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Re:ゼロから始める異世界生活  作者: 鼠色猫/長月達平
第九章 『名も無き星の光』
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第九章52 『アルデバランⅠ』



「――誰も、ボクが創った君には勝てないよ」


 そう『魔女』に言われたことを、アルデバランは昨日のことのように思い出せる。


 実時間で言えば二十年近く前で、体感時間で言えばそれどころの話ではない。

 一つの局面を挑み直した回数は覚えていても、全ての挑戦回数の合計なんて覚えていないし、ましてや過ごした全ての時間なんて途方もないものは考えたくもない。ただ、普通に生きて死ぬ人生を一度やるより、よほど長い時間を費やしているのは絶対だ。


 とはいえ、それだけの時間を過ごしたアルデバランの精神が、それこそ不老で何百年と生きたエルフと同じ境地に達しているかと言えば、そんなことはない。

 人間の精神が未熟なものから成熟し、やがて老熟して達観に至るのだとしたら、それは過ごした時間で酸いも甘いも経験し、精神に成長の余地を与えられたからだ。

 だが、アルデバランが過ごした実時間以外の時間とは、目の前に横たわった困難を突破するための、言うなれば停滞した瞬間の連続だ。実際には数秒から長くとも数分、たったそれだけの時間を無数に繰り返したところで、人間に成長は見込めない。

 故に、アルデバランは権能によって繰り返される時間の蓄積は、自分の心をすり減らすばかりで成長させない、無為な時間であると考えていた。


 そうした無為な時間であろうと、何回、何百回、何万回、何億回と繰り返していれば、自然と脳は記憶を整理し、アルデバランから本物の思い出を奪おうとしてくる。

 それでも薄れ得ない記憶、それこそ脳ではなく魂に刻み込まれたような思い出というものは確かにあって、冒頭の言葉はまさにそれだった。


 もっとも、アルデバランが全ての時間を記憶していない上、覚えておきたくもないなんて言ったなら、あの全てを知りたがる好奇心の権化たる『魔女』が、「そうか、残念だな」とポツリと呟く姿が目に浮かぶ。


 感情が理解できないなんて嘯くくせに、他人を意のままにする演技が上手い『魔女』。それがわかっているのに、アルデバランは『魔女』の言葉や態度に逆らえない。

 そういう風に躾けられ、作り変えられた――という言い方をすると、ヤエからちらとだけ聞いたシノビの里の人非人ぶりといい勝負かもしれない。

 この場合、『魔女』と同列に扱われるシノビの里がイカれているのか、一人でシノビの里の歴史と渡り合う『魔女』がヤバすぎるのか、どっこいどっこいだが。


 ――ともあれ、今のアルデバランは『魔女』によって創られたモノだ。


「そうは言っても、君には君の人生を生きる権利がある。そればかりは、仮に造物主であったとしても一方的に侵してはならない領域だ。だから、もしも君が心からボクに従えないとそう思ったなら、いつでも計画から抜けていい。それは、君の自由だ」


 折につけ、『魔女』はそう言ってアルデバランの覚悟を問うようなことをした。

『魔女』にしては珍しい気遣いだ。基本、一度相手の承諾を得たら、取った言質を取り上げられないように立ち回るのが『魔女』の常策だった。

 実際、アルデバランが『魔女』に課された授業や課題の中には、先に諦めないと承諾させておかなくては尻込みするような、悪夢的な内容がいくつもあった。そうしたものをやらせるとき、『魔女』は一度頷かせたあと、もうやめたいかとは聞かなかった。


 なのに、根本の、大元の、最初の覚悟についてはたびたび問い質したのだ。


 あれは、『魔女』なりの罪悪感や葛藤だったのではないかと、そうアルデバランは解釈しているが、どうだろうか。

 感情を理解できないと自称する『魔女』は、しかしそれでも怒りや悲しみ、喜びを知らないわけではなかったはずだ。そうした喜怒哀楽を発露できるなら、罪悪感や、未来への恐れを抱くこともできたのではないか。

 少なくとも、アルデバランは『魔女』と過ごした時間の中で、人の心がわからない『魔女』だと思うことはあっても、人の心がない『魔女』だとは思わなかった。


『ない』と、『わからない』との間には、全く違う景色が広がっている。

 それが、『魔女』からの問いかけという形で表れていたのではないか。だとしたら、あの問いかけの数だけ、『魔女』は迷ったことがあったのだろうか。

 アルデバランに歩ませることになる、過酷な道のりを憂い、アルデバラン自身の意思を尊重して、その人生を選ばせようという葛藤が、あったのだろうか。


 もし、もしも、万が一、億が一、『魔女』にそんな気持ちがあったのだとしたら――皮肉にも、それこそがアルデバランが覚悟を翻さない理由になる。

 だから――、


「――そうか」


 アルデバランのいつも同じ返事に、『魔女』の反応もいつも同じものだった。


 もしかしたら、騙されているのかもしれない。

 アルデバランが誕生してからその日を迎えるまで、『魔女』はたっぷりと時間をかけてアルデバランを洗脳したのかもしれない。アルデバランが期待した、罪悪感や躊躇いみたいなものを『魔女』は一切持っていないのかもしれない。


