いろいろばれそう(side 六花)
逃げるのを感知された、六花は驚いた。気づけるのは、兄か親友二人くらいしかいなかったのだ。
「行動パターンが夏姫さんに似ておりますわね。うふふふ」
ばれた理由はそこだったらしい。
「親友ですから」
「……羨ましいお言葉ですわぁぁ」
腕を掴む力が強くなった。ナゼニ?
「葛葉も夏姫と仲良くなりたがっているが、逃げられるからな」
……逃げるくらいぐいぐい来てるのか。御曹司様の言葉に、六花は思わず遠い目をしてしまった。
こちらでそんな攻防があるにもかかわらず、晴海と夏姫はのほほんと話を始めた。
「ねね、なっちゃん。久しぶりに三人でデートしたいの」
「ん。服は見繕っておく」
その瞬間、六花の腕を掴む力が弱くなった。
「夏姫さんが、服を見繕う?」
驚くのはそこかい。見れば、御曹司様も目を見開いていた。
「……驚くところ?」
「普段の行動が」
「あーー」
六花の問いに、あっさりと葛葉が答えた。それだけで大体察しがついてしまった。
「普段の恰好じゃ無理だし。今まで連絡とらなかった詫び」
あとはこんなことに巻き込んでしまった、ということに罪悪感でも感じているのだろう。そのあたりは言わなくても、わかる。
「なっちゃんや。今回あたしらが目ぇつけられたのは、あたしの行動故。なっちゃんは関係ないからね」
それだけは言っておかないと、夏姫は気にしすぎる。
「……何をした」
うん。わかっていただけたようで何よりである
ばらしてしまうと、晴海に怒られそうなので沈黙を貫いた。
このあと、紅蓮が目を付けた経緯を説明するんじゃなかろうかと。そのあと、六花は夏姫と晴海に存分に怒られるwww




