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22 料理部に入ります

「料理部に入りませんか?」


見知らず3年生にいきなり言われました


「は?」


思わず失礼な返事をしてしまいました




高校に料理部なんてなかったはずでは?


ああっ、そういえばこちらの世界?あべこべ世界?に来たのって高校入学して数日後でした


その間に終わっちゃったのかな?       【作者:そうです、すみませんねー手際悪くって(笑)】





そう思っていたら部長は断わろうとしていると思ったらしく説得に来ました


「うちの部は良夫賢父を目指しています。最近ではお米を洗剤で洗う男子が多いと聞きますが、初心者でも大丈夫なように懇切丁寧な指導を心掛けています」


こちらでは『良夫賢父』なんだ


べたなあべこべだ


でも初めて聞いたよ




そう思っていると困惑したと思ったのか


「部長さん、部長さん、柔道部の合宿で作ってくれたお料理、とても美味しかったです」


と、柔道部の部員が何やらフォローしてくれてます


たしかプールのチケットをくれたクラスメイトの佐藤さんです


「そういえばそうでしたね、しつれいしました」


「いっいえっ」


「・・・」


「・・・」


空気が重くなりました


俺のせいじゃないよね?





「ごほん!ウチの部では料理のほかにもクッキーとかロールケーキといった洋菓子も作ります」


部長さんがむりやり話を戻しました


なにやら必死です


「もちろん和菓子も作ります」


スイーツ系の話でグイグイ攻めてきます


「はあっ」


男子は総じてスイーツが大好きです


その弱点を攻めたのですが不発でした


部長は、なぜ?なに?の混乱状態です





「もちろん家庭料理だけでなく、フレンチ、つまりフランス料理といった御馳走も作ります」


気のない返事に、混乱しながらもスイーツ系の話では無理そうだと判ると、次は御馳走系に走りました


非あべこべ世界から来た人間相手に頑張りました


結果、再度の不発でした(がんばれ!)




なにやら周りのギャラリーが固唾をのんで見守っています


空気が重くなってます


完全に見世物になってます




料理部の部長さんの話が途切れた時に


「あのー部活はいいですよ?私、ためし入部でテニス部に入ったのですが、今ではやってよかったと思ってます」


「私もです!」


「私も!」


「つらいこともあるけど、仲間と一緒にやると面白いよ!」


なにやら援護射撃がギャラリーから飛んできました


そんなに雰囲気悪い?


でも俺のせいじゃないよね?ね?





いや断わろうとしているわけではないんですけどね?


どんな部かわからないため返事のしようがなかっただけなんです




「いちおう、先輩達がいろんな業界にいるので食材がオトクに買えるんです」


                        「えっ?」


なにやら食いついてきたのがわかったので部長が攻め込みます




「小麦粉は業務用が袋単位で買えるのでオトクです」


                 「えっ?」


どうやらオトクという言葉に反応するみたいだ、と部長が気が付きました




「顧問の先生が差し入れてくれます


北海道の実家から送られてくる海産物です、オトクですね」



「入ります」




<<<<<<<よっしゃー>>>>>>>>


下心あり(前話参照)のギャラリーは心の中で喝采した

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