イギリス領ヌスタジスク帝国の軍事 ‐ ウィキパディア
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イギリス領ヌスタジスク帝国の軍事
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この項目ではアレクサンドロス・マーク・キッシンジャー(英:Alexandros Mark Kissinger)の勢力が設立したイギリス領ヌスタジスク帝国の軍事について解説する。
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目次
1.概要
2.歴史
2.組織
2.1任務
2.2帝国軍
2.2.1陸軍
2.2.2空軍
2.2.3海軍
2.3ホームガード
2.4エクセデリカ警視庁
2.4.1戦列歩兵の運用
2.5開放市民運動
2.6藩王国
3.軍事保護条約
3.1エステルヴァス公国
4.ヌカリオス大陸に与えた文化的影響
5.資料
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概要
イギリス領ヌスタジスク帝国の軍事組織は帝国成立前に設立された帝国軍の前身組織であるグレナディアーズ連隊(※イギリス軍の近衛歩兵連隊とは別の組織)を始まりとする。イギリス領ヌスタジスク帝国の成立後、グレナディアーズ連隊を陸海空軍に分割した帝国軍が結成され、その後にその他の組織も新たに設立された。
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歴史
・2035年‐アレクサンドロス・マーク・キッシンジャーらの勢力が英連邦文化保存協会を介してヌスタジスク伯国侵攻を画策し武装の準備が行われる。
・2038年‐侵略に賛同する者達が集められ、イギリス領ヌスタジスク帝国軍の前身であるグレナディアーズ連隊が結成。
・2042年‐グレナディアーズ連隊がヌスタジスク伯国に侵攻。ヌスタジスク伯国を侵略しイギリス領ヌスタジスク帝国が成立。
・2042年‐総督府の設置と共にヌスタジスク帝国軍が設置されグレナディアーズ連隊が所属。
・2044年‐クーデター未遂事件。一部の帝国軍兵士と一般市民が総督の殺害を企てる。
・2045年‐エステルヴァス公国によるヌスタジスク帝国侵攻。
・2046年‐シルクジョニーの大反乱。
・2046年‐エステルヴァス公国が事実上の無条件降伏。
・2046年‐シルクジョニーの大反乱が終息。
・2048年‐アクアマリンにおいて、ヌスタジスク帝国、エステルヴァス公国、ミステミス伯国、ジュノヴァン王国の4カ国による国境地帯の緊張状態緩和に向けた軍事当局者による初会談。国境地帯における双方部隊の撤収が決定される。
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組織
イギリス領ヌスタジスク帝国には総督府直轄下の国防組織としてイギリス領ヌスタジスク帝国軍が存在し、民間防衛組織としてホームガード。国内の治安組織としてエクセデリカ警視庁と解放市民運動の計4組織が存在する。
・任務
国家の防衛及び国家体制の維持。
・帝国軍
イギリス領ヌスタジスク帝国軍(もしくはヌスタジスク帝国軍、女王陛下の帝国軍とも呼ぶ)は2042年に一部の英連邦系市民によるヌスタジスク伯国への侵攻によって成立したイギリス領ヌスタジスク帝国の正規軍。正式名称は単にヌスタジスク帝国軍。軍の国籍は、イギリス領ヌスタジスク帝国となっており、あくまでイギリスでは無い。陸海空軍の3軍を有しており、構成する人員は全てが英連邦市民によって構成される。総兵力は3,570名。志願制を採用しており、この総兵力は、ヌスタジスク帝国に居住する英連邦市民の総人口が約2万人なのに対して実に5人に1人の割合が軍に所属している計算となる。ただし、陸軍に所属する人員の内、500名はエクセデリカ警視庁に出向している事から帝国軍全体の実質の人員数は3070名。
