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第27話 日本風の調味料

お待たせ致しましたー



「……そのサイシと言うのもだが。他にも、あんたの今の料理に……合うと思う」



 醤油は『サイシ』と言うのか……よし、覚えた。


 他の小瓶も見させていただくと……透明だったり、薄茶だったりいろんな液体が入っているけど。


 いったい、どこで日本風の調味料があるんだろう?


 まず、原材料の米や豆とか色々違いがあるはずなのに?


 けど、ここで詮索したら店主さんに変な目で見られるから言わないけど!



「……このサイシ以外にも、いろんな調味料を混ぜて……新しいものを作りたいんです」


「……新しい?」


「はい」



 でも、目的を忘れてはいけないから……本題はきちんと伝えることにした。



「どう言うことだ?」


「たとえば、サイシに……お砂糖を混ぜるだけでも甘いだけでなく、塩辛くもなります。ただ、その組み合わせだけだと串焼きには合いませんのでおすすめしません」


「……サイシに、砂糖?」



 あ、よかった。当てずっぽうで言ったけど……砂糖は塩と一緒で同じ呼び方だったわ。



「はい。サイシには単体だけではなく……いろんな可能性があるんです。私の師匠から教わったことですが……ただ混ぜ合わせるだけでなく、煮たり寝かせたり様々です」


「……聞いたことがない」


「ヒロはここいらの出身ちゃうからな?」



 言いたいことはきちんと伝えると……店主さんは、不思議そうにするだけでなく考え込んでしまった。


 色々ぼかしてしまったが……これを言わなければ、料理人見習いの職業でもちゃんと売ってもらえるかわからないもの。



「……そうか。しかし、調味料をそんなに探してどうするんだ? 家で作るには手間が掛かり過ぎているようだが」


「ヒロは店開くんよ」


「店?」


「えっと……こっちのクレハが住んでいる場所……でですが」



 初対面の人にここまで言うのも……少し恥ずかしいが、ちゃんと言うことにした。せっかく手に入りそうな醤油とかをきちんと購入したいもん。



「……その年でか?」


「ヒロ、こう見えて二十二やで?」


「……同い年?」


「え!?」



 恥ずかしくて少しうつむいていた顔を上げれば……フードがいつの間にか外れていて、店主さんの顔がちゃんと見えた。


 さらさらな、少し長い銀髪。


 深いブルーの瞳。


 彫りの深い顔立ち。


 スーパーモデルばりの、めちゃ過ごいイケメンとのご対面だった!?


 こんな素敵な人が……私と同い年?


 やはり、異世界は美形パラダイスなのか!?



「……悪い。勝手に、子供だと思っていた」


「い、いえ……」



 転生じゃなくて、転移だし。


 服装は変えても、体つきはそのままだから……童顔な日本人、そのままですよぉ。

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