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わし それぞれの思惑いくつかの誤算



   〜〜〜レガシィ大帝国〜〜〜


ジホン・ロン「この報告書は本当か?」


ゴクフ大臣「はい…マルクス王国側の一方的な虐殺だったと」


ジホン・ロン「にわかには信じがたいな…」


ゴクフ大臣「陸では新兵器の連射銃に鋼鉄の走る大砲…海では射程距離が倍以上の戦艦と…赤子と大人の様な戦だったと…」


ジホン・ロン「やはり、アルビア国の軍艦を沈めたのは海賊では無くマルクス海軍だな、この軍事差が何か分かるか?」


ゴクフ大臣「調べた所、鉄の質と燃える水と化け学と言う奴ですかね?」


ジホン・ロン「詳しく調べるしか無いか」


ゴクフ大臣「紙幣ですが、マルクス王国に牽制する為に多く刷ったので物価が上昇してますね」


ジホン・ロン「物価の上昇は市中の紙幣が増え、物が足りないからだろう、バカでも分かる」


ゴクフ大臣「俊傑にございます、あと…民主主義国民解放軍とやらが組織化されてるとか、異国で新型のペストが流行ってるとの事です」


ジホン・ロン「フン…くだらぬ」


ゴクフ大臣「マルクス王国やサンアンドムーン王国の対応はどうしますか?」


ジホン・ロン「聖カトレイアと辛酸を舐めたアルビア国に使者を送りマルクス王国包囲網の打診をしてみるか、挟み撃ちには、流石に対応しきれんだろう」


ゴクフ大臣「良い案だと思います」



    〜〜〜聖カトレイア国〜〜〜



カトレイア衛兵「大変です、またマルクス王国の海域を根城にしてる海賊共が港近くの小都市で大暴れしてます」


デモクリト枢機卿「なに!?守備隊は何してる?」


カトレイア衛兵「守備隊300名では抑えきれず、逃げ出した模様です」


デモクリト枢機卿「おのれ…海賊共め!!神出鬼没で忌々しい、すぐに討伐部隊を組織しろ!!」


カトレイア兵「また逃げられるのでは?」


デモクリト枢機卿「分かっておるわ!!それでも兵を出さねば民心や信仰心が離れる」


カスケード財務卿「おかしいと思いませんか?禁輸に踏み切って、すぐに海賊が現れ、漁船を破壊し、近くの小都市ばかりを襲う、しかしマルクス王国との港は攻撃しないなんて」


デモクリト枢機卿「分かっておるわ!!おかしい事くらい!!とにかく小都市の守備隊を増やすしか対処法が無い!!」


カスケード「そんな消極的な…」


デモクリト枢機卿「では禁輸を解いて様子を見てみるか?十中八九マルクス王国の仕業だがな」


カスケード「ぐぅぅぅ…マルスの悪魔め…」


デモクリト枢機卿「あの悪魔の所業を挫く国は無いのか?」


カスケード「戦争すれば無敵の強さに圧力外交に海賊も手懐けてますし…」


デモクリト枢機卿「とりあえずステファニー女王に禁輸を解くかどうかお伺いしてみる」


これでは属国では無いか…



   〜〜〜マルス自由都市 大病院〜〜〜




ラコール「こ…ここは…どこだ?天国では…無さそうだが…」


カズキ「お目覚めですか?ラコールさんですか?」


ラコール「そう…だが…お…起き上がれない…」


ハマー「起き上がらない方が良いです、意識不明の重体でしたから」


ラコール「そうか…病院か…ぐぅ…」


カズキ「右足欠損で義足を用意してます、リハビリは大変ですが頑張りましょう」


ラコール「ず…随分と若いな…30歳ほどか…」


カズキ「この国では医療を目指す者は10歳から4年看護科に入り、そこで優秀な成績を収めた者が医学大学校で6年勉強しますから、20歳から医師になれます」


ハマー「カズキさんは、若いですが、我が国で最高の名医ですよ、執刀数も2000を超えます」


ラコール「ふ…ふふ何もかも先進的だな…ごふっ…」


カズキ「少し寝た方が良いでしょう、ハマーいちおうバイタルとってて下さい」


ハマー「分かりました」


我が国は…どう…なってるんだ…



    〜〜〜塹壕陣地 穴の中〜〜〜



「おい…今日も500人連れ出されて行ったぞ…」


ひそひそ…


「体が弱ってる兵や老兵を優先してたな…」


ひそひそ…


「人体実験してるって噂だぞ…」


ひそひそ…


「連れ出されて1人も帰って来ないしな…」


ひそひそ…


「どうせ死ぬなら反乱を起こさないか!?」


ひそひそ…


「あの弾幕の中を逃れる自信無い…隣の友人は紙切れの様にバラバラになった…俺が生きてるのは奇跡だ」


ひそひそ…


「臆病者め…このままじゃ…全員死ぬだけだ」


ひそひそ…


「あした呼ばれる500人で決死隊で反乱を起こさないか?」


ひそひそ…


「ああ…俺は乗るぜ!!」


「俺も…」


「俺もだ!!」


「…どうせ死ぬなら俺も!!」



マルクス兵「うるさいぞお前ら!!もう寝ろ!!」


      