帝国軍はヌスタジスク伯国侵攻を行ったグレナディアーズ連隊がその前身組織であり、現在の帝国軍が設立された後もその実態は陸軍のグレナディアーズ連隊が主力を務め、空軍と海軍は陸軍の補助的な任務を行っている。帝国軍の総司令官は憲法上イギリスのエリザベス女王。ただし、エリザベス女王は現在は地球上に存在しない為、その代理を務める総督が最高司令官である。
また、現行の帝国軍の特徴として、実質の最高階級が中佐なのが挙げられる。これは最高司令官である総督のキッシンジャーが連隊規模の軍の指揮に必要な階級は中佐が的確だとして、それ以上の階級ポストを自身を含めて軍内部に設置しなかった為であり、帝国軍発足当初は、階級について、キッシンジャーを元帥にする案があったとされるが、キッシンジャーはそれを拒否し中佐とした。その為、帝国軍内において、実質の最高位階級は中佐であり、中佐階級の人物はキッシンジャーしか居ない状況である。
軍服は基本的にイギリス軍が採用していた全シリーズのモデルの制服を採用しているが、現地でこれまで行われた全ての戦闘において、帝国軍はイギリス近衛兵の正装を前身のグレナディアーズ連隊時代から一貫して使用している特徴がある。これは陸軍のみならず、空軍や海軍においても同じである。
・陸軍
兵力3,500名。唯一の構成部隊編成はグレナディアーズ連隊の1個連隊のみ。陸軍を構成しているグレナディアーズ連隊はヌスタジスク伯国侵攻後、一連の戦いの殆ど全てに参加した。以下は陸軍が保有する装備一覧。
車両
〔三菱ふそう石炭ジャパンリカバリーカーゴG7〕 ×300両
〔ブレードストライカー〕 ×10両
(※CAT785C石炭動力バージョンY‐2のガントラックバージョン。ブルドーザーブレード、車体全面を保護する簡易装甲板、操縦席の左右にスポンソンと呼ばれる張り出しの2基のヴィッカース重機関銃砲郭、荷台にヴィッカース重機関銃銃座5基、荷台の簡易装甲天井に迫撃砲発射用口を供える)
小火器
〔AK‐74M自動小銃〕
(※2047年に次期主力小銃としてライセンス生産開始。年度中に主力小銃としてコモンウェルス半自動小銃から転換完了)
〔コモンウェルス半自動小銃〕
(※ヌスタジスク伯国侵攻前に当時の英連邦文化保存協会がM1ガーランドをモデルに独自開発した半自動小銃。2048年に予備役化)
〔ヴィッカース重機関銃〕
(※2035年に当時の英連邦文化保存協会が独自開発した重機関銃。外見がヴィッカース重機関銃に似ている事からヴィッカース重機関銃と名前が付けられた為、第一次世界大戦や第二次世界大戦で使用されたヴィッカース重機関銃とは同一の存在ではない)
〔SIG SAUER P32〕
〔R7ロケットランチャー〕
(※帝国が独自開発した歩兵用火器)
〔RN手榴弾〕
(※ヌスタジスク伯国侵攻前に英連邦文化保存協会が独自開発した手榴弾)
〔M244 60mm迫撃砲〕 ×500
砲火器
〔自走式BM‐21多連装ロケット砲〕 ×10
(※2047年にアメリカ経由で国連軍仕様のトヨタ石炭ハイラックス搭載型が輸入された)
〔120mm迫撃砲RT〕 ×30
〔日本製鉄UNF‐105mm榴弾砲〕 ×10
〔ネルソンランチャー〕 ×不明
(※帝国が2044年に独自開発した牽引式150mm6連装ロケット砲)
・空軍
兵力10名。唯一の構成部隊編成として第1航空偵察分隊が存在し1個分隊から成り立っている。空軍の主な任務はドローンによる敵部隊の偵察となっている。以下は空軍が保有する装備一覧。
ドローン
〔日立UNF‐S1 UAV〕 ×30
(ヘキサコプタータイプの軍事偵察用ドローン)
〔日立UNF‐MQ‐9C ファンタジーバスター〕 ×1
