366話これからと打倒に向けて
崩壊した魔王城の周辺にあるテントまで戻ってきたレンは、何をしているかというと食事を始めていた。
「とりあえず、元気を出さないと……」
食べ物を口に詰め込んでいく。
『スキルのインストールも並行して行っていきます』
ベルゼにスキルを喰われてしまったため、再びスキルを取り直さなければならない。スキル自体に熟練度なんかが有れば厄介だなと思いつつもスキルがあるだけマシだろうと考える。
「顔色も良くなってきてる、良かった」
とエリアスの声が聞こえる。さっきまでの自分は自分でも思うが酷い顔をしていた。エリアスには、心配をかけたことだろう。
「お互い色々あったもんだよね〜。ここに来て急展開すぎるよ」
同じく、ご飯を食べているミラがボヤく。その周囲には、魔法の玉が浮かんでいた。
「ミラ、食事中に魔法を使いません!」
「エリアス……、なんかお母さんみたいだね〜」
と言いながら、ミラが魔法を消す。
『ミラ・タカミヤ、称号《大賢者》を確認しました。急激な変化が起きています』
「そうだね、ナビゲーターさん。ミラ、そっちでは何があったんだ?」
とレンが聞き、ミラが説明するのだった。
「カラミィさんの力を引き継いだわけか」
「そうそう、こんな形で引き継ぐのは悔しいけど。まあ、強くなったはなったね」
と答える。たしかに、先程の魔法の発動には、これまでの様な無駄がなかった。
「どれくらいやれそうだ?」
「うーん、ベルゼをぶっ飛ばせるかなぁ?」
とミラが答える。互いに冗談であることは分かっているが、
「スキルを食べられて終わりよ!あんなのどうやったら倒せるのかしら?」
とやってきたルティアが言うのだった。
「レン、元気かしら?元気って聞く方が無理があるかもしれないけど」
とルティアが聞いてくる。彼女もレンのことを人一倍心配していたのだ。
「俺は、大丈夫だ。怪我を治してくれてありがとう」
「そう、なら良いわ!後でたっぷりとお礼をもらうから!」
とドヤっとこちらを見るルティアにレンは、心が暖まるのを感じた。
「なら、今あげるよルティア!ほいっ!」
突然立ち上がったレンが、ルティアを抱きしめてグルグル回る。子供と遊ぶ親の様だ。
「ちょっ、恥ずかしいわよ!」
とルティアが言うのだった。
「さて、これからどうしたものかなぁ」
食事を終えて、レンは伸びをする。いきなり、ベルゼに挑んでもどうにもならない。
「打倒ベルゼ!そのためにもさらに強くならないと」
ミラが、拳に力を込めて言う。
「私も、聖女の力を高めれば……」
ルティアもパワーアップを考えてる様だ。
「鍛えるなら、魔王領の強い魔物が良いかもね!」
「ああ、なんならレベル最大まで行ってみようかな」
エリアスの言葉に、レンは頷くのだった。




