表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/272

39 学園祭に行こう(その3)

「スペシャルメンズセットでございます」


セーラー服にメイドエプロンをつけた女子生徒が皿に乗ったクレープを目の前に置きます





クレープを皿に出す?


最初は何それ?と思いましたが見て納得です


普通サイズのクレープの皮を用意します


そこにイチゴやバナナ、ミカン、キウイ、パイナップルといったフルーツを山ほど乗せます


そして生クリームとカスタードクリームを2色になるよういにホイップ


そして折りたたむ


最後にチョコとメープルシロップを絞り出してデコレート


色々はみ出てますから、そりゃ皿で出しますって!






えー、現在の状況を説明しますね


正門の所でお出迎えをされた後、文化祭を一通り廻りました


特に面白かったものはないからそのへんは省略です


キリスト系の学校なのでそのへんの展示もありました


でもなんのひねりもなく、元の世界と同じでした        【当然です、宗教はイジっちゃダメ!】







結構歩いて疲れたので、生徒会主催の喫茶室で休憩です


なんでも学園祭に誘った友達が一度は来るようにときつく言われてたそうです


食べさせて好感度を上げるんだとか





女子高なんて、クサイ、汚い、騒がしいの三重苦で男子が近寄らない


少しでも男子生徒との出会いを増やしたい


そこで生徒会が先導して涙ぐましい努力をしている真っ最中


今年は来てくれた男性にはクレープ食べ放題だそうです





食中毒が心配?


いえいえ関係者は全員衛生系の講習を受けているそうです


そういえば元の世界では私もモテようと涙ぐましい努力をしてましたっけ


思わず遠い目をしていたらAさんから「どうかした?」と声を掛けられました


イエイエナンデモナイデスヨ





気を取り直して、ナイフとフォークでクレープを食べます


うん、甘い


そしてフルーツの酸味がイイ仕事してます





パクパク食べているとAさんの皿に目が行きました


おおっ食事系クレープです


中身が照り焼きチキンとチーズです


じーっとみていると


「おいしいよ、一口食べる?」


と聞かれたので


「食べる!」


と答えました


そしたらビックリされました


なぜっ?









<Aさんサイド>


今日は天国です!


彼氏ではないけど男と一緒に学園祭を廻るというデート(らしきもの)ができました


生きていて良かった!





ことのおこりは1カ月前です


幼馴染♀が「うちの学園祭に男連れてきて!」と五月蠅かったです


女子高なんてだれもよりつかねーよ!と思ったのですが、


「生徒会の役員になったのでどうしても1人は呼び込まないとぼこられる!」


と必死でした


あまりの必死さに、ほだされて、「努力はする、でも期待はするな」と言ってしまいました


それでダメもとで元マネジに話をする


「行く」との返事


当日になり学園祭に行く


校内の展示や落語や漫才を見て回る


疲れたので休憩のためクレープ食べている ←いまココ





私のところにも注文していにないのにクレープが来ます


もちろん幼馴染の『男を連れてきてくれてありがとう!』って感謝の気持ちです


きちんと肉食系クレープなのが嬉しい


ナイフとフォークで食べているとじっと見られました


「おいしいよ、一口食べる?」


と聞いてみたらまさかの


「食べる!」


の返事


びっくりしました


女の食べかけだよ?


混乱してつい切り分けてフォークに差して、差し出しました


『ぱくっ』されました


あっ私が口をつけたフォークでした!


周りの女生徒からの視線が人を殺せるレベルになりました





私は無事に学校出ていけるのでしょうか・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