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フェーズ11。黄金の夢の覚める時。 パート3。

『100%。アジャスト、コンプリート』

 

「みんな、ありがとな。チャージ、完了だ!」

「はぁ……はぁ……よし。出し惜しまない。いくぞ!」

 言うと直樹は、左腕のタッチパットでフォームチェンジの操作を始める。

 ーーそして、その変身先は。

 

『竜馬!』

 自らの肉体に強い負荷をかける、

『カグヤ!』

 アルター最強フォーム、

 

『ディバイナ!』

 一つ一つ、顔アイコンにタッチするアルター。

「ロードッ!」

 右手をググッと握り込みながら、力強く宣言する。

 その声は、悲壮感すら感じる声。

 

『カオストリーム』

 

「なっ! お前、またそのフォームに!」

「言ったろ、出し惜しまない、って。あんたもそうしろ南島操真なんしまそうま

悔いを残したくないだろ!」

直樹なおき、お前。なに自らピンチを呼び込んでんだよ?」

 

「心残りがあっちゃ、ようやくの眠りに未練が残る。そう思っただけだ」

「後を託された俺達が、お前が!

オルトロンに倒されたらどうするつもりだっ!」

「大丈夫だ。俺とお前の最大の一撃なら、今のオルトロン相手は打ち返せる!」

「根拠がねえことを、自信たっぷりに言いやがって。こんちくしょう、付き合ってやるよ!」

 

「そうだな。たしかに直樹、君の言う通りだ。

華々しくフィナーレを飾ろう」

『トゥー、ゼロ、ゼロ、』

 

 オルトロンが、必殺技待機の操作をすると、

 オルトドライバーから『フェイタルオーダー』の音声が流れる。

 

『トゥー! ゼロ! ゼロ!』

 アルターの側も、同じ操作をし、背中のリョウダン・ブレードを抜く。

 そして、左腕のタッチパットに柄尻、グリップエンドを近づける。

 

 すると、アイコンをタッチした時とは別の、

 甲高い音がタッチパットから鳴り、

『ブレードモード!』

 の音声が流れた。

 

 そして、キャリバー アルター、オルトロンが、。

 三人同時に、バックルを叩いた。

 

『ゴルドラストズバッシュ!』『ターミネイトスラッシュ』

『バスターザンパクト』

 

 抜き放たれたイグゼキャリバーの剣身には、輝く赤銅色のエネルギーが纏われており、

 オルトザンバーとリョウダン・ブレードの刃には、黄金の輝きが生まれた。

 

「はああああ!」「おおりゃあああ!」

 オルトロンへ向けて、気合の踏み込みを見せる二人のローダー。

「んぬあ!」

 上段から振り下ろされる二本の剣に、打ち合わされる袈裟切りの大剣。

 

 三つの強大なアキロノスエネルギーは、二対一の打ち合いで

 刃と刃の隙間に、スパークを起こし続ける鍔迫り合いとなった。

 

「ぐ。これだけの力と互角かよっ!」

「流石は最強のローダーの最大威力の斬撃っ。推しきれないかっ!」

「押し返せる目測、見事に外れたな。

だが、流石と言わせてもらうぞ、直樹 勇大!

 

ブーストには体が耐えられないゆえの通常状態だが、

それでもこのバスターザンパクトと互角を耐え続け弾き飛ばされないのは、

君達だからこそだ」

「師匠面すんな!」

「くっ、これじゃジリ貧だなっ」

 

 

「なら、あたしたちだからこそ勝てる手、使うしかないなっ!」

 声の直後、銀色のアルターの背後からリョウダン・ブレードに向かって、

 一条の緑光が放たれた。

「ぐっ。これは……みくるのブレスか!」

 

「わたしも、まだ余力、あります!」

 今度はイグゼキャリバーに向かってオレンジビームが放たれる。

「うおっ! お前ら、あんだけエネルギー注いでんのに。むちゃすんなっ!」

 輝きを増した二本の剣。それにより、大剣が力負けをし始めている。

 

「ぐ、ううう! なる、ほど。出会ったばかりながら、

私を敵としていることによる団結。即席チーム。

それが、ここまでの連繋を生むとはっ!」

 