 そんな、悪い『魔女』なのかもしれない。

 だが、そう真っ向から問いかけても、『魔女』はその白と黒の美しい微笑みを浮かべ、


「当然だろう。――ボクは、悪い魔法使いなんだぜ」


 そうやって、本心とも偽りともわからない答えで、アルデバランを翻弄するのだ。



                △▼△▼△▼△



 轟々と風を浴びながら、猛スピードの滑空の中にアルデバランはいる。

 背に石で作り上げた翼を広げ、それで風を受けながら飛んでいく自分の姿は、ひどく滑稽なものだろうと思うが、なりふり構ってはいられない。

 ヤエが足止めできている間に、できるだけ距離を稼ぎ、高低差を消さなくては。


「まさか、オレの『領域』を狙い撃ちにしたとは思えねぇが」


 そうこぼすアルデバランだが、その意識は背負った石翼の形成と操作に集中の大部分を奪われた状態だ。

 石翼の形成には絶妙な塩梅が求められ、大きさや硬度にも繊細な調整が必要となる。大きすぎれば風に煽られすぎ、小さければそもそも目的が果たせない。硬度や密度の強弱も重量と関係してくるところで、削りすぎも足りなすぎも墜落を免れない。


「一発で成功させたイカロス尊敬するぜ……!」


 作り物の翼で空を飛んだと言えば、蝋で翼を作った大先輩のイカロスが浮かぶところだが、その末路はともかく、作り物の翼で滑空するどころか、羽ばたいて太陽に近付くまでしたことには素直に驚嘆する。

 アルデバランなど、不出来な翼が理由で何度墜落したことか。――それは相手の思うつぼだと、幾度もの再挑戦の末に、ようやくできたのが今の石翼だ。

 それさえ、極限の集中と細心の注意がなくては成立しない荒業だが――、


「あのまま落ち続けるわけにゃいかなかった」


 その事実と焦燥感が、アルデバランが石翼レベル1から、ひとまず飛べるレベルにまで大慌てでレベリングした最大の理由――無敵の権能持ちであると自負しているアルデバランだが、『領域』には全く弱点がないわけではない。

 今回の敵の奇襲は、図らずもその弱点を二つ同時に突いたものだった。厳密には、同じ弱点を二つの角度から攻め立てた、というべきか。


 アルデバランの権能である『領域』には効果範囲がある。

 奇襲によってもたらされた転移は、アルデバランを設定した『領域』のエリアの外に追い出した。その上、転移先では超高高度からの落下をも交え、それが二つ目の『領域』潰しとなり、アルデバランに襲いかかったのだ。


 結果、アルデバランは猛スピードで落下しながら、『領域』の外に飛び出す前に自害し、また落下の最中からリスタートするのを幾度も繰り返した。その繰り返しの中で、自由の利かない超高高度から、落ちながら状況を打開するのは無理だと判断、そこから他の方策もあれこれと試した末に、石翼での離脱を試みるに至った。


 少なくとも、これで高度の変化は緩やかになり、『領域』の維持が比較的楽になる。そうやって、アルデバランが何とか拗れた結び目を一個ほどき終えたところへ――、


「――アル!!」


 そう、体を安定させるのに必死なアルデバランを、銀鈴の声音が鋭く呼んだ。

 ちらと首だけ振り返れば、アルデバランよりかなり低い高度から、しかし同じ方向に向かって宙を飛んでくる天使――否、エミリアの姿がはっきり見える。

 彼女はその細い背中に氷で作った翼を背負い、アルデバランと同じ手法なのに、その見栄えの良さで圧倒的な差を付けながら、ぐんぐん差を縮めてきていた。


「信じられねぇ」


 唖然と、もはや感心したようなぼやきが漏れるのも無理がないと思ってほしい。

 アルデバランが、この石翼を不格好ながら完成させるのにどれだけ苦労したかは前述の通りだ。その苦心があったからこそ、蝋の翼のイカロスへのリスペクトがあった。

 だが、神話の存在であるイカロスと同じように、一発で作り物の翼を成功させ、数多の失敗を重ねたアルデバランと同じ成果を得てくるエミリアのセンスには、リスペクトよりも決定的な差を感じ、敗北感すら覚える。


