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フェーズ3。扉の向こうの夢創(ファンタジー)より。

「到着、っと。って、なんだ?!」

 また一つ別の戦場。そこに到着した少年は、

 繰り広げられている状況に、開いた口が塞がらなくなった。

 

 いったいなにが起きているのか。

 

 銀色の星型がちりばめられた武者鎧のようなアーマーを身に着けた、

 顔出し状態の黒髪ポニーテールの少女が、ヘリアルたちを

 手にした刀でバッタバッタと切り捨てているのである。

 

「ま……まあ、敵が減ってくれてる分には助かるか。

けど、動きはともかく。

ローダーでもない人間を、シグマドたちと一人でやり合わせるわけには」

 「いかない」の声と同時に少年は、鯉口が右側に来るようになっている

 鞘型のバックルを、力強く右手で叩いた。

 

『プライマライズ、オーダー』

 

 ベルト ーーいや、ベルト型ツール、キャリバードライバーから

 女性音声が流れた。それを聞き、少年は左手を右腰へと延ばす。

 掴み取ったなにかを、

「変身!」

 の声と同時に居合いのように、勢いよく真上へと放り投げる。

 

 放り投げられたそれは、小さな剣型のツール、プライマライズキーである。

 落下して来る小さな剣を、右腕を思い切り上へ延ばしてキャッチ、

 そのままキャリバードライバーの右から、

 納剣するようにガチャリと差し込んだ。

 

『レヴォリュート、マイロード』

 

 ドライバー音声が終わると、直樹の時と同じように、

 少年の周りに、まとわりつくように闇が生まれた。

『プライマライズ、ローディング』

 様々な色の光がその闇を塗り替えながら渦を巻く。

 

『モディフィケーション』

 その光は少しずつ色を少なくして行き、

『キャリバーセットアップ、コンプリート』

 そうして可能性の力は、一人の戦士の装甲へと変化した。

 

 

 アキロノスエネルギーを用いた、対怪人用装甲、

 その二体目に完成した鎧。

 プライムローダー・キャリバー。

 

 マスクは、銀を下地にした赤銅色。

 目は濃い紫色が、燃える火のような 上に向いたギザギザのある縦楕円形。

 マスクの口部分は、黄色い横向きの六角形。

 首周りには、ケープのように緑色の薄い装甲があり、

 そこにPR02と赤文字で描かれている。

 

 仮面と同じ色のボディ、

右上から左下に向かって、腕の付け根から腰まで、

 赤いアキロストリーマーが三本、背中側には同じように青いストリーマーが、

 同じく三本走っている。

 

 左肩から首、右肩から首までは黄緑のストリーマーが三本。

 ケープ装甲の下には、首回りに一周、

 肩のストリーマーを繋ぐように、黄緑と青の二本線が走る。

 

 手足は銀色、指先は黒い。

 左右の腕と脚の外と内側中央に、腕 脚の付け根から手 足首まで、

 赤が外、青が内側に三本ずつ走る。

 

 両手の甲にはモード切替のパネルがあり、右の手の甲の中央、

 炎の力を扱うモード、バーストボイドは濃いオレンジで、

 左手の甲の、アキロノスエネルギーを開放し、

 純粋な攻撃力の強化を行うためのモード、

 フォースボイドは濃い緑。

 

 左脚の横に、薄く黒の入った紺色の鞘に、

 剣型武装、動殺剣イグゼキャリバーがマウントされている。

 

 頭頂部にアキロノス粒子を感知 吸収 増幅する、

 薄く黒の入った紺色の剣の柄のような部分があり、

 見た目、そのアキロレーダーがちょんまげに見えるため、

 変身者の少年は、カッコワルイと不服に思っている。

 

 

「加勢するぜ!」

 言いながらヘリアルたちの中に突撃した少年、キャリバー。

「あら、本物さん、いらっしゃいましたのね」

 意外そうに、刀を振るいながら少女はキャリバーを見て語り掛けた。

「本物さん、ってなんだ?」

 

 ヘリアルたちを殴り倒しつつ、要領を得ない質問を鸚鵡返しする。

「戦闘員に怪人がいるのですから、いるだろうとは思ったのですが。

まさか、本当に変身ヒーローが存在する世界だなんて、

思いませんでした」

 

 まるで、独り言のようにキャリバーの問いに、

 若干恍惚とした表情で答える少女。

「ヒーロー? 俺達はただ、こいつらを倒してるだけだぜ、

そんな大層なもんじゃないって」

 