 

「それだけではありませんわ操真さん。あなたへの思いが重なったことも、

わたくしたちが、これほどのむちゃをする理由ですの」

「同情か。だが、それでもかまわない。

私もオルトロンとして、全ての力を出し切っている。出しきれる。

だが、性能はあっても、体が……耐え切れないっ!」

 

 二つの剣に宿った四人の力。四つの力に託された八人の思い。

 それに一人の心は、その肉体は力及ばず。

「ぐああああああっ!!」

 全ての力がオルトロンへと殺到し、エネルギーの飽和状態が弾け飛ぶと同時に、

 激しい爆発が金色こんじきのローダーを襲った。

 

 

「ぐ、ううう……」

 チリチリと時折スパークするオルトロンの鎧。変身が解けてしまう勇大のキャリバー。

「「変身解除しろ、所長っ!」」

 ローダーを扱う二人は、悲痛な声で訴える。

 しかし、小さく首を横に振るオルトロン。

 

「なんで! 変身解除すりゃ間に合うだろ!」

「言っただろう。私は今日、私と言う悪夢を終わらせたいのだと」

「くっっ」

 ディアボロードとしての異世界への転移を体験しているだけに、その言葉を否定できない直樹は、

 リョウダン・ブレードを突き刺すことで、地面にやりきれない気持ちをぶつける。

 

「やっとだ。これで。やっと、眠れる」

『所長っ!』

 アルタードライバー、オルトドライバー、二つの端末から同時に、

 リアンの悲痛な絶叫が響いた。

 

 

「おやすみ、無数の異世界たち。おやすみ、私のいた世界。

おやすみ、異世界の者たち、そして。ターミナットと、私」

『オーバーフロー。オーバーフロー。オーバーロード』

 機械的なオルトドライバーの音声の後、大きくなったスパーク。

 

 ーーそして。

「ぐっっ?!」

「まぶしいっ!」

 黄金の爆発が、彼等の目の前で炸裂した。

 

 

「終わった。終わっちまった」

 なにも残っていない、オルトロンがいたはずの場所をみやって、

 涙交じりに呟く勇大。

 

「所長は、ずっと苦しんでたんだ。

起きてようが寝てようが、ずっと意識と感覚がある

究極のディアボロードになっちまった己の体に」

 歯噛みしたような、苦しさのしみ出した声で、

 カオストリームフォームのままの直樹は続ける。

 

「だから、これで……よかったんだよ。

死ぬために戦った。死ぬ以外、もう選べなかったんだ。

所長、南島操真にはもう、生きてる実感の中で死ぬことだけが、

己の全てだったんだ。そのためにオルトロンを作らせ、

プライマルゲートを出現させ、己を倒せる相手を求め続けた。

 

俺がもし、所長みたいになったら……そうするかもしれないな」

 そう言って、プライムローダー・アルター、倉沢直樹くらさわなおきは、

 未だに灰色の空を仰いだ。

 

 

『みんな! まだ、終わってないわ!』

「リアンさん、終わってないってどういうことだ?」

 慌てたようなリアンの叫びに、状況が掴めないメンバーの中、

 代表するように直樹が尋ねる。

『測定不能の反応があるの、あなたたちがいるところに!』

 

「なんだって? なにも」

 いないぜ、と勇大が言いかけたところで、地響きのような轟音が鳴り響く。

 その大きさと衝撃に、たたらを踏む地上にいる全員。

「人型の……影?

 カグヤに続いて、「それも、巨大ですわ」と覇司魔はしま

 

「このシルエット。まさか?」

 てんまが半信半疑で言葉を漏らす。

 巨大な人型の黒は、どんどんと色を付けて行く。

「やっぱり」

 驚愕の表情で呟くてんま。

 

 その影だった者は、

 緑に輝く一対の翼、黒い竜の顔を額に持つ白い顔、

 黒い腕に青い拳、銀の下半身に金の上半身の姿

 になった。

 

「色違いのグレイセーバー。どうして?」

「まるで、カオストリームフォームだな」

 

 

