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25 シュールストレミング!

若様は小さい頃に蜂の子の佃煮の洗礼を受けました

あれは見た目が悪くて食べられませんでした

マジ無理です


それを食べた若様はある意味一線を越えてしまってます

その後も外国で動物の脳みそ(某料理マンガでもありました)やイモムシ、サソリ等

いろんな現地の料理を食べました


だから匂いがきついくらいのシュールストレミングなんて初心者レベルになりました

という設定です


死ぬまでに一度は食べて見たいですね

シュールストレミング!

「外に出ろ!」


料理部の部長はそう叫ぶと、自身でも家庭科室から全力で出て行った


叫ぶ口調があまりにも切羽詰まっているのと、猛ダッシュの様子をみて皆が後に続いた


後に残されたのは若様とお付きの助さんと格さんの3人だけだった





少し離れた廊下で部長が立ち止まってこちらを睨んでいた


とりあえず部長のところに全員で集まる


「何が起こったのですが?」


3年生の部員が訪ねると部長が言った


「あれは、たぶんシュールストレミングだと思う・・・」




時間を少し巻き戻す


家庭科室に若様がお付きの助さん格さんを引き連れて入ってきた


なお助さん格さんはあだ名ね?


本名に助も格も入ってないよ?


でも本当にいつでもどこでも付いてくるから付いたあだ名だよ


この世界にも水戸黄門があってよかった


もちろん黄門様達は皆女なのはテンプレだ!




若様が食材を持ってくるのは事前に言っていた


また簡単に食べられるので調理の必要はほとんどないとも言っていた


みな「何かな?何かな?」とドキドキワクワクしていた


なぜ詳しく聞かなかって?


若様威厳ありすぎて聞けなかったんだよ!


顧問が鮭を持ってきたのを見て持ち込みのルールも大体判ると思って部長が確認しなかったってのもある


しかし袋から取り出した缶詰がパンパンに膨らんでいたのを見て部長が『これはまずい!』って判断した


その後、追いついた若様達に確認して部長が正しかったことが明らかになった





結局、料理部たるもの食材を無駄にするのは不可とのことで皆で食べることになった


もちろん校庭で!


新聞紙を敷いて、風に飛ばされないように石で押さえる


その上で、ゴミ袋で作った簡易のエプロンを制服の上から被る


ゴミ袋の中で缶を開ける


もちろん開けるのは若様


自分で立候補?した


何でそんなに大騒ぎするんだ?という顔をして平気で開けていた


高貴な人の考えは庶民にはわかりません(汗)


というか判らない方が幸せかも?




開けた途端に広がる匂い


あまりの匂いに皆が逃げだす


しばらくして匂いがおさまった後、皆が恐る恐る近づく


そして始まる試食会


若様が用意したパン


家庭科室で茹でてスライスしたジャガイモ


キャベツの葉


好きなモノを選んで危険物?を載せる


皆が恐る恐る食べるのに対してバクバク食べる若様


皆の視線に気が付き「どうした?」と問いかけてくる


「匂いがきついんです」


正直に苦手な理由を言った


そしたら若様は不思議そうな顔をした


「わからん?見た目が悪いわけでもなし、味が悪いわけでもなし、ただ匂いがちょっとあるだけだろう・・・」


やっぱり高貴な人は何か違っていた

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