「六百以上も墜落したオレがヘボって線の方が、嬢ちゃんが天才って線よりマシだってのが救いがねぇよ」


 アルデバランの『領域』の強みは、無限の試行回数によって、たった一欠片の勝機が訪れるまで粘れるという耐久戦にある。相手が失敗し、アルデバランが有利になる局面がくるまで手札をめくり続けられるのが最大のアドバンテージだ。

 しかし、ラインハルトとの戦いがそうだったが、世界には常に正解を引き続ける存在というものが稀にいる。その正解とは、個々人の能力や勝利目標によって様々異なるが、共通するのはアルデバランと違い、運命に愛されていることだ。


 ――アルデバランは運命に嫌われている。


 先にアルデバランが嫌ったのか、運命が先にアルデバランを嫌ったのかはもはやわからないことだが、それだけは揺るぎない事実だ。他の何に愛され、憎まれているかはともかくとして、運命はアルデバランの絶対的な敵だった。


 だから、殺さなければならない。――世界を敵に回してでも、運命を殺してみせる。


 そうされたくないから、運命は自分の寵愛するものを次々と刺客として送り込んでくる。今ここでは、エミリアとレムがそうだった。


「――。因果なもんだ」


 奇襲役として、最初にレムを選ぶよう進言したのはいったい誰だったのか。

 誰が提案したにしても、アルデバランに空白を作るという意味では適任中の適任だ。彼女が『暴食』の権能の被害者であったとき、その影響下にあったアルデバランはレムの存在の異質さに気付けず、図らずも真っ当な関係性を築いていた。

 故に、プリシラが死に、レムもまた『暴食』の頸木から解き放たれたとわかったあの記憶のフラッシュグレネードの瞬間、他者より大きな空白を喰らったのだ。


 ――ここにいるはずのない、本来なら死んでいるはずの存在と出くわしたから。


「――――」


 それが、いかなる方法で引き寄せられた結果なのかは議論の余地もない。

 間違いなく、やってのけたのだ。ナツキ・スバルは、運命に抗い、運命に打ち勝った。ナツキ・スバルにはその力がある。その証明がレムの存在だ。


 だが、しかし、それなのに――プリシラ・バーリエルは救わなかった。


「――お前がそうするんなら、オレだって容赦はしねぇよ」


 流した涙も、自らを痛めつけた拳も、寄り添おうと試みた心遣いも、意味はない。

 欲したのは涙でも、傷でも、慰めでもない。ただ一人の、命だったのだから。


「――ッ」


 兜の奥、血の味がするほどに歯を噛みしめ、アルデバランは背後に振り向く。同時に翼の角度と厚みを変形させ、速度と操作性の低下を最小限に抑えながら、こちらに追い縋ってくるエミリアと空中で視線を交錯した。

 美しい氷翼のよく似合ったエミリアだが、どれだけ彼女が天使のように可憐でも、作り物の羽を羽ばたかせて速度や高度を得ることはできない。初速こそ、レムが氷盤を殴りつける反動に勢いをもらったが、その後の追い上げは別の方法――、


「や! た! てい!」


 攻撃するときと同じく、気の抜ける掛け声のエミリアだが、その掛け声が上がるたびに彼女の速度と高度が一段、また一段と向上する。方法は単純明快――彼女は魔法で空中に足場となる氷柱を作り出すと、それを蹴って加速と勢いを得続けているのだ。

 作られた氷柱は一瞬の停滞ののち、エミリアの脚力で地底に蹴落とされていくが、それもすぐにマナに霧散して大気に還元され、また新たな足場に生まれ変わる。それをまた蹴って勢いを付ける。その繰り返しで、アルデバランに追い縋ってきていた。


