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フェーズ13、ファイナル。黄金の夢の後。 パート1。

『なぜ。なぜだ。なぜなのだ』

 目を開いた戦士の目に飛び込んで来たのは、影の姿に戻ったオメガであった。

 その巨大な影が、現状が理解できない困惑の声を発している。

 

『おのれ!』

 怨嗟のうめきと共に、ゆっくりと半身を起こしたオメガは、

 同類の巨人、巨大な人型であるゴーレムを睨み付ける。

『なぜ、なぜ我をこれほど退けられる!』

 

「力の巨人オメガ。たしかにあなたは強いです。

でも、形を得、その傷を治癒できないのであれば、

いずれ限界は訪れます。そしてわたしたちは、

あなたに退行しうる存在だった。そのめぐり合わせが、あなたの不運ですよ」

 ディバイナが静香に、諭すように語る。

 

『我は、我は王なのだ。全ての扉神とびらかみ世界の力の集った

神の力の王なのだぞ。なぜその力の一部でしかない、

世界の一つの一欠片如きに、ここまでのことができると言うのだ!』

 

 

「この世界は、非情になれない扉神あいつだからこそ生まれた世界。

いくら強大な力を持っても、力による混乱や破壊は、

規模が拡大する前に、どうあっても抑止されるの。

世界を整えるあいつ自身が不思議に思うほどにね。

 

残念だけど、扉神の手の届く世界に生まれた時点で、

ニャんたが生き残る未来はなかったのよ」

 気の毒そうにカグヤが告げた。

 

『たわごとを。小娘。

まるで扉神の代弁者のような口振りでほざく貴様は、

いったい何者だ』

 訝しむ巨神に、「うーん、そうねぇ」と考え込むカグヤは、

 一つ頷いてから答えを告げた。

 

「友達……かしらね。でなきゃここに来られてないし」

 

『たわけるな!』

 カグヤを握り潰さんと手を伸ばしたが、その緩慢な動きでは

 捉えることはかなわず、カグヤに手の上に乗られてしまう。

「悪いけど、ニャたし、大真面目よ」

『たわけるなと言ったばかりだ小娘!』

 

 

「力そのものが自我と形を持つ。これも世界を渡る夢の残り香ゆえ、

なんでしょうか」

 覇司魔はしまが怒り心頭のオメガを見て、憐れんだ表情で呟いた。

「これ以上オメガを生かして置くのは危険ですし、オメガもかわいそうですね。

とどめ、おねがいします」

 

 

『貴様ら!!』

 

 

「登場早々悪いが、お前には眠ってもらう。

お前を生かしておくと、この世界に危険しかないからな」

『トゥー! ゼロ! ゼロ!』

 

「チェック」

『フェイタルオーダー!』

 顔アイコン表示になったディスプレイ。

『竜馬! カグヤ! ディバイナ!』

 

「ロード」

『ぶっ壊すぜーっ!』

 

「だな」

『フォース、ロード』

 左手の甲のフォースボイドを押し込むキャリバー、勇大ゆうだい

 アキロノスエネルギーを攻撃力として利用する、

 フォースモードを発動。

 

『キックシフト、モディフィケーション』

 更にもう一度フォースボイドを押し込むことで、

 アキロノスエネルギーを足に纏う、キックシフトに移行する。

「あたしも一発、お見舞いしよっかな」

 言って大きく息を吸うみくるドラゴン。

 

 

『扉神の力の王。我が名はオメガ。全ての世界の力の究極!』

 

「己を鼓舞するのは構わねえけどな、オメガ。

究極ってのは言い換えれば、終わりってことだ。

それ以上はないってことだぜ。

ならお前は、俺達と向き合って、俺達に傷を負わされた時点で、

もう。終わるしかなかったんだよ」

 

『力の欠片が、侮辱するな!』

 勇大の言葉で更に怒りを強めるオメガは、ゆっくりと立ち上がる動作に入る。

『踏み潰してくれる!』

『そうはいきませんわ。わたくしがいること、お忘れですか?』

 対応して、ゴーレママもゆっくりと立ち上がり始める。

 

 

「終わりたがった所長から出て来たお前が、終わりを拒絶するなんてな」

 皮肉なもんだ、と直樹なおきは仮面の裏で悲しげに笑う。

『どこまでも我を虚仮にしおって、力の欠片どもが!』

 

「その欠片に、あなたはこれから敗れます。覚悟を決めなさい、

プライムローダー・オメガ」

 凛とした空気を纏い、ディバイナは宣告した。

 巨神の敗北を。存在の破滅を。

『貴様。貴様さえいなければ!』

 

 

「だんなさまがこの世界に呼ばれたこと。それが、あなたの敗因です。

自ら大魔王であるこのわたし、ディバイナ・パンドラートを

呼び寄せてしまったんですから」

 

「おいおい。まるでとどめを大魔王ちゃんが刺すみたいな流れじゃねえか?」

 言葉の直後、勇大、プライムローダー・キャリバーは、

 変身ツール、プライマライズキーを90度前方へ、

 手首のスナップを利かせて回す。

『フェイタル・オーダー』

 

「ヴぁー!」

 緑色のアキロノスブレスを、オメガに放つみくる。

『な、に!? なぜ、力の一粒如きに押される?』

「最早あなたを形作っているのは、元の黒い影のみ。

防御層は全てはがれましたわ」

 

「勢いで、てきとうなこと言ってんな。お嬢様は」

 堪えきれず楽しげな含み笑いで言ってから、

「けど、案外間違ってないかもな」

 右の二の腕装甲を開き、アルタートリガーを取り出して、

 バックルの右側のスロットに差し込み、流れるようにバックルを叩いた。

 

