728・微笑みのムンパ・ヴィーナ
第728話になります。
よろしくお願いします。
(んぐ……っ!)
内臓の持ち上がるような強い浮遊感が襲う。
同時に、竜車は崖の壁面に何度かぶつかり、中にいる僕はムンパさんを必死に抱きしめながら、車体の内側にガツン、ゴツッとぶつかる衝撃に耐えた。
防具のおかげで、ダメージはない。
今、優先するのは、ムンパさんの安全だ。
耐えろ、僕!
次の瞬間、車体が跳ねて、長い落下が始まった。
壁面から離れ、崖下に一直線に落ちていく。
このまま地面に激突したら、命はない。
(どうする!?)
僕は空を飛べるけれど、狭い車内では翼を広げる空間がない。
仮に車外に出たとしても、恐らく、外の崖上では落下した僕らを大勢の人たちが見ているはずだ。
僕が『神狗』である事実は秘匿するべき事案。
その大勢の人たちの前で、空を飛ぶ訳にはいかない。
少なくとも、本当に他の手段がなくなるまでは。
となると、
(――あれだ!)
あの方法しかない。
これはタイミングが命。
チャンスも1度きり、失敗は許されない。
だから僕は、神武具の超感覚を使って、車外の視覚情報を直接脳に送ってもらう。
(ん……見える)
落下する車体。
その速度と崖下までの距離。
そこから激突するまでの時間を逆算して、発動に備える。
その時、
キュッ
僕の服を強く握る手に気づいた。
腕の中を見る。
真っ白な獣人、ムンパさんの強張った表情が見えた。
それに気づいて、
「大丈夫、ムンパさんは僕が守ります」
と、言った。
彼女は驚いた顔をする。
その目を丸くして、そして、すぐにいつもの優しい笑顔を取り戻した。
頷いて、
「うん、わかった。信じてるわ、マール君」
「はい」
その信頼に、僕も笑顔で応えた。
そのやり取りの間にも僕らを閉じ込める竜車の車体は落下を続け、そして数秒後、崖下の地面が脳内の視覚情報に映り込んだ。
(――今!)
僕は息を吸い、
「護光の加護を!」
と、強く叫ぶ。
同時に僕の右耳にある『護りの輝石』が光を放ち、僕とムンパさんを包み込む球状の白い光の結界魔法が発動した。
直後、車体が地面に激突する。
ドガァアン
落下の威力で、竜車はバラバラに砕け散った。
その内側で、僕らを包み込んだ球状の結界は、激突の衝撃を受けて大きくたわみ……やがて、その圧力を受け止め切ると、パリンッとガラスが砕けるように散った。
光の破片が舞う。
(ぐ……っ!)
強い衝撃。
硬いマットに1メードほどの高さから背中から落ちたような感覚があった。
でも、それだけ。
あの絶命必至の落下から、それだけのダメージで済ませたのだ。
さすが、古代タナトスの魔法具。
素晴らしい効果だ。
軽い呼吸困難に陥りながら、僕はそう心の中で称賛した。
そして、腕の中を見る。
「無事……ですか?」
「ええ……」
ムンパさんは、長く白い雪のような髪を地面にこぼしながら、何とか顔をあげて微笑んだ。
うん、無事なようだ。
よかった……。
僕も安心して、微笑んでしまう。
そして僕らは身体を離すと、お互い地面に座り込んだまま、頭上を見上げてしまった。
300メードはある……かな?
それぐらいの高さから落ちたみたいだ。
崖上の山道にいる人たちの姿は、残念ながら薄く霧がかかっていて見えない。
ムンパさんが吐息をこぼした。
「まぁ……こんな高さを落ちて、私たち生きてるのね」
「はい」
「ふふっ、落ちた時は驚いたけど、さすがマール君ね。ありがとう、本当に頼りになるわ」
「あ、いいえ」
甘く微笑まれて、少し照れてしまう。
イルティミナさんが姉とするならば、ムンパさんは甘い母性の塊でギルドの冒険者全員の母親みたいな人だ。
そのせいか、何だか気恥ずかしくなる。
でも、ムンパさんは「ふふっ」と楽しげだ。
僕はコホンと咳払い。
「えっと……ここにいれば、きっと誰か確認に来ると思うので、しばらく待っていましょう」
と、提案した。
下手に動くと、捜索も難しいだろう。
待ってれば、きっとイルティミナさん、キルトさんも来てくれるはずだ。
ムンパさんも、
「ええ、そうね」
と、柔らかな笑顔で頷いた。
それにしても、
(今のは、本当に危なかったな……)
護衛のキルトさん、イルティミナさんがいなくなった途端、足元が崩れるなんて、ただの事故とは思えない。
やはり、暗殺計画……なのかな。
だとしても、
(僕らは生きてる)
その計画を乗り越えて、こうして無事なことに安堵する。
暗殺計画の罠は食い破った。
そう思ったんだ。
だから、
「――おいおい、本当に生きてやがるのか?」
(!?)