「馬鹿げてやがる……っ」


 並外れた魔法のセンスを持ち、莫大なマナを使い倒せるからできる力業の解決法だ。

『アルデバラン』とのパスのおかげで、『神龍』という外付けのマナタンクの力を借りられるアルデバランだが、エミリアと同じことをしろと言われてもとてもできない。

 マナの容量の問題ではなく、センスと身体能力に差がありすぎる。――センスは無限の試行回数の中で埋められても、身体能力の差は埋められない。


 渓谷は長く大きく続いており、飛行する二人の左右を挟んだ岩壁もまた同じだけ続く。向かう方角が同じである以上、エミリアの追跡はやむことがない。

 それを見て取ったアルデバランに、エミリアはまた新たな氷柱を蹴り、距離はありつつもこちらと高さを合わせた。そして、氷翼でバランスを取りながら――、


「――アル! お願いだから話をしましょう! ちゃんと聞くわ!」


「よく言うぜ。問答無用ってか、手加減抜きに氷漬けにしようとしてるくせによ。あのまま一番下まで落ちてたら、河ごと凍らせて御用のつもりだったろ」


「でも! もうその作戦は失敗したから!」


「素直すぎるのも考えもんだぜ、王選候補!」


 手をこまねいて、地底まで落ちたルートは相手の罠に完全に嵌まるパターンだ。

 それを逃れるため、イチかバチかで氷盤の落下軌道を外れる道を選んだが、二人いっぺんにではなく、エミリアとレムを分断できただけでも良しとすべきか。

 その答えは――、


「今から出す。――オレの態度は、王都のときと変わらねぇよ!」


 手をかざし、追い縋ってくるエミリアを振り切るべく、アルデバランは空中に石塊を作り出し、その飛礫による弾幕に彼女を突っ込ませる。

 思いがけず、リアルにシューティングゲームのような光景が展開され、その飛礫の弾幕に迎えられるエミリアは氷翼を煌めかせながら、


「私だって、何回だって言うわ。もう誰のことだって、いなくなって仕方がなかっただなんて思って泣きたくないもの!!」


 そう声高に訴えるエミリアが弾幕に飛び込み、砕ける氷と凍て付く大気の悲鳴が、アグザッド渓谷に甲高く響き渡った。



                △▼△▼△▼△



 ――『後追い星』である自分の存在意義を、アルデバランはあまり悩んだことはない。


 誰しも思春期に一度くらい、自分がどうして生まれたのかとか、命はどこからきてどこに消えるのかとか、親に対する理由なき反抗心みたいなものを覚えるらしいが、いずれもアルデバランにとってはそこそこ縁遠い命題であったからだ。


 アルデバランの場合、反抗すべき親を誰と設定するか難しいところがあったし、権能の性質上、失われた命が消えるという実感をそもそも得られない。自分が何のために生まれたのかについては、明確な答えを与えられていたし、どうして生まれたのかについては、一応は『愛』と答えられるのかな、と思う。

 なので、アルデバランは思春期に抱くべき命題と向き合ってこなかった。


 それを失敗したとも、惜しいことをしたとも思わない。

 世の中には、若いうちの苦労は買ってでもしろなんて発想もあるらしいが、大人になってから黒歴史だと恥ずかしくなるような経験に価値なんてないだろう。しなくていい経験はしなくていい。――誰でも、死ぬのは人生の最後に一度だけでいいように。


「そうか、君に思春期らしい情動や衝動は望めないのか。それは少し残念だな。君がどんな形で反抗期を迎えるか、対応を色々考えていたんだが」


 とは、すくすくと手のかからない育ち方をしたアルデバランに対し、心がないとは思わないが、たびたび心無いコメントをする『魔女』の嘆きだ。


 アルデバランにとって、生まれてから最も長い時間を一緒に過ごした『魔女』だが、彼女には人間のあらゆる選択と感情、数多の可能性を全部拝みたがる悪癖があった。

 さらに多くの場合、そうした欲望に歯止めが利かないのが『魔女』の性質だ。

 アルデバランは彼女以外の『魔女』とも面識があったが、どの『魔女』も程度の差はあれど、その性質にだけは逆らえないのがひどく冒涜的に感じられた。


 だから、物足りなそうにアルデバランの思春期の訪れを待つ『魔女』の態度も、抗いようのない性がもたらしたものだと思えば、仕方のない側面もある。だからと言って、『魔女』を喜ばせるために思春期を演じるのも意味がわからない。――ある意味、そういう反発心こそ、思春期らしい情動だったようにも感じるが。


「やはり、親でもないボクが親らしい経験を上っ面だけなぞろうとしても都合が良すぎるというものか。……ベアトリスを造ったなら、あちらは体験できたのかな」


 そう独り言みたいに自問する『魔女』に、アルデバランが覚える寂寥感は、思春期とは無関係の、もっと別の何かだったと思う。ただ、それがなんであったのか、具体的な形として求めるのは難しいし、そうするには複雑な間柄なのだ。

 だから、『魔女』がそう定めたように、アルデバランと彼女の関係は――、


「――先生」


 と、そう呼びかけると、思考の迷宮での探索を楽しんでいた『魔女』が顔を上げる。

 その黒い瞳がアルデバランを映し、「なんだい」と首を傾げる肩を真っ白な髪が流れ落ちていくのを見るたびに、なんてズルい『魔女』だろうと思わされる。

 いつだって我が事に夢中で、自分の欲望に正直で、他者の心を慮ろうなんて一切しようとしないくせに、アルデバランが呼びかけたとき、必ず目を合わせてくる。


 その『魔女』に、思春期らしい反抗心が起こらないのは当然だ。

 そもそも動機が薄いし、『魔女』に逆らうだけ無駄だと心身がとっくに屈している。権能を使いこなすための性能実験と称し、『魔女』は百万を超える回数の『死』をアルデバランに与え、すでに格付けは完了しているのだ。

