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異世界でスローライフを(願望)  作者: シゲ
8章 アインズヘイルという街
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8-22 アインズヘイル記念祭 三日目その3

「「「「「「「ありがとうございましたー!」」」」」」」


最後のお客さんを全員でしっかりと頭を下げてお見送りをする。

そして、そのお客さんが見えなくなると同時に座り込んでしまった。


「はぁぁぁぁ……終わったあ……」


疲れた……。

もう空も真っ暗だ……。

流石にアイリスとシシリア様もお帰りである。

お土産にわたあめは渡したのだが、本当にくつろぎに来ただけだったのかな?

まあ、今は疲れたしなんでもいいや……。


「ん。疲れたぁ……」

「そうですね……でも、お客さんが皆満足しているようで良かったです……」


結局列は途絶えなかったが、多くのお客さんを悲しませずにすんだのは良かったな。

材料も空っぽ、体力も底をつきかけてるし、満身創痍だ。


「やあやあ、お疲れ様!」


笑顔で手を上げながらやってきたオリゴール……と、足取りもふらふらな幽鬼のようなメイラ。

さっき会った時よりももっと疲れているように見えるのだが……もしかして、また仕事してたのか?


「メイラ大丈夫か……?」

「はぁぁ…………疲れましたわ……もう無理ですわ……。しばらくお休みをいただきますわ……」

「お、おう……そうしたほうがいいと思うぞ……」

「でも、この三日で相当稼ぎましたわ……うふふふ……」


笑っているというのにメイラから生気が感じられない……。

お金を稼ぐって……大変なんだな……。


「あははは……ボクは一応止めたんだよ? 急ぎじゃないんだし後回しにすればいいのにって」

「後回しにすると気になって眠れませんのよ……。そんなくらいだったら無理を押して仕事を片付けた方がマシですわ……」


いや、後回しに出来るなら後回しにしようぜ。

無理はいけないって……人生遊びと仕事のバランスが大切だと思うよ俺は。


「お兄ちゃん達も相当疲れてるみたいだね」

「疲れたよ……。こんなのを毎日やってる露店のおっちゃん達を尊敬するよ……」


俺、これからはもっと感謝して露店を利用するよ。

いつも牛串や白パンを作ってくれるおじさん……ありがとう。

今度俺から効果の高い貼り薬を差し入れしにいきますね。


「まあ販売についてとか色々話すことはあるんだけど、今日はゆっくり休むといいさ」

「おーう……とりあえず、お風呂だな……」

「私もこれで本当に終わりですの……。どうか連れて行ってくださいまし……」

「ああ、メイラもお疲れさん。一緒に行こう」

「ありがとうございますわぁ……」

「ボクも行きたいんだけどなあ……お祭りはまだ夜の部があるからね。領主として、最後まで見届けないとだから残念だ……」


心底大きなため息をつくオリゴール。

こいつも顔には出していないが本当は随分と疲れているのだろう。

全部終わった後にでも温泉に誘ってやるか……。


と、いうことで俺達は片付けは明日に回して一同で温泉に行くこととなったのだが……。


「んっく……んはぁ、ぅ、ぁあっ……」

「艶かしい声を出すなよ……」

「だって、貴方の手が、指が私を気持ちよっ……くぅ……ぁ、んんっ!」


ふくらはぎからゆっくりと足の付け根へと絞るように力を加えると、よほど気持ちよかったのか艶っぽい声を出すメイラ。


「はぁぁぁぁ……天にも昇る心地よさですわぁ……。申し訳ありませんわね。貴方も疲れているでしょうに……」

「メイラのおかげで助かったからな。お礼だお礼。こんくらいならわけないさ」


それに女体へのマッサージで俺の気力はめきめきと回復の傾向にあるからな。

体力が底をついていようとも、男の子は気力があれば動けるのだよ!


「こんなお礼が貰えるならいくらでも、頑張れますわぁ……」


そうは言っても限度があるだろうに。

それに肩もずいぶんこっているなあ……。

メイラだってまだ10代。

肩こりするような年じゃあないって言うのに、こんなに肩がこっているなんて一体どれだけの仕事をこなしたんだか……。


「最近は頭痛が悩みですの……。ああ、肩周りも気持ちいいですわあ。ああっ……そこ、そこをもっとお願いしますわ……」

「はいよ。ここか?」

「そう……っ。そこですわぁ……」


肩甲骨の内側ね。

ここはよく凝るんだよなあ。

とはいえ、力を入れすぎるわけには行かないのでオイル代わりのスライムローションを少し垂らしてからにするか。


「ん、はぁぁぁ……このオイル、良いオイルですわね……」

「スライムローションと温泉の湯、あとはイグドラシルの葉や花の蜜なんかも混ぜてあるからな。疲労回復にはもってこいだよ」

「そうなんですのね……。かき混ぜ方も特殊でしたわね……」

「……」


いや、あれは……ね。

ローションを混ぜる際の作法というか、決まりごとみたいなものなのだよ。

桶の中で指先を伸ばしてくるくると空気を取り込むようにして人肌に冷ますのだが、やってみると結構面白い。


「ん、そういえばっ、ああっ……。わたあめの販売はどうしますの?」

「そうだな……俺はやる気が無いし、権利を解放したら誰かやるかな?」

「そう……ん、なると、はぁ……名産品となったのですんんっ……しっ、なり手は多いと思いますわ。うくっ……んはぁ、それにっ、っ……職が増えるのは街にとっても良いことですわね……」