(※2047年にアメリカから供与されたMQ‐9リーパーの自由落下型爆弾運用式のLAWS機。日シ戦争中に日立と在日米軍が、国連軍向け装備としてMQ‐9リーパーの誘導兵器非搭載型のモンキーモデル機に長距離飛行用の大容量バッテリーの搭載と、スタンドアローン行動を目的とした完全自立型のLAWS機として共同開発した機種。第1航空偵察分隊では最新の軍用AI搭載モデルのUNF‐MQ‐9を偵察機と攻撃機の兼用として導入。なお、導入機にはジャッキーと欧米圏の女性名が付けられており、機体搭載の軍用AIは帝国空軍のマスコットキャラクター兼、Vtuber風のバーチャルキャラクター(軍用AIの応用法としては世界初事例)にもなっている。空軍のイベントでは搭載AIとの交流イベントも定期的に開催されており一般にも人気が高いとされ、ジャッキーはCEBCのEスポーツ番組やニュース番組にも頻繁に出演している)
車両
〔三菱ふそう石炭ジャパンリカバリーカーゴG7〕×3
〔移動電源車〕×2
・海軍
兵力60名。艦艇数3隻を保有している。艦隊としての編成などは特にされていない。以下は海軍が保有する艦艇一覧。
〔14,000トン級石炭動力貨物船 クイーン・エリザベス(旧わかさぎ丸)〕
建造 :2025年
全長 :199.94m
形状 :三島型
兵装 :UNF‐ZU30mm連装機関砲×1
:ネルソンランチャー×2
乗員 :20名
〔14,000トン級石炭動力貨物船 プリンスオブウェールズ(旧長崎丸)〕
建造 :2025年
全長 :199.94m
形状 :三島型
兵装 :UNF‐ZU30mm連装機関砲×1
:ネルソンランチャー×2
乗員 :20名
〔12,000トン級石炭動力石炭船 ロイヤル・コモンウェルス(旧救国丸)〕
建造 :2024年
全長 :160m
形状 :三島型
兵装 :UNF‐ZU30mm連装機関砲×1
:ネルソンランチャー×2
乗員 :20名
・ホームガード
ホームガードはシルクジョニーの大反乱後に組織化されたシティ・オブ・ロンディニウムの英連邦市民による民兵組織である。有事の際や帝国軍の不在時に召集され、シティ・オブ・ロンディニウム及びエクセデリカの防衛を担う。シティ・オブ・ロンディニウムの住民はシルクジョニーの大反乱後に定期的に有事を想定した市民訓練を行っており、有事の際には規定の人数が召集され平時でも帝国軍の不在時には大隊規模が召集される仕組みとなっている。制服には陸軍の作業服が採用され、防具にはブロディヘルメットが採用されている。スタイルとしては第二次世界大戦下のイギリスのホームガードが近い。以下はホームガードが保有する装備一覧。
〔コモンウェルス半自動小銃〕
〔ヴィッカース重機関銃〕
〔R7ロケットランチャー〕
〔RN手榴弾〕
〔M244 60mm迫撃砲〕
・エクセデリカ警視庁
エクセデリカに本部を置く主に現地のロア=ルゥ族によって構成されたイギリス領ヌスタジスク帝国の警察組織。ヌスタジスク帝国において、イギリス領ヌスタジスク帝国軍と、英連邦市民によるホームガード以外では国内で唯一の近代武力の所持が認められた組織である。人員数は3万人。組織は大きく分けて4つの主要部局に分けられ、それぞれの部は異なる役目を負っている。主要な部局は、地域警ら部、専門刑事活動部、専門活動部、そして総務部に相当する6つの支援部局。各部は、それぞれ警視監の監督の下で職務を執行する。
指揮官階級以外を現地人によって成立する組織であるが、エクセデリカ市内での警察任務も担当している。ただし、シティ・オブ・ロンディニウム内の警察任務はエクセデリカ警視庁管轄のロンディニウム地区警察が担当し、この地区警察は人員をすべて英連邦市民によって構成されている。
エクセデリカ警視庁はシルクジョニーの大反乱で反乱軍によって陥落寸前の窮地のエクセデリカ市を救った事から、総督府から絶大な信頼を受けているとされ、組織内にはスコットランドヤード連隊と呼ばれるエクセデリカ市近郊の治安維持を任された専門の治安部隊も存在する。この治安部隊は他の警察官が19世紀のスコットランドヤードスタイルの制服を採用しているのに対して、唯一それと共に、別で戦闘用や式典用の制服として、クリミア戦争(1853年‐1856年)時のロイヤル・スコットランド連隊の制服を模した制服を採用しているのが最大の特徴である。この部隊の警察官は審査選考が非常に厳格である事が知られており、体力や学問に加えて英連邦市民への忠誠心が非常に高いと認められた人員が集められているとされる。