 もっとも、その話をいくらしたところで、肝心の『魔女』は「ボクの記憶には一度も残っていないのだから、罪の意識を感じろと言われても困るよ」と梨の礫だが。


 ともあれ、『魔女』がそうまでする理由もわかる。

 なにせこの頃、すでに生き残っている『魔女』は、目の前の彼女を除けば、それ以外の『魔女』たちの直接的な、あるいは間接的な死因になった一人しかいない。アルデバランが持った『魔女』たちとの接点も、生前の彼女たちとのものではなかった。

 彼女たちとは、『魔女』の用意する限定的な空間でしか会うことができない。そこで会う彼女たちはすでに死者であり、蒐集された魂だけの存在だ。

 そして、アルデバランは『魔女』の教えの下、彼女たちをそうした一人を――、


「――殺してもらわなくちゃならない」


 それが、『後追い星』であるアルデバランが、思春期を迎えるまでもなく与えられていた存在意義であり、百万回死んででも果たさなくてはならない人生の指標。

 アルデバランをこうするために、『魔女』は他の『魔女』たちから非難され、仲間たちとも決別したというのだから、その覚悟は極まったものだ。


「――誰も、ボクが創った君には勝てないよ」


 そう言われることが、アルデバランにとって誇りであり、存在の根拠だった。

 正直、『魔女』の性格は最悪だと思うし、その躾け方や方針の示し方には物申したい部分が多々あったが、それでも『魔女』の期待に応えることに躊躇はなかった。


 できると、そう信じていた。

 当時の、まだ左腕があった頃のアルデバランは、『死』を知っていても、本当の敗北を知らなかったから、そう信じることができていた。


 思春期はなかったが――紛れもなく、拭い去れないぐらい愚かな黒歴史だった。



                △▼△▼△▼△



「ちぃ――ッ」


 降り注ぐ飛礫の弾幕に真っ向から飛び込むエミリアに、アルデバランは心中の躊躇いを押し殺して、手加減なしの火力を振り絞った。


 王都の衝突でもそうだったが、アルデバランは本能的にエミリアに弱い。

 これはもはや、生命が根源的に抱えているある種の弱点であり、それ故に王都でも他の相手にならできた思い切った手段を取れなかったのもある。

 あのときは『アルデバラン』の力を借りて巨岩を落とし、王都を守らせる代わりにエミリアの追撃の手を止めたが、この場には巻き添えにできるものがない。

 そういう意味でも、巨大な渓谷に落としたのは前回の戦いがしかと省みられている。


「その成長をありがたがれるほど、こっちに余裕がねぇよ!」


 生憎と、自分や敵の成長を喜べるほど、アルデバランの心は潤っていない。一瞬、エミリアを敵と定義することに抵抗感があったが、それにはぎゅっと目をつぶった。

 それこそ、その覚悟ならずっと前から、プリシラと出会う前からしていたものだ。

 厳密に言えば、アルデバランの決めた覚悟の相手は、目の前のエミリアではないにしても――、


「使い回しの覚悟でも、ハリボテくらいにゃ役立つぜ」


 そのハリボテの自覚がある覚悟を掲げ、エミリアの追撃を断ちにかかる。


 真っ直ぐ、エミリアは拳大の岩片の嵐の中に、堂々と氷翼を輝かせて飛び込んだ。

 回避、あるいは受け流しの姿勢を作ることで、少しでもその行動が遅れるのを期待した攻撃だったが、嫌な予感の通りにエミリアは最短距離に直球勝負――背中の氷翼に足場の氷柱、さらには弾幕に対抗する氷杭を発射し、その迎撃を抜けてくる飛礫に対しては、両手に握りしめた氷の双剣で打ち払うことまでしてみせる。


 魔法の同時発動は、熟練の魔法使いでも困難なものだと『魔女』からは教わった。

 同じ属性の魔法であっても、右手と左手でそれぞれペンを持ち、右手では文章を、左手ではイラストを描くような無理難題をこなす力量が必要になる。これが異なる属性となると、もはやそれ用に脳を増設するような荒業らしく、アルデバランは『魔女』が五つの属性を同時に扱う姿を見たことがあった。正直、人より小さめの『魔女』の頭に、小さい脳が五個入っているのかと本気で疑ったほどだ。