『ドゥームハレーション!』

 カオストリームフォームのアルター、その右足に黄金の光が宿る。

 

「行くぜっ!」

 「ぜ」と同時にバックルを勢いよく、右手で叩く勇大。

『プライマルブレイク』

 キャリバーの両足に、緑の光が現れる。

「ああ。ローダーで始まった戦いは、ローダーでけりを付ける!」

 

 二人のローダーが、巨大な力の化身に向けて、高く跳躍。

「はああああっ!!」「おりゃああああっ!!」

 裂帛の気合の叫びを轟かせ、黄金と緑の蹴撃を同時に叩き込んだ。

 

『ぐおあああああ!!』

 身体を蹴り貫かれ、断末魔を上げるオメガ。

 

「っ、やばっ! 勇者ちゃんっ! 二人を捕まえにいかないとっ!

流石に位置が高すぎるっ!」

 慌てて飛翔するみくるドラゴンに、

「大! 魔! 王! ですっ!

 ときっちり訂正しつつ続く。

 

 

『愚かな者どもよ。我は力の王、ただでは死なぬぞ。

我の消滅は、この世界に禍根を蒔く。後悔するがいい』

 そう苦痛に耐えながら口にした後、

『フハハハハハハ!』

 黒い影は哄笑を残し、溶けるようにして虚空へ消えた。

 

 

「終わった。ようやく」

 みくるに掴まれ地上に降りた直樹が、首だけ背後を振り向き呟く。

「激戦に次ぐ激戦だったな。まったく」

 同じく、ディバイナに掴まれて着地した勇大も、

 直樹と同じように、首だけ背後を向いて、疲労の息交じりに吐き出した。

 

「ほんと、ディバイナがいなかったら俺達全滅してたな」

 和也が安堵の息交じりに発した。

「偶然だったのかもしれませんけどね。ところでだんなさま?」

「なんだ?」

 

「とどめに参加したかった、って言ってたじゃないですか」

「おお」

「もしほんとに参加できたら、蹴り込んだ後どうするつもりだったんですか?

あの鎧、飛べるわけでもなさそうですし」

 

「お前、絶対落下阻止で俺を確保するだろ?」

 なにげない調子で、それだけを返した和也。

 

 その言葉に、

「わぁ」

 にわかにディバイナの表情が華やいだ。

「だんなさま~!」

 喜色満面、ディバイナはだんなさまに抱き着く。

 

「ぐおあああああ!!」

 大魔王少女は、愛するだんなさまを思いっきり抱きしめた。

 そのため、凄まじい力で締め付けられることになり、

 和也は全身に激痛を味わうことになった。

「いでででで! じぬ! じぬ! 離れろバカ野郎!」

 

「……はっ!」

 苦痛に歪む和也の顔に気が付き、慌ててディバイナは体を離した。

「ごめんなさいだんなさま、あんっまりにも嬉しかったのでっ」

 あわあわと、両手を顔の前で振り乱すディバイナ。

 その早さは、手どころか腕まで残像が見えるレベルである。

 

「そうなったら、俺は自力で飛べば問題ないし、

和也がいっしょだったとしても大丈夫だったな」

 直樹のさりげない言葉に、

「飛べたのかそのフォーム?」

 と勇大が驚いた。

 

「二種のフォームで片翼だったのが、カオストリームでは両方ある。

見た目的にも分かりやすいと思うけどな?」

「マジか。翼あるの、背中の武器のインパクトでまったくわからなかったぜ」

「流石は石ノ森先生、ですわね」

 クスクスと、楽しげな笑いを含んで言うトゥインクルサムライ覇司魔はしま

 

「だーかーらー! 俺をバカ扱いすんなっ!」

「……違いますの?「……違うの?「……違うんですか?」」」

「てめえらなぁ……」

 覇司魔 カグヤ てんまの、女子三人に同時に言われ、

 ガックリと肩を落とす、キャリバーのままの勇大である。

 

「あたしも、こいつと同列ってことか」

 じっとりと疲労を乗せた声で、みくるドラゴンは

 頭を抱えたそうに吐き出した。

「もう、好きに言っててくれ」

 完全に諦めた勇大をきっかけに、無邪気に穏やかな笑いが広がった。

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関連作品。

聖王戦隊グレイルレンジャー
てんま及びグレイルレンジャー関連の出展元。
ボソっとタグペタ時空ハッシュ!
オ嬢こと覇司魔の出展元、トゥインクルサムライ含めて。
だんじょん☆どーん ~ ぶっきらさんとてのひら大魔王 ~
和也とディバイナ、ゴーレママの出展元。
ボソっと組みと和也たちが、この作品によって同じ世界の住民と判明。
芋づる式に、ちみしょ↓の明斗と碧も同じ世界民。
地域密着型異世界召喚譚
カグヤの出展元、略してちみしょ。
転生待合室のトラック転生者たち
剣塚の男子三人が、これの人たち。
サモナーな俺の、よくある異世界交遊録
カグヤの設定に、サモナー領域でのエピソードが含まっているため。

以下、アルターの変身アイコンの出展元。
竜馬
異世界転生2D6(ツーディーシックス)
の主人公山本竜馬。
明斗=ちみしょ主人公神尾明斗。
まもり=グレイルレンジャーのレッド、浅野まもり。
ディアーレ
ゲームチャンプは戦いたくない!
の登場人物の一人。
百鬼姫=異世界転生2D6登場人物の一人。
いかり
妖怪町のお正月
の主人公のおきぬちゃんこと、鬼野いかり。
結葉=異世界転生2D6登場人物の一人。


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