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異世界でスローライフを(願望)  作者: シゲ
14章 エルフの森の大きな樹
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14-15 イグドラ大森林 世界に根付く精霊樹

待ってくださっていた方々へお待たせいたしました!

一先ず、10巻は流石に間に合わない事は無いはずだと思うので更新を再開していきますっ!

まあまだ完全には終わっていないので、毎週更新出来ない時もあるかもしれませんが、あまりに長く休んでいると癖がついちゃうので更新再開しますっ!

大樹に背中を預けて座り、風を感じながら大樹を見上げていた。

心地よい……空気というか空間そのものが快適でイエロさんの言う通りここでの散歩やお昼寝は相当気持ちが良い事だろう。


はぁ……と、とても小さく息を吐き、心のゆとりが広まっていくのを感じる程に、リラックス効果の高い場所だと感じられる。


「お館様ー? シオンちゃんが上に乗ってるんですけどー? 暇なんですけどー?」


……シオンが俺の膝の上にこちらを向いて座り、肩に手を乗せてぐらぐら揺らしていなければもっと良かったんだけどな。

やはり一人で来るべきだっただろうか。

いや、多分シオンだからそんな事を思うんだろう。


じっとしていられない性格……いや、お前オボロでもあったんなら、潜伏とかも得意なんじゃないのか?

じっと静かに身を潜めるのなんて――ああこら、お尻に力を入れてグリグリするんじゃないよ。

なんとか収めたんだからやめなさい。


「なんでこっち見ないんですかー?」

「お前なあ……こんな素敵な場所なんだからもっと他に見るものあるだろ?」

「いやいやいや。1万の絶景に勝るシオンちゃんですよ?」

「そうだな。1万と1の絶景には負けちゃうシオンちゃんだな」

「そう言う話じゃないですよ!?」


じゃあどういう話だったのだろう?

そして残念ながら、下から見上げる『世界に根付く精霊樹スペリオルイグドラシル』は1万の絶景に勝ってしまうかもしれない。


「ぶーぶー。確かにすごいのは分かりますけど、見過ぎですって……。流石にもう満足では? 満足したなら、次はシオンちゃんを構って欲しいです」

「あー……シアンさんに言われた通り、目を細めると精霊の光が程よくなってきてさ。見上げるたびに木漏れ日と合わさってキラキラしてるし、精霊が動いているからずっと神秘的な光景で飽きないんだよ」


万華鏡のようにきらめいていながら、規格に収まらない情景は少なくとも元の世界では見る事の出来ない幻想的な光景であった。

たまに上を向いている俺の鼻の上に悪戯なのか座る人型の精霊がいるが微笑ましい。


「ええー! お館様だけそんな風に見えているんですか!? ずるいですようー!」

「そんな事言われてもな……」


精霊が否応なく見えるので俺だけそういう光景になるのは仕方ないだろう。

そういえばアトロス様の視覚共有(シンクロアイズ)があればシオンにも俺が見ている光景を見せる事が出来るのだろうか?

あれもスキルなのだろうし、『全てを見通す祖の神眼(シースルーアイ)』程とんでもない効果でもないのだしもしかしたら俺も覚えようと思えば覚えられるのかな?


「あ、そう言えばお館様、一つ聞きたいことがあったんですけど聞いても良いですか?」

「んー? なんだよ改まって」

「お館様お姉ちゃんに手は出さないんですか?」

「俺に死ねと?」


お姉ちゃん……つまりはアヤメさんに手を……?

手を出すって、そのままの意味か? アヤメさんに向けて手を出す……伸ばす的な?

