月の名を抹消する者篇part5 “幼なじみの笑顔„
!?!? 旨い。このサラダうどん。
「旨いぞ秋葉。このさっぱり感が良くてガツガツ食える !!
さすが秋葉だな。料理が上手い」
「でしょでしょ ?ありがとう睦月くん」
「いいや、こちらこそこんなに旨いもん食わせてくれて
ありがとう、秋葉」
旨すぎて、秋葉特製サラダうどんはあっという間に
皿から消え去った。
「ふう。腹も膨れたし、どうしようか」
「そうだねぇ、そういえば睦月くん。家に来るとき、
相当走って来てくれたでしょ ?」
「なんで分かる ?」
「だって汗臭いんだもん。お風呂、入ってくれば ?」
「うっ、それもそうだな。まぁ。じゃあとりあえずお風呂借りるな」
「うん」
秋葉は手を振って俺をお風呂へと誘導した。
まぁ、秋葉の家のお風呂は小さい頃から何度か借りたことが
あるためあまり抵抗が無いのは事実だ。
俺は風呂場の戸を開け、服を乱雑に置き
風呂へと入った。
「ふう。さてどうしたものか」
俺は浴槽でふと呟いた。
そう。秋葉の事が解決しても月の名前の子が消える事件は
解決していないのだ。まぁ、とりあえず秋葉が言っていた
赤雪駅前辺りに張り込むしかないな。
俺は風呂を上がった。
「うーす、秋葉。風呂上がったぞ」
秋葉に会釈する。
「んーとさ、もう時間が時間だから寝ようか。
私がソファーで寝るから睦月くんはベッドでいい ?」
「いやいや、いくら俺が客だからって女の子を
ソファーで寝かすほどバカじゃないぞ ?
秋葉はいつも通りベッドで寝てくれて構わないぞ ?」
「優しいね、睦月くん。じゃあお言葉に甘えようかなぁ。
おやすみ、睦月くん」
「あぁ、おやすみ。秋葉」
次の日、秋葉がモーニングコールをしてくれて
家へと戻り学校の支度をして学校に向かった。
秋葉は俺を送り出すとき、笑顔だった。
もう泣かせたくない、そう思った。幼なじみだしな。
秋葉は来週には転校してくるそうだ。
月の名を抹消する者はそろそろ出てきます。




