388話英雄の帰還
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どこかの森の奥……ボロボロな服の男がゆっくりと歩いていた。
「俺は……本当に何をやってるんだ……」
未だに消えない感触。この手で確かに大切な友の命を奪ってしまった。
「カラミィ……俺はどうしたら」
そう呟いて地面に膝をつく。それに自らの身体もそこまで長い時間は持たないだろうと言うこと自体もわかっている。
このまま朽ちてしまうのだろうかな、と思いながら座り込んでいると頭を叩かれたような感覚が走る。
『いつまで落ち込んでる?お前は結構ポジティブな奴だったろ。最後まで、他人のことを考えるような』
どこからか声が聞こえた。慌てて周囲を見渡すが、誰も見えない。
「お前なのか、姿を見せてくれよ。なぁ、カラミィなんだろ?」
『もう死んでいるからな、そこまでの力が残ってない。だけどな、最後に声を届けることぐらいは出来る』
見えなくても近くにいるような気がした。地面に落ち込んで座り込む自分に声をかけてくれている。
昔を思い出すようだ。あの時は、確か自分が落ち込むカラミィに声をかけたことがあった。
「俺はどうしたら良いんだろうな?」
『知るか』
思ってもみない答えが返ってきて驚いてしまう。
「そんなのありかよ。このまま死ぬかもしれないぜ?」
『それでも良いんだよ。お前は十分苦しんだろ?もう十分頑張った。だから、このまま眠っても構わないんだ』
その言葉を聞いた瞬間、男は……マサトはゆっくりと立ち上がった。
「なぁ、カラミィ。待っててくれないか?ちょっと用事を済ませて来るからよ。そしたら一緒に逝こう」
『ああ、待ってるよ』
カラミィの返事にマサトは微笑みながら歩み始める。
「最後の力で、王国をみんなを守ってみせる」
決戦の地、アルセンティア王国に向かうため歩き始めた。
『帰ってきたな、私が恋した英雄が……』
身体に残る最後の力を振り絞り、救国の英雄マサトが立ち上がった。
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