド・ニラリ

 ・ジャルレイ・バンサパンサ

 ・デザリアム・ウル・ガルガンチュア

 ・ロバート・イー・リー

 ・アウルス・ウィテッリウス

 ・ルキウス・セプティミウス・バッシアヌス

 ・フランシスコ・ソラーノ・ロペス

 ・キム・ジョンイル

 ・カール・アウグスト・ハンケ

 ・アロイス・ブルンナー

 ・ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ

 ・ツジ・マサノブ

 ・ムタグチ・レンヤ


エクセルの参謀本部がアルマタリオン帝国の治世下において最後に利用されたのはエモ建国暦1330年である。アルマタリオン帝国はそれまで、戦争においては必ずと言って良い程、エクセルの参謀本部に依存していた。これはセモイ戦争で降伏したアルマタリオン帝国軍の高級将兵が証言しており、実際に過去を含めた多くの戦争における戦術や戦略について、常識ではとられない様な戦術や戦略がとられていたり、現場の指揮官が明らかに指揮能力不足にも関わらず高度な戦術や戦略を展開していた記録が残されている。


この様に必ずと言って良い程までにエクセルの参謀本部を利用していたアルマタリオン帝国であったが、セモイ戦争でシャルバント・エルラフマン皇帝率いるエモ帝国軍に対して敗北を重ねると、エモ建国暦1325年から1329年にかけて、エクセルの参謀本部をこれまでに無かったペースで利用した。これによってエモ帝国軍の攻勢を大幅に遅延させる事に成功している。しかし、エモ建国暦1330年に行ったエクセルの参謀本部の利用では、現象で現れた軍人達は名将に恵まれなかった。すべてがそうであった訳ではなく名将と呼べる人物も現れたが、後半はロバート・イー・リーを最後に名将と呼べる人物が現れなかった。


しかし、それにも拘らず、アルマタリオン帝国軍の指揮官達の間では過去の帝国の膨大な前例での成功経験からエクセルの参謀本部の指示に従えば必ず勝利できるという考え方が慢性化していた。その為、アルマタリオン帝国軍は出現した全ての人物達の戦略や戦術を一切検討せず、疑わずに追従して実行した。


その結果、それまでシャルバント・エルラフマン皇帝率いるエモ帝国軍の攻撃を抑える事に成功していたにも関わらず、無茶な作戦や戦術、戦略を実行しその結果、戦線はあっという間に崩壊し、さらに戦死者、死者、負傷者も激増した。あまりにも悲惨な状況に帝国軍の全権を握っていたアルマタリオン帝国第18軍の司令官シャルバートン・ゼゼムンはエクセルの参謀本部の使用を禁止した。そして、エクセルの参謀本部に頼らずに自身達の指揮による軍や戦線の再編作業を図る事にした。しかし、結局、これは失敗した。アルマタリオン帝国軍の指揮官達が戦術や戦略面においてエクセルの参謀本部に完全に依存していた為である。この時の様子について、アルマタリオン帝国第9軍の百人隊長ジャスシェリオセリは、戦後に手記でこう語っている。


「帝国の指揮官達は何度も作戦会議を開くもその度に何の話すら纏まらなかった。ゼゼムン将軍は賢明にその場を治めようとしていたが、彼の努力は全て無駄だった。下手な貿易商の方が会議のやり方は上手かった。これが本当に世界に冠たる栄光ある帝国の領土を拡大させた指揮官達なのか。まるで別人の様だ」(※アルマタリオン帝国においてエクセルの参謀本部の存在は上級指揮官階級者にのみ明かされており、百人隊長はその存在を知らされていなかった)


シャルバートン・ゼゼムンはアルマタリオン帝国が滅亡するその時まで軍全体の舵取りを行い奮戦したが、奮戦の甲斐なくアルマタリオン帝国の首都カルマルはエモ建国暦1333年7月1日にシャルバント・エルラフマン皇帝率いるエモ帝国軍によって陥落し、この時の戦いでアルマタリオン帝国軍で最後の組織的抵抗を行っていたシャルバートン・ゼゼムン指揮下のアルマタリオン帝国第18軍は壊滅し、ここにシュタリオン大陸の広域を支配したアルマタリオン帝国は滅亡した。


戦後、戦いを生き残ったシャルバートン・ゼゼムンは統一魔法界協会の調べに対して以下の様に語っている。


「…我々は分かっていなかったのだ。エクセルの参謀本部とはアルマタリオン帝国そのものであった。私はあの時、余りにも酷い状況にエクセルの参謀本部の利用を禁止した。私達には異様な自信があったのだ。これまで自分で考えた作戦ではないにも関わらず、私達はまるで自分達で考えた作戦かの様に戦争をふるまった。そしていつしか、それを授けられた力にも関わらず自分達の力だと何を間違ったのか思う様になってしまったのだ。私もそうだった。エクセルの参謀本部なんぞに頼らなくても軍を統率できると。だが、実際は何もできなかった。各軍の話すら纏められなかった。私は無能であった。エクセルの参謀本部を使わないと決めた時、その時点で私達、帝国にはもう何も残されていなかったのだ。帝国は頭を失った…中略…あの時、あの様な者達ではなく、もっと素晴らしい名将さえ現れてさえいれば帝国は少なくとも滅亡はしなかっただろう。もっと強い名将さえ召喚できていれば…」


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統一魔法界協会によるエクセルの参謀本部の研究規制


統一魔法界協会はエクセルの参謀本部について。その研究利用を統一魔法界協会より特別な承認を受けた魔法使にのみ制限し、それ以外に一切の利用を禁止している。また、アルマタリオン帝国が残したエクセルの参謀本部に関する資料の全ても観覧が規制されている。


さらにエクセルの参謀本部を利用した時代考証を伴う一切の研究について。エモ建国暦1335年に一切の禁止を表明し全面禁止している。協会は時代考証を伴う研究が明らかになった場合、研究者としての資格取り消し処分の他、統一魔法界協会が所有する流刑地サルマルス諸島への流刑処分を実施しており、これまでに53人の研究者が処分されている。


これらの研究規制や処分について、歴史研究者で組織される統一考古学研究学会は統一魔法界協会を批難しており、1340年には度重なる歴史学者や魔法使の処分に対して、統一魔法界協会にとって何か不都合な事実でもあるとかと、非難決議を採択している。また、統一考古学研究学会は過去の人物を幻影とはいえ再現するエクセルの参謀本部は今だ知られていない古代の時代を知る上で最重要な歴史資料だとして、統一魔法界協会に対してこれまでに69回に渡って研究規制の解除を要請している。これに対して統一魔法界協会は、協会にとって不都合な事実など一切無く、単にエクセルの参謀本部を使って歴史考証を伴う実験をする場合、実験の被験者に重大な身体的ダメージが伴う魔法影響を与えうる可能性がある為に禁止している処置だと長年説明している。しかし、統一魔法界協会はこの実験の被験者に重大な身体的ダメージが伴う魔法影響を与えうる可能性について、明確な説明をしておらず、こういった点も統一考古学研究学会から批難されている。


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古代後期時代のドーム状構造物について


・内部構造

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・内部に残されていた古代の調度品及び日用品

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― 新着の感想 ―
[一言] こんばんは、この前紹介した作品は如何でしたでしょうか、自分の言った含みある言葉の真意が読めたかと・・・
[一言] 更新お疲れ様です。 エクセルの参謀本部、史実の有名な軍人や武将が作戦会議で知恵を授ける場と言ったところですかね。めちゃくちゃ揉めてそう。そして言葉が通じてる。 それと時代が下るごとに人員が…
感想一覧
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