その為、総督府は他の警察官では見られない所属警察官に対するマスケット銃の全面配備(一般警察官に対してマスケット銃は平時の場合5人につき1挺の割合しか配備されず)や、有事の際に限りこの部隊に対してだけは、コモンウェルス半自動小銃の貸し出しを許可している。コモンウェルス半自動小銃の貸し出しは総督府が現地人に対して与える武装としては非常に特例的な立場の部隊であり国内で唯一の認められた現地人部隊である。その為、スコットランドヤード連隊は現地人の警察官内では非常に高い憧れのポストであるとされ、名誉であるとされる。
エクセデリカ警視庁の有効求人倍率は非常に高い事が知られており、毎年、欠員者補充の為の求人が出されるが、これに対し約9万人以上(ロア=ルゥ族の人口は90万人)の応募があるという。これは警察官の職がロア=ルゥ族の間で大変人気の高い職業である事が理由とされる。ロア=ルゥ族は英連邦市民による植民地統治を容認している人々が他の現地人に比べて圧倒的に多い事が知られており、その為、警察官を名誉な職業と認識しているとされ、これが有効求人倍率を跳ね上げる大きな一因になっているとされる。なお、警察官の応募条件には性別の条件は無く14歳以上のロア=ルゥ族であれば、誰でも応募が可能な為、警察官には女性も多く在籍する。警察官の男女比は6:4とされており、この男女比は植民地統治後も男性優位社会である現地人の社会においては、異例の高水準であるとされる。
〔警棒〕
〔レクタングル型ライオットシールド〕
〔コモンウェルス半自動小銃〕
(※有事の際の貸し出し装備)
〔スプリングフィールドM1863型マスケット銃〕
(※スコットランドヤード連隊が配備する主力前装式小銃)
〔ブラウン・ベス2043〕
(※一般警察官向けに開発されたブラウン・ベスの新規モデル。パーカッションロック式非ライフル前装式小銃)
〔ウェブリー・リボルバーMk.IV 44口径〕
(※スコットランドヤード連隊が配備する主力回転式拳銃)
〔M6 .44マグナム簡易拳銃〕
(※モーゼルc96型の装弾数3発の自動式大型拳銃。2048年に次期主力拳銃として採用。シティ・オブ・ロンディニウムの工廠と王立造兵廠が共同生産)
〔M5 .44マグナム簡易拳銃〕
(※モーゼルc96型の装弾数3発の非ライフリング自動式大型拳銃。2050年までにM6 44口径簡易拳銃に転換予定)
〔3.7インチ6連装旋回砲〕
(※スコットランドヤード連隊が配備している対歩兵非ライフル砲)
〔3.7インチ野砲〕
(※前装式を採用した非ライフル砲)
〔4.5インチ榴弾砲〕
(※前装式を採用した非ライフル砲)
・戦列歩兵の運用
エクセデリカ警視庁の警官隊は有事の際、概ね戦列歩兵の戦術に沿った戦術を展開するとされる。ただし、警察官の装備が地球の史実における戦列歩兵とは違う点がある事と、交戦対象が銃を有しない近接戦闘勢力や暴徒を想定している事等、地球の史実における戦列歩兵とは違う点がある為、地球の史実における戦列歩兵の運用方法とは一部が違った運用方法がされている。以下は例として敵陣攻撃時における運用方法の比較である。3列の横隊で運用される戦列歩兵の基本運用を比較。
〔地球の19世紀頃における戦列歩兵の基本運用〕
1.兵士達は号令に従ってマスケット銃に装填。
2.陣形を維持したまま行進して敵陣へ接近。
3.敵陣との距離が100mほどになった時点で行進の速度を緩める。
4.敵陣から50mほどになった地点で停止。
5.号令に従ってマスケット銃を敵陣に向ける。
6.列ごとに敵陣に向けて一斉射撃、再装填、再び一斉射撃 (繰り返し)。
7.敵陣が充分に混乱して陣形が乱れ始めたら、号令に従って銃剣を装着。
8.号令に従って敵陣に突撃する。
9.敵兵に接触したら首尾よく突き殺す。
〔エクセデリカ警視庁の警官隊による戦列歩兵の基本運用〕
1.警察官は号令に従ってマスケット銃を装填。
2.陣形を維持したまま行進して敵陣へ接近。