『我が名はオメガ。扉の神の力の王。プライムローダー・オメガ!』

『声が、オルトロンのドライバーの声とそっくり。

まさか、ドライバー自体が変化したって言うの?』

 

 その姿に驚くてんまと直樹、巨神オメガの声に驚愕するリアン。

「所長め。とんでもねえ置き土産置いて逝きやがって。どうするんだ、あれ!」

『それが力が暴走した結果なら危険だわ。なんとかしないと』

 

「元々組み込まれていたのかはわかりませんけれど。

爆発する直前、オーバーロードってドライバーが言っていましたの。

オルトロンに注がれていた力が原因で、あれが生まれたことは

十中八九間違いありませんわ」

 

 

『力持つ者よ。己が強さで滅びるがよい!』

 

「おいおい、どうすんだあれ! 確実にこっちにターゲッティングしてるぞ!」

 慌てふためく和也。それに対して、相方は冷静だ。

「力が人の形を成した巨人、ですか。あの剣士さんが持って行きそこなった

夢の残滓ざんしだと言うなら、わたしたちが

なんとかしなければいけませんね」

 

「ディバイナ、お前なに言ってんだ? ゴーレミートとはデカさがくらべものにならねえぞ!」

「グレイルレンジャー全員揃ってれば、凄なる決闘上コロッセオまで転移んで、

グレイセーバーで戦えるんだけどなぁ」

 てんまが困ったように、溜息交じりに言う。

 

 

「ディアボリックエリミネーション、全力なら追い込めそうですね。

確証はないですけど、でも 少なくともわたしが一番大きなダメージを

与えられるはずです」

「お前……本気か? それ、全力出したら威力がやばいんだろ?」

 ディバイナの彼我の戦力分析に、和也が目を見開く。

 

「大丈夫です、ボスド・ラディオスに打った時、覚えてますか?

あの容量でやれば」

「マジでやる気だな、その言い方……」

 自信満々な表情と声に、顔をしかめる和也。

 

「けど、その前に一つ、確かめないといけないことがあります」

「たしかめるって、なにをだ?」

 和也の問いに答えるように、ディバイナの前に透明な四角が現れる。

「ゴーレママ。今話せる?」

 

「連絡取れんのかよ?」

 驚愕する和也だが、自分が遊んでいたアトラクション本人である

 ゴーレママを利用することには、現状の自分たちのダメージと

 彼女の能力を照らし合わせて納得する。

 

大魔王様マスター、カズヤさまと再会できましたのね。よかった』

 ホログラムのように四角く切り取られた空間に映っている、

 煉瓦のような茶色い四角形の顔と、そこについたピンクの二つの目、

 そして安堵した柔らかな女声のギャップに、

 声の主を知らない人間は、全員目が点になった。

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関連作品。

聖王戦隊グレイルレンジャー
てんま及びグレイルレンジャー関連の出展元。
ボソっとタグペタ時空ハッシュ!
オ嬢こと覇司魔の出展元、トゥインクルサムライ含めて。
だんじょん☆どーん ~ ぶっきらさんとてのひら大魔王 ~
和也とディバイナ、ゴーレママの出展元。
ボソっと組みと和也たちが、この作品によって同じ世界の住民と判明。
芋づる式に、ちみしょ↓の明斗と碧も同じ世界民。
地域密着型異世界召喚譚
カグヤの出展元、略してちみしょ。
転生待合室のトラック転生者たち
剣塚の男子三人が、これの人たち。
サモナーな俺の、よくある異世界交遊録
カグヤの設定に、サモナー領域でのエピソードが含まっているため。

以下、アルターの変身アイコンの出展元。
竜馬
異世界転生2D6(ツーディーシックス)
の主人公山本竜馬。
明斗=ちみしょ主人公神尾明斗。
まもり=グレイルレンジャーのレッド、浅野まもり。
ディアーレ
ゲームチャンプは戦いたくない!
の登場人物の一人。
百鬼姫=異世界転生2D6登場人物の一人。
いかり
妖怪町のお正月
の主人公のおきぬちゃんこと、鬼野いかり。
結葉=異世界転生2D6登場人物の一人。


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