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異世界でスローライフを(願望)  作者: シゲ
7章 ハーフエルフと願望と
187/444

閑話 夏だ! 3

もしかしたら 4で終わらないかもしれない……。

さあやってまいりました!

エントリーナンバー1番は勿論真っ先に走っていったこの方。


「隼人様ああ! とうなのです!」


入り口からたたたたっと走りながらやってきて、掛け声とともに靴を脱ぎ飛び込んできたのはミィ。

ブラウンのチューブトップと同じくブラウンのキュロットパンツが健康的で可愛らしい水着だ。


「隼人様、どうなのです?」

「凄く可愛いよ。いつも元気なミィにぴったりだ!」

「わーいなのですー!」


隼人に抱きつくミィの絵は昔プールの監視員のバイトの時にこっちが暑い中いちゃつきやがって、冷たいプールで相殺ですかそうですかはっはーん! と、殺意を覚えた光景に似ているが知り合いだと微笑ましく思えてしまう不思議。だが、ミィは子供っぽいところはありながらも出るところは出て引っ込んでいるところは引っ込んでいるので当然羨ましいという気持ちはある。獣耳と尻尾もあるしね。


「ちょっと、ミィだけなの? 私達もいるんだけど」

「ほーら。クリスは良いもの持ってるんだから早く来なさいって」

「で、ででで、でもぉ……ちょっと、大胆すぎませんか!?」


フゥー!

レティは背伸びしたい年頃を考慮してか控えめな胸だがヒラヒラのフリルのついたビキニ。

……確か、レースがあると大きく見えると聞いたことがあるが……なるほど。


そしてエミリーはライトグリーンのバンドゥビキニに、白で花を描いたデザインだ。

エルフ=グリーン系という安直ではあるが鉄板の組み合わせには納得せざるを得ない。

胸の方は少し足りてはいないが、チューブトップ型でフロント部分の捻られたビキニの大人の魅力と、腕や脚が長くモデルさんみたいで間違いなく綺麗だ。


そして……クリス。

まさか、そんな隠れおっぱいだったなんて……。

正直制作段階で大分大胆だとは思っていたのだが、ばっちりだ。

隼人の慧眼恐れ入る。


濃い目のブルーのビキニで胸の中心で結ぶタイプのものなのだが、谷間の部分を少し大きめに開いておりその威力をこれでもかと発揮していた。

そして、そんな女の子達に慕われる隼人の圧倒的オーラを見ると、目が潰れてしまうのではないかというほど輝いて見える。


「兄貴ぃ! 俺……死にそうだあ!」


地獄の悪魔を縊り殺したような声で叫ぶ真。

そんな真に俺は追い討ちをかけなくてはいけないのがとても心苦しい。


「これから見る光景からは目を背けろ……それが、同盟だ……」

「兄貴何を……まさか!」

「隼人……。日焼け止めローションだ……。水にも強いから、プールに入っても落ちないぞ」

「兄貴やめろおおお! そんな、見ちゃいけないのはわかるが、見れないからこそ想像が! 想像が辛いよう!」


俺はそんな真の言葉に同意しつつ、隼人に日焼け止めを渡す。

仕方ないだろう。これは俺達が事前に決めたことだ。

自分達の大事な人の水着姿までは見せ合うが、日焼け止めを塗る際は自重しようという協定を結んであるのだ。

……そこで、どんな甘い展開があろうとも俺達は見てみぬふりをしなければならない。

だが、大事な彼女たちの皮膚を守る為にも、日焼け止めは塗らねばならないのだ。


「はい。行ってきます。じゃあ皆。日焼けしたくない人は来て下さい」


そうして隼人はプールから上がり、簡易テントの中に入っていく。

ちなみに今回はプールなので、常識的に考えて発展することは禁止です。

と、再三俺に向かって二人が言ってきたので万が一にも隼人達が発展する事は無いだろう。

……そういうことは別の機会に楽しめばいいのだし、俺も今回は自重することにしよう。


「あら、日焼け止めがあるのね。私達もいいのかしら?」

「おおおお、お姉ちゃん!? なんでそんなに堂々としてるの!? 私あっちでもこんな大胆な水着着たことないんだけど!」


ワオ……。


一瞬鳥肌が立った。

白と黒を基調とした布面積少なめの似たようなデザインの二人。

まさに姉妹だからこそのコンビネーションに、思わず見とれてしまう。


俺もいるというのに大胆に前かがみで自分の胸の谷間をアピールしているのは当然美沙ちゃんの方だ。

谷間は大きく開いており、三角形に白で縁取られた布が申し訳無さそうに胸を包み込んでいた。

そしてローライズの腰の両端で結ばれている紐。

凄いね紐。自分で作っといてなんだけど、紐の破壊力たるや……蝶々結びのみが可愛く、それ以外は淫靡な雰囲気を放っていた。


そして、美香ちゃんは同じく白と黒を主とした水着でありながらも、2段のフリルのついたフレアトップなのだが、胸元は空けて欲しいとの要望が真からあり、V字に開いて作ったものだ。

胸元、腰、股など、隠したいところが多いが手が足りないのかわたわたとして姉の後ろに隠れてしまっている。

流石に下は紐では無いが腰にもリボンがついており、やはりセクシーというよりは可愛いイメージだ。


そんな二人が真の前に立つと自然と俺との距離も近くなる。

だが、二人は真からの感想を待っているようで俺のほうは気にならないらしい。


「……」

「真? どうした真?」

「あ…………」

「おい倒れるな勿体無い!」

「はっ! あ、危ない……普段見慣れているはずの美沙姉と美香が、神々しくて気絶しかけてしまった!」

「あら、ありがとうまーくん」

「……ありがとう」


おお、こいつ天然か知らんがちゃんと女性を褒める心得を持っていたのか。

ただの阿呆ではなかったんだな。


「いや、本当二人とも凄い綺麗だよ! 普段からその格好だったらいいのに」

「それは……ありえないでしょ」

「真、最低」

「あれ!? なんで!!?」


……前言撤回だ。

こいつ、なんもわかってねえ。


「普段から水着だとありがたみがないだろうが……」

「はっ! そうか!」


そうかじゃないよまったくもう。

毎日水着だったらきっと幸せなのは1ヶ月くらいだ。

こういうのはな、特別感が大事なんだよ。


「そういう問題じゃないです! 街中を水着で歩けるわけないじゃないですか!」


ああ、そっちか。

うん。いや、勿論気づいてたよ?


