第99話 何が……?
お待たせ致しましたー
何が……起きたのだろう。
物凄く大きな、雷が落ちる音は聴こえたんだけど。
雷の長老様に……何か言われたような気がしたけど。
私はそれどころじゃなかったんです!!
「ヒロ!! 見るな!!」
と、近くにいたスインドさんが叫んだ声と同時に。
大きくて、あったかい何かに包まれ。
床に倒れたのだ。頭は何故か打っていないけど。
(な……に?)
声を出そうにも、もごもごしか動けないので何も言えない。
動こうにも、何かにガッチリ抱き込まれているので……動けない。
どうしたのか、何が起こったのか……いまいちよくわかっていなかった。
ただ、倒れる前に……アヤカシの人がやってきて、お店をぶっ壊すとか物騒な事を宣言され……長老様達が激おこになったことはわかった。
そこに、あとからやってきた雷の長老様がキレたのはわかる。
そこまで行き着いたが、何故私は身動きが取れないんだ?
「……これ、スインドよ。仕置きは続いているが、店は無事だ」
「……ふぃんどふぁん?」
草の長老様の声は聞こえたけど……スインドさんが、私に何かした?
考えられることはひとつ。
私が身動き出来ないのであれば……つ、つまり!?
「いつまで、ヒロを抱えているのだ?」
「ふぇ!?」
やっぱり、そう言う事!!?
ジタバタすると……スインドさんはゆっくりと起き上がった。ゆっくり見えてきた彼の顔は……不安がいっぱいいっぱいの表情だった。
「……平気か。ヒロ?」
基本的に無表情である、スインドさんのこんな表情……貴重かもしれない。ううん、私の前では時々だけど……色んな表情を見せてくれていたわ。
「……だ、大丈夫……です」
私が雷を克服していないから……怖いと思って、長老様の攻撃を見せないようにしてくれたのだろう。
逆に、スインドさんが……庇ってくれたお陰で、全然気にする余裕なかったけど。
とりあえず……ありがとう、と告げてから玄関の方を向けば。
「「「こいつこいつこいつ!!」」」
クレハ、焔と雷の長老様がアヤカシさんを足蹴に。
ユキトさんは、氷漬けにしようとしてるのか……手で冷気の塊みたいな光を持ってた!?
なんかえげつない光景なんだけど!?
お店の惨状は……ちょっと天井にいくつか焼け焦げたのと穴が。
まあ……雷の長老様もセーブしてくれたのかな?
「あ、あの!!」
「「「「ん!?」」」」
私はスインドさんに立ち上がらせてもらってから。
皆さんに声をかけ、厨房からある料理を持って……アヤカシさんの方に駆け出した!!
絶対必要な事と、自分で判断して!!