聞こえた声に、僕は愕然となった。
慌てて立ち上がり、ムンパさんを背中に庇うようにしながら、腰に下げた剣の柄に手を当てた。
ムンパさんも「まぁ……」と驚きの声を漏らす。
僕らの視線の先。
崖下の岩場の地面にある大小の岩の影から、黒い頭巾で顔を隠した10人ほどの冒険者の格好をした連中が姿を現したんだ。
彼らも、僕らを見ながら驚いた様子だった。
「マジか……あの高さで?」
「大したものだ」
「よく生きてたと言いたいが……」
「しかし、念には念を入れておいて、本当によかったな」
「あぁ」
「まぁ、ここで死ぬことには変わりないさ」
そんな会話をしている。
察するに、暗殺計画を考えた人の用意した襲撃者たちなのだろう。
崖下への落下。
けど、それで万が一生きていた場合に、確実にムンパ・ヴィーナを殺すための人員を配置していた、ということだ。
ムンパさんは目を丸くして、
「あらあら、困ったわ」
と、眉を八の字にしながら、けれど微笑みを保ったまま呟く。
相手は、10人か。
立ち姿、気配から察するに、全員それなりに腕が立ちそうだ。
覚悟を決めろ、マール。
シュラン
僕は彼らを見据えたまま、左右の手で『妖精の剣』と『大地の剣』を鞘から抜き放った。
美しい刃たちが陽光に煌めく。
「――――」
それを見て、連中の気配もピリッと引き締まった。
向こうも、それぞれの武器を構える。
奴らのリーダーらしい1人が言う。
「落ち着け、相手はガキが1人だ。予定通り、キルト・アマンデスとイルティミナ・ウォンは引き離せた。ガキと標的を殺してさっさとずらかるぞ」
「おう」
「わかってる」
「すぐに終わらせるぜ」
連中はゆっくりと散開し、僕とムンパさんを包囲するように動く。
僕は、背後に回らせないよう、ムンパさんと共に崖際に背中を近づけた。
(勝てるか……?)
不安が付きまとう。
キルトさん、イルティミナさんは今、ここに向かってくれていると思う。
でも、きっと間に合わない。
僕1人で、この10人を倒さないと……。
と、その時、
「マール君、神体モードは使っちゃ駄目よ」
と、ムンパさんが言った。
(え……?)
僕は驚き、思わず、振り返る。
彼女は微笑んだまま、けれど、瞳には静かな光を宿して、
「この人たちを捕まえたあと、その供述は公式記録として残されるわ。けど、神狗の力は秘密にしておかないといけない。本当のギリギリまで使っちゃ駄目」
「…………」
でも、10人も相手に力を隠して戦うの?
それで負けたら、元も子もない。
そう思う僕に、彼女は穏やかに、そして力強く微笑んだ。
「マール君なら大丈夫」
「…………」
「それに、マール君1人じゃない。私も戦うわ」
(ムンパさんも?)