「はっはっは。まあなんだ。せっかくだし遊んで来いよ」

「ええそうね。日焼け止めもあるのよね? まーくん塗ってくれるかしら?」

「いいの!?」

「真鼻の下伸ばしすぎ! お姉ちゃんも冗談がすぎるよ!」

「あら、冗談じゃないんだけど。だめなら……私達がまーくんに塗ってあげましょうか。こう、二人でサンドイッチにして……もちろん、このままね」

「サンドイッチ! 水着でサンドイッチ! ふぁ……」

「だから倒れるなっての……」


結局、興奮しすぎて鼻血を出すという、今までの人生で初めて見た希少種はボートへと浮かべられた。

二人は水に浸かりつつ、真に水をかけながら浮かんでいるとのこと。


さて、それじゃあそろそろ俺のメインを始めようか。

さあ、おいでませ! マイエンジェ――。


「……ねえ、美香ちゃんから聞いたけど、これって児童用らしいわね?」

「…………チガウヨ?」


何でソルテから!?

おま、お前は一番最後大トリのオチだと思っていたのに!


「違うならこっちを見なさいよ。ねえ。ほら、こら」


うわあ、普通にソルテの水着姿が見たいという気持ちと、俺の悪戯心がどんな結果を生み出したのか、二つの意味で見たい! だが、今顔を見られるわけにはいかない。

今顔を見られると間違いなく嘘がばれる。

もはやばれてる……とは思いたくない。


くそう俺の完璧なはずの計画にミスがっ……。

まさか美香ちゃんが言ってしまうとは……。

面白がって美沙ちゃんが口止めしてくれると思ったのに……、あ、こら。美沙ちゃんめこっちをニヤニヤ見ながら楽しそうに手を振るんじゃない。

まさか俺を見て楽しむ方を選ぶとは……。

こうなったら一か八かだ。


「待て待てソルテ。それは勘違いだ。良く見てみろそれは白いスク水と言って、一般的な児童用の物とは別物なんだ。美香ちゃんに確認してもらっても構わない。本来の児童用は紺色なんだよ」

「……へえ?」

「機能性を重視したシンプルなデザイン。それでありながら白くすることにより、透明感が加わった素晴らしい水着なんだ!」

「……確かに、他の水着よりは泳ぎやすそうね」

「そう。まず泳いでても脱げないからな! だからポロリの心配もないぞ! ……俺は、お前の身体を他のやつらに見せるつもりは無いからな」

「ふ、ふうん……そう。独占欲が強いのね」

「それにソルテの銀髪と白い水着……まるで水辺に舞い降りた天使みたいになるだろうと思って作ったんだが……気に入らなかったか?」

「……別に、他のよりも露出は少ないし、デザインが気に入らないとは言わないけど……」


よしいける。

このまま褒め続ければ誤魔化せる!

美沙ちゃんは……よし、真を指で弄って楽しんでるな。

今がチャンス!


「でも、色が違うだけで児童用なのよね?」

「えっ、あー…………チガウヨ?」


……しまった。

気が緩んだ!

あまりに圧倒的な正論を叩き付けられてしまい、思わず言いよどんでしまった。


「まあいいのよ。児童用を用意したのはまあいいの。でもね……どうして、シロじゃなくて私なのかしら?」


俺が何故シロではなくソルテにその水着を用意したのか……それはね。


「面白がってるんでしょ? 成人している私が、児童用の水着を着てるのを面白がったのよね?」

「…………チガウヨ?」

「そう。それじゃあ、ロリコンなのね? ロリコンなのよね? 成人している私に、児童用の服を着させて興奮するロリコンなのね?」

「それは違う! 俺はロリコンじゃない! 大きなおっぱいが大好きだ!」

「……」


あ……。

無言で笑うソルテが怖い。

その可愛らしい笑顔の裏にある暗いオーラが怖い。


「久しぶりだけど……あーん」


あー……はい。久しぶりっすね……。

すっと腕を伸ばす俺。

そして、その腕を掴むソルテ。


「一噛み、いいわよね?」

「はい……」


むしろそれで納めてくれるならありがたいっす。


「ちっぱいで悪かったわね!」

「いや、悪くは無、んぎゃあああ……あれ?」

「……痛くは噛まないわよ。痕ついちゃうでしょ」


……かぷかぷと甘噛みを繰り返すソルテに、どうも拍子抜けしてしまったがほっと胸を撫で下ろす。

だが、まだ腕は取られたままなのでしゃがむソルテの生足から尻へかけての丸みと、その間の桃源郷さんをたっぷりと観察していよう。

おっと、


「言い忘れてた。水着姿可愛いよ」

「はぁ……可愛いよりも、セクシーって言われたいわ……」

「それは無……頑張れ!」

「がうっ!」

「いてえええええ!」


歯を立てやがった!

ごめんなさい! 今のは俺が完全に悪かったです!!

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