 そうした規格外の話を抜きにしても、同じ火属性の魔法だとしても、翼と氷柱と氷杭と双剣で、四種類の魔法の同時発動は十分に離れ業だった。

 そこにさらに、非常識な追跡術を駆使するため、オリンピック選手以上のアスリート性能を発揮してくるのだから、もう今日の驚きポイントは使い切った気分だ。


「だから、動揺成分少な目でお出迎えだ!」


 飛礫の嵐に対し、エミリアは勇気と腕力での突破を選んだ。が、勇気はともかく、腕力では突破できない脅威を用意されてはどうか。


「――――」


 次の展開を用意され、距離を縮めようと意気込んだエミリアの頬が強張る。

 彼女の眼前、逃げ場なく一気に広がったのは飛礫よりもさらに小さく、その被害を見落としがちになる砂礫による包囲網だ。それは豪雨の中に飛び込むも同然で、空中で雨をよけられるような非常識さがなければ、被弾ゼロはありえない。

 無論、彼女の視界を塞ぐのだけが目的で砂をばら撒いたわけではなく――、


「――っ、重たい!?」


 まとわりついた砂を払おうと、腕を振るったエミリアが驚きの声を上げる。

 その手足や白い服に触れた砂粒が、周囲の砂粒とまとまることで重さと硬度で動きを阻害にかかる。砂海でラインハルトにも仕掛けたデバフ攻撃――音速超えするラインハルトには勢いで引き剥がされたが、その方法はエミリアでも無理だ。

 さらに――、


「翼を――」


 砂礫の一番の狙いは、エミリアの飛行を支えている氷翼の妨害だ。

 砂塵に飛び込んだ氷翼は砂に侵食され、風を受ける本来の性能を発揮できない。そのままエミリアはバランスを崩し、一気に高度を落として地上に真っ逆さま――そうならないように、エミリアは不自由な翼をすぐさま捨て、天使から天使のような少女に逆戻りすることで難を逃れる。


「――パージしたな!」


 だが、そこまでさせるのがアルデバランの本命だ。

 一度氷翼を放棄させても、エミリアであれば同じものをすぐに再展開し、上昇と前進の勢いが消えないままにリスタートが可能になる。しかし、いくら並外れた身体能力の持ち主だろうと、時速百キロを上回る即席ハンググライダーには追いつけない。

 それ故に、アルデバランはエミリアに翼を再展開させないよう、畳みかける。


 轟音と共に岩壁からせり出すのは、渓谷の空を行くエミリアを横合いから捕まえようとする石製の巨腕だ。それが勢いを殺してしまえば、たとえエミリアが二枚目の翼を得たとしても、速度の死なないアルデバランを追えなくなる。

 しかも、エミリアに立ちはだかる巨腕は一本や二本ではない。――岩壁を素材に突き出した岩の腕は、それこそ数百に迫る本数だ。


「千手観音リスペクト……ってより、お化け屋敷の裏側って感じだわな」


 お化け屋敷の定番、障子から一斉に手だけ飛び出してくるあれに絵面は近い。ただし、コケおどし目的のそれと違い、この巨腕は本気でエミリアを捕まえにいく。

 一本でも足を掴まれれば、それでこの追跡劇は完全終了、アルデバランの逃走成功となる正念場――、


「これを――「――頑張る!!」」


 越えられるか、と言おうとした言葉が気迫によって塗り潰される。

 頑張ってどうにかなるものではないつもりだが、頑張ってどうにかしてしまいそうなところがエミリアの恐ろしいところでもある。

 その恐ろしさを、翼をなくしたエミリアは遺憾なく発揮――手にした氷剣を回し、それで最初の巨腕の指を斬り飛ばすと、無害化されたそれを足場に高く跳んだのだ。


 勢いは死んでいない。高さも、大きく取り戻してくる。

 だが、しかし、巨腕は千手にこそ届かなくても、まだ百以上も待ち構えていて――、


「――兵隊さん、力を貸して!」


 そのエミリアの呼びかけに従い、再び忌まわしき外見の氷の兵隊が登場する。

 氷盤の落下の中、為す術なく砕かれていったはずの氷兵たちは、エミリアに群がろうとする土塊の巨腕を足場に健気に立ち向かい、体ごと止めるモノ、殴って軌道を逸らすモノ、押し負けてポーズを決めながら壊されるモノと、多彩な働きを見せた。

 とりわけ、アルデバランをイラつかせたのは、エミリアの手を取り、彼女を巨腕の魔の手から逃しつつ、放り投げるようにして前進を手助けする個体だ。


 都合七体の氷のナツキ・スバルが、役目を果たしては砕け散り、また誕生してはエミリアを支え、なおも砕かれては蘇りを繰り返し、最大数七体の法則を崩さぬまま、迫る数百の岩の魔の手からエミリアを守り、手伝い続ける。


 ――魔法とは、想いや願いを形にするものと『魔女』は語った。


 あの『魔女』にしてはずいぶんとロマンティックなことを言うと思ったものだが、相手を切り刻みたいと風を刃に変え、怒りのままに焼き尽くすために紅蓮の炎を生むことを考えれば、それも想いや願いの具現化と言い張れないこともないだろう。