俺はメイラの首を前に倒させて首の根元を親指でゆっくりと押していく。

やはり事務仕事が多いせいか首や肩の凝りが酷いな。

あとは腰から臀部、骨盤周りだな、と……。


「あぁっ……はぁ、力加減が絶妙ですわ……。んんっ! んはぁ、でもいいんですの? 技術面では貴方が思いついたものですし、権利の独占も可能ですのよ?」

「今日でお店は懲りたかなあ……忙しなく働くのはどうも合わなさそうだ……。それなら魔道具の販売やリース、あとは修理で儲けるほうが性に合ってるかなって」

「勿体無いですわね……。まあでも、下手に独占をすると暫くは連日今日のようになりそうですわね……」

「だろ? それは流石にきついわ……」


今日だけでもしんどかったしな……。

お祭り一日目から今日くらい混んでたら……三日目までもたなかったかもしれないよな……。

表立って感謝する気はないが、今度さり気なく冒険者(あいつ)に一杯奢るか……。


「まあ、貴方らしいですわね。でしたら私が管理もいたしましょうか?」

「いいのか?」

「ええ。材料の仕入れルートも私ですし、それならばリース契約や修理の依頼なども私が管理した方がやりやすいでしょう? もちろん、手数料はいただきますわよ?」

「それはもちろん。俺としても助かるしな……。あとは……温泉につれてくればいいのかな?」

「ええ。よくわかってらっしゃいますわね。それじゃあ、後ほどもう少し詳細を詰めた契約書をお持ちしますわ」

「わかった。でも急がなくていいぞ。もう少し体を休めてからな」

「それくらいなら大丈夫ですわよ。貴方のマッサージと温泉で、かなり回復しましたもの……」


簡易ベッドの上で体を起こすと、ぐりっと肩をまわして体を捻り、ほぐした体を慣らしていくメイラ。

その際に色々と大事であろう部分が見えているのだが気にしていないようである。


「んんー! 体が軽いですわ。後は良質な睡眠を取るだけですわね」


うーんと体を思い切り伸ばし、はぁと脱力をしたメイラが俺の視線に気がつくと、一瞬悪い顔をした気がする。


「あら……どうしましたの?」

「いや……別に……」


こちらに向かって簡易ベッドの上で四つん這いになるメイラさん。

何故だろう。マッサージをしている時は役得だと思い、うへへと色々見ていたのだが、今は見てはいけないような、まるで罠のような気がしてしまうのだが……。


「ふふ。気がついてないと思っていますの? 臀部や足の付け根にかける時間が妙に長かった気がしますのよ? 手つきもそこだけねちっこくて……。一体、どこを見ていらしたのかしら……?」

「いや、それはー……」

「ふふ。別に構いませんわよ? 貴方なら……」


ペロリと舌なめずりを見せるメイラ。

とても年齢には見合わない妖艶さで、色気が可視化されているような雰囲気すら纏っているようだ。

……この子、本当に年下だよな……?


「……あれはいいんですか?」

「良くはありません……。ですが、お礼ですから……っ」

「しっかし、メイラちゃんエロエロっすね……」

「ここで始めないでよー。シロもいるんだからね」

「ん。シロは別に構わない。どさくさにまぎれるから」

「いや、それは主君的にまずいだろう……」


……。

はい。当然皆いますよね。

皆で温泉に来ましたもんね!

なんというか、冷たい……訳ではないのだが、こちらとあちらで空気があまりに違うせいか、メイラの可視化した色気が風に乗って飛んでいってしまった気がした。

まあ、あっちは普通に温泉で今日の疲れを癒しているだけだしなあ……。


「はあ。興が削がれてしまいましたわね……」

「あははは……」


残念なような……助かったような。

メイラが簡易ベッドから降りようとしたので滑らぬように手を取った。

すると、メイラが俺の耳元に顔を寄せる。


「今度は二人きりでお願いしますわね……」


はっとなってメイラの顔を見ると、とても楽しそうに、悪巧みをする大人のような笑みを浮かべて温泉へと向かい、体についたオイルを桶で掬ったお湯で洗い流していく。


「あ、オイルは布で拭きながらじゃないとたぶん落ちないぞ」

「あら。それなら、貴方がしてくださいますか? そこまでが……お礼ですわよね?」

「……わかったよ」

「ふふ。どさくさにまぎれて、変なところに触れても私は目を瞑ってあげますわよ」


なんというか……目的の為ならば尽くすとは言ってはいたが、以前は俺の行動を変態だなんだと言っていたはずなんだがな……。

まあ、触っていいというのなら遠慮なく本気でいこうか。

指の一本一本を開いたり閉じたり、稼動域を広げて準備完了。

今までのマッサージとは違った極楽をおみせしよう。

……回復した体力が無くなっても、良質な眠りは得られるだろうから許してくれるよな?

おっと、PV数が7000万突破しましたー!!

ありがとうございますー!


……あれ? なんか冷静に考えるとかなり多い数ですね。

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