冒険48km
PK達を倒した後俺は簡易拠点の中にいた。
前は机と椅子と焚き火しかない簡素な所だったのだがPK達が色々と改造してくれちゃったみたいだ。
例えば椅子代わりであろう丁度良い長さに切られた丸太が置いてあったり、戦利品を入れておく為であろう簡素な木箱が幾つか置かれていた。
木箱を開けてみると中には様々なアイテムがゴチャゴチャと適当に入れられていた。
大半は獲物から剥ぎ取れる素材や粗悪なシャベルやハンマーばっかりだったが一部見たことのないようなアイテムが混ざっていた。
<黄銅鉱>
重量3、レア度2、品質D
古代から最も重要な銅の鉱石鉱物。精錬することで銅を抽出できる。
<錫石>
重量3、レア度2、品質D
古代から最も重要な錫の鉱石鉱物。精錬することで錫を抽出できる。
<閃亜鉛鉱>
重量3、レア度2、品質D
通称「鼈甲亜鉛」。亜鉛を含有している鉱物。不純物を多く含んでいるため黒い色をしている。精錬することで亜鉛を抽出できる。
中に入っていたのは鉱石だった。
PK達が採掘したのかね?
まぁ盗品かな?
黄銅鉱が3つ、錫石が4つ、閃亜鉛鉱が1つ入っていた。
ありがたく全部もらっていきます。
めぼしい物は粗方インベントリに詰めた俺は拠点を出る。
因みに拠点の入り口も持って行くことにする。
なんせ俺の最高傑作だろうし。
そうしたら次にやることは入り口の前の地面を掘る。
掘る、掘る、ひたすら掘る。
道具は<鉄の鶴嘴>と<ボロのシャベル>だ。
<ボロのシャベル>
重量2、レア度1、品質D-
耐久値47/50
古くなってボロボロになったシャベル。ボロボロになり過ぎていてどんな金属を使っているのかわからない程。
流石にボロ過ぎてそのままでは壊れてしまいそうだったので、鶴嘴で硬い地面を砕き柔らかくしてからシャベルで掘るの繰り返し。
どうせ丸一日はデスペナのせいで来れないはずだし、昼までを一旦の目処にして掘り続ける。
まるで人間ボーリングマシーンだな。
掘っていたらシャベルで土を出すには少々深くなり過ぎた。
だいたい広さ1mで深さは2m前後。
これでも良いがもう少し深くしたい。
取り敢えず土の排出方法は後で考えるとして、時間になったのでログアウトしよう。
拠点は片付けてしまったので、いつも通り近くの木の上で過ごすことにする。
そうだ、次の拠点は木の上にしよう。
囲炉裏なんかを作れば木造でも大丈夫なはずだ。
なんせ木と紙と草で出来ていた日本家屋が燃えないのだ、多分いけるだろう。
そう考えつつログアウトする。
昼食後すぐにログインした俺は早速土を穴から取り出す方法を考えるのだが、その前に一つ試したいことがある。
掘った土ってインベントリ内に入れられないのかな?
そう思って土に手を付けると掘って出た土だけ綺麗に消えてしまった。
インベントリを確認すると空いていた一つのマスに格納されていた。
数量が2と書いてあったところを見ると、重さか大きさで収納可能な量が決まっているのだろう。
残土に関しては目途が立ったのでまた掘るのを再開する。
しばらく掘って何とか目標の深さまで掘る事が出来た。
インベントリには土が18マスも入っている。
あれだな、以外と沢山土って出てくるんだな。
それじゃあついでに穴の底に杭を刺しておきましょうかね。
杭は余っている板材を加工して10本程作って埋め込む。
後は外壁をよじ登って穴の上に<ネット>とか葉とかを敷き詰め、カモフラージュの土を盛り完成だ。
ふふふ、なかなか良い出来ではないか。
さてと、拠点の候補地を探しに行きましょうかね。
ついでに目立たない場所に土も捨てたいし。
拠点に適した場所を探して北の森中をくまなく探索する。
取り合えずなるべく大きな木を探す。
自分が見つけやすくなるし、木の上のほうに立てれば下の枝に隠れて前の拠点よりも見つかりにくくなる気がするからだ。
拠点設営の場所を探すついでに見つけた獲物は積極的に狩って行く。
レベリングも必要だからね。
スキル<簡易マッピング>のレベルが上がりました。
北の森を探索していたら<簡易マッピング>がレベルアップした。
まったくこのスキルはレベルを上げ辛い。
もっと簡単に挙げる方法が欲しいものだ。
まぁ、いい。
今は拠点の候補地を探すだけだ。
俺は目的地を探し跳び周る。
2時間程そうやって北の森中を跳び周っているといきなり目の前の木が動き出した。
咄嗟に通過しようとした枝を持ち跳んできた勢いのまま一回転し枝の上に立つ。
あ、危なかった。
このまま跳んでいたら正体不明の木にぶつかるところだった。
ホッと息を一つ吐いたら正体不明の木を観察する。
大きさ自体は周りの木とほぼ同じぐらいで枝には青々と葉が茂っている。
しかし足元を見てみると地面の下にある筈の根が地面の上でまるで足のように地を掴んでいる。
歩行というか這って動いているらしく足音がしなかったのが俺が気がつかなかった理由か。
移動する木か、これは所謂トレントとか呼ばれるモンスターかな?
