386話共闘と到着
「さあて、いくぜ。ステータス外スキル」
ナイフを構えるシャンが、そう言いながらベルゼに飛び込む。
「愚かな、ワシがお主のスキルごと、食らってやろう!」
「食えるもんならなぁ!」
と言いながらシャンは止まらない。笑うベルゼに対してナイフを突き立てる。
「スキルを食えぬじゃと?」
「そりゃあ、本物じゃねーからな!さーて、切り裂いてやるぜ」
ナイフで闇を切り分けてシャンが進むがベルゼが攻撃を放つ。
「じゃが、所詮は雑魚じゃの。奪うまでもないか」
ベルゼの闇の攻撃にシャンが倒れるが、直後に分身したシャンが10人ほど現れる。
「なら、何度でもやってやるよ!少しでもお前の妨害をするって決めたからなぁ!」
「シャン……あんなに分身を出せたのね。あれが本来の力ってわけか」
マグノリアが呟く。洗脳されていた時のシャンの戦いは、本来と比べれば大したものではなかったようだ。
1人距離を取ったシャンが、マグノリアとエリアスの近くに着地する。
「たくっ、魔法が使えないんじゃ厄介すぎるだろ。立てるかエリアス?いきなり馴れ馴れしくて悪りぃがお前じゃないと効果的なダメージを与えられそうにない」
「力を貯めるからもう少し時間を稼いで」
と言いながら、エリアスは足に力を込めながらアイテムボックスから出した剣を口に咥える。
「腕を怪我してるけどいけるの?」
というマグノリアの問いに頷いて答えた。
「マグノリア、リータ!援護しろ。思ったよりも保たねぇ」
と言いながら、シャンの分身がベルゼに立ち向かう。シャンがステータス外スキルで自分の分身をひたすら出しているが、それもベルゼが相手ではあっさりと殺されてしまう。
「魔法を撃てば吸収される、僕じゃ物理攻撃は出来ないし……」
リータやマグノリアの攻撃では逆に力を与えることになってしまう。
「リータ、重力魔法で攻撃しなさい!」
と言いながら、マグノリアは魔法で岩を持ち上げてベルゼにぶつけようと飛ばしている。
「色々と頭を回さないとな!」
とリータも言いながら、魔法を発動するのだった。
エリアスは、両足に力を込める。そして、全身に雷魔法を使う。瞳は、ベルゼを見据える。
雷速……神獣の一閃!
次の瞬間、エリアスは周囲にいるものの視界から消えた……否、見えなくなったのが正しいが動きを誰も捉えられなかった。
「シャンよ、分身が少なくなってきたのぉ!予想外を楽しめたがそろそろ終わりじゃわい」
「分身じゃねーよ、本物もわからねーのか!やっぱりジジイだな」
とシャンが挑発する。
「馬鹿め!わざわざ出て来おって」
シャンのステータス外スキルにも限界が来ていた。そのため、自らがベルゼの前に立った。シャンの息の根を止めようとベルゼが拳を振るうがそれをシャンは後ろに下がって躱す。
「馬鹿かどうかは俺が決めるんだよ!」
とシャンが大勢を低くした上を、とてつもないスピードで何かが通り過ぎた。
「な、なんじゃ!」
ベルゼさえも驚くスピードエリアスが、口に咥えた剣を振るって通り過ぎた。
そのまま、エリアスはバランスを崩して倒れ込む。見つめる先には、腕を斬り飛ばされたベルゼが立っているのだった。
「逸れた……」
「驚いたのぉ。ワシにもそのスピードが見えんかった。じゃが、身体が無意識に危機から逃れたようじゃの」
と言う。それに少しずつではあるが切った腕が戻りつつある。
「ちっ、やっぱ人間じゃねーな」
とシャンが吐き捨てる。
「ワシこそ、至高の存在じゃ。さあ、本当に終わりじゃ。少し遊びすぎたのぉ」
ベルゼが膨大な闇の光線をエリアスとシャンに向かって放つ。
「結界魔法!」
エリアスの前に立ったマグノリアが結界を張って攻撃を防ぐが、すぐに結界にヒビが入り始める。
「こっちも精一杯!」
リータもシャンの前で結界を張るので手一杯だ。長くは保たせられそうにない。
「ボロボロじゃな、さらばじゃ!」
ベルゼがさらに攻撃の勢いを強め、マグノリアの結界が砕ける。マグノリアがエリアスを庇うように抱きしめた直後……
「マジックボックス、形状変化、盾!」
ベルゼの攻撃を防ぎ切る。
「もう来おったか……」
「やっと追いついた、無理させてごめん」
とエリアスに声をかける。
「ううん、私は信じていたから」
と言うのを聞きながらレンは、前に歩みを進める。
「決着をつけよう、ベルゼ」
と言い見据えるのだった。




