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第107話 まだ結婚しない

お待たせ致しましたー



「めでてぇじゃねぇか!!」



 スインドさんが、里に住んでお店を開くことが決まり。


 長老様達に、改めてご報告をするためにお店にお呼びしたら……雷の長老様が、真っ先に声を上げたのだった。



「んで、祝言はいつだ?」



 とかなんとか、飛躍し過ぎた言葉まで出てきたんだけど!!?



「け、けけけ、結婚……は、まだ」


「なんだよ? ヒロと一緒に住むんだろ?」


「そ……そう、ですが」



 スインドさんからも、出来れば……と言われたので、私は頷いてしまった。大好きな人と……一緒に居たいのは嬉しい。だから……提案された時は、つい頷いたのだ。



「……せめて、俺が店を開いて落ち着くまでです」


「なんだ? 人間は慎重だなあ?」


「費用はともかく……まだ交際を始めたばかりなので」



 スインドさんは、相変わらず冷静過ぎて……雷の長老様にもぽんぽんと受け答え出来ちゃう。そこは……同い年でも、やっぱり商人として長く生活しているからだろう。



「ほんに、めでたいことじゃ。ヒロを娶ろうと考えておった者らの……落ち込む顔が浮かぶわぃ。面白いのお?」


「へ?」



 焔の長老様の言葉に、自分が知らない間にモテていたかもしれないのを聞いても実感が湧かない。変な声で返事したら……スインドさん以外ほとんどの人達がずっこけてしまったわ。



「ヒロ!? あんさん、自覚ないん!?」


「だ……だって、私顔は子供っぽいし」


「せやかて、イルアの件で余計に客増えたやろ? 狙うやつはぎょーさん居ったで!? 気づかんかったん?」


「……うん」



 しっかり言うと、思いっきりクレハがずっこけたのだった。



「逆に良い。……俺だけのヒロだからな」



 自信に繋がったのか、スインドさんはさらに上機嫌になっていく。声が、少し弾んだ感じがしたから。



「……まあ。良いではないか。それより、ヒロが我らにも何か馳走を振る舞ってくれると聞いたが」


「はい!!」



 それはもちろんなので、クレハにイルアさんと厨房に準備していたものを仕上げていくのだった。


 ちょっとした……宴会を今日は開こうと思ったので。


 お店で定番になりつつある……ジビエ料理を振る舞うのだ!!

次回はまた明日〜

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