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Free World Frontier  作者: シバケン
パリィの村
23/79

冒険18km

銀狐がピンチ!?


保存が上手く出来ていなかったみたいです。

すいません。

 いつものように朝食を食べた後ログインする。

 ゲーム内は朝方になっている。

 今回もまた生き残ることが出来たようだ。

 どうやら木の上は安全地帯の可能性が出てきたな。

 でも、やっぱり運が悪いと死に戻るんだろうな。

 そんな事を考えながら木から下りる。もちろん下の安全は<狩人の眼>で確認済みだ。

 下りた後は朝食の準備だ。

 本当は洞窟みたいに安全な場所を探すべきなのだろうが、空腹メーターがそろそろ危なくなってきているので仕方がない。

 とりあえず火を起こさないといけないのだが、残念なことに火打石のような便利な道具など持っていない。

 ないのならいつも通り作るだけである。



 今回作るものは、ユミギリ式火起こし器だ。

 本当はマイギリ式火起こし器を作りたいのだが、フライホイールを作るのに時間がかかりそうだったのでユミギリ式にしてみた。

 マイギリ式のほうが確実に使用体力が少ないだろう。現実でもゲームでも。


 そんな事は置いておいて、早速作っていく。

 今回作るユミギリ式はとても単純な構造をしている。

 まず、摩擦を起こすための火きり板と軸棒、それに動力を伝える弓、さらに回転する軸棒を支えるためのハンドピース、そして火種の火を大きくするための着火剤。

 この4つを今ある材料で工夫しながら作っていく。

 まず、弓からだ。

 弓は、一般的な弓とは違い真っ直ぐな棒の両端に縄をくくりつけるだけで良い。

 そこで、いつもお世話になっている<木の棒>を3分の1程度の大きさに切って、その両端に<空蔓>を括りつける。

<空蔓>は意外と丈夫だから何とかなるだろう。

 次に軸棒だが、先端の火きり杵には枇杷びわや樫などがいいらしいが、そんなものは持っていないのでそのまま<木の棒>を細く削るだけにする。しかたないね。

 ハンドピースは<木の枝>の太い部分を輪切りにして、中央付近に軸棒がすっぽり入るだけのくぼみをナイフで削るだけだ。

 同じように火きり板も<木の枝>の一番太い部分を平らに削って、くぼみとV字の切れ込みを入れるだけだ。

 最後に着火剤だが、<空蔦>の繊維を細かくほぐしたものと、加工のときに出た木屑を組み合わせることにした。

 上手く点けばいいが、まぁそこはゲームだから何とかなるだろう。

 そうして完成したのがこれだ。



<火起こし器>


 重量2、レア度1、品質C


 銀狐作の火起こし器。ユミギリ式で、作動にはSPを消費する。



 うん、説明文にも書かれているように、SPを消費すようだ。

 俺はSPを余り育てていないため少しきつめの作業になる予感がする。

 まぁ、そんな事を言っても始まらないし、さっさと火を起こして昼食にしよう。


 ユミギリ式火起こし器の使い方はとても簡単で、軸棒を火きり板のくぼみにあてがい、弓の紐を軸棒に二回ほど巻きつけたあと、左右に動かすだけでいいのだ。

 このとき軸棒が倒れたり、火きり板のくぼみから出ないようにするのがハンドピースの仕事だ。

 というわけで実践するのだが、これが意外とSPを消費する。

 大体2~3秒ごとに1消費するのだが、大体30程しかない俺のSPだと1分持てばいいほうだろう。

 がんばって弓を左右に動かすのだが、なかなか火種は出来そうにない。

 なんとか1分以内に作らないといけないので、作業スピードを上げてみる。



 何とかギリギリ1分でV字の切れこみにたまっていた黒いおが屑から煙が昇り始めた。

 それを急いで着火剤の中に入れる。

 あとは、火種を中に入れた着火剤にやさしく息を吹きかけるだけで良い。

 このとき手に持っていたり、顔を近づけすぎたりするといきなり燃え出した火で火傷をする危険があるから注意しないといけない。

 今回は地面の上に置いているので大丈夫だろう。

 少ないSPを駆使して息を吹きかけ続ける。

 まさかこんなところでもSPを使うとは思わなかった。

 がんばって息を吹きかけ続けると、本当にいきなり火が上がった。

 少し驚きつつも、この火を消さないようにそこら辺の木の枝を使って焚き火を作っていく。




