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変態日本海軍事情―艦載機開発編―


(久しぶりの日本だが、変わりは無さそうだな)


 船上から港を見やる一人の男。

 紺色の第一種軍装は、一等船客の中では明らかに浮いていた。


 1927年3月某日。

 日本郵船所属の箱崎丸は、定刻通り横浜に入港していた。


「お迎えに上がりました。山本少将」

「……自分は大佐だが?」


 困惑する山本五十六(やまもと いそろく)

 その様子に、出迎えた副官も怪訝な表情となる。


「少将が船上にいるうちに辞令が下りました。電報を打ったはずですが?」

「そういえば、そんなものもあったような気がするな。船内ではポーカーに明け暮れていたから気付かなかったよ」

「えええええ……」


 破天荒な上官に対して、思わずドン引きしてしまう副官。

 片道ひと月半かかる欧州航路で、山本は一等船客相手にひたすらポーカーに興じていたのである。


 同時に、海軍省内で囁かれている噂が真実であることを確信した。

 『正気にては大業成らず』という諺があるが、山本五十六はその典型例であろう。


「ところで、今すぐ出頭しなきゃならんのか?」

「軍令部への出頭は明日です」

「そうか。なら昼飯を食おう。良い店を知っているんだ」


 そう言って、副官を昼飯に誘う山本。

 副官に断る選択肢は存在しなかった。ちょうど昼飯時であるし、上官の奢りであるならばなおさらである。


「良いんですか? この料亭、無茶苦茶高そうなんですが?」

「俺の副官なんだろう。気にするな!」


 帝都、芝の紅葉山(もみじやま)に立地する料亭紅葉館(こうようかん)

 史実では、伊藤博文や西園寺公望、ベーブルースなど名立たるVIPを接待してきた高級料亭である。


 ちなみに、史実では東京大空襲で焼失して跡地に東京タワーが建てられた。

 この世界の東京タワーは史実の場所から少し離れた場所に建設されていたのである。


「……失礼します。お連れさまがおいでになりました」


 美味い料理に舌鼓をうちつつ、美人女給のお酌を受けてご満悦な二人。

 しかし、そんな二人に水を差すように女将が来客を告げる。


「連れだと? 俺は知らんぞ。大尉、君の仕業か?」

「滅相も無いです。そもそも、此処に誘ったのは少将じゃないですか」


 お互いに首をかしげる山本と副官。

 そうこうしているうちに、勢いよく障子が開かれる。


「そう、僕だ!」

「「げぇっ!? ドーセット公!?」」


 仕立ての良いスリーピースに身を包んだ英国紳士――ドーセット公こと、テッド・ハーグリーヴスが乱入してきた瞬間であった。


「いやぁ、接待が終わって帰ろうとしたら見覚えのある顔があったもんだから、ついお邪魔しちゃいました」


 紅葉館は水交社本部ビルの隣に立地しており、海軍関係者が頻繁に利用する場所であった。海軍から接待されることが多いテッドは、紅葉館の常連だったのである。


「山本さんには、一度礼を言っておかないと思っていたからちょうど良かったです」


 勝手に座って、手酌しながら刺身盛りに手を出すテッド。

 金髪碧眼の紳士がやると違和感ありまくりであるが、恐ろしく様になっていた。


「むしろ、お札参りじゃないんですか?」


 空母1隻分の建造費を稼ぎ出して出禁にされたカジノのオーナーが目の前にいるのである。さすがの山本も、蛇に睨まれた蛙の如しであった。


「誤解しているようだけど、うちが損害を被ったわけじゃないですよ? ポーカーでオケラにされた間抜けたちの借金を肩代わりしただけですし」


 ポーカーは、対戦者同士で金を賭ける。

 負けたからといって、カジノ側が特に損をするわけではないのである。


「日ごろ何かにつけて煩い輩が借金完済まで黙ってくれるので大助かりです。まぁ、最初に金額を聞いたときは思わず絶叫しちゃいましたけど」


 そう言って、テッドはいたずらっぽい笑みを浮かべる。

 その様子に心底安堵した山本は、副官も巻き込んで大いに盛り上がるのであった。


 1927年4月。

 山本五十六海軍少将は、海軍航空本部(航本)の初代本部長に就任した。


 帝国海軍では、新たな艦上戦闘機の開発が叫ばれていた。

 艦載機は英国からのおさがりを運用している状況であり、当時は画期的だった性能も時代遅れになりつつあったのである。


 その求めに応じるべく、航本では次期主力艦戦の性能要求が策定された。

 後に二試艦戦と呼ばれる試作機は、三菱、中島飛行機、平成飛行機工業の3社によるコンペで採用を争うことになったのである。







「二試艦戦の試作指示が出たか。まずエンジンを選定しなければいかんな」

「適当なエンジンがありますか? A-4なら十分な馬力が出ますが、あれは信頼性が……」

「A-4の構造を見直した改型がテスト中らしいです。発動機部に問い合わせてみます」


 1927年8月。

 三菱重工名古屋航空機製作所では、二試艦戦の開発が本格化していた。


 戦闘機設計の肝はエンジン選定である。

 可能な限り大出力なエンジンを積むべきであるし、さらに小型軽量であるのが望ましい。


 しかし、この時代の三菱の航空用レシプロエンジンは鳴かず飛ばずであった。

 英国からの技術援助で史実よりもエンジン開発は加速しているものの、馬力に信頼性が追い付いていなかったのである。


 幸いだったのは、発動機部に平成会のモブ技術者たちがいたことであった。

 彼らは、史実のP&W R-1690 ホーネットを参考にしてA-4を改良することに成功したのである。


 A-4改はさらに改良が進められ、後に金星エンジンとして実用化された。

 三菱のエンジンは金星をベースに発展していくことになるのである。


 いろんなエンジンの良いとこ取りして技術的熟成が進まない中島製発動機とは違って、三菱は堅実であった。史実の瑞星、金星、火星は言うに及ばず、超重爆用の大出力エンジン『木星』まで開発することになるのである。