 ならば、今、アルデバランが目の前で見ている、ナツキ・スバルの姿かたちをした氷兵がエミリアを手助けする光景は、いったいどんな願いの具現化だというのか。

 胃の奥がムカムカする。それは比喩的な意味でなく、正しく、本当の意味で。


 その湧き上がってくる負の感情を、アルデバランは次の攻撃に繋げた。

 それは――、


「――天丼で悪ぃがな、切り札再来だ」


 そう言ったアルデバランと、エミリアたちの頭上――アグザッド渓谷の谷間の幅いっぱいのサイズの、巨大で強大な岩塊が真っ逆さまに落ちてくる。

 逃げ場のない、大質量による圧殺――王都で仕掛けた罠の、その再来だった。



                △▼△▼△▼△



 欲しかったのは――否、必要だったのは、生涯でたった一度だけの勝利だった。


 その勝利のためだけに、アルデバランの人生があったと言っても過言ではない。

 誕生以来、アルデバランに与えられ、注がれ、恵まれてきた全てのものは、その勝利を得るため、掴むため、勝ち取るために用意された道しるべだった。

 その意味や重責を、アルデバランは十分理解していた――つもりだった。


 しかし、いざその意味が問われる機会が訪れたとき、備わっていたはずの覚悟も、用意されたはずの計画も、磨き上げたはずの魂も、全ては無意味に帰した。


「――誰も、ボクが創った君には勝てないよ」


『魔女』から与えられたその言葉は、アルデバランの人生の指標だった。

 それを信じられる限り、どんな障害が立ちはだかろうと、自分は止められない。そして、自分が『魔女』を信じられなくなることなんて――本人には絶対言わないし、聞かせたくないが、ありえないことだと思っていた。

 だから、『魔女』の言の通り、自分は誰にも負けないと、そう信じ込んでいた。


 ――その信仰が打ち砕かれたとき、アルデバランは確かに一度死んだのだろう。


『死』なら、数えるのも馬鹿馬鹿しくなるぐらい体感してきた。

 数えるのも馬鹿馬鹿しいと思ってはいたが、数えるように言われていたから数えていたが、実際の数を記録しても馬鹿馬鹿しさは欠片も薄れないぐらい味わった。

 でも、本当の意味での『死』は、あの日、あのとき、味わったのだろうと思う。


『魔女』の悲願であり、そのためにアルデバランを作り上げるまでして、生涯にただ一度きりの絶対に負けてはならない戦いを用意された。

 それなのに――、


「――負けてはならないところで、君は負けた」


 見慣れた草原、茶会の白いテーブルで紅茶の香りを堪能する『魔女』の姿に、アルデバランは自分がどれだけ罪深いことをしたのか、絶望に打ちひしがれた。

 白と黒、たったの二色で表現することができる美貌の頂と言える『魔女』、その憎たらしいぐらいに美しい姿に傷一つないことが、そこが夢の世界であることの証明。


 だって『魔女』は、勝つべき戦いに勝てなかったアルデバランを庇い、その手足を全部失って、ただ死を待つだけの無惨な姿に成り果てていたのだから。

 その姿を呆然と眺めながら、アルデバランはこの『魔女』にも赤い血が流れていたのだなんて、そんなひどく当たり前のことをぼんやり思っていた。


 あの血の熱が、臭いが、感触が、嘘であるはずがない。

 ならば、それら一切が失われ、あるはずの現実を虚構で塗り潰したこの世界の方が、はっきりとわかりやすいぐらいの嘘の塊なのだ。


「虚構、という表現はあまり好きじゃないな。厳密には違う言葉だとわかっていても、どうしても嫌な相手を思い出す」


 それが『魔女』なりのジョークだったのか、それとも本心から場違いなことを言いたかっただけなのか、アルデバランには最後まで『魔女』の本心がわからなかった。

 ただ、憎まれていると思った。あるいは失望され、完全に見限られてしまったか。

 しかし――、


「腕は、取り戻しようがなさそうだね」


『魔女』の視線が向いたのは、肩口から影に持っていかれたアルデバランの左腕だ。

 痛みは、ない。それもまた、ここが『魔女』の夢の城であることの証左――現実に立ち返れば、想像を絶する痛みが脳を焼くことだろう。それも、『死』によってなかったことにできない、決して消えない本当の痛みが。


「片腕を失い、負けてはならない戦いに負けた。どうやら、ボクの計画は失敗に終わるらしい。友人たちにあれこれ言われるのが目に浮かぶね。――結局、フリューゲルの遺志を継ごうとする彼らに委ねることになる。口惜しいな」