 仮面の裏で少女の表情に、少し気味の悪さを感じるものの、

 答えを返し更に続けるキャリバー。

「で、今『異世界』とか言ったよな?」

 

「ええ、その通り。わたくし、異世界転移ライフの最中、

虚空に現れた扉を、興味本位で開けてみたらここへ。

つまり。異世界転移中に更なる異世界転移に巻き込まれた、

と言うわけなんですの」

 言葉終わりに「やあっ!」と言う気迫の声と共に、最後のヘリアルを切り捨てた。

 

「いや、ここに来たのは自業自得だろ」

 スパっと突っ込むキャリバーに、

「だって、そんな面白そうな扉。開けたくなるじゃないですか」

 そう、またも若干恍惚とした表情で切り返す。

 

「お前、変な奴だな」

 苦い声で答えたキャリバー。しかし少女の方は、

「お友達によく言われます」

 と軽く苦笑する程度。

 

「って、怪人さんには頷かれたくありませんわ」

 そのまま自然に、二足歩行のトカゲのような怪人の動きを捉えた。

「お前、変な奴だけど戦闘能力高いだろ?」

「まあ、それなりには、と自負しておりますわね」

 油断なく怪人、シグマドに視線を射掛ける少女。

 

 それを見て、シグマドもキャリバーも、「「ただものじゃねえ」」と少女の立ち回りに驚愕した。

 

 

「さ、残るはあなただけですわよ、怪人さん」

 カチャリ、と刀を構え直しながら、

 日常会話のようにさらりと言ってのける少女。

「二対一だ、どうする?」

 キャリバーも少女に続いて、一歩前へ出ながら言う。

 

「か、勘弁してくれ。化け物娘に加えてローダーなんて相手にできるか!

、死にたくてこの姿に変身してんじゃないんだぞこっちは!」

「お前の事情なんて知るか。戦いたくないってんならどっか行けよ。

幸い、周りへの被害はなさそうだからな」

 

「ちくしょう、調子に乗りやがって!」

 明らかな捨て台詞を吐いて、シグマドはその姿のままどこかへ去って行った。

 怪人がいなくなり、ひりつくような敵対者の気配を感じなくなって、

 少女はゆっくりと刀を納め、ふぅと短い溜息をついた。

 

「変身している? それに、強者と戦う以外の理由であの姿になっている……。

いったい、彼はなにがしたかったのでしょうか?」

「さてな。とにかくありがとよ、被害ゼロで退けられたぜ」

 

 

「いえ。わたくし、ただテンションに任せて暴れてただけですわ。

あなたのように、明確に敵として認識したわけではございません」

 謙遜なのか真実なのか、キャリバーには計りかねたため、「そうか」とだけ返した。

 

 

「それで? ここはいったいいずこですの?」

「いずこ。いずこ、って言われると困るんだけどなぁ」

「クラニール。扉の神様が作り出した、優しすぎるゆえに存在するごちゃまぜ世界。

なんだそうだぜ」

「誰だ?」

 

「世界単位で説明する。と言うことは、あなたはもしかして?」

「なんで噛み殺し切れない、気味の悪いタイプの笑みしてんだ……」

 乱入者は、苦い顔で言う。

 

「なにを察したんか知らねっけど。

俺は、トラックに撥ねられた系異世界転生者だぜ。ここが転生先な」

 軽薄な雰囲気の少年は、少女の問いにあっさりと答えた。

 

「やっぱりっ!」

 少女は目を輝かせて、転生者を見つめる。

 その表情は、あこがれの人を見る、恋する乙女に近い物だった。

「なるほど、けれど納得ですわ」

 徐々に表情を思考中な物に変化させながら、少女は言葉を発した。

 

「なにがだ?」

 器用なことするなぁ、と男子二人は思っているが、

 少女の方は、当然気付く由もない。

「変身ヒーローに戦闘員、怪人までが存在することにですわ」

 

「そうかい? でも、それは転生に関係ないようだぜ」

「どういうことですの?」

「今、俺らが厄介なってるサテンに、お嬢さんと似たような

転生でも元々この世界にいたんでもねえ、

俺らが『呼ばれし者』って呼んでるのに一人、戦隊メンバーいるんだよ」

 

 

「本当ですかっ!」

 パン、などと言うかわいらしい音ではない。

 バシっと言う派手な音で両手を胸の前で組んだ少女。

 創造すらしていなかった音の大きさに、男子二人は驚きにビクついた。

 

「あ、ああ。マジよ、マジマジ」

「是非にっ、是非に逢いたいですっ!」

 乱入した方の少年の動揺などどこ吹く風で、

 完全に舞い上がっている少女。そのさまはさながら、

 アイドルの握手会にでも招待されたが如し。

 

