ガベージブレイブ(β)_087_その後のみんな
新作『悪役でも追放でもましてや婚約破棄でもない、ちょっとだけ性格が悪いけど少しだけやさしい転生王子のきままなライフ』始めました。
「皆、よくやってくれた! これは、俺からの気持ちだ。たらふく食べて飲んでくれ!」
クソジジィを倒した俺は、宴会を開いた。
俺をあのボルフ大森林へ捨てたクソジジィを、異世界へ追放したことで俺の復讐の大方は達成できた。
残念なのは、クソジジィを操っていると思われる存在に、何もお返しができていないことだろう。
まあ、そいつのせいで俺が捨てられたのか、それは分からない。こんなことなら、クソジジィに聞いておけばよかった。後悔先に立たずとは、よく言ったものだ。
「ご主人様! たくさん食べていいのですか!?」
「もちろんだ! カナンはよく俺を支えてくれたな! 腹を壊さなければ、どれだけでも食え!」
「はいなのです!」
赤毛を揺らして嬉しさを体中で表現するカナン。初めて会った時は、精神崩壊を起こしていて、まともに喋ることさえできなかったが、可愛らしい笑顔を取り戻せて、俺は幸せ者だ。
「ご主人様。おめでとうございます」
「おう、ハンナもよくやってくれた。感謝しているぞ」
最初に会ったのはアリーのメイドとしてだった。サーニャを人質にされて、俺のことを殺そうとしたが、ハンナもまた被害者だった。
ハンナとの出会いがなければ、俺はサーニャ(歩)と出会うことはなかったはずだ。その機会を与えてくれたハンナには、とても感謝している。
「このハンナ、命を懸けてご主人様にお仕えする者として、当然のことをしたまでです」
「俺に仕えるのではなく、俺の妻だろ。ハンナは俺の大事な家族だ」
「ご主人様……」
目を潤ませるハンナが顔を逸らす。美人の涙というものは、とても美しいな。
「お兄ちゃん。これからどうするの?」
「そうだな……。まあ、気楽に暮らすさ」
幸いなことに金には困っていない。好きな料理をして、皆と楽しく暮らせればいいと思う。
「だったら、料亭でもしない? 私が女将するから!」
「お、いいな。俺が板長だな!」
フランス料理や中華料理、イタリア料理と色々美味しい料理はあるが、やっぱり日本料理が一番だ。俺の包丁さばきによる料理を、皆に食べてもらおうかな。
「ツクル。私は早く子供がほしい」
「アンティアは相変わらずだな。そういうのは、授かりものと言うだろ」
アンティアが俺についてきた理由の一つが、子供だ。俺との間になら、優秀な子供が作れるとおもったらしい。
「ツクルさん、私も子供がほしいです」
「あー、なんだ、アンティアにも言ったが、子供は授かりものだ。そのうち皆に子供ができると思うぞ、アリー」
伯爵が子だくさんになったこともあり、アリーが伯爵家を継ぐ必要はなくなった。アリーが俺のところにきた当初は、俺とアリーの子供に伯爵家を継がせたいと言っていたが、いまじゃ片手の指の数ではきかない子供がいる。
アリーやアンティア、それに他の妻たちには、いずれ子供ができる。できなかったら、オークジャーキーでもなんでも食って子供を作る。
「ツクル君。これで静かに暮らせるね」
「おう、クソジジィを追放したから、少なくとも世間は静かになると思うぞ」
「そうじゃなく、復讐は終わったから静かにくらしましょうってこと」
「そうか。まあ、復讐は終わったからな。その点は静かな暮らしになると思うぞ、一ノ瀬」
戦いは一ノ瀬に似合わない。だが、俺と共に生きるには、戦いは避けて通れなかった。それもクソジジィを追放したことで、終わりだ。
一ノ瀬らしい、静かな暮らしをしてもらえればいいと思う。
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