4 夏休み(合宿編)
ストックがなくなったのでいったん完結とします。
ある日、朝起きたら、あべこべ世界になってました
その後。柔道部のキャプテンに助けられた恩を返すために
夏休みにやる柔道部の合宿のためのマネージャをすることになりました(<前話までの話)
マネジをやるので詳しく話を聞きました
毎回、予算が少なくて夕飯がいまいちだそうです
『運動部の女子高生の食欲をなめるな』だそうです
ここでも逆転してました
男子高校生はダイエットのため小食だそうです
味は普通でいいから量が欲しいそうです
「でも空腹と戦いながらの合宿は毎年のことなので仕方がないなー」と部長がトホホ笑いしてます
3年だから過去2回は空腹と戦ったってことでしょう
ちなみに過去2回の様子を聞いてみると
朝は、ごはんとみそ汁と目玉焼き
昼はそうめん
夜はカレー
これが合宿の間の1週間、毎日繰り返される
ついでに量も少ないしで2日で飽きる
最終日には拷問になっているそうだ
「まじで?」
思わず聞き返したら「そうだ」って返事が部長さんから帰ってきた
「あちゃー」
思わず手がおでこにはりつく
漫画でよくあるやつだけど
あきれるとホントにでるんだ…
16年生きていて今知ったよ
しかし「高校生になって料理ができない
いや、御飯がたけて味噌汁が作れて、カレーができるだけましか…」
「面目ない…」
3年なのに大きな身体を小さくしている
「いや、大丈夫です、でも、残したら許しませんよ?」
「絶対に残さない!残すやつがいたら口に放り込んででも食べさせる!!」
叫ぶように返事がきた
いやそれ虐待ですからー
いじめだって問題になりますからー
リアクションまで逆転して、さらに大げさになっているよ
しかし不憫です
ここはなんとかしましょう!!
夏休みが始まってしばらくしてから柔道部の合宿が学校で始まりました
部員の戦場が柔道場ならば、家庭科室が私の戦場です
朝、合宿が始まったので出陣です
自転車置き場にいき顧問の先生から借りた学校所有の自転車で
ちょっと遠くのサトウ(業務用スーパー)へ出かけます
10時の開店とともに冷凍のから揚げやコロッケを大量に買い、自転車の前と後ろにくくりつけます
その後、激安スーパーに行って米と野菜を爆買いです
いそいで帰って、米を研いで、かき集めた炊飯器で10人分のごはんを炊きます
その間にフライパン2つに油をなみなみ入れて買ってきた食材を揚げます
約2時間後、御飯と味噌汁と揚げ物とサラダが山盛りできあがりました
柔道部員達は涙を流しながら食べてます
感動のしかたまで逆転しているとは思わなかった・・・
昼食後、携帯を取り出して電話する
「シカ肉余ってて大変だって言ってなかった?
うん、そう?、だったら頂戴、何時?今?じゃあ貰いに行くね」
知り合いの猟師(成人女性)に電話して肉を予約した後、一声かけて学校を出る
この前シカがとれ過ぎて冷凍庫が一杯になって困っているって言っていたから貰っちゃう
0円食堂だ!
約1時間後、自転車の前かごと後ろにくくりつけられた肉の塊に唖然とする部員
「今夜は焼き肉です」
宣言すると
「「「「「「「「「「よっしゃーーっ」」」」」」」」」
本当にリアクションの逆転がハンパない
硬いからとの理由で肉を叩き叩き叩き
臭いからってことで味噌を塗りたくる
そして焼いて焼いて焼いて出来上がり
柔道部員達は涙を流しながら食べてます
ようやくリアクションに慣れてきて見てもドン引きすることはなくなった
しかし、彼はまだ気がついていない
いきなり『あべこべ世界』になったのならば
いきなり『もとの世界』に戻ることもあり得るってことに
運命の日が刻々と近づいている