僕は、青い目を丸くする。
彼女は、クスッとはにかみ、
「こう見えて、サポートは得意なのよ? だから、マール君は自由に戦って。あとは私が勝たせてあげる」
その声には、自信と確信があった。
ムンパさん……。
少しの逡巡。
でも、すぐに僕は、自分たちのギルド長を信じることに決めた。
彼女を見つめ、
「はい、わかりました」
と、大きく頷く。
彼女も素敵な笑顔で、「ええ、がんばりましょう」と頷きを返してくれた。
僕は、連中を振り返る。
ビリッ
視線が絡まり、殺意の圧力がぶつかり合う。
神体モード抜きで。
ただの子供の肉体のマールの力だけで、この10人を倒す――その覚悟と決意で心を満たす。
ムンパさんが白い手を前方に向け、
「さあ、お行きなさい!」
「はい!」
ギルド長の指示に応えて、銀印の魔狩人である僕・マールは、襲撃犯たちを狩りに前方へと走りだした。
◇◇◇◇◇◇◇
襲撃犯の武装は、長剣が4人、大剣が2人、盾持ちの小剣が1人、弓使いが2人、杖を持った魔法使いが1人だ。
僕の狙いは、盾持ちの小剣。
10人の中で、1番防御の硬い相手だ。
(まずは1人!)
僕は左手の『妖精の剣』を上段に構え、一気に懐に飛び込む。
護衛役の僕が自ら攻撃してくることは、連中にとってもさすがに予想外だったみたいで、ほんの半瞬、反応が遅れていた。
だからこそ、あっさりと間合いを詰められた。
「はっ!」
僕は、片手で剣を振り下ろす。
当然、相手は反射的に盾で防ごうとして、
ヒュコン
僕の振るった半透明の美しい青い刃は、その盾ごと、襲撃犯の肩から胸部までを斬り裂いていた。
相手は「は?」という顔。
そのまま血を吐き、地面に倒れた。
襲撃犯たちは「なっ!?」と驚愕の表情で動きを止めてしまう。
同時に僕の右手は、
ザシュッ
地面に『大地の剣』を突き立てていた。
僕の口は、文言を叫ぶ。
「――大地の破角!」
ドドン
発動の合言葉に応じて、タナトス魔法剣が力を発揮して、地面から円錐状の鋭く硬い岩柱を3本発生させ、魔法使いと弓使いの3人を貫いた。
(よし!)
心の中で拳を握る。
不意打ちの第1の攻撃で、1番厄介な敵と遠距離の敵を全て潰せた。
最高の成果だ。
もちろん、人を殺すことの嫌悪はある。
けど、それ以上に今は、守るべき人を守り、自分たちが生き延びることに覚悟を決めていた。
だから、僕は止まらない。
次の敵へ。
敵が動揺している間に、少しでも数を減らすんだ。
現状でも、1対6。
圧倒的不利なのは変わらないのだから。
「やああ!」
ガキン
大剣の男に斬りかかる。
けれど、さすがに2度目の不意打ちは受けないようで、しっかりと剣を止められた。
(……強い!)
この男の大剣も斬るつもりだった。
でも、芯をずらされた。
それだけの技術があると、たったの1合で感じられた。
相手も理解したようで、
「油断するな、こいつ、やるぞ!」
「マールだ! このガキ、イルティミナ・ウォンの夫の双剣使いのマール・ウォンだ! 銀印の魔狩人だぞ!」
「ちぃっ!」
「自由にさせるな、全員で囲め!」
「おう!」
男たちは一気に動く。
その動きの速さに、僕の本能的な危機感がビービーと警告を発している。
(相手の流れに飲まれたら負ける!)
そう感じる。
だから僕は、それを遮ろうと、必死に剣を振るった。
ガン ギィン ギャリン
何度も火花が散る。
まるで相手は『魔狩人』で、僕はそれに追い詰められる1匹の『魔物』だった。
魔狩人の敷く包囲網。
それを必死に食い破ろうと足掻く魔物が、今の僕だ。
(はっ、はっ、はっ)
呼吸が苦しい。
暗殺なんて悪事を働く癖に、彼らの技術は悔しいけど確かだった。
このままじゃ、まずい。
その悪い流れを感じる。
逆に相手には余裕が出てきて、余計に動きが乱れない。
僕は、1人の長剣使いに斬りかかる。
でも、相手はすでに防御態勢を整えていて、周りにいる他の剣士たちが迎撃に入ろうとしているのがわかった。
無駄だとわかっている。
でも、それでも活路を見つけなければ……!
だから僕は、そのまま剣を振るい、
ドシュッ
目前の長剣使いの右目に、ナイフが突き刺さった。
(えっ?)