3.敵陣との距離が110mほどになった時点で行進の速度を緩める。
4.敵陣から50~70mほどの距離になった時点で停止。
5.号令に従ってマスケット銃を敵陣に向ける。
6.最前列から列ごとに敵陣に向けて一斉射撃、1列目、3列目の警官隊は再装填。3列目が射撃を終えた段階で、中央列の警官隊はマスケット銃を再装填せずに簡易拳銃に装備を変更し弾倉内の弾薬が尽きるまで一斉射撃、再装填。中央列の再装填中、1列目、3列目が順じマスケット銃を一斉射撃(以降この手順の繰り返し、または中央列と1列目、3列目の交代によるローテーション)
7.敵陣が充分に混乱して陣形が乱れ始めたら、号令に従って銃剣を装着し拳銃を準備。
8.号令に従って敵陣に突撃する。
9.敵兵に接触したら、銃剣もしくは拳銃で首尾よく殺害する。
・解放市民運動
解放市民のボランティアによって結成されている自警団。凡そ4万人から5万人が在籍している。エクセデリカ警視庁と連携する姉妹組織であり、地域の見回りや犯罪発生時には警察への通報、または警察が到着するまでの対処を行っている。総督府によって行われた奴隷の解放政策後、国内では奴隷の解放に反発した非奴隷階級の住民による解放された奴隷(解放市民)への暴行や殺人を行うヘイトクライムが多発し、これを自己防衛する為に解放市民が自発的に非公式な自衛組織を各地で組織した。これらの取り組みが総督府に認識され正式に許可されると、総督府の全面的な支援の下、ばらばらだった各地の自警団が統一され、解放市民運動として統一の自警団組織として成立した。総督府は解放市民運動に対して、ブロディヘルメット、警棒、木製ラウンド・シールドを2万7千組分。解放市民運動腕章を全組分提供して公的にバックアップしている。また、統一された制服等は指定されていないが、地域ごとに差があり、私服や、統一された私服や作業着、帝国軍から影響を受けた制服、エクセデリカ警視庁から影響を受けた制服等を使用している地域もある。ただし、帝国軍やエクセデリカ警視庁とまったく同じ制服の使用は許可されていない為、そのデザイン性は大きく改良されている。
・藩王国
イギリス領ヌスタジスク帝国にはメジニス藩王国、サジタリウス藩王国、デリム藩王国の3つの藩王国とよばれる現地人の領主による一定の支配権を認められてる地域が存在し、それぞれの藩王国が騎士団と呼ばれる剣、弓、鎧など中世のヨーロッパスタイルの独自の軍隊を持つ。これらの軍隊は有事の際に総督府からの要請によって動員される。ただし、総督府から藩王国への要請に関してはあくまで、要請であり、正当な理由があれば制度上はこれを拒否する事も可能である。
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軍事保護条約
・エステルヴァス公国
イギリス領ヌスタジスク帝国との戦争により敗北したエステルヴァス公国は、アクアマリン条約によって多額の賠償金を支払う事になり、さらにその賠償金を支払う為に締結された軍事保護条約によって軍事権と外交権をイギリス領ヌスタジスク帝国に対して委託した。これによってエステルヴァス公国はイギリス領ヌスタジスク帝国の事実上の属国、または保護国と呼ばれる様な状態にある。軍事的な立場としては藩王国と似た立場であり、独自の軍隊を保有するが、藩王国があくまで、イギリス領ヌスタジスク帝国内の自治勢力であるのと対照的に、こちらは、エステルヴァス公国として一つの国家として扱われる。しかし、イギリス領ヌスタジスク帝国総督から要請を受けた場合は条約上これを拒否する事はできず、自国軍の最高指揮権を事実上、完全にイギリス領ヌスタジスク帝国総督が握った状態となっている。その点においては藩王国よりも法的な立場は低いと指摘される。
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ヌカリオス大陸に与えた文化的影響
ヌスタジスク帝国がヌカリオス大陸に与えた文化的影響としてその第一例に行進曲が挙げられる。
