92話 耳鳴り
我は何も知らない。悪くない。
仕事が終わったから戻っただけだもの。
そうしたら、皆が集まっているから、普通は行くじゃないか。
昔のアルバイト先でのこと。
我は別の仕事をしていたのだろう。
事務所に戻るとなぜか皆、隣の会議室(小部屋)に入り込んで話している。
「どーしたの~?」
と入ろうとした瞬間に
ィイイイイーーーンンン‼
入り口で激しい耳鳴りがして思わず蹲った。
何人かが心配して駆け寄ってくれたが、それは本当に一瞬で消えた。
「ああ、大丈夫。この部屋に入った瞬間に気圧かねぇ?すごい耳鳴りがして眩暈おこしたよ」
と照れ笑い。
でも、周りが妙に押し黙る。
ん???
「皆で怖い話をしていたんだ・・・」
「もう~~怖ーい」
とザワザワ。
「もう、○○やめてよ~」
え?我のせいか?
なんか、その場はお開きになる。
我のせいか?
違うダロ
怖い話が耳鳴りを引き起こすのか?
怖い話で何かが寄ってきて、耳鳴りを引き起こしたのか?
(気圧の変化などでの耳鳴りは時々ある)
どっちにせよ、なぜか責められたが、我は悪くなーい!




