340話対サジャードと鎖
「よし、2体目!」
エリアスが龍の首を剣で切り落として離れる。絶命した龍は、そのまま地上に落ちていき下にいる魔物達を下敷きにする。
「エリアス、後2体だな!このまま押し切れるか?」
「大丈夫!このまま残りを倒す」
龍を切り捨てながらアンナが声をかけ、エリアスが答える。まだまだ余裕だ。フェンリルの加護にレンの加護の力、両方を扱えるエリアスにとってはもう黒龍など相手にならない。
「でも、鬱陶しい!」
エリアスに狙いを定めて飛行型のキメラが攻撃を仕掛けてくる。エリアスは、剣でそれを貫きながら声を上げる。
まだアイリが注意を引いて粘っているがどこまで持つかはわからない。
「エリアス!何か向かってきてるぞ。まさか、あいつじゃないか?」
「……ん、そうみたいだね。こうなったら、龍どころじゃなくなる。私が相手をするから、アンナとアイリに龍を任せていい?」
向かってくる敵が誰かは良くわかっている。自分が最も嫌悪する相手だ。
「わかった……こちらも出来れば援護に向かうからな!」
とアンナは、龍の方に向かって飛ぶ。
「アヒャハハハ!久しぶりですね、この前の続きといきましょうか!今度こそ、貴方を絶望に落としてあげましょう!」
「私は、負けない。レンが、みんなが支えてくれているから。負けられない!ライトニング!」
サジャードがエリアスに剣で斬りつけようとするのをエリアスも剣で対抗する。
「大剣……」
スキルにより武器が瞬時に変更され、重たい一撃がサジャードに叩きつけられた。直後、重い攻撃にサジャードが地上に吹き飛んだためエリアスは、それを追撃する。
地面に