       シーーーーーーーン…



   〜〜〜マルクス王国 謁見室〜〜〜



わし「ほらな、考え方が変わるって言っただろ」


カシム「ツキノ様から、申し出とは…サンアンドムーン国を継ぐ話でしょうか?」


わし「間違い無いだろうな」


マルクス衛兵「ツキノ様がお見えです」


わし「通せ…」


マルクス衛兵「ツキノ様、お入り下さい」



カツカツカツカツカツ…カッ


前と違い凛とした佇まいに、何かしらの覚悟が見える


ツキノ「急な謁見の申し出に、お目通り叶い有難う御座います」


すらりとした体に美しい所作で平伏する


わし「今度は王族として来たのか?」


ツキノ「そうでございます」


わし「そうか、ではウゴン王国再興の為に互いに力を合わせようぞ」


ツキノ「それに関して提案を具申してもよろしいでしょうか?」


わし「ほう…まぁ聞くだけ聞こうか?」


ツキノ「まず王政ではなく、民主主義でお願いします」


わし「逆に良いのか?選挙で負ければ、ただの人になるぞ?」


ツキノ「かまいません、王であろうと大統領であろうと、民衆の支持無しでは、ただの傀儡です」


任期が死ぬまであった方が良いとは思うが、まぁ良いか


わし「まぁそれで良いなら良い」


ツキノ「ありがとうございます、あともう一つ」


わし「まぁ…申してみよ」


ツキノ「完全な独立国としての自治権が欲しいです」


わし「与えてるではないか、立法や行政に司法、手厚い教育に、経済支援もな」


ツキノ「そうですか、必ずお約束して欲しいのですが中央銀行の株比率は政府が51%の親会社で必ずお願いします」


経済依存させれば問題無いがな…


わし「当然だ、同盟国じゃしな」


ツキノ「では、これからも同盟国として、末永くよろしくお願いします」


わし「うむ…」


ツキノ「では、失礼致します」


わし「うむ…」


翻った後ろ姿が何とも大きく見える


思わず、何があったと声をかけそうになったが…止めた…この世界で初めて弱みを見せる様な気がしたからだ


カシム「やりましたね!!当初の予定通りでは無いですか」


わし「うーーーむ…人は強い意志や覚悟、正しい努力によって大きく未来を切り拓いて行くからな」


カシム「それは分かりますが…」


わし「うっかり虎の子を野に放ったかもしれんな」


カシム「まさか」(笑)


わし「まぁ、サンアンドムーン国にはある程度は自立してもらわんと困るしな」


カシム「そうですね、でも確かにカリスマ性を感じましたよ」


わし「手に負えなくなった時に、わしに暗殺出来る覚悟があるかどうかじゃな」


カシム「バランス大事ですね、出る杭はと言う奴ですか?」


わし「逆にわしが暗殺されない様に影武者を作るかじゃな」(笑)


カシム「政治って難しいですね」


わし「同盟国なんて、信じてるのは国民くらいじゃ、戦国時代を忘れたのかと思うわ」


カシム「戦国時代?」


わし「ああ…古い文献でな…同盟国なんて、すーーぐ裏切るのよ、ノブナガ・オダと言う、超デンジャラスな奴がいてな」


カシム「裏切りまくりですか?」


わし「いや…意外に一回も裏切ってない、周りには、めちゃくちゃ裏切られて、最後に家臣に殺されたけど」


カシム「何ですかそれは」(笑)


わし「ノブナガ・オダは誠実じゃったと思う、それ以上に裏切りたくなる恐怖を周りに創造してしまったんじゃろう」


カシム「強すぎたんでしょうか?」


わし「だろうな」


カシム「これまた難しい問題ですね」


わし「ま…とりあえずタクトとサンアンドムーン国の諜報も強化じゃな…あとは…例の愛国党も頼んだぞ」


カシム「御意!!」



次回に続く…







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