385話不屈の心と助力
「神獣の鎖!」
鎖によってエリアスはベルゼを拘束する。少しでも動きを止めるこの1秒1秒が勝ちに繋がるのだ。
「そんなことをやっても、大して変わらぬぞ。まだレン・オリガミはディザスター苦戦しておる」
「レンなら絶対に来る!私は、諦めたりしない」
レンを信じているエリアスにとってベルゼの言葉など無意味だ。
「ならば、さっさとお主らの首を取ってあやつに見せつけてやろう!」
ベルゼが逆にエリアスの使う鎖を引く、とてつもない力に引かれたエリアスは宙を舞う。
「装備変更、大剣!」
武器を変えてベルゼに叩きつけるが、ベルゼも易々と受け止めてみせる。地面には、衝撃でヒビが入るが大したダメージを受けていないベルゼの頑丈さが見える。
「ふんっ」
大剣ごとベルゼがエリアスを投げ飛ばしエリアスは、飛ばされるも着地する。
「強い……」
「お主もなかなかの実力じゃな。じゃが、勝てぬ。諦めるのじゃな」
ベルゼが拳に闇を纏いながら言ってくる。
「私は、諦めない。絶対に、何がなんでも!ここは通さない!」
今もルティアやミラは魔人と戦っているだろう。ここを通すわけにはいかない。
「ならば、ここで終われ。カオスマジック、フォールン!」
「あの技は!」
大切な人を奪っていった混沌の魔法。不味いとわかる。
「チリとなって消え去れ、エリアス・ミリー」
膨大な闇が迫ってくる。避ける余裕すらない。
「フェンリルの咆哮!はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
膨大な闇に光が立ち向かう。エリアスの全力の一撃だ。
「まだまだ諦めんのかのぉ?無様な姿になったの。レン・オリガミとお似合いじゃ」
「まだ、まだ……」
エリアスにはかなりのダメージが入っていた。あの闇を全て吹き飛ばすのは難しく、自らの身体を盾にするしかなかったのだ。
「ならば、腕じゃな」
素早いスピードで闇が、エリアスの右腕を撃ち抜く。
「きゃあ!」
声を上げて、エリアスは剣を取り落とした。
「反対もじゃ」
「あぁぁぁ……」
左腕も闇に撃ち抜かれて、だらんと垂れる。地面に膝をつきながらもその目はベルゼを見据える。
「諦めるか……そうか、ならば終わりにしよう。もうそろそろその姿も限界じゃろう。神獣の力なくば我が暴食の力からは逃れられまい」
ベルゼが手を突き出して、構える。
「終わりじゃ。カオスマジック、フォールン!」
エリアスに向かって闇の攻撃が向かう。意を決したエリアスが動こうとした時に、
そこに新たな乱入者が現れた。
「カウンターシールド」
エリアスの前に魔法の壁が現れて、闇をベルゼに向かって跳ね返す。
「ぬ!」
自らの攻撃を受けながらベルゼが驚く。
「おお?後ろがガラ空きだぜ、元帥殿!」
「貴様!シャンか」
シャンがナイフを振り下ろすのをベルゼは闇で受け切る。さらに闇でシャンに攻撃しようとするがシャンは、姿を消した。
「エリアス、私達も加勢するわ」
エリアスの隣にはマグノリアが立っていた。
「マグノリア、リータは?」
エリアスが聞く。
「ええ、この通りよ」
とマグノリアが指し示す所には、リータが立っていた。
「まさか、裏切ったのか。リータよ。そのはずはない」
ベルゼが声を上げる。
「裏切る?最初から僕はお前の仲間じゃなかった。よくも、ここまで酷いことをしたもんだな」
と杖を構える。
「先程の反射の魔法、お主の技じゃな?リータ」
「ああ、ベルゼ。その通りだな」
リータの隣にシャンが立ちながら答える。
「お主まで、洗脳を解いただと……」
「お前の攻撃を止めるために、命をかけた英雄が最後の力で消してくれた。英雄の想いに応えるためにもお前を倒す」
「俺もたっぷりとお礼をしたいからなぁ」
リータとシャンが構える。
「私達も多くの罪を犯したわ。だから、出来ることがあれば少しでも役に立たないとね」
マグノリアも杖を構える。
「なるほどのぉ、じゃが多少数が増えても変わらん。まとめて殺してやろう!」
ベルゼが闇を放出するのだった。