 自分の敗北が、『魔女』から何もかも奪い去るのがあまりにも悲しかった。

 誰からの理解も求めず、同胞である『魔女』たちや、共に旅した仲間たちとも離れ、そうまでして果たそうとした望みを、アルデバランが台無しにした。

 そして最も情けないのが、それがわかっていてなお、アルデバランの虚ろになった魂に、敗北する前の覚悟や熱が戻ろうとしないことだった。


 負けてはならない戦いに負けて、アルデバランの心は折れてしまった。

 生涯で唯一、敗戦の許されない初陣は、アルデバランの心を粉々に砕いたのだ。

 それは、最も身近な存在である『魔女』の、避けられない死を見届けることで、真の意味で再起不能の傷をアルデバランに負わせることになるだろう。


「――誰も、ボクが創った君には勝てないよ」


 だから、もう一度言われたそれの意味が、アルデバランにはわからなかった。


「もうこうなると、なりふりを構ってはいられない。勝利条件を変更しよう。彼女のことはあちらに任せ……ボクたちは、二次被害を阻止する」


『魔女』は賢く、そして身勝手だ。

 戸惑いを多く残し、自分を責める罪悪感でまともに頭が働かないアルデバランをそっちのけで勝手に結論を出して、反論もさせずに話を進めようとする。

 変更された勝利条件、新たに提示された二次被害の阻止という目標――でも、それすら達成できるとは思えない。だって、アルデバランはすでに失敗した。

 それなのに――、


「――誰も、ボクが創った君には勝てないよ」


『魔女』にそう言わせたものが何なのか、アルデバランにはわからない。

 呆然と佇むアルデバランに多くを語らずに、立ち上がった『魔女』がゆっくり歩み寄り、正面から真っ直ぐにこちらと向かい合った。

 生涯で最も多く、長く見続けた『魔女』の顔――そこに、初めて見る表情があって。


「――星が悪かったのさ」


 それが、アルデバランが悪いわけじゃないと、そういう意味だとわかって。


 込み上げてくる感情に結論を出せないままに、夢の城が唐突に終わっていく。

 紙芝居の、舞台そのものを引き裂くような乱暴な終え方、その向こうに現れるのは無惨な現実だ。瞬間、痛みと喪失感に脳を支配され、騒音と鮮血が理解を蝕む。天と地は、時間の感覚さえわからなくなるほど黒々と染まり、アルデバランの慟哭は、壊れていく世界の悲鳴によって塗り潰され、自分自身にさえ届かない。


 ただ、そんな何もかもがめちゃくちゃになった世界で、自分の声すらも聞こえないぐらいの騒音の中なのに、掠れ、弱々しく、息も絶え絶えのそれはちゃんと聞こえた。

 聞き逃したくない『魔女』の、最後の詠唱――、


「――オル・シャマク」



                ×  ×  ×



 次にアルデバランの意識が戻ったのは、何もかもが終わったあと――終わったどころかまた始まり、始まったそれが終わり、また始まって終わる。そんなことを何度も何度も繰り返したあとらしき、『魔女』の痕跡の残らぬ世界だった。


 前提条件の違いか、それとも絶大な力を持った『魔女』によるものだったからか、自分が扱うときと異なる魔法の効果に呆然自失としたのも束の間――、


「――お前、どこからきた? 何者だ?」


 問いかけは、全く知らない相手の声によるものだった。

 ボロボロで、みすぼらしい格好をしたアルデバランに勝らずとも劣らぬ身なりをした男は、怯えと警戒を入り混じらせた目でアルデバランを見ている。


 言葉は、わかる。対人経験は乏しいが、ある意味ではそれも問題なかった。

 大事なのは、ここがどこで、今がいつなのか。


「ギヌンハイブ……剣奴孤島だよ。『魔女』? 何百年も前の話だろ?」


 おかしなことを聞かれたと、訝しげにする男の言葉に、アルデバランは息を吐いた。それを見て、男の表情が怪訝から、ぎょっとしたものに変わる。

 吐いた息が嗚咽になり、崩れ落ちたアルデバランが、滂沱と涙を流したからだ。


『――誰も、ボクが創った君には勝てないよ』


 何百年も前に置き去りにしてきた『魔女』の言葉が、魂にこびりついて離れない。

 あの人を、嘘つきにしてしまった罪で、アルデバランは死にたかった。


 死ねなかった。

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― 新着の感想 ―
世界が定期ループしてる中で、それを利用してるのが嫉妬の魔女(&フリューゲル)なんだろう。次世界に記憶を持ち越せる権能を覚醒させたサテラがフリューゲルと幸せになるために行動した結果が400年前の大厄災で…
ここでレムが死んだほうがおもしろかった。肝心なところで誰も死なないからリゼロはこれじゃない感がある
アルがスバルのことを同郷って言ってたけど、アルが造られた存在ならスバルもクローンなのか...?
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