驚いたのは僕だけでなく、その長剣使いもで、僕の振り下ろした剣はそのままあっさりその首を斬り裂いていた。
凄まじい鮮血が噴く。
思わぬ展開に、周りの男たちも驚いていた。
そして僕は気づく。
神武具が伝える視覚情報、その広域の知覚によって、僕の後方にいるムンパさんが何かを投げた体勢でいることに。
真っ白な獣人の彼女が着ているロングスカートの布地――それが腰まで裂かれていて、覗いた白い太ももには複数のナイフを納めたバンドが巻かれていた。
その指がまた1本、ナイフを抜き取る。
軽い手首のスナップ。
ヒュッ
「うおっ!?」
光るナイフが空中を走り、僕のすぐ近くにいた大剣使いの肩に刺さった。
(――あ)
隙だらけ。
反射的に僕は2つの剣を振るっていた。
ヒュパン
大剣を握る太い両腕と腹部を切断する。
男は驚いた顔で僕を見つめ、傷口から内臓と血液をこぼしながら地面に力なく崩れ落ちていく。
「てめぇ!」
隣にいた長剣使いが激昂し、僕に迫った。
ドシュッ
その首にナイフが刺さる。
浅くて致命傷には程遠いけれど、隙が生まれた。
ヒュコッ
僕は、その男の首を刎ねる。
鮮血が噴水のように噴き上がり、
(あぁ……そうか)
僕は、ムンパさんの言っていた『サポートが得意』の意味を実感していた。
周りの襲撃犯も気づいたようだ。
「あの女の動きも気をつけろ!」
「ちぃっ!」
「この獣人の糞メスが!」
警戒の眼差しでムンパさんを睨み、残った3人の内の1人が彼女に襲いかかった。
「ムンパさん!」
僕は叫ぶ。
慌てて彼女の元へ行こうとして、
ヒュッ ヒュッ
彼女は迫る長剣使いに、ナイフを何本も投げながら、
「大丈夫よ!」
と、僕に叫び返した。
(え……?)
ムンパさんは後方にステップを踏みながら、ナイフを投げ続ける。
そして、言う。
「この1人は、私が何とかするわ」
「でも……!」
「大丈夫、信じて! だから、マール君はそっちの2人をお願いね!」
彼女は微笑んでいた。
いつもの笑顔。
優しく穏やかで甘い、人の心を溶かすような笑顔が、今のこの状況でも浮かんでいた。
ゾクッ
だからこそ、恐怖を感じる。
今のムンパさんには、底知れない何かがあった。
逆らってはいけない。
そう直感する。
僕は「わ、わかりました!」と叫び返した。
彼女は嬉しそうに頷く。
逆に、襲いかかる長剣使いの男は「舐めやがって!」と激昂しながら、何本ものナイフを剣で弾き返しつつ彼女へと肉薄する。
もはや、ナイフは通じていない。
そう理解した瞬間、
バサッ
彼女は、ロングスカートを大きく跳ね上げた。
男の視界を奪い、一瞬、ムンパさんの姿が広がるスカートの向こう側に消えてしまう。
直後だった。
ズドン
長剣使いの男の胸に、1本の矢が突き刺さった。
「……は?」
男は茫然と立ち止まった。
口から血がこぼれる。
目の前では、スカートの布がゆっくりと落ちていく。
その向こう側では、もう1つの足に巻かれていたらしい小型クロスボウを構える真っ白な獣人さんの姿があった。
その美貌には、柔らかな笑顔が咲いている。
そして、クロスボウにはもう次の矢が装填されていて、
「うふふっ」
ズドン
放たれた矢は、男の眉間に深々と突き刺さった。
信じられないものを見たといった表情のまま、男は仰向けに倒れて、2度と動かなくなった。
地面に血溜まりだけが広がっていく。
ムンパさんは興奮しているのか、頬が紅潮していた。
僕と残された襲撃犯の2人……その場で生きている男3人は、その真っ白な獣人の美女の姿に呆然としてしまった。
その赤い瞳が、静かに僕を見る。
「マール君?」
「あ……」
それで我に返った。
一瞬遅れて襲撃犯の2人も我に返り、そんな彼らに僕は左右の手にある剣を振るった。
ヒュパッ ヒュン
1人の首が刎ねられ、もう1人は辛うじて腕の皮1枚を斬られただけでかわす。
男は必死に、後方へと距離を取り、
「くそっ、くそくそくそ!」
酷く焦った表情で悪態を吐く。
生き残ったのは、襲撃犯のリーダーだった。
彼は、憎々しげに僕らを睨む。
女子供相手に、自分たちは10人という圧倒的有利な状況だった。
でも、現在は自分1人。