「超ジュラルミンの押し出し成形だと!? これが使えれば大幅な軽量化が達成出来るぞ!?」

「特許は平成金属工業がもっているらしいです」

「聞いたことない会社だが、この際四の五の言ってられん。急いで問い合わせろ!」


 この世界の日本では、超ジュラルミンの射出成型技術が既に実用化されていた。

 こちらは英国からの技術援助(テッドの技術ばらまき)ではなく、生前にジュラルミンの加工に携わった転生者たちによるものである。


 超ジュラルミンを全面的に採用したことにより、大幅な軽量化が可能となった。

 特に主翼は、強度を確保するために必要だった張線などによる補強が不要となり、見た目もすっきりとしたものになったのである。


 機体が軽量になるならば翼は小さいほうが良い。

 当初の計画よりも翼面積は縮小されることになり、結果的に最高速度が向上することになった。


「沈頭鋲? なんだそれは?」

「機体を平滑にして空力を向上させる特殊リベットです。こいつを使えば速度が上がるはずです」

「それは良いが、施工が難しいぞこれ。生産に悪影響が出てしまうぞ?」

「将来的に戦闘機はさらに高速化します。その時に備える必要があるのです!」


 反対意見を押し切る形で、この機体には沈頭鋲が採用された。

 史実では九六式艦戦から採用された技術である。


 従来のリベットは、金属板の表面に頭が突出するために空気抵抗増加の原因となっていた。これに対して、沈頭鋲はかしめる際に皿頭が金属板を凹ませながら締結するため、機体表面を平滑に仕上げることが可能になる。


 懸念されたとおり、試作機の沈頭鋲の施工には問題が発生した。

 枕頭鋲を打ち込む際に事前に鋲の頭が入る凹みを薄板に作るのであるが、これを普通にやるとジュラルミン板は凹みの端から亀裂が入って割れやすくなるのである。


「うーん、やはりダグラス式でいったほうが無難かねぇ」

「NACA鋲なんて論外だぞ?」

「専用工具を作らなきゃ……」


 この問題を解決したのは、製造工場で働いていた平成会のモブ工員であった。

 彼らは、史実のダグラスシステムをパクることで枕頭鋲を実用化レベルにまで持っていったのである。


 鋲の頭は専用工具を用いて凹みを作る押し型としても機能したので、生産性も向上することになった。他のメーカーが、表面の窪みをパテで埋めて塗装を厚めにした後で磨きを掛けて対処したのを横目に、三菱は全面的に枕頭鋲を採用することが出来たのである。


 史実のダグラスシステムは、次世代高性能旅客機製造のためのプロジェクトの一つであった。爆撃機の生産で十分なノウハウを積んだ三菱は、戦後になってから旅客機製造に乗り出すことになる。


 結果的に、三菱側の二試艦戦は史実の七試艦戦を新技術で仕立て直したものとなった。性能的には、史実七試艦戦と九六式艦戦の中間と言ったところである。


 機体は曲面ではなく直線が多用されていた。

 そのため、全体的なデザインは史実とは大きく異なるものとなった。


『こんな武骨なデザインだったっけ?』

『見た目が陸軍機みたいでワロス』

『こんなの三菱の機体じゃねぇよ……』


 ちなみに、このデザインは競合相手の平成飛行機工業のモブ技術者からは大いに不評であった。史実の三菱機を知っている転生者からすれば、容認出来ないデザインだったのである。


 史実と異なるデザインになったのは、設計に堀越二郎(ほりこし じろう)技師が関わっていないためである。円と曲面で構成される優美なデザインが陽の目を見るには、今しばらくの時間が必要であった。







「二試艦戦の試作指示が出たか。どうしたものかな……」

「陸軍向けの戦闘機開発で手一杯です。とても新規で開発する余裕はありませんよ?」

「ならば、そのまま流用すればよかろう。余計な金もかからないし」


 二試艦戦に全力で取り組む三菱とは違い、中島飛行機は陸軍向けの戦闘機の開発で手一杯であった。そのため、開発中の機体をそのまま海軍用に手直しすることで対応することにしたのである。


「エンジンはハ5を使おう」

「あれって爆撃機用だろう? 戦闘機には大き過ぎないか?」

「そもそも信頼性に不安がある。本当に大丈夫か?」


 二試艦戦に搭載するエンジンには、当時最大馬力だったハ5が選択された。

 社内ではハ5の採用には賛否両論であったが、二試艦戦の優先度が低かったことが技術的冒険を是とした。本命である陸軍の次期主力戦闘機のために、ハ5のデータ取りをすることにしたのである。


「三菱の試作機は、ジュラルミンの押し出し成型材を使っている。軽くて強度に優れているらしいぞ」

「我等も遅れるわけにはいかんな。是非とも採用しなければならん」

「パテント料が痛いが、将来への投資と思えばよいな」


 設計段階では胴体こそ全金属製モノコックであったものの、主翼は木金混合骨組でジュラルミン板張であった。しかし、ライバルの三菱は軽量強靭なジュラルミンの押し出し成形材を使用していた。そのことを知った中島側では、直ちに設計変更して対応することにしたのであるが……。


