シルトバス伯爵家とミリア
翌朝、宿を出てリーベルの家に向かい
『リーベル様、いらっしゃいますか?』
『おはようございます』
リーベルが出てきて言うと
『私の馬車に付いてきてください。3日程かかりますので』
『わかりました』
リーベルの馬車の後を付いていく
『ミリア、魔力制御は出来ますか?』
『少しなら出来ます』
『手に魔力を集めてください』
『わかりました』
ミリアを魔力視でマルスは見ている
『エミールよりひどいですね』
『え?ひどい?』
『魔力の制御が出来ていない』
『魔法に魔力制御なんて必要ないでしょ』
ミリアは真顔で言うと
『制御が出来ないと魔法は上手く出来ないです』
エミールが答える
『詠唱を正確にやれれば出来るって習ったのに』
『間違いはいつか正されます』
ミリアにリリシャが言う
『私の魔法が上手く出来ないのは、魔力制御が出来ていないからなのですか?』
『そうだよ』
ミリアはうつむき、涙を浮かべる
夕方になり、村に着いて宿を確保した後、リーベルはミリアを見て
『ミリアどうしたのですか?』
『私が魔法を上手く使えないのは!魔力制御が出来ていないからと言われたので・・・・』
『魔力制御が上手く出来ないと魔法は上手く出来ませんが』
『詠唱が正確に出来ないと魔法は出来ないと教わったのですが、それも否定されて・・・・』
『魔力制御が出来ていないで詠唱をいくら正確にしても無駄ですね』
リーベルの言葉にまた泣き出す
『教え方が悪すぎる』
『現代の魔法は、詠唱第一で魔力制御を道具に頼っているからですね』
『魔力制御が出来ていれば杖なんて要らないのにね』
『え?杖が要らない?』
『師匠達は常識が無いので聞き流してください』
エミールが言うとリーベルは苦笑いする
『フローネ様は、この子達の事をなんて言っていましたか?』
『常識外れで常識が通用しない人』
『フローネ様がそんなこと言うなんて』
『ギルドでも私の冒険者登録の条件が、師匠と一緒にいることが条件です。』
『子供を迷宮に潜らせる行為がダメだと思いますが』
『自重してくれそうだから、認めてくれたと後で言われました』
『リベリアで色々言われているのですね』
『強すぎるからです』
ルメイルが言う
『強すぎる?』
『16層階層主を平気な顔して倒してきてギルドを騒然とさせるとかね』
『は?16層階層主?階層主討伐の証が有りましたが16層のですか?』
『そうです』
リーベルは呆れはじめる。フローネ師匠が常識外れということも納得する
3日後、シルトバス伯爵家に到着する
『交易都市アーメルドのリーベルですが、伯爵はいらっしゃいますか?』
『どうぞ、こちらでお待ちください』
リーベルとミリアとキリシアとリリシャとマルスは、応接室で待っていると、侍女が案内に来る
こちらにどうぞと部屋に案内されると、そこには伯爵と夫人が座っていた
『伯爵、久しぶりです』
『リーベル殿、よくぞ来てくれました』
『ミリアの件ですが、ここにいるリリシャに預かってもらおうと思いますが、よろしいですか?』
『ミリアは我が家とは関係ない者として扱って貰えるのならば、どうでも良い』
『ミリアは今後一切、シルトバスの名は使わせませんが、その代わり、シルトバス家もミリアに一切近付かないと約束してください。例えミリアが宮廷魔術師になろうと世界に名を馳せる魔法使いになろうともです』
『もはや娘でもないから好きにしろ。どんなになってもミリアには近付かないと約束しよう。それは家に属する者にも言っておく』
『わかりました。ミリアは私達の弟子として育てます。失礼します』
リリシャは立ち上がり、頭を下げてミリアを連れて出ていく
『すいませんが、娘を頼みます』
夫人は一言言って出ていく
『これは手切れ金だ。受けとるが良い』
『必要は無いです。それを受けとれば、それがミリアの養育費だと言われかねないですから』
キリシアはキッパリ断り、部屋を出ていく
屋敷を出て、宿屋に戻り
『エミール、ただいま』
『お帰りなさい、師匠』
『ミリア、元気出ませんよね』
『すいません』
『エミールとマルスと一緒にゆっくり話をすれば、少しは元気出るかな?』
『ありがとうございます』
『マルスとは同い年だし何でも相談できると思うしね』
『はい・・・え?同い年?私13歳ですよ』
『マルスも13歳ですよ』
『え!えーーー』
ミリアは驚き、固まる
『2年後の魔法学院が楽しみだね』
キリシアがイタズラっぽく言うと
『魔法学院が崩壊するかも・・・』
エミールが笑う
『魔法学院が崩壊?何故?』
『古代魔法を平気で使いこなすからだよ』
『こここ古代魔法!!』
『リベリアに帰ったら、教えてもらいなさいね。ミリアはマルスの弟子にしちゃいますから』
『え?マルスの弟子』
ミリアは驚き、マルスを見る
『ずるい!!マルス師匠の一番弟子は私です』
エミールが言うと
『一番弟子は私です』
リリシャが笑いながら言う
『確かに一番はリリシャだね』
キリシアが笑う
『マルスさんは、そんなに凄いのですか?』
『リベリアで一番に強い』
ルメイルが言う
『マルスさんではなく、マルス師匠です』
エミールが言う
『マルス師匠、お願いします』
ミリアは頭を下げながら言う