それは、あまりに予想外の展開だ。
僕の強さは、ある程度、想定の範囲内だったのかもしれない。
現に僕は『負け』を覚悟しかけた。
だけど、もう1人、自分たちのターゲットである冒険者ギルドの長を務める真っ白な獣人の美女が誤算だったのだ。
思った以上の戦闘力を秘めていた。
僕も驚いている。
だって現役の冒険者相手に、冒険者でもない彼女が戦況をコントロールし、更には1人を倒してみせたのだ。
(あの、おっとりお姉さんのムンパさんが……)
正直、この目で見ても信じられない。
その美女は、
「マール君?」
「は、はい!?」
「その子だけは生け捕りにしてちょうだい。依頼主とか計画内容とか情報を吐かせないといけないし、何より暗殺計画の貴重な証拠品だから」
「…………」
「ふふっ、お願いね」
「は、はい!」
僕は、強く頷いた。
証人ではなく、証拠品……ですか。
僕は、ムンパさんは怒らせてはいけない人なのだと改めて理解した。
考えたら、あのキルトさんでさえ、怒ったムンパさんには頭が上がらなくなってしまうのだ。
新進気鋭の冒険者ギルドを束ねる女性は、やはり伊達ではない。
そして、証拠品。
つまり、襲撃犯の男は顔を歪めて、
「ふ、ふざけやがって!」
と、羞恥と激怒に塗れた表情で、僕ら2人へと襲いかかってきた。
(!)
僕も気を引き締める。
相手の大剣を右手の剣で受け流し、
「精霊さん!」
ジ、ジジ……ジガァ
最後は、左腕の『白銀の手甲』に精霊さんの力を宿して『白銀の竜の手』に変化させると、それで大剣を殴ってバキンッと破壊した。
男は武装を失う。
その無防備な顎に、
「えいっ!」
ガコッ
今度は再び右手の剣で『柄打ち』を当て、意識を刈り取ってやった。
男は地面に倒れる。
(……よし)
ムンパさんの挑発で冷静さを失っていたからか、あまりに単純な動きだったので簡単に対処できてしまった。
その簡単さに、正直、驚いている。
(あれ……?)
まさか、これも全てムンパさんの計算?
ここまでわかっていて、あんな風な言い方をしたりしていたの?
僕は、彼女を振り返る。
「はふぅ……」
彼女は、自分の豊かな胸に両手を当てて、安堵の息を吐いていた。
それから僕の視線に気づいて、
「あらあら? うふふ」
少し恥ずかしそうに、はだけている太ももを隠すように破れたスカートを押さえた。
そして、甘い微笑み。
砂糖のように素敵な甘さは、けれど、取り過ぎれば毒である。
そんなことを思う僕に、
「ありがとう、マール君。本当にお疲れ様。とっても格好良かったわよ?」
と、彼女は片目をパチッと閉じたんだ。
ご覧いただき、ありがとうございました。
※次回更新は、今週の金曜日を予定しています。どうぞ、よろしくお願いします。
ここから、恒例の宣伝です。
7月1日、少年マールの転生冒険記のコミック1巻が発売となりました。
ご購入して下さった皆さん、本当にありがとうございます!
どうか、マールの漫画を描いて下さったあわや先生を、これからも応援して頂けたら幸いです♪
まだ未購入の方、もし迷っておられましたら、コミックファイア様で連載中のコミカライズをご試読の上、もし気に入られましたらぜひご購入をご検討下さいね。
また描き下ろしのおまけ漫画もありますので、ほっこり楽しめますよ。
そして、漫画のマールとイルティミナの物語を楽しんで頂けたら嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いします♪
最後に、各サイトのURLも貼っておきます。
漫画マールのURLです。
https://firecross.jp/ebook/series/525
公式のマールのコミック紹介サイトです。
https://firecross.jp/comic/series/525
アマゾン購入サイトです。
https://www.amazon.co.jp/dp/479863574X
原作小説の紹介サイトです。
https://firecross.jp/hjnovels/series/399
よかったら、ご活用下さいね。どうぞよろしくお願いします。




