49 バイトをしちゃったよ(その9)
早いもので、和菓子屋のバイトも最終日になりました
最終日は日曜で朝からバイトです
朝から晩までの長時間ということで、特別にモナカと、どらやきへのあんこ詰めをやらせて貰いました(喜)
モナカの皮にあんこを詰めるのは大変でした
四角の隅にまであんこを詰めるのに結構テクニックが要ります
慣れるまでに結構失敗しました
えっ?
失敗した分ですか?
もちろんスタッフが美味しく頂きました(笑)
あんこは大鍋で大量に作って3日くらいで消費するそうです
でも最近はお客が多いため、今日の朝、新しく一鍋分作ったそうです
だから多少失敗してもいいよ
そう言われました
やさしさが身にしみます
これはアレですかね?
閉店後、残ったあんこを貰えるってフラグ?
そうだったらいいなー
そう甘く考えてました
来るは、来るくる、お客様!
なぜか?
実は店内で実演販売したからでした!
今日の朝、店に来てみるとショーケースの隣に実演販売場が出来てました
デパ地下で良く見る、透明なガラスで囲われたやつです
中で料理するのが見えるヤツです
なんで?
そう聞いたら、せっかくあんこを詰めるんだから、楽しんで仕事を貰おう!と思ったそうです
実演販売は、昔は結構やっていたそうです
作っている所を見せるだけで飛ぶように売れた、とのことです
最近はお客が少なくなったのであまりしなったけど、最終日なので苦労して引っぱりだしてきたそうです
その心使いが嬉しいですね
頑張りましょう(腕まくり!)
<とある和菓子屋の跡取り娘> 【作者注:レールガンではありません】
「もなか10個!」
「どらやき5個!」
もなかとどらやきが飛ぶように売れてます
なぜか?
彼が作っているからでした
それも素手で!
うちの店では和菓子を作る時は素手で行います
昔ながらの方法です
大体昔は使い捨ての手袋なんて無かったですからね
あっ、そうそう、もちろん食中毒には気をつけてますよ?
男の売り子が目の前であんこを詰める!
料理マンガかドラマくらいしか見られない光景がリアルに見える
おまけに触った和菓子を食べられる!
売れないわけがありません
大行列です
実はおかあさんが昨日、彼がバイトに入る前に、お客さんに宣伝したのでした
さすがにもなかの皮は外注品だし、どらやきの皮とあんこは店主が作る
でもあんこを詰めるのは彼がする
おまけに実演販売で保証付き!
おばちゃんネットワークで即座に広がりました
お客さんが来ないわけありません
おまけに狭い店内にテーブルとイスを置きました
店内で食べられる!、ってやつです
彼のエキスが付いたブツを恍惚の表情で食べるお客様
おなじ女としてちょっと、いや、結構ドン引きです
全部食べ終わるとガッカリ顔
そして行列に並んで買う
素晴らしい?知謀です
使える物はなんでも使う!
わが母親ながら恐ろしいです
そんなこんなで朝から晩まで忙しく働きました
閉店のころになるとあんこが全部無くなってました
って、私、彼のエキスの入ったブツ、一個も食べてない!
なんてこった・・・
orz