「せ、設計変更の計算がめんどくせぇ……」

「ハンドルを回す手が痛い……」

「分かってはいたが、どうにかならないものか……」


 全面的に強度計算のやり直しとなり、技術者たちは腕も折れんばかりにタイガー計算機をぶん回すことになった。モノコック構造は軽量に仕上がる半面、強度を機体表面が受け持つので煩雑な計算が必要になるのである。


「電子計算機だと?」

「えぇ、内閣調査部に出入りしてる友人から聞いたのですが、入力した瞬間に計算結果を表示出来る優れモノだそうです」

「そんな便利な計算機があれば設計が捗りまくるぞ。是非とも欲しいが、お高いんだろうなぁ……」


 平成会内部で用いられていた電子計算機は、蛍光表示管(VFD)を用いたものである。

 VFDは3極真空管の一種であり、真空管に比べて小型軽量で消費電力も少なくて玉切れしないと良い事尽くめであった。


『金に糸目は付けないから購入してこい!』


 この計算機の存在を知った社長の中島知久平(なかじま ちくへい)は即断した。

 自らも技術者である中島は、航空機設計の大変さを身に沁みて知っていた。彼はこの計算機の価値を見抜いたのである。


『は? 中島飛行機から計算機30台の発注? 何があった!?』

『ちょ、手作りなんですよこっちは!? いきなり言われても……!?』


 平成会では、この計算機を売り出していたのであるが全く売れていなかった。

 中島飛行機からの発注が販売第1号となったのである。


「これは凄い!? 計算が瞬時に出来るぞ!」

「もうハンドルを回さなくて良いんだと思うと涙が……」

「これで遅れた分は取り戻せる。ヤルゾーっ!」


 電子計算機の導入によって、設計変更による遅れは簡単に取り戻せた。

 技術者たちが電子計算機を絶賛したのは言うまでも無いことである。


『画面をもっと大きくしろだと?』

『数値を連続入力して、連続解の同時表示に対応させろだと!?』

『そこまでいったら、従来型のVFDじゃ対応出来ませんよ!?』

『VFDでもドットマトリクスは可能だ。こうなったら、作るしかない……!』


 中島飛行機は金払いは良いが、注文も厳しかった。

 評判を聞きつけた三菱や同業他社も電子計算機を積極的に導入するに至り、この事態に対応するために平成会は『平成計算機工業』を設立して対応することになるのである。


 結果的に、中島側の二試艦戦は史実のキ11を新技術で仕立て直したものとなった。三菱と同様にジュラルミンの押し出し成型材を採用した結果、強度を維持しつつ軽量化にも成功して補強の張線も不要となり、搭載しているエンジンの出力がほぼ倍増したことにより各種性能も著しく向上していたのである。







「夢にまで見た戦闘機開発だ!」

「どうせなら計画で終わってしまった機体とか、架空機を作りたいよな!」

「蒼〇や桜〇を作って、重爆相手に無双したいなぁ」


 平成飛行機工業のモブ技術者たちは、戦闘機開発に燃えていた。

 今まで三菱や中島の下請けに甘んじていた鬱憤を晴らすべく、革新的な機体を世に送り出そうと決意していたのである。


「だが、どうやって作ったものやら」

「うちら民間機のライセンス生産はしてたけど、戦闘機の設計経験は皆無だからなぁ」

「とりあえず、高速機を作って武装させりゃ良くね?」

「少なくても速度だけは負けない機体にしたいな」


 すったもんだの挙句、決定した方針は高速機を作って武装させることであった。

 戦闘機の設計ノウハウが無い彼らは、下手にあれこれ詰め込むよりもシンプルな機体を開発することにしたのである。


「速度を出すには、とにかく大馬力なエンジンがいる。当てはあるのか?」

「ドーセット公にお願いして、ブリストル社からエンジンを提供してもらったからそれを使おう」

「スリーブバルブか。甲突の生産実績があるからなんとかなるだろう」


 平成飛行機が試作機に選定したエンジンは、ブリストル社から提供された『パーシューズ』であった。


 このエンジンは先に生産した『甲突』と同じくスリーブバルブであり、後に『球磨』の名称でライセンス生産されることになる。


「……このエンジン、ちょっと太くね?」

「大馬力空冷あるあるだからしょうがない。史実の雷電みたいに機首を紡錘形にするという手もあるが……」

「紡錘形にするとコクピットが後ろに下がってしまう。陸軍機ならともかく海軍機だとNGだな」

「史実でも延長軸の振動問題で散々苦労したんだぞ? この時代にやったら大惨事間違いなしだから却下で」


 パーシューズのエンジン直径は1400mmもあった。

 これは3社の試作機の中では最大の数値であり、胴体設計に悪影響を及ぼすことになったのである。


「軽量な機体に大馬力エンジンは正義!」

「それは良いんだが、これって燃料搭載量大丈夫か? 200リットルも入るとは思えんが……」

「「「あっ!?」」」


 レーサー機ならばともかく、戦闘機は性能要求を満たさなければ意味は無い。

 モブ技術者たちは、高速を追求し過ぎて他の要素を考慮していなかったのである。


「お、おおお落ち着け、まだ慌てる時間じゃない」

「さ、さすがにここから胴体に大幅に手を入れるのは無理ですよ!?」

「主翼にインテグラルタンクを……って、この薄さじゃ容量もたかが知れてるか。どうしたものか……」


 頭を抱えるモブ技術者たち。

 この問題を解決するには胴体を延長するしかないのであるが、設計段階ならばともかくテスト直前の実機にそんなことが出来るはずもなかった。


「私にいい考えがある!」


 八方塞がりな状況を打破したのは、一人のモブ技術者であった。

 彼は、史実のコンフォーマルタンクを参考した外装式のタンクを設計したのである。


 コンフォーマルタンクは、胴体下部に設置されている。

 空力重視で見た目は完全に胴体と一体化していたが、横から見るとビヤ樽のようであった。


 結果的に、平成飛行機側の二試艦戦は史実のジービー・レーサー(Gee Bee Racer)もどきとなった。安定性確保のために尾翼の面積は拡大され、コクピットも主翼付近に移設されてはいたが全体的なイメージは崩すには至らなかったのである。