 そう時間もかからずに焚き火が完成した。

 ゲームって便利だな~と適当に思いつつ、料理の準備を始める。

 今日の料理は昨日取った魚を串焼きにしようと思う。

 串焼き以外作れないのは、調理道具を持ってないからだ。

 そろそろ、村で鍋を追加購入しないとな。

 ちなみにインベントリに入れておけば食材の鮮度の落ちが遅くなるため、肉でも魚でも持ち運びが簡単なのだ。

 さすがゲーム、都合が良すぎる。


 キャンプ等でお馴染み(?)の串焼きの作り方はそんなに凝っていないので簡単に作っていく。

 まずは魚の肛門からエラまでをナイフで切り開き、内臓と背骨近くにある血合いを取り除く。

 本当はここで塩をまぶすのだが、残念なことに塩等の調味料は高めに設定されているので買えなかったのだ。

 そしてメインの串刺しだが、よくテレビで見るようなS字を描いたような刺し方はしない。

 あれは刺すのが大変だし、火加減が難しくなるのでやらない。

 というわけで、普通に刺していくのだがエラから背骨側に刺した後背骨尾を巻きつけるように刺すと焼いている時や食べるときに崩れにくくなるのでお勧めだ。

 とりあえず刺し終わったので焼き始めることにする。

 立てる場所は焚き火から少し遠めの場所にする。

 こうすることで、外はパリパリ中はふんわりという理想の焼き加減になるはずだ。






 焼きあがったのは15分後だった。

 完成したのはこれだ。



<焼き魚(黒岩魚)>


 重量1、レア度2、品質C


 AGI+10%上昇10分


 銀狐作の焼き魚。黒岩魚の焼き魚。油が乗っていておいしい。



<焼き魚(極彩虹鱒)>


 重量1、レア度2、品質C


 DEX+10%上昇10分


 銀狐作の焼き魚。極彩虹鱒の焼き魚。皮がパリッとしていておいしい。



 というわけで焼き魚が完成したのだがどうやら魚によって効果が違うようだ。

 でもとてもおいしそうなので些細なことは気にしない。

 早速一口食べてみる。

 皮がパリッとしていて肉汁がジュワッとあふれ出す。

 焦げ目が香ばしく肉汁がジューシーでとてもおいしかった。

 このゲームを始めてからおいしいものを食べてばかりいる気がする。

 さて、残りの焼き魚を食べよう。






 ふぅ、全部旨かった。

 しかも、空腹メーターの回復率もかなり良かった。

 これを主食にすればかなりお得な気がする。

 でも、今はこの森の拠点になりそうな洞窟を見つけないといけない。

 仕方がないので今回は諦めよう。

 ほんとうに地図が欲しい。

 死に戻ったら紙とペンでも買って自分なりの地図を作ろうかな?

 そういうわけで昨日と同じく岩山を目指す。

 昼までにはつけないだろうな。






 うん、予想通り岩山にはたどり着けなかったが、洞窟は発見できた。

 森の中にあった小さながけの中央に人一人が十分に入れそうな大きさのものがぽっかりと口をあけていた。

 すぐさま中を探索したかったのだが、残念なことに昼食の時間になってしまったので、近くの木の上に避難する。

 帰ってきて死に戻ってなかったら中を探索しよう。







 味気ない昼食を食べ終わった後そうそうにログインした。

 ゲーム内では夜だったようで、視界の中に入った空は星空が広がっていた。

 はぁ、現実逃避はやめよう。

 死に戻ってはないんだけど、残念なことに俺は囲まれていた。

<狩人の眼>の「診断」を使っても種族名が出てこないのでまだ狩った事のない、何かしら5体に囲まれているのだ。

 正確に言えば、俺が今上っている木を囲んでいるので直接的な被害がないのだが。

 でも下りられないのは困るので、さっさと駆逐してしまおう。

 とりあえず、敵の姿は見えないので、<狩人の眼>の表示の下辺りを狙う事にする。

 あたればラッキー程度にかんがえよう。

 使用する矢はいつも通りの<石の矢>にする。

 これが一番安定だよね。

 適当に狙いを定めて放つ。

 鋭い一撃は、獲物を求めて飛んでいく。


 ギャンッ

 何の鳴き声かはよく分からなかったが、表記HPと鳴き声から矢が命中したことだけは分かった。

 表記HPが黄色に変化したところから相手のHPを半分削ったんだろうが、今まで一撃で倒してきたことから考えれば、今回囲んでいる敵が今までの獲物よりも明確に強いことだけは分かる。

