4-6 裏オークション レティとお買い物
いつの間にか30万PV超えてました!
ブックマークも評価も感想も少しずつ増えてきてやる気上昇!
なのに、遅筆ゆえどちらにせよ遅いというね。
申し訳ありがとうございます!
迷走することもあると思いますがどうぞこれからもよろしくお願いします!
最終的に隼人に渡した指輪、合計8個は殆ど変わらない能力になった。
まあ、材料が同じだから当然といえば当然なのだが、デザインや好みで喧嘩しないように全部同じデザインにしたのだ。
隼人には申し訳ないことに同じデザインの指輪を4つも付けてもらう事になるのだが、まあそれくらいは我慢してくれ。
一応効果は加算されるらしいしな。
ただし、同種の効果はつければつけるほど徐々に効果が薄くなるとの事。
そりゃそうだ。攻撃力大上昇4つで四倍ダー!とかになったらアクセサリーを付けたもの勝ちである。
そのあと、風呂上り美女達の火照って赤みがかった身体を眼で堪能したので、客間へと案内をして大人しく就寝することにした。
そして翌日、今日はアイナ達が材料収集から帰ってくる日なのだが、明日旅立つのでアイナ達の分も含めて準備をしようと思う。
話を聞くと、オークションにアクセサリーを出品できるかもしれないとのことで、いくつか隼人から貰った高級素材を使ったアクセサリーを持っていくことにした。
ただし、一点で出すよりはまとめて出した方が良いらしいので大体は贋作で作った品々である。
その中に元となる高いアクセサリーが一つだけあるにはある。
どんな人物が買うのか気になったのだが、騎士団長などが部隊にプレゼントする際や、新しくアクセサリーを取り扱う商店などが纏めて買い上げるらしい。
とにかく、もし出品できなくてもいずれ売れるから損にはならないので作ってみた。
そして早朝。
俺は一人朝早くおきると朝市に足を伸ばすことにした。
……はずだったのだが、
「ねえ。こんな朝早くにどこに行くの?」
「えっと、朝市があるって聞いたから見に行こうかと思いまして……」
誰も起きていないと思ったので、突然話しかけられたから敬語になっちゃったじゃないですか。
というか、まだ日も上がりきってないのによく起きましたねレティさん。
「そう。じゃあ付き合ってあげるわ。暇してたのよ」
「何も面白くないと思うぞ?」
「いいのよ。ちょっと話したかったしね」
「じゃあ行く?」
「ええ。行きましょうか」
とのことで、今回の同行者はレティ嬢になりました。
一応隼人に書置きを残してから出発する事にする。
逢引だと思われたらかなわないからな。
『朝市に行ってきます! イツキ』
『目が覚めたからついてく レティ』
これでいいだろう。
うん。大丈夫なはずだ。
朝市と言っても北地区の商店街で早売りをしているというだけではあるのだが、思った以上に人が多い。
「へえ。朝市って結構人がいるのね」
「そうだな。俺もはじめて来たんだけど結構人が多いな」
夏と冬に行われる同人誌イベントに比べれば当然の如く少ないが、結構な人の数だ。
「まずはどこに行くの?」
「んーとりあえず朝採りの野菜からかな。そのあと肉、魚、それに香辛料も欲しい。替えの服とか下着も買いたいかな」
「結構買うのね」
「一応出かける時に必要な物も買っておこうかなって。食材なんかは魔法空間に入れておけば時間経過も関係ないしな」
「空間魔法って便利ね。私も取得できないかしら」
「簡単に取得されたら困る……。俺の切り札だからな」
せっかく高いポイントを消費したんだ。
これが簡単に覚えられるなら、俺はもっと別のスキルを取っていたと思うの。
「残念ね。料理を先に作っておけばダンジョンでも美味しいものが食べられるのに」
「クリスの料理じゃダメなのか?」
「材料が無くなればその場にある物で作らなきゃいけないの。いくらクリスが料理上手でも素材が揃わなきゃ無理なのよ。それにレストルームがあるときならともかく、無かったら通路で悠長に料理を作る暇も無いから焼くだけのときもあるしね」
むう。満足に飯も食べられないとか。
やはりダンジョンは恐ろしいところだ……。
「あらお兄さん! 今日はまた別の別嬪さんを連れてるのねこの色男!」
「別嬪なのは同意だけど、俺の友人の彼女だからな。変な噂立てるなよ」
「っな! 彼女じゃないわよ!」
「はいはい。今日はなにかいいもの入ってる?」
「もちろんよ! ほらこのトメト見て! 大きくてぷりっぷりよ!」
「おお、これはうまそうだな。生でかじりたいくらいだ」
真っ赤なトメトが大きく瑞々しくて輝いていた。
これはどう見たって新鮮で朝採りの最高に美味いトメトだと食わなくてもわかる。
「じゃあそのトメトを含めてお姉さんのオススメを適当にまとめちゃってくれ」
「はいよ! いつものだね!」
そういうと店前に並べてある野菜から選りすぐりのものを選んでくれる。
「……あんた豪快な買い物するわね」
「うちはシロが大食漢だからな。保存もいくらでもきくから大量に買っちゃうんだよ。それに」
「はいよ! いつも一杯買ってくれるからね。モモモはサービスしとくよ!」
「ありがとうお姉さん。あれ? 少し痩せて綺麗になったんじゃない?」
「あっはっは。うちの野菜ばかり食べてるからね! ほら、このリンプルも持ってきな!」
「ありがと愛してるぜ! お姉さん!」
「私も愛してるよ! またおいで!」
今日も一杯サービスしてもらっちゃった。
普段だとウェンディが選別に選別を重ねて買う物を選び、最後は俺がサービスを貰うのだ!
だからこの店はいきつけなのだ!
「……あんたの愛って安いわね」
「リップサービスくらいは常識だろ?」
「はぁ、あんたと隼人、タイプが全然違うわよね」
「まああいつは真面目そうだしな」
リップサービスは……流石に無理か。
お世辞を言えって言えば天然のたらしにはなれそうだけど。
「次は肉屋だ!」
「次もリップサービスするの?」
「いや、次はレティを利用させてもらう」
「はぁ!?」
「すいませーん。おっちゃんいるー?」
「おーう。おう旦那! 今日はまた別の別嬪さんを連れまわしてるのかい? 甲斐性があって羨ましいねえ」
「あーあー……。お前さんこの方はあの隼人伯爵の大事な人だぜ? 今回はたまたま俺の朝の買い物に付き合ってくださるって言うから連れてきたのに、怒らせちまっても知らないぞ?」
「なんだってぇ!? そいつは申し訳ない。そうだ今日はピグルの王、キングピグルの美味いところがたまたま入ったんだよ! 是非伯爵様に召し上がっていただきてえなあ」
「おいおい。うちはそんなの買えないぜ? いつも通りブラックモームの美味しいところをいただきにきただけなんだが」
「わかってるっての旦那! こいつはサービス、献上品さ。伯爵様と別嬪の良い人によろしく言っといてくれよ」
「ああ、わかった。それなら喜んでいただこう。それじゃあ、いつも通り適当にいいところを頼むよ。おっちゃんが俺らに食わせたい部位を15万、いや20万ノール分頼む」
「旦那には頭が下がるねえ。いつもいつもいいところを持ってかれちまって、こちとら商売上がったりだよ!」
「馬鹿いうなよ。おっちゃんが陽気すぎて客が近寄ってこないから肉が余らないようにしてるんだよ」
「そいつは助かるね。流石旦那だ! 俺の陽気が仇になってるたあ気がつかなかった。それじゃあ切り分けてくるから待ってておくんな」
そういい残すと店主は奥のほうに消えていった。
「……なに? 今の」
「何って、普段通りのやり取りだけど……」
ちなみに言い直したのはキングピグルの代金だ。
ブタの油がしつこくなく上品で美味く、それを焼いた後の油で肉を焼くと更に美味くなるという一度で二度美味しい肉なのだ。
普通に買うと一部位10万ノールと驚くほど高いのが毎度は手を出せない理由ではある。
なので半値でサービスしてもらうことにした。
ブラックモームを15万ノール分も買うならば、これくらいサービスしてくれる仲である。
ただで貰うよりもこうしてこちらもしっかりとしていれば長続きするであろうサービスだ。
「あんた、毎回買い物するたびにこんな演劇まがいのことしてるの?」
「まあ、今回はレティがいたしな。良いネタだった」
「人をネタ扱いしないでよ……。それに隼人の良い人とか……」
「事実だろ?」
「そういえばあんた……昨日何か余計な事言ったでしょ」
「ん? 余計かどうかは知らんが何かは言ったな」
「昨日、その……」
「お、抱かれたか?」
「違うわよ! 一人一人抱きしめられたの!」
「なんだよ……。でも隼人頑張ったじゃないか」
うんうん。一歩前進だな。
まあこれからゆっくり愛を育めばいいさ。
「それで耳元で好きって呟かれて……、皆言われたみたいだけど、その後話し合って、隼人は皆好きなんだって。それで皆も隼人が好きだからって……」
「全員まとめて抱かれちゃえばいいのに」
「っな! あんたねえ! 隼人はあんたと違うの! 一人一人考えてそれでちゃんと話してくれたの!」
「まあいいんじゃないか? あのままじゃ一生悩んで手を出さなかっただろうし。余計かとは思ったけどそんな生殺し同じ男として辛すぎると思ったからな」
「だって隼人ったら、王様の娘のシュパリエ様と婚約してるのよ……。それでも私達も大事だって言ってくれたのが凄く嬉しかった。けど……」
「この世界って別に一夫一妻って訳でもないんだろ?」
「そうだけど……」
まあ完全に偏見だけどな。
貴族って聞くと何人も女を抱えているイメージが湧くんだもの。
でもイメージどおり一夫多妻でも問題ないようだ。
ただ、正妻かどうかって問題はあるんだろうけども。
「正妻でもそうじゃなくてもあいつは区別するような男じゃねえよ。どんな形であれきちんと平等に愛してくれるさ。まあ、そのお姫さんがどういう人物かは知らないけどな」
「シュパリエ様は慈愛に満ちた素晴らしい方よ……。私達をないがしろにはしない、と思う……」
「ならいいじゃねえか。英雄色を好むってな。皆平等に愛してもらえよ」
「でもさ、やっぱり私だけって気持ちも皆あると思う。私だって、自分だけを見てもらいたいもの」
「そういうのはお互いで決めろよ。一日ごとに二人きりの日を作るとかさ。やりようはいくらでもあるって」
にしてもおっちゃん遅いな……。と思ったらこっちの様子を窺いながら奥に潜んでやがった。
「いやあ悪い悪い。なにやら真剣な話をしてたみたいだからよ。出にくいったらありゃしねえ」
「おい悪いのはこっちと言いたげに変わったぞ。にしても量が多いな」
「普通20万ノールならこんなもんだよ。ほら、さっさと袋を開いてくれ。せっかくの朝市が旦那一人で終わっちまうよ!」
「ああ、それじゃあまたな」
「毎度ありー! 痴話げんかするなら家でやんなよ!」
「告げ口確定!」
「ああ! 旦那! そいつはひでえ! おふざけじゃなかったのかい?」
聞こえなーい。
まあ言ったところで何もないだろうけど。
おっちゃんは腕が千切れるんじゃないかって勢いで『ちょっとまってくれ旦那!』と叫んでいたので、わかってると合図をしてあげる。
それからすぐにおっちゃんは胸を撫で下ろし、別のお客の接客へと移っていった。
流石は朝市、やはり人が多いな。
「さて、今悩んでも仕方ないだろ? とりあえず次は香辛料買いに行くぞ」
「あ、うん。それもそうね。こんなんで貴重な時間を無駄にしたら勿体無いわよね」
「そうそう。今は隼人と一緒にいる時間を素直に楽しめばいいんだ。人生楽に行こうぜ?」
「あんたはいつも気楽そうね」
「酷い事を言う。俺だって傷つくんだが……」
「厳しい事を言わないとね。あんたの奴隷あんたの言う事全部肯定しかしなそうなんだもん」
「否定はしない。二重の意味で」
「……上手くないわよ」
「厳しいねえ……」
こんな馬鹿な会話をしながら俺達は香辛料や飲み物等を買い、服屋につくとフリーサイズの下着やら、簡素な寝間着などを買って帰路についた。
途中甘味が欲しいとのことでお土産に朝から焼き菓子を買う事になったのだが、女の子って誰しも甘いものが好きなんだと理解させられた。
本日の買い物、締めて44万ノール。
初めての遠出で加減がわからないとはいえ買いすぎただろうか。
だが、高い肉は美味い。安い肉がまずいというわけではないが、これは絶対だ。
俺は食に関しては手を抜きたくない。
だから美味いなら買う! ただし虫は除く。
まあ、これで旅支度は大丈夫だろう。
あとはアイナ達が帰ってきて説明をして連れて行くだけだ。
その前にレインリヒやヤーシスに作ったアクセサリーやバイブレータを持っていき、軍資金を確保しなければ。
特に欲しいものがあるわけじゃないが、せっかくオークションに行くんだ。もしかしたら掘り出し物があるかもしれないしな。
今回は隼人が持ってきた高級素材でアクセサリーを作ってあるので、少なく見積もっても3000万ノールはいくはずだ。
こんな大金が手に入るのも隼人のおかげだが、昨日の助言で勝手に相殺としておこう。




