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第45話 ドンブリ作りへ②

お待たせ致しましたー

 あとは、薄くスライスしたボアの肉に野菜を炒め。


 仕上げに……クレハと一緒に作った『即席焼き肉ダレ』をたっぷりとかけて……フライパン(こっちにもあった)に流し入れる時の音と香りが、厨房に広がっていく!!


 これよこれ!


 この少し煮詰まっていく……この瞬間がたまんない!!


 にんにく、生姜……甘辛醤油の香ばしい匂いと言ったら!!



「な……なんちゅーええ匂いやねん〜!!」


「……すごいな。普通の料理屋でも、これほどのものは」


「あとは、タレと食材を絡めて」



 あらかじめ用意しておいた、丼鉢ではなく……スープ用の陶器で出来た器に、炊いたリーガに菜葉などの野菜を盛り付け。そこに、菜箸を使って人数分に取り分けていく。


 熱が加わることで、菜葉はしおれていくけどこれでいい!


 フライパンに残ったタレも、きちんとかけたら……焼き肉サラダ丼の完成だ!!



「……これが、ドンブリなん?」


「……初めて見る料理だな」


「出来立てが美味しいので食べましょう!」



 ただ、スプーンで食べると上の具材が食べにくいのでフォークに。箸は……菜箸はあっても普通のはなかったから。


 けど、二人ともこの丼をどう食べていいのかわからず……持ったまま、しばらく見つめているだけだったわ。だから、私が手本を見せるためにがっとかき込んだ!



「ん〜〜!!」



 即席とは言え、にんにくに生姜のパンチが強く。


 甘辛い醤油ベースの味わい。


 深みこそはあまり無いが、サラッとしたタレが……ボアの薄切り肉のジューシーさとうまく調和していたわ。炒めた野菜にしなっとした菜葉との相性も抜群。


 さらにさらに!


 米と、タレのハーモニーが! 日本人としては嬉し過ぎてどんどんかっ込んでしまうわ!!



「そ、そう食うんやな!?」


「……いただこう」



 二人も私の食べ方を見て納得してくれたのか、すぐにひと口。


 私は半分くらい食べたので……二人を見ていると、それぞれの反応に笑いそうになった。


 だって、クレハは幸せそうに目尻を緩ませてくれているし……スインドさんは、口に含んだまま固まっているもの。無表情に見えて、スインドさんはほっぺがピンクだから『美味しい』はよくわかった。



「……うんみゃ〜!! 塩やポン酢以上やわ〜!! あちきこれ好きや!! 野菜も美味く感じるで!」


「ね? 気に入るって言ったでしょう?」


「にゃ〜、シャキシャキする野菜もええけど……しおれた野菜ともええわ。これやったら、野菜たっぷり食えるわ!」


「……………………う、美味い」


「スインド、言うの遅過ぎやわー」



 とりあえず……一宿の宿代(?)は何とかお支払い出来そうだったので。あとは、クレハがもう一回お代わりしたいからと材料があるだけ作ったわ。大変……だったけど。


 だって、クレハは結局三杯もお代わりしたんだもの!


 美少女大食いファイターか……って言いそうになったわ。

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