パウロ・コエーリョ 『アルケミストー夢を旅した少年』
角川書店(角川文庫) 【スピリチュアル・純文学】 初版発行: 1988年 著者:パウロ・コエーリョ 訳者:山川紘矢 山川亜希子
今回はパウロ・コエーリョの『アルケミスト—夢を旅した少年』を紹介します。この作品は生きる意味、生きる知恵、夢を追うとはどういうことか、教えてくれる名作です。
しかも角川70周年記念大賞、名作部門1位を受賞した作品なのです。数多ある名作の小説の中で一位を取ったんですよ!。凄すぎるでしょ!。この世にどれだけ名作、と言われる作品があると思いますか? ……私には分かりません。
そんな凄い名作を書いた作家さんはどういった人なのか?。
ウイキペディアからパウロ・コエーリョさんの経歴を引用します。
【ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに生まれる。大学の法学部に進学するも、1970年、突然学業を放棄して、旅に出る。メキシコ、ペルー、ボリビア、チリを経て、ヨーロッパ北アフリカにも足を伸ばす。2年後、ブラジルに帰国して、流行歌の作詞を手がけるようになり、人気歌手ラウル・セイシャスに詞を提供する。また、グロリア・ゲイナーの I will survive の歌詞をポルトガル語に翻訳、ブラジル歌手のヴァヌーザがこれを歌った。1974年、ブラジルの軍事独裁政権に対する反政府活動に関与との嫌疑を受け、短期間投獄される。
その後、しばらくレコード制作を手がけるが、1979年、再び仕事を放棄して、世界を巡る旅に出る。1987年、『星の巡礼』(O Diário de um Mago)を執筆刊行して、作家デビューを飾る。これは彼がスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへいたる巡礼の道を歩いた体験を下敷きにしたもの。この本はあまり大きな成功をもたらさなかったが、翌年の1988年に出版した第2作『アルケミスト - 夢を旅した少年』(O Alquimista)はブラジル国内で20万冊を超えるベストセラーとなり、38ヵ国の言語に翻訳された。2007年のアンデルセン文学賞など、世界中の国々から様々な文学賞を受賞している。
現在、妻のクリスティーナと共にリオ・デ・ジャネイロに在住。】
あ、書き忘れてた。アルケミスト夢を旅した少年は、あのハリーポッターよりも売れている『一億五千万部』の大大大ベストセラーになった作品で、世界でもっとも読まれた本の5位になった本です。
物語はサンチャゴという羊飼いの少年を主人公にして始まります。ある日、サンチャゴ少年はある夢を見ます。その夢とはピラミッドに宝物が埋まっているというものでした。
何かの暗示ですね。蒼穹の昴でも、春児という少年がある占い師から予言を受け、大成功する、というストーリーがありますからね。そうです昴の星に導かれてゆくのです。
そして、夢をかなえるためサンチャゴ少年は家族のように連れ添った、羊を売り旅のお金を得るのです。蒼穹の昴でも春児は夢をつかむため、行動したあげくに母を失うという悲しい運命が待っているのです。
アルケミストとは錬金術師のことです。鋼の錬金術師でいう
「人はな何かの犠牲なくして、何も得ることはできない。何かを得るにはそれと同等の代価が必要になる。それが錬金術師でいう等価交換の原則である」
です。サンチャゴ少年は夢を追いかけるために、家族のように連れ添った羊を対価にしたのです。何かを得るには何かを手放さないといけない、それすなわち等価交換なり。
けれど、夢を追いかけるとは家族を捨てることだと、言っている訳ではありません。読む人それぞれの解釈があっていいと思うのです。夢を追いかけるとは何か、あなたも考えてみてください。
その他にも働くとは何なのか? という問いをパウロ・コエーリョ流に語っています。サンチャゴ少年がピラミッドまでの旅費を稼ぐため、クリスタル店で働くことになりました。
そう、サンチャゴ少年は夢への目的のために働くのです。
クリスタル屋のおやじさんはいつかメッカに行くという夢を持っていました。しかしクリスタル屋として何年も働いて、メッカに行くだけのお金を手に入れたにも関わらず、メッカには行けませんでした、以後も行くことはないでしょう。
それはなぜか、変わることつまり、変化を恐れたからです。何かを手に入れるには行動しなければいけない。つまり、変化しなければいけないのです。
変化を恐れずに行動した者が成功を手にするのです。
クリスタル屋のおやじさんは店の窓から沢山の人を見てきました。夢のために旅立って成功した者、そして破産した者、沢山の人を見てきました。
変化を恐れることは悪い事ではありません、人間は変化を極度に恐れる生き物だから。恐れとは恥ずかしい事ではありません。恐れを持っていない人などいないのだから。もし、恐れを持っていない人がいたとします。
そんな人はただの死に急ぎ野郎です。進撃の巨人のジャンがよくいっていました。
「この死に急ぎ野郎」とね。
しかし変化をしなかったことで後悔するのは悪いことです。クリスタル屋のおやじさんは変化をしなかったことを後悔していませんでした。
後悔しないのであれば、変化をしないことは悪いことではありません。つまり、そういう事なんですよ。後悔するぐらいなら行動しろ、という事です。
変化しなかったのはおやじさんが選んだ道だから。夢を追うために何かを犠牲にするか、夢を諦めて今を守るか。革新派と保守派、永遠に議論が絶えない、問題です。
はい! 長くなりました、サンチャゴ少年はピラミッドで何を見るのか?。宝物とは何だったのか?。すべてを捨てて、サンチャゴ少年が手にしたものとは?。
これは夢をかなえるために、旅に出た少年の物語。
ただの小説としての楽しみだけではなく、冒険小説としての面白さも、哲学書として考えさせられる本でもあります。
本当にオススメです、あなたも読んでみてください。