 もしくは、単に急所に当たらず、脂肪や皮が固い場所に当たって本来の威力が出なかっただけかもしれないが。

 でも生き残ったのは事実なので、第2射を準備する。

 仲間が傷ついたためか、下の様子が少し慌しくなるがあまり関係ない。

 少し矢が当てづらくなるだけだし。

 第2射はさっきよりもしっかりと狙いをつけて放つ。

 矢は敵の予想到達地点へ向かって飛んでいく。


 声はしなかったが、表記がいきなり消えたのでちゃんと命中したようだ。

 意外と何とかなるものである。

 仲間がやられたのに逃げていかないのを見ると、相当仲間思いなのか馬鹿なのか判別がつかないが、厄介なことだけは変わらないので殲滅してしまおう。






 殲滅するのに結構時間がかかった。

 確殺には絶対に2発必要だったし、動き回るから当てるのが難しかった。

 とりあえず、殲滅している途中にレベルアップしたらしいので確認しておこう。



 ジョブ<弓使い>のレベルが上がりました。新しいアーツ<ハイアングルショット>を覚えました。


 スキル<弓入門>のレベルが上がりました。


 スキル<狩人の眼>のレベルが上がりました。


 スキル<発見>のレベルが上がりました。


 条件を満たしたので新しいスキル<ロックオン>が入手できます。


 スキル<隠密行動見習い>のレベルが上がりました。


 スキル<暗殺見習い>のレベルが上がりました。



 ということで大量レベルアップを果たしました。

 あの敵はかなり良い経験値を持っていたようだ。

 てか、北の森の敵は経験値多くない?

 もしかして今来るべきではなかったのかな?


 とりあえず、新要素はこんな感じだった。



<ハイアングルショット>:山形を描き敵の頭上に命中するショット。消費SP35、クールタイム30秒。


<ロックオン>:敵一体をロックオンすることが出来る。一部の遠距離攻撃は自動追尾できる。



 うん、使いどころが難しいアーツとスキルが手に入った。

<ハイアングルショット>は説明を見る限り外でしか使えないだろうし、相手が動いたらあたらないんだろうな。

<ロックオン>は敵を一体しかロックオンできないし、敵の弱点を付けないっぽい。

 でも、使い方を間違えなければ強いスキルだろう。

 ましてや、<ロックオン>の自動追尾が<ハイアングルショット>で有効な場合、かなり強いアーツになるんじゃないか?

 まぁ、たぶん無理だろうけどね。


 確認が終わったので、木から降りて戦利品を確認しに行こう。

 ちゃんと下に敵がいない事は確認済みである。

 下には5体の狼らしき死体が下にあったでさっさと剥ぎ取る。



<灰色狼の毛皮>


 重量2、レア度2、品質D+


 グレーウルフの毛皮。硬く保温性に優れるため良く防具の内張りに使われる。



<灰色狼の牙>


 重量1、レア度2、品質D


 グレーウルフの牙。鋭く丈夫なので武器に利用される。



<灰色狼の爪>


 重量1、レア度2、品質D+


 グレーウルフの爪。鋭くはないが刺すことに特化している。



<灰色狼の骨>


 重量1、レア度2、品質D


 グレーウルフの骨。使い道は余りない。



 どうやら敵の名前はグレーウルフというらしい。

 アイテム自体は爪以外は入らない気がする。

 まぁ、帰ったらスミスのところで売り払ってしまおう。


 さて、さっさと洞窟探索に行って見よう。

ネーム〈銀狐〉Lv.6

 種族 〈エルフ〉

 ジョブ〈弓使い Lv.8〉<労働者>

 ステータス

 HP :66/72

 MP :33/74

 SP :38/44

 STR:13

 SIZ:9

 DEX:27

 VIT:7

 INT:13

 AGI:16

 MND:13

 LUK:8

 LP :0

 スキル

〈弓入門 Lv.9〉〈狩人の眼 Lv.13〉〈木工見習いLv.4〉〈簡易調理Lv.2〉〈水属性入門Lv.5〉<風属性入門>〈発見 Lv.10〉〈隠密行動見習い Lv.4〉<暗殺見習い Lv.2>

 武器

 メイン:<樫の弓><石の矢×3><鹿角の矢×5>

 サブ :<初心者のナイフ><木の銛>

 防具

 頭:<無し>

 体:<初心者の革鎧>

 腕:<初心者のレザーアームガード>

 手:<鹿の騎射がけ>

 足:<初心者のレザーグリーブ>

 靴:<初心者の革靴>

 装飾品

 無し

 その他

 〈初心者の鍋〉〈初心者の鑢〉〈初心者のグリーンポーション〉

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