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第70話 アヤカシの酒

 急いで来た長老おじいちゃんにも、卵おじやは満足してもらえたので。


 次は朝からだけど……『お酒』のメニュー決めに移ろうと思います!!



「こーんなとこやでぇ?」



 クレハが魔法使い収納から出してくれたのは……色んな瓶だった。中に入っているのは、もちろんお酒らしい。



「ほ〜? 随分取り揃えたじゃぁん?」


「……しかも。アヤカシらが好んで飲むものばかりか?」


「ほっほ。酒あってこその我らじゃからのぉ?」


「おじぃが偉ぶってもしゃぁないやん?」


「……言うでない」



 色も中身も違って当然だけど……どんな味なのかな?


 めちゃくちゃ気になっていると、袖を誰かに引っ張られたわ。



「ん?」


「あ……あ、の」



 ユキトさんだった。


 おろおろしているが、顔を見ると……なんとなくだけど、私を心配しているように見えたわ。



「どうかしましたか?」


「あ……の。ひ……ヒロ……さんは」


「はい?」


「……お、幼くて……さ、酒はまだ……無理、では?」


「あ、大丈夫ですよ? 勘違いされやすいですが、一応二十二です」


「……え?」


「そのようだ。安心せい、雪のよ」


「そ……そ、そう……なん、ですね。す、す、すみません!」



 ぺこぺこと謝ってくれるので……さすがに申し訳ないと、すぐにやめさせましたが! 若くても長老様にそんなことをさせるだなんて畏れ多いわ!!



「え、えっと……お酒にも色々種類がありますよね? とりあえず、お客さんの大半はアヤカシさん達ですし……どう言うのが好まれるんですか?」



 長老おじいちゃんに、話題を変えるのに質問してみると……彼は、すぐに赤い瓶を手にして私へと渡してくれた。



「この匂いを嗅いでみい」


「匂い……ですか?」


「酒精がきついゆえに、ヒロでも飲むのは少し酷じゃ」



 とまで言われたので、蓋を開けてみれば……たしかに、どぶろくや泡盛を混ぜたような、独特の香りがしたわ!?



「す……すごい、ですね」


「え〜? 俺も嗅いでいぃー?」


「……俺も気になる」


「……どうぞ」



 スインドさん達に渡すと、彼らもしっぶい表情になったわ……。



「きっつ!?」


「……アヤカシは酒に強いと聞くが、このようなものを」


「美味いでぇ?」


「いや、美味いかもだけど……人間にはちょいと、ねぇ?」


「そこの雪のには大好物じゃがの?」


「ね、ネコマタ……の!?」



 どうやら、ユキトさんは見かけによらずに……酒豪らしい。まあ、意外な一面は誰かしらあって不思議じゃないもんね?



「んー……このタイプですと。肉より、魚が良いかもですね?」



 私は私で、匂いはともかく……合うメニューを頭の引き出しから引っ張ってきていた。



「魚なん? 肉はあかんのん?」


「悪くないと思うけど……魚の揚げ物の方が合うかなって」


「「……あげもの??」」


「えっと……油で揚げる調理法です」



 長老様達には、まだメンチカツをお出ししていないので……わからないのも無理はない。長老おじいちゃんが食べれずに悔しがったあれは……もう一度作るのに時間かかるもん。


 とりあえず……他のお酒も匂いを嗅いだり、試飲してからメニューをどう言うものにするか決めていったわ。

次回はまた明日〜

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