 速度を最優先にしただけのことはあり、3社の試作機の中では最速であった。

 言うまでも無く、操縦性は最悪であったが。


『着速が早すぎて、空母への着艦は無理』

『とてもじゃないが、こんな機体にひよっこを載せられない』

『不時着したら胴体下のタンクから発火した? こんなの殺人機以外の何物でもないだろ!?』


 搭乗したテストパイロットからは、散々な評価を下されることになる。

 そんなことを知る由も無いモブ技術者たちは、評価試験を心待ちにするのであった。







「……あー、なるほど。それで僕のほうに話を持ってきたわけですね」

「強権をもって潰すことも可能だが、そんなことをすれば禍根が残る。可能な限り避けたいんだ」


 1929年1月下旬。

 航空本部(航本)本部長の山本五十六海軍少将は、駐日英国大使館を訪問していた。


「そういうことならば、デモンストレーションをしましょうか。演習では使用しませんでしたが、戦闘機も積んでますし」

「英国の戦闘機を見れば、頭の固い連中も目が覚めると思う。よろしく御願いする」


 山本がテッドに頼んだのは、単葉機反対派の説得であった。

 二試艦戦の性能要求策定にあたり、航本は速度を最優先事項に掲げて単葉機を指定した。


 しかし、実際に運用するパイロットたちからは反対意見が続出した。

 これまで複葉機に慣れ親しんでいたのに、単葉機にするとは何事だと上官に直訴したのである。


 あまりにも多い部下たちの反対意見を無視することは出来なかった。

 指揮官の連名で、抗議文が航本に提出される状況に及んでいたのである。


「な、なんだあの速さは!?」

「これが単葉機の威力か……!」


 空母『鳳翔』の左舷側をフライパスする英海軍の艦載機。

 見学のため乗艦していた反対派の軍人たちは、その高速性能に唸らされていた。


「え? 模擬空戦の要請?」

「はい、いかがされますか?」


 航空機補修艦『ペガサス』艦橋。

 今回のデモンストレーションのために乗艦していたテッドは、艦長からの報告に困惑していた。


 ソッピース ドラゴン(英式艦戦)が現在の帝国海軍の艦載機であるが、所詮は第1次大戦時の機体である。大人と子供以上の性能差が存在するのであるが……。


(この際、完膚なきまでにぶちのめした方が良いかもしれない。禍根を残すなって山本さんも言ってたし)


 模擬空戦の実施は直ちに帝国海軍側に伝えられた。

 帝国海軍の鼻っ柱を根こそぎへし折る惨事が確定した瞬間である。


「くそっ、速過ぎる!?」


 英式艦戦のパイロットは悲鳴をあげていた。

 エンジンが焼き付く覚悟でフルブーストしているというのに、前方の英軍機との距離が縮むどころか広がっていく。


「ジャパニーズネイビーは未だに骨董品を使っているのか。お気の毒さまだな」


 先行する英軍機――シーハリケーンMk2のパイロットは、英式艦戦のパイロットに同情していた。ロイヤルネイビーからすれば、相手は博物館レベルのシロモノだったのである。


 帝国海軍の名誉のために言っておくと、英式艦戦は艦載機としては現在でも一線級の性能である。他の列強では未だに水上機の運用がメインなので、比較しようが無いのであるが。


「さて、あまり長引かせても屈辱だろうだから早めに終わらせるか」


 搭載されたターボプロップエンジンが、唸るような低周波を発しながら出力を上げる。1600馬力の軸出力に排気推力が加わったことで、あっという間に機体が加速していく。


 速力にものを言わせて距離を開き、旋回してあっさりとバックを取るハリケーンMk2。パイロットがトリガーを引くと、ガンカメラが作動して連続で写真撮影していく。


「このっ!」


 背後を取られたことに気付いた英式艦戦のパイロットが、ドッグファイトに持ち込むべく機体を急上昇させる。


「その手は喰わんよ!」


 ハリケーンMk2は、縦旋回には付き合わずにそのままスルー。

 再び距離を詰めてバックを取る。こうなると速度で圧倒的に劣る英式艦戦には為す術が無い。


「これは……完敗ですな」

「圧倒的な速度差には小手先の技は無意味ということか」

「考えてみれば、当然のことであったな……」


 模擬空戦終了後、双方のガンカメラのフィルムが現像された。

 その結果は、ハリケーンMk2の圧勝であった。


 この結果に、さしもの単葉機反対派も目が覚めた。

 以後の帝国海軍では、単葉機の整備が急速に進められていくことになるのである。







「……それでは報告を聞こうか」

「はっ、最初に結論から述べますが三菱の機体を採用するべきだと我々は判断しました」


 1929年3月某日。

 航本の一室で、山本は副官から報告を受けていた。


「その理由は何かね?」

「総合的なバランスを鑑みて判断しました。これはテストパイロットたちも同意しております」


 3社の試作機はテストパイロットたちによって、徹底的にぶん回された。

 そこまでやった結果の結論であるから揺るぎようが無い。見も蓋も無い言い方をすれば安牌(あんぱい)である。


「三菱の機体は一番遅いじゃないか。一応要求性能は満たしてはいるが……」


 しかし、山本は不満であった。

 速度を最優先にして様々な制約を取り払ったのに、最良の結果を出したのが鈍足な機体となれば文句も言いたくなろうというものである。


「平成飛行機工業の機体はダメなのか? 頭一つ抜けた高速性能だし、性能要求も満たしているではないか」

「……本部長、あの機体だけは絶対にダメです。あの機体はヤバいどころか論外です」


 きっぱりはっきり断言する副官。

 その姿には一切の妥協が存在しない。まさに完全否定であった。


「そんなに酷いのか?」


 しかし、山本は逆に興味を抱いた。

 そんな上司の態度に、副官は全力を持って叩き潰すことを決意した。


「本部長はアメリカ留学されたなら、ナショナル エア レースはご存知ありませんか?」


 ナショナル エア レースは、1920年から開催されているエアレースである。

 この世界では些か、いや、かなり異なる経緯での開催となったものの、現在はニューヨーク州ロングアイランドで定期的に開催されていた。


「おぉ、あの飛行機レースか。知っとるぞ。あのころはソーシャルディスタンスだの(うるさ)かったが、写真撮影しに行ったこともある」


 当時エピデミックが終息に向かっていたとはいえ、アメリカ留学など考えられない時代であった。誰もが尻ごみするなか、山本は敢えてハーバードへ語学留学していた。


 写真撮影が趣味な山本は、アメリカ留学時代はカメラ片手に小旅行を繰り返した。ニューヨークまで足を延ばした際に、珍しいモノ撮りたさでナショナル エア レースを観戦していたのである。


「……まさか、競速機と同レベルだと言うのか?」


 無言のまま『Exactly』といった表情を見せる副官。

 全てを察した山本は、平成飛行機工業の機体について以後言及しなくなったのであった。


 ちなみに、二人は知る由も無かったのであるがナショナル エア レースには闇社会の住民の面子がかかっていた。血生臭い抗争の時代は終わり、シンジケートは平和的な手段でファミリー間の揉め事を解決する必要に迫られた。その方策の一つがエアレースだったのである。


 勝利のためならば、金も技術も、ついでに腕利きのパイロットも惜しげもなく投入された。負けたら(物理的に)首が飛びかねないので、技術者たちも死に物狂いで技術開発に明け暮れたのである。


 その結果、アメリカの航空技術は飛躍的に発展することになった。

 しかし、その技術は小型機に限ったものであり、大型機はその恩恵に(あずか)ることは出来なかったのである。


『三菱の機体を89式艦上戦闘機として制式採用する』


 1929年3月。

 航本より正式な通達と製造契約が三菱側と交わされた。


 一方で、コンペに負けた中島もタダでは起きなかった。

 エンジンをデチューンすることで信頼性を上げ、着艦装備を撤去して陸上機とした機体を輸出用戦闘機として売り出したのである。


 この機体は『鷲羽(わしゅう)』の名称で満州国やマハルリカ共和国向けに好調なセールスを記録し、開発費を回収することに成功した。合わせてハ5の信頼性醸成にも一役買うことになり、栄や誉エンジンの早期開発につながるのである。


『くっそー! 今度こそ架空機を開発してギャフンと言わせてやるーっ!』


 全く反省していないのが平成飛行機工業であった。

 彼らは敗因が理解出来ず、次期主力艦戦のコンペでも尖った機体を出して周囲を困惑させることになるのである。







『本艦を、飛龍と命名する』


 艤装委員長の小林(こばやし)省三郎(せいざぶろう)海軍大佐の声がドック内に響き渡る。呉海軍工廠では、新型空母の進水式が開催中であった。


 小林は斧で支綱(しこう)を切断する。

 くす玉が割れ、2万トンを超える巨体が静かに滑り落ちていく。


(なんとか、ここまでこぎ着けることが出来たな……)


 進水式に招待されていた山本は、飛龍の船体が豪快な水しぶきをあげて浮かぶのを見守っていた。ここまで来るのに払った苦労は並大抵のものではない。感動もひとしおであった。


「山本さん、こちらにおいででしたか」

「おぉ、小林さん。久しぶりですな」


 目ざとく山本を見つけた小林は声をかける。

 二人は縁戚関係であり、普段から親交があったのである。


「新型の噂は聞き及んでおります。画期的な高速性能を持つとか」

「耳が早いですな。既に三菱が製造を開始しています。既に受領した部隊は機種転換訓練を開始しています」


 小林に微妙な笑みを浮かべる山本。

 確かに新型機は英式艦戦(旧型)よりも170km/hも優速であるから、画期的な性能というのは間違いでは無い。


 結果的に試作機の中で最も遅い機体を採用することになったり、英国の艦載機が最速の試作機をもぶっちぎる速度を発揮したりとか、いろいろとカオスな状況だったのであるが、山本は心に棚を作っていた。あきらめたとも言う。


「ダメだ、着陸寸前の浮き上がりが激しすぎる。これじゃ安全に着陸出来ない」

「エンジンパワーだけだと、進入角度が浅すぎて滑走距離が長くなっちまう。これじゃ空母への着艦は厳しいな」

「かといって、フルブレーキしたらつんのめっちまうしなぁ……」


 89式艦戦を受領した部隊では、空母への離着艦を想定した訓練を実施していた。しかし、離陸はともかく着艦で問題が多発していたのである。


 いわゆるバルーニング現象であるが、これは航空機が高性能化するうえで避けて通れない道と言える。史実の96式艦戦はフラップを搭載することで対策したが、この世界の三菱は別の手段を選択することになったのである。


「おぉ、こいつは良いな。急減速出来るから高度調整が楽だ」

「接地してからブレーキと併用すれば滑走距離も抑えられる。こんな良いものがあるんなら、最初から付けとけってんだ!」

「上手くすれば、戦術に組み込めるかもしれん。研究する価値はあるな」


 搭乗員たちが絶賛しているのは、三菱の技術者たちが突貫工事で主翼に取り付けた装置である。応急処置的な改修であったが、その威力は絶大であった。


 史実通りフラップを取り付けるとなると、主翼の構造を全面的に見直す必要があった。航本から機種転換訓練が遅れることは容認出来ない旨を伝えられた三菱側は、必死になって改善策を考えたのである。


 改善策を考え付いたのは、またしても平成会のモブ技術者であった。

 彼は、翼の上に設置するスポイラーならば大幅な設計変更無しで取り付けることが出来ると気付いたのである。


 突貫工事で設置されたスポイラーによって、89式の着陸性能は劇的に改善された。初期ロットは改修工事が施されたが、以後の生産型は最初からスポイラーが装備されたのは言うまでも無いことである。


 当時の航空機の進化は急速なものがあり、89式が活躍出来た期間は比較的短かった。しかし、スポイラーのおかげで小形空母に着艦することが可能だったために、2線級になっても商船護衛などに活躍することになるのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


二試艦戦(三菱)


全長:6.93m   

全幅:9.7m    

全高:3.3m     

重量:1125kg    

翼面積:15.7㎡

最大速度:410km/h

実用上昇限度:7600m

武装:7.7mm機銃×2 30kg爆弾2個

エンジン:三菱 A-4改 空冷星型14気筒 780馬力

乗員:1名


1927年に試作が指示された二試艦戦に三菱が提出した機体。

中島と平成飛行機工業とのコンペに勝利して、89式として制式採用された。


平成会の技術陣が実用化した超ジュラルミンの押し出し成形技術を採用したことにより、機体強度を上げつつ軽量化に成功した。そのため、張線などの補強が不要となり見た目はすっきりしている。


エンジンはA-4の改良型が採用されている。

発動機部に勤めている平成会のモブ技術者たちによって改良されたA-4改型は実質金星のプロトタイプであり、数々の派生エンジンを生むことになった。


性能的には史実の七試艦戦以上96式艦戦未満であるが、天才堀越二郎が設計に関わっていないために円と曲面を多用した優美なラインは欠片も無い。しかし、直線部分が多いために量産性は悪くなく、スポイラー取り付けの改修も短時間で完了している。


二線級となっても商船護衛などで需要があり、史実FM-2の如く改良を加えられながら生産が継続された。そのため、多くのの派生モデルが存在している。



※作者の個人的意見

テッド君の技術ばら撒きや、平成会の技術チートによって技術加速してるから多少早めに史実96式艦戦を出しても問題無いよねと思ったりもしましたが、7年早いのは流石に無茶が過ぎるので、多少性能を落とした機体を採用したというオチだったりします(;^ω^)






二試艦戦(中島)


全長:6.89m   

全幅:10.89m    

全高:3.33m     

重量:1450kg    

翼面積:19.1㎡

最大速度:450km/h

実用上昇限度:7600m

武装:7.7mm機銃×2 

エンジン:中島 ハ5 空冷星型14気筒 890馬力

乗員:1名


1927年に試作が指示された二試艦戦に中島が提出した機体。

三菱との事実上の一騎打ちに負けた形となったが、輸出用戦闘機として満州国やマハルリカ共和国、さらにはタイ王国にもセールスすることに成功している。


エンジンはハ5を採用している。

試作機では熟練したメカニックによる入念な整備でトラブルは出なかったが、輸出モデルでは不具合が出ることが予想された。そのため、エンジンをデチューンすることで信頼性を確保している。


輸出モデル『鷲羽』は出力が低下しているものの、陸上機として売り出すために着艦装備など不要な装備を撤去した結果、機体が軽量化されて運動性の低下は最低限に抑えられた。


輸出モデルのセールスが好調で、ハ5も大量生産された。

その過程で改良が加えられ、信頼性を向上しつつ大馬力化も達成している。


ハ5は、史実のゼロ戦に搭載された『栄』に発展し、さらに奇跡のエンジンと称された『誉』の早期開発につながった。平成会も影ながら支援しており、火葬戦記のある意味お約束である『戦前に誉と100オクタン』が対米戦の前に実現することになった。



※作者の個人的意見

史実では試作のみに終わったキ11を、この世界の技術で仕立て直した機体です。

見た目は補強の張線が不要になって、幾分空力的に洗練されたキ11といったイメージです。海軍では不採用でしたが、陸上機用に仕立て直した機体が陸軍に採用されることになります。


電子計算機の描写を入れてますが、この頃から平成会謹製の電子計算機が設計現場や製造部門で歓迎されるようになります。大量生産されてダウンサイジングと低価格化が進んでいき、電卓の登場が早まることになります。ICではなく、VFDを使用した電卓なのでカードサイズは無理ですが、テーブルに置ける程度にまでは小型化は可能でしょう。パラメトロンを使用した電卓もあるのだし、決して不可能ではないはず。多分。






二試艦戦(平成飛行機)


全長:5.38m   

全幅:7.62m    

全高:3.28m     

重量:1190kg    

翼面積:9.0㎡

最大速度:530km/h

実用上昇限度:7600m

武装:7.7mm機銃×2 

エンジン:ブリストル パーシューズ 空冷星型9気筒930馬力

乗員:1名


1927年に試作が指示された二試艦戦に平成飛行機工業が提出した機体。

カタログスペック詐欺な機体であり、最高速以外は全て劣悪でテストパイロットからは酷評されている。


特に機体下部に設置されたコンフォーマルタンクは安全性に問題があり、中身が残ったまま胴体着陸しようものなら摩擦熱で発火、機体は爆発炎上する可能性が極めて高かった。コンペ敗北後は、しばらく倉庫で埃をかぶっていたが、武装とコンフォーマルタンクを撤去されて短い間であるがレーサー機として活躍した。



※作者の個人的意見

見た目は、コクピットの位置以外はジービー・レーサーです。

レーサー機として活躍した期間が短いのは史実同様に爆発炎上したからですが、パイロットは脱出に成功しています。


平成飛行機工業はネタ枠と書いてしまいましたが、後々で制式採用される機体もあります。特殊用途向けになるのは確実でしょうけどねw






英式艦戦 (ソッピース ドラゴン)


全長:6.63m   

全幅:9.47m    

全高:2.9m     

重量:967kg    

翼面積:25.2㎡

最大速度:240km/h

実用上昇限度:7600m

武装:ヴィッカース機銃×2(主翼) 11kg爆弾4個(主翼下面)

エンジン:ABCドラゴンフライ 星型空冷エンジン 360馬力

乗員:1名


第1次大戦末期に活躍したソッピース キャメルに大出力のエンジンを載せた機体。


史実では2機のみ生産されたが、この世界では円卓技術陣の努力により大戦序盤から投入された。大出力にモノを言わせた高速と爆装が可能であり、史実ソッピース サラマンダーが装備した爆弾を装備することも可能。その性能は同時代では圧倒的であり、ソッピースの悪夢と呼ばれた。


帝国海軍で運用される際にアレスティング・フックを後付けして、艦載機として運用された。当時としては長大な鳳翔の甲板からだと、ワイヤー無しで離着艦が可能であった。



※作者の個人的意見

この世界では第1次大戦時の機体ですが、未だに一線級です。

他の列強(英国をのぞく)は水上機の運用止まりなので、陳腐化もさして問題になりませんでした。






ホーカー シーハリケーン Mk2


全長:9.8m   

全幅:12.2m    

全高:3.98m     

重量:2460kg    

翼面積:23.9㎡

最大速度:580km/h

実用上昇限度:11500m

武装:7.7mm機銃×12 

エンジン:ロールスロイス ダート 軸出力1630馬力+排気推力350lbf

乗員:1名


ハリケーンに着艦装備を付けて艦上戦闘機にした機体。

現時点では本国艦隊のみに配備されている。


機体設計が全面的にやり直しとなってしまったスピットファイアに代わり、事実上の主力戦闘機(艦戦)となっている。史実同様に古臭い構造故に機体強度を確保しやすく、比較的簡単に大出力ターボプロップエンジンのレトロフィットが可能であった。


搭載されたエンジンはロールスロイス ダートであるが元々搭載されていたマーリンよりも全長が長く、そのまま搭載すると視界不良になるため斜めに搭載されている。


エンジン本隊は斜めに搭載されているものの、減速装置で軸線は水平に補正されているために飛行には問題は出ていない。一方で、排気管は下方向に偏向したままなので下向きの推力が発生し、多少なりともSTOL性能が向上することになった。


ハリケーンは全面的な再設計が必要となったスピットファイアが戦力化されるまで英国空軍の主力戦闘機として活躍した。純粋な戦闘機タイプから戦爆、地上攻撃機など様々な派生型が存在し、史実以上に大量生産されている。



※作者の個人的意見

ハリケーンは旧式な構造ですが、一方で軽くて頑丈でもあり、余裕のある構造から戦局に伴う改良への適性、被弾時の機体や乗員のサバイバビリティにも優れていたとのこと。ターボプロップの大出力にも余裕で対応出来ると思います。


ターボプロップ・ハリケーンの見た目は胴体下部の冷却器が無いのですっきりした外観になっています。エンジンが斜めに搭載されているので、推力排気管が下を向いているのも外観上の特徴です。


この世界のスピットファイアは、全面的に設計変更するハメになりました。

その分、エグい性能になるのは確実ですけどねw






飛龍


排水量:22800t(公試)

全長:227.35m(飛行甲板を含む)

全幅:22.0m(水線幅)

吃水:7.8m

機関:ロ号艦本式専焼缶(空気余熱器付)8基+艦本式タービン4基4軸推進

最大出力:153000馬力

最大速力:34ノット

航続距離:18ノット/8000浬/

乗員:1560名

兵装:40口径12.7cm連装高角砲6基

   25mm3連装機銃13基

   25mm単装機銃24基

   艦載機73機(艦戦12機、艦爆27機、艦攻9機、艦偵9機、補用16機)

   エレベーター2基(後部エレベーターはサイドエレベーター化)

   

帝国海軍の空母マフィア待望の正規空母。

史実の雲竜型をベースに改良が加えられている。


史実との最大の違いは、後部エレベーターのサイドエレベーター化である。

サイドエレベーターは艦体の側部に大きな開口部を作るために波浪に弱くなる問題があり、運用上の問題が出ることが危惧された。この問題に際して、サイドエレベーターに連動する装甲シャッターを設けることで対応している。


機動部隊の中核として多数建造されたが、機体の大型化に伴い1950年代になるとほとんどが退役した。しかし、一部の艦はアングルドデッキ化や蒸気カタパルトの追加装備で再就役を果たし、最終的にはタイ王国やオーストラリア、満州国などに売却されている。



※作者の個人的意見

史実雲竜をサイドエレベーター化すれば、性能面でも運用面でもバランスの取れた中型空母になると思います。数を揃えれば機動部隊の中核として大活躍間違いなしでしょうね。


問題は、雲竜を大量建造出来るか微妙ということなんですが(爆

いざ戦争になったら正規空母なんて悠長に作ってる暇などありません。史実のコロッサス型のような軽空母を大量建造することになるでしょう。


そもそも、この世界の日本は自分から攻める必然性が無いので史実のような機動部隊を揃える必然性に乏しいんですよね。戦場の火消しとしての運用がメインになるでしょうから、それなりに数は揃えるかもしれませんけど。空母マフィアの頑張り次第ってところですかね(酷

この世界の帝国海軍の艦載機について書いてみました。

平成飛行機工業が完全にネタ枠ですが、彼らの開発する機体は突き抜けたものが多い(というかそれしかない)ので、今後も期待してくださいw


>P&W R-1690 ホーネットを参考にして

史実ではP&W R-1690 ホーネットの製造権を購入して『明星』として生産しています。転生者のおかげで、そこらへんすっとばして一気に金星の開発が実現したというわけです。



>超重爆用の大出力エンジン『木星』

暴走はしませんので悪しからずw

瑞星を4個連結した和製ワスプメジャー如きです。


>ハ5

ハ5の技術的熟成が進めば、栄の早期実用化が可能になるでしょう。

当然ながら誉の実用化も早まるわけで、対米戦に突入する前に実用化出来るでしょう。しかし、火葬戦記の鉄板ネタである誉と100オクタンが実現したからといって、この世界の日本が無双出来るかは……w


>タイガー計算機

h ttps://www.youtube.com/watch?v=2aHdInr9_J8

↑動画を見れば分かると思いますが、ひたすらハンドルを回して計算する必要があるので、連続して計算するとなると体力を使います。こんなのを使っていれば、そりゃあ電子計算機が欲しくなるってものですw


>ドットマトリクス

いわゆる『8』の字でなく、ドットの2次元配列によるパターンです。

文字・記号・画像を表現するのに使われる点の集合体で、典型例は初期の白黒液晶です。


>『平成計算機工業』

略称はHCI(Heisei Computing Industry)です。

この世界でNECにとって代われるかは未定w


>『パーシューズ』

平成飛行機工業がテッド君ににおねだりしてライセンス契約にまでこぎ着けたエンジン。彼らはうまくやったと思い込んでいますが、この世界の英国は既にターボプロップを実用化しているので不要になった産廃を高値で買ってくれるお得意様だったりします。


>『甲突』

平成飛行機工業がライセンス生産しているスリーブバルブエンジン。

主に萱場製のオートジャイロに搭載されています。名前が河川名なのは、ロールスロイスの命名基準を参考にしたためだったりします。


>コンフォーマルタンク

史実だとF16がでっかいコンフォーマルタンクを装着していますが、あれは燃えにくいジェット燃料だから出来ることです。ガソリンで同等のことをやらかせば、インテグラルタンク以上にヤバいことになるのは確実でしょう。


>ジービー・レーサー

h ttps://www.youtube.com/watch?v=3UmmeWVAt6A

平成飛行機工業の試作機は、↑動画の機体よりは主翼と垂直尾翼の面積は増やしているし、コクピットも前方に移動しているので安全です。多分。胴体下方にコンフォーマルタンクを設置していますが、胴体着陸にならない限りは安全デスヨ?(震え声


>1929年1月下旬。

本編82話の直後のことになります。

出張ってきた英艦隊が国内で休養中だったので実現しました。


>シーハリケーンMk2

ホーカーハリケーンに着艦装備を付けた機体。

なんでも『シー』を付ければ良いから、英国の海軍機は命名に悩まずに済みますねw


>アメリカ留学

この世界の山本五十六の留学は、アメリカ風邪の流行が終息しつつあった時期です。それでも世界各国からは忌避されており、そんな中留学してきた山本は地元民から大歓迎されました。


>ナショナル エア レース

一見華やかなエアレースに見えますが、その裏では裏社会の住民の揉め事解決&賭けの対象になっています。面子がかかっているので、金も技術も際限なく投入して化け物のような機体が開発されています。イメージ的には、史実1960年代以前のインディ500です。


鷲羽(わしゅう)

史実ではカーチス ホークのせいで輸出用として失敗してしまったので、当てつけとして鷲に因んだ名前にしてみました。決して天地無用のファンだからとか、そういったものじゃないのです。無いんだってば。


>『くっそー! 今度こそ架空機を開発してギャフンと言わせてやるーっ!』

技術だけはあるので、本当にやらかすことになるでしょう。

最有力は艦体シリーズかなぁ…。


>飛龍

素直に雲龍にしても良かったのですが、赤城も加賀もいないのでせめて飛龍だけでもって、理由だったりします。なお、2番艦以降は『雲龍』『蛟龍』とか考えてましたが、実際に出番があるかは現時点では未知数です。


小林(こばやし)省三郎(せいざぶろう)

山本五十六の縁戚にして、史実5・15事件の黒幕。

この世界では5・15は発生しないので、艦長職を全う出来るはず。


>スポイラー

フラップを後付け装備するには付け根部分の補強が必要で主翼の大幅な設計変更は避けられませんが、スポイラーならば主翼上面に最低限の改修で取り付けることが出来ます。実際、スポイラーで操縦する航空機も存在(三菱MU-2)します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 電子計算機爆売れ。 樫尾氏を早期にご招待せねばいかんかね? 三菱と中島の試作機はいい感じに改善されてる。金星はいいけど、誉は…。ハ44もお願い。 平成飛行機はペルセウスとは無茶すんなぁ。 …
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