2042年のグレナディアーズ連隊によるヌスタジスク伯国への侵攻からエステルヴァス公国によるヌスタジスク帝国侵攻まで、一連の戦いにおいて、グレナディアーズ連隊とその後継組織帝国軍のグレナディアーズ連隊は戦闘中に行進曲を流した。
この行進曲がヌカリオス大陸人に与えた影響は非常に大きく、それまで戦闘中に音楽を流すという文化がなかったヌカリオス大陸の人々はこれに衝撃を受け、さらに現代兵器によって鍛え抜かれた戦士達が次々と倒される光景は行進曲と共に強烈な印象を与えた。
その為、エステルヴァス公国によるヌスタジスク帝国侵攻後、軍隊における行進曲の文化が急速にヌカリオス大陸に広がった。これは、ヌスタジスク帝国と対立しているミステミス伯国とジュノヴァン王国においても同じであり、また属国化されているエステルヴァス公国においても同じである。これらの国々ではそれまで導入されていなかった軍隊における行進曲が導入され、軍楽隊が大陸におけるその歴史上において初めて登場する事となった。
ヌスタジスク帝国内では、行進曲を大陸に伝えた当事者である帝国軍以外の組織では、藩王国軍での軍楽隊の編成やエクセデリカ警視庁における軍楽隊の編成が行われた。なお、エクセデリカ警視庁の軍楽隊に関しては、その誕生はシルクジョニーの大反乱中での事であり、自国や他の国の組織に先んじて行進曲が導入された。エクセデリカ警視庁の警官隊がシルクジョニーの大反乱中、エクセデリカ大包囲の戦いにおいて、ヌスタジスク帝国国歌ルール・コモンウェルスを、行進曲として現地の笛と太鼓で演奏した。これが現地人による最初の行進曲の演奏であるとされる。
また、行進曲ではないものの、エクセデリカ警視庁はシルクジョニーの大反乱中、エクセデリカ大包囲の前の戦いであるカステーラの戦いにおいて、誰かが戦闘中にルール・コモンウェルスを歌いだしそれが自然的に警官隊全体に伝播し警察官らによる大合唱が行われており、これが後にエクセデリカ大包囲において行進曲が導入された大きな一因であるとされる。
現在のエクセデリカ警視庁ではシルクジョニーの大反乱鎮圧時に演奏された国歌の行進曲バージョンに加えて、勇敢なるスコットランド行進曲、ボギー大佐や、大反乱後に作曲された勇敢なる警官隊行進曲等が正式採用されている。
また、文化的影響として第二に挙げられるのが、髭である。グレナディアーズ連隊によるヌスタジスク伯国への侵攻より以前、ヌカリオス大陸では男性の象徴として髭の存在が非常に大きかった。大きく蓄えられた髭は男性の強さの象徴としてみられていた。しかし、ヌスタジスクにおいては、グレナディアーズ連隊によるヌスタジスク伯国への侵攻後、このイメージが一部で大きく変わった。グレナディアーズ連隊の隊員は全員が髭を剃っていたからである。このインパクトは非常に大きく、特にロア=ルゥ族においてその影響が顕著であり、英連邦市民を開放者と称えるロア=ルゥ族の間では髭を剃る習慣が急速に広まり、ロア=ルゥ族は髭を生やさないと言われるまでに習慣化した。
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資料
・クイーンズバースデーでのエリザベス女王の誕生日祝賀閲兵式の様子を描いたポストカード
エクセデリカ市の近郊にあるエリザベス女王記念広場(Queen Elizabeth Memorial Square)にて毎年行われるエリザベス女王の誕生日祝賀閲兵式の様子が描かれている。オベリスク様建造物である女王陛下の記念塔(Queen His Majesty's Memorial Tower 通称:Queen Her Majesty's Obelisk)が正面中央に描かれ、記念塔の上段のテントの下に空席の女王の玉座が置かれている様子が描かれている。階段の下には総督の姿も描かれている(※ただしこのポストカードには総督が式典中に持っているグレナディアーズ連隊旗が描かれていない)。向かって右側が帝国軍、左側がエクセデリカ警視庁のスコットランドヤード連隊の姿が描かれている。
・3.7インチ6連装旋回砲のスケッチ




