表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/72

9逃走そして放課後〜2


…こういう時ってどうしたらいいんだろう。


経験値ゼロの者としては――恥ずかしがるのも驚くのもなんていうか違うような…佐々木くんに失礼なような…


なんか言わなきゃいけないんだろうけど。


佐々木くんは私を見てホッとしたようにため息をついた。


「倉橋さんが俺のこと好きになってくれたらうれしいけど、自然でいいから。


ただ、そういう気持ちが俺にもあるって知って欲しかっただけだからさ。


さすがに明日から避けられたらショックだけど?」


「う…ん、それはないよ。うれしかったし」


慌てて言うと佐々木くんはホントにうれしそうに笑った。


「そっか」


「…うん」


う―…なにこの青春!ってカンジのやりとりは!


赤面してしまう。


甘酸っぱいんだよ!


モブには分不相応なんだよ!

こういうのはもっとこう…直情型ツンデレヒロインか、天然型お人よしヒロインか、あとはもう思い付かないけどそんな腹白いタイプにお任せしたい!


私みたいな卑屈型腹黒気取りヘタレ根性ナシ…

いいとこ、せいぜいヒロインの友人その3みたいなタイプにはね、荷が重いんだよ!


佐々木くんは、『やっとコクれたー』とか呑気なことをつぶやいてくれているが。


こんな出来過ぎなシュチエーション、コワイよ。


佐々木くんは私の手を離すと、


「じゃ、一緒に帰ろっか?」




促され――こくこくと頷く私の手を再び掴むと、教室を出ていく。


意外と強引な一面をみたが、なんとなく赤面していた彼をみると穏やかな気分になったのだった。



昨日から今日と…まあ、いろいろあったな。


いきなりなことが続いた。

禍福はあざなえる縄の如し…人生万事塞翁が馬。


佐々木くんとくっついちゃえば結果オーライ、ハッピーエンドになるんだろうか?

ドロドロの禁断のバッドエンドから抜け出せる?



――そんな安易に…上手くいくか?


あの数真に知られたら?



佐々木くんと付き合うとかは置いといて、告白されたなんて、ヤツが、知ったら…


ヤツに知られたら。





どうしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