ここからだと場所が悪くて見えないのだが幹のどこかに顔があるかもしれない。
取り敢えず見つからないように隠れておくことにする。
俺のプレイスタイルは一撃必殺。
弱点も分からない大型モンスターに攻撃しても反撃されて死に戻るだけ。
アイテムロストの危険を冒して挑戦するような事はない。
そういう訳で今回は無視する。
いやはやこんな強敵がいるとは思わなかったよ。
此れからはもっと気を付けて探索しないとな。
トレントらしき木をやり過ごしてから1時間後。
だいたいパリィの村から北西の方向、いつか見た岩山よりの所に探していた拠点候補地が見つかった。
周りの木より頭1つ分ほど大きなそれは太い多くの枝と多く茂った葉のお陰で隠れ家を作るのに絶好な場所だろう。
よし、今から此処を俺の拠点とする。
さて、最初にやるのはこの木の何処に拠点を作るか決めなければなるまい。
登って確かめなければ。
最近<跳躍>のスキルレベルや各種ステータスが上昇してきたせいか幹を使わなくても枝に飛び乗ることが出来るようになってきた。
お陰で登るのが楽になったりスピードが上がって候補地を探すのも容易い。
サクサクっと全体を見て回り大体木の中程にあった太めの枝が2本ほぼ平行に生えている場所にしようと思う。
大体4畳半程の広さの床が作れそうな感じである。
場所が決まったら早速建築に必要な材料の確保だ。
材木はここから少し離れた場所で樵をして稼ぐことにする。
あまり変に広場を増やしてバレるのも嫌だしね。
拠点候補地から東に1km程移動したところで手頃な木を伐採する。
今回は前回の拠点設営と違い床や壁、屋根を作らないといけないからなるべく多く集めておく。
それにしても<鉄の斧>は便利だな。
<石の斧>とは比べ物にならない程早く木を樵ることが出来る。
取り敢えず5本の木を切り倒す。
切り倒したら枝打ちした後3m程の丸太にし、そのまま板材に加工する。
木を5本加工し終わったら流石にジョブとスキルがレベルアップしていた。
ジョブ<労働者>のレベルが上昇しました。
スキル<木工>のレベルが上昇しました。
そう言えば<労働者>はスキル無しでの生産にボーナスを付けるわりにスキルでの生産でもレベルが上がるんだな。
まぁ、そちらの方がレベルが上げやすくていいんだけど。
さて、材料も確保したことだし戻って建築でもいたしましょうかね。
ネーム〈銀狐〉Lv.11
種族 〈エルフ〉
ジョブ〈弓使い Lv.13〉〈労働者 Lv.7〉
ステータス
HP :74/74
MP :74/74
SP :54/54
STR:16
SIZ:11
DEX:40
VIT:5
INT:13
AGI:25
MND:13
LUK:10
LP :0
スキル
〈弓入門 Lv.18〉〈鷹の目 Lv.7〉〈木工 Lv.3〉〈簡易調理Lv.6〉〈視野探索 Lv.6〉〈隠密行動見習い Lv.16〉〈暗殺見習い Lv.15〉〈簡易マッピング Lv.6〉〈跳躍 Lv.7〉<嵐属性初級 Lv.1><回避 Lv.2><調薬見習い>
武器
メイン:〈ノーマーディッシュ・ボウゲン>
├クリバー:〈イェイガー・カルヒャー〉
└アロー:〈石の矢×50〉〈黒熊の矢×1〉〈緻密な石の矢 ×12〉
〈緻密な石の矢(劣化2) ×26〉
サブ1:〈ツインクロスボウ Mk-Ⅱ〉
├クリバー:〈ボルトストッカー〉
└ボルト:〈鉄のボルト×28〉<石のボルト×50>
サブ2:〈クリス・オブ・ホーク〉
サブ3:〈鉄のダガー〉
その他:〈初心者のナイフ〉〈木の銛〉
防具
頭:〈皮の帽子〉
体:〈イェイガー・レーダーブルストン〉
腕:〈イェイガー・レーダーアルムシュッツ〉
手:〈鹿の騎射がけ〉
足:〈イェイガー・レーダーホーゼ〉
靴:〈イェイガー・レーダーシュティーフェル〉
装飾品
無し
その他
〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈石の斧〉 〈鉄の鋸〉 〈鉄のつるはし〉 〈鉄の鑿〉 〈鉄の斧〉 〈粗悪な松明 ×3〉〈初心者の調薬セット〉〈初級グリーンポーション ×2〉〈初級ブルーポーション〉




