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24 番外編 若様8歳

「はちの子です」


にやにや笑って出してきた


そうきたか





私は一ツ橋柾次、8歳です


当主である母に連れられて信州の山奥にきました


経営危機になった零細企業を救うために合併話が母の会社にきました


お世話になった人への義理もあり仕方なく受けました


最初は倒産の危機から救われるとのことで喜ばれました


しかし、倒産しないとわかると創業300年とか、老舗とか言い出してさらに良い条件を追加しようとゴネるようになりました


完全に舐められてます


義理もありガマンしていると要求がエスカレートしていきます


そして嫌がらせも始まりました


どうりで母だけを湖の釣りへと誘ったわけです





「さあどうぞ、こちらではお祝いの料理です」


セリフは友好的ですが、顔はニヤニヤしています


内心がもろバレです


そこはポーカーフェイスでしょ?


跡取り娘としては残念ですよ?


迷惑をかけられているけど、マジ将来が心配です


「いただきます」


そういって御飯と一緒に食べました


ええ食べましたとも!


初めてでしたよ


あんな見た目の悪いものを食べたのは(涙目)


でも家の看板を背にしょっているんです


弱みを見せることはできません


顔は笑顔、心の中は号泣です


なんて物を食べさせるんだ!




当日は和気あいあいで過ごしました


表面上はですけどね


帰宅後、速攻で母がちくりました


おかげで後日、お世話になった人が頭を下げにきました


ついでに合併話も壊れました


ざまあ!です


その後、もう一度お話を!とかきましたけどね!





今回の頑張りのおかげで婿に来てほしいとの打診がきまくりました


男のくせに根性があって良い!だそうです


そんな褒め言葉、全然嬉しくない!

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