「うし、ならいらっしゃいませだぜ、お嬢さん」

 どうにかテンションでごまかしきった乱入者少年であった。

 

 

「まったく。忙しくて騒がしい奴等だな」

 キャリバーはそう言うと、右手の甲のオレンジのスイッチのような部分、

 炎の力を司る、バーストのボイドハッチを長押しした。

 『キャリバー、リムーブ』の音声が流れる。

 

 驚く二人を気にも留めず、バックルを右手で軽く叩く。

 『コンプリート』の音声を確認し、プライマライズキーを

 ドライバーから引き抜いた。

 

 すると、キャリバーを緑の光が包み、それが弾けた後には

 疲れた表情の少年が、一人立っていた。

 変身解除を確認すると、少年はプライマライズキーを所定の位置、

 ベルトの右腰部分に刺した。

 

 

「「おおお」」

「ローダーの変身解除、初めて見たぜ」

「変身解除しているだけなのに、なんですのこのかっこよさはっ」

「お前らテンション上がりすぎだろ……」

 

 疲れた様子のキャリバーだった少年に対して、

 フフフと微小を返す少女。

「ところで、先ほど怪人さんも言っていましたけれど。

ローダーと言うのはなんですの?」

 

「俺が今纏ってた装甲のことだ。怪人、シグマドとは別の方法で緑の光、

アキロノス粒子の持つエネルギーを使って、変身する人間を

そう呼んでるんだよ。装甲の総称がプライムローダーだからな」

「なるほど。やっぱり変身ヒーローですわね」

 自分の言葉に同意するように、少女は大きく頷いた。

 

「だから言ってるだろ、俺達はヒーローなんて大層なもんじゃないって」

「なにをおっしゃいますの。人々のために怪人を成敗する、

ツールを使って姿を変える者。立派に変身ヒーローですわよ」

「わかんねえなぁその感じ」

 キャリバーだった少年は、ぼやくように溜息交じりに吐き出した。

 

 

「で、どうするんだローダーのほうは。よってくかい?」

「たしかお前、剣塚つるぎつかで見たな、そういや」

「その通り。俺達ディアボロードのたまり場の中で、

いっちゃんでかいのがあそこだかんな」

「なるほど。そうだな。剣塚はシグマドの情報なんかも手に入るし、よってくか」

 

 

「あの、今度はわたくしが蚊帳の外なのですけれど?」

 不服そうに少女が口を挟む。

「おアイコだろ」

「せっかく異世界人とも遭遇したことだ。名乗っておくか」

「察しがいいんですのね、わたくしが異世界人だと、すぐにわかるなんて」

 

「ローダーでもねえのに、そんなギラギラ鎧着てるの見ればな。つうわけで、俺からな」

「どういうわけだ?」

「俺は華人。稲田華人いなだはるひと、よろしく」

「次は現地民の俺だな」

「どういう基準ですの?」

 

石ノ森勇大いしのもりゆうだい、よろしくな」

「よろしく」

「よろしくおねがいいたします。葉月寺覇司魔はづきでらはしまですわ」

 そう言うと、少女覇司魔は優雅にお辞儀した。

「ガチにお嬢様っぽいな、そのしぐさ。んじゃ、いくとしますか」

 

 華人に先導される形で、二人は喫茶剣塚へと向かうことになった。

「さ、いきましょ。石ノ森先生」

 クスリと微小し、覇司魔はあたりまえのように、勇大の手を取ると、

 そのままサクサクと歩き出す。

 

「ちょ、おい?」

 いきなりのことに手を振り払おうとしたが、

 予想以上にガッチリと握られていて振りほどけなかった。

 

「どうなってんだ、この怪力お嬢様は?」

 覇司魔の握力に驚愕しつつも、

 (こんなシチュエーションじゃなかったら、絶対顔赤くなってるなぁ俺)

 などとも思考しつつ、勇大はもうひとこと。

「後、先生ってなんだよ先生って?」

 

「この世界の人にはわからないかもしれませんが、

その名字はとても尊いのですわ。だから、思わず先生と」

 なおも楽しげに語る覇司魔に、

「ほんっとに、変な奴だな、お前」

 と溜息交じりに言う勇大であった。

 

 

「いい。今回のゲートは実にいい。これなら……これならば」

 また、ここでも直樹たちの時と同じ声の持ち主が三人の様子を見つめており、

 そしてなにかを操作し、姿を消した。

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