うん。それでも危ない気がする。

腕と永遠にお別れしなくちゃいけなくなりそうな気がする。


「ええー。大丈夫ですよう。お館様がぐいぐい行けば案外簡単に落とせると思いますよ」

「いやそれはないだろう? 俺アヤメさんに虫を見るような目を向けられてるんだが……」

「いやいやそんなの照れ隠しに決まってるじゃないですか。ああ見えて押しに弱い所とかあると思いますよ。それに普段無表情装っているのにお館様が関わると表情を表に出してましたし、大分好感度は高いかと」

「そうかあ?」


怒りと蔑みの表情ばかりな気がするんだが……。

それって、好感度が高いというよりも低い気がするんですが……。


「そうですよう。もっとグイグイ、むしろガンガン行けば大丈夫です。部屋に入り、お姉ちゃんの言葉は全部無視。手首を取って壁に押しやり、そのまま唇を奪う……。驚きとお館様の舌技を用いれば、お姉ちゃんは経験不足の雑魚ですからそれだけでへなへなに! そこからは首筋から体へと舌を這わせ、あとは……で、完璧です!」

「どこがだよ……」


まずアヤメさんの手首を取る時点で無理だろう。

スカって外した後に逆に腕を取られて倒され、関節を決められたうえで『何の用ですかゴミムシ。今、私に触れようとしましたか?』と、無慈悲な視線を向けられるだけだろう。


万が一、億が一手を取れたとしても、唇を奪おうとしたら顎を蹴り飛ばされ、『……遺言は?』と、首筋にナイフを当てられる想像があっという間に出来てしまうよ。


「というか、勢いに任せてとかするわけないだろ……」

「ええー。だってお姉ちゃんも絶対興味ありますよ? それに、お館様なら強引に行けば大丈夫だと思うんですけどねえ……」

「大丈夫かどうかじゃないっての……。シオンの勘に命を賭けろと? というか、姉の意思を無視して推すなよな」

「だって姉妹だと攻撃力高そうじゃないですか。美人姉妹丼ですよ? 美味しくいただきたくないですか?」


そりゃあ……そりゃあねえ?

興味がないと言えば嘘になる。正直に生きている俺はそう答えざるを得ない。

シオンとアヤメさんの二人で……リードするのはシオンか? シオンの言葉通りならばキッと睨みつけながらも興味津々なアヤメさんはシオンに言われるがままに……と待て、妄想を膨らませるな。治まれい!


だがその……アヤメさんが俺に体を預けるという想像は、現実感が圧倒的に足りない事から最早幻想の領域だと思う訳ですよ。あと、


「まあ、今の所そんな予定はないよ」

「お館様のへたれぇ……。じゃあお姉ちゃんから来たらどうしますか?」

「それは……その時はその時だよ」

「そうですか。ふんふん。まあ、今の所……と聞けただけ良しとしましょうかね」


そう言うと立ち上がり、ごろんっと俺の膝の辺りへ頭を置いて横になるシオン。


「まあ、私もまだ他の方に比べて経験値が足りませんし、今はお姉ちゃんにマウントを取るために自己研鑽に努めますかね。まずはお館様にシオンちゃんはとっても可愛いという認識を常々してもらう事にします」

「その一環が膝枕か?」

「お好きでしょう? するのもされるのも」


そりゃあ好きだけどな。

シオンの質問に肯定の意味を込めて膝上の頭を撫でると、シオンは目を瞑りごろんっと撫でやすい向きに変えるので、乱れた髪を手直しするようにして撫でていく。


「そう言えば、膝枕ってエッチくないですか? 顔を股間に埋めているような……」

「向き次第だろ……おい、腹に側頭部で頭突きするなよ」

「ん、少し硬いですね。日頃の鍛錬のおかげですか?」

「基礎鍛錬はそれなりにやってるからな」

「ですね。まあ、それなりですが。私から見れば柔こいですし」

「ぽよぽよじゃないだけ良いだろう? ったく、悪戯するなら落っことすぞ」

「わーわー! ごめんなさい! 大人しくしてますからぁ!」


まったく……。

こんな素敵な場所で騒ぐんじゃないよ。

今みたいに大人しくしていればちゃんと美少女なんだがな……。

目を瞑り寝ようとしているようだが、俺も少し眠くなってきたな……。

早起きだったのと心地よさも相まって、多分すぐ眠れることだろう……。





「……様。……じ様」


ん……んん……。

なんだろう? 何か聞こえる……。

んんー……それにしても気持ちのいい枕だなあ……。

すべすべで程よい弾力のある感触が頬に当たって気持ちいい。


「主様! 起きなさいよこらぁ!」

「ご主人! なにしてるんすかー!」


んぅ……うるさい……。

なにやら聞こえてくる喧騒から逃げるようにして顔を枕へと埋める。

その際に手を支点にして顔を埋めたんだが、手の平にも同じような柔らかい感触が……あれ? 抱き枕用意していたっけかな……?


「う……んん……。これは……困ったかな……」


……なにやら頭上からとても近い位置で声が聞こえた気がした。

数秒、その事がどういうことか思考する。

…………えっと……あれ? もしかして……と思いながら顔を上げるために手に力を籠めると……。


「うん……っ。ご、ご主人様様……? もう駄目なんだよう? おっぱいは必要ないんだから、これは駄目なんじゃないかな……?」


この声は……シアンさん?

…………さあ、考えよう。

今俺が起きていることがばれると、多分、確実にとても怒られる。

現状、俺の予想が正しければシアンさんに横から抱き着いており、おっぱいに手を置いて顔を押し付けているのだと思う。


アイナともウェンディとも違う質感と弾力で、おっぱいの魅力とは柔らかさのみにあらずということを否応なく訴えてくる素敵なシアンさんのおっぱいを揉み、枕にしていると……。


更に状況としてはソルテとレンゲの声がした上に、他にも気配を感じる事を考えると恐らく全員揃っている事だろう。

うん。これは、間違いなく怒られるな。


じゃあどうすれば怒られずに済む……いや、怒られるのはもう逃れようがないと思うので、どうすれば俺への罰が軽くなるかを考えよう。

…………一か八か。


「むにゃむにゃ……ましゅまろぉ……」

「なにそれ?」

「元の世界のお菓子ですね。ふわふわふかふかでとても柔らかい甘いお菓子です」


隼人もいるんだ……。

解説はありがたいのだが、という事はレティ達も皆いるんだろうなあ……。

身内にだけ恥をさらすのなら構わないが、余計に顔を上げられなくなってしまった……。


「……それで寝ぼけていたとでも言うつもりなのかしら? シロ」

「ん」

「っっ!!」


脇腹は! 脇腹ツンは卑怯だ!

思わず顔を上げ、突かれたところに反射的に手を動かしてしまった。

そして顔を上げた結果否応なく現状を把握……。


シオンは俺の膝にはいない……逃げたな。

いや、あっちで正座しており、ウェンディがにこやかに微笑んでいる。


そしてシアンさんは俺同様に世界樹を背にして両手を上げて困った顔をしており、そこに俺が座ったまま体をひねるようにして顔をおっぱいに埋め、片手はおっぱいを鷲掴みにしていたという訳か……なるほどな。


「…………寝ぼけてたという事でここは一つ」

「無理でしょ?」

「ですよねえ……」


でも事実なんだよ?

今回の件に俺の意思は殆どなかったはずなんだよ。

だからセーフ! セーフじゃないにしても10対0ではないと思うの!

弁護士特約が付いた保険はないのですか!?


……とりあえず、お説教は受けシアンさんには全力で頭を下げた。

隼人は少し照れたような困った顔をしており、レティ達は呆れ顔。

シアンさんには寝ぼけてたのは分かっているからと許して貰え、そしてこの場にイエロさんがいなかった事が唯一助かった点だと思いました!

頭の切り替えが下手くそなので長期のお休みで申し訳ない。


ただ、休んでいた分10巻は自信作です!

新キャラも可愛いですし、完全な書き下ろしですので発売をお楽しみにっ!

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― 新着の感想 ―
シアンさんに言われた通り、目を細めると精霊の光が程よくなってきてさ と言っているけど、前話で言われたのは 「……慣れれば目に優しくなるよ。嫌がって細めないで。そのまま慣れた方が良いよ」 目を細めると、…
[気になる点] ふとこれはイツキパイセンの寝相を知ってる、間近にいたシオンちゃんが止めないといけない案件なのでは?と思ってしまった。 一緒に餌食になった可能性もゼロではないがw となるとこれはご主人…
[一言] おかえりなさい! アヤメさん内心がどうあれ素直にデレてくれる気がしないので、待つでも攻めるでもなく、口実作ってあげるのがいいと思う。いつぞやのバニーの時のように
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