2闘いすんで
終わった。
マジでもう…いろんな意味で終わった。
ベッドから身体を起こすとそこにはもう数真はいなくて代わりにメールが着てた。剣道の稽古日?ああ学校の部活じゃなく道場のほうねふーん。
9時には帰るってなにそれいちいち教えなくていいし。いつもこんなにメールしてきたっけ、あいつ。
なんかダルい。
そのせいかやさぐれた感じでしか頭も心も回らない。
フツー、弟に無理矢理ヤラれたら、もっとテンション高くコメントしなきゃダメですかね。
本当ーにダルい。
そりゃそうか。
リビングで三回続けざま、お風呂場で身体を洗われてたときにまた一回、で、また身体洗って今度は2階につれてかれて、私の部屋で二回、ベッドが汚れたのとベッドが狭いという理由で、数真の部屋で三回。
何処の種馬なんだあいつは。しかも全部中だ…いや、避妊はしてるといってたけどアレを装着してはいなかったような。どういうことなんだか。もう考えたくない…
腰がどーんと痛いです。
そして股の違和感が凄い。こっちは痛いというよりなんていうかスースーします。じんじん痺れたようなダルさがいつもと違う異常な感覚。
数真なら開通したからだよとか言いそう。
くそぅ…
最初からむちゃくちゃ腰振ってばんばんねじ込みやがって!
痛いって言ってるのに、ヤツは笑って『和音ちゃん可愛い』と手…いや腰をゆるめなかった。
二回目まではただ痛いのと異物感と激しさに訳がわからなかった私。
それ以降は…
アレですかね?弟に調教されちゃうみたいな展開。
バカか私…。
実の弟にヤラれてアンアンよがって…確かに後半からは気持ち良くなって恥ずかしいことも言っちゃったしいろいろ受け入れちゃってた気がするが思い返したくないよ。
ふと、メロンとスイカの香りがした。
数真の香りか。男っぽい匂いに香水が合わさって…
私はぎゅっと目をつぶった。
数真の部屋で数真の匂いに包まれながら考えても上手くまとまらないのに。
これからどうなるんだろう。
……え?
ドキン、と心臓が跳ね上がる。
これからって…?
年頃の弟の暴走に巻き込まれただけなんだから、私と数真の関係が変わるわけない。何も変わるわけがない。
うん、なに血迷ってるのか。
はぁ…気が重いし疲れた。
もう…なかったことに出来ないかなぁ…
『和音』
脳裏に響く、掠れて甘い数真の囁き。
『ずっと好きだった。他のヤローになんて絶対ヤラせない。この身体も心も全部俺のものだからな』
数真の凄みのある強烈な微笑。
『和音ちゃん。俺から逃げられるなんて考えるなよ。
…毎日エッチしてたら俺たち、離れられなくなるだろうな。
覚悟してなよ』
無かったこと、なんて…
たぶん無理、だよね…。
…はははー…
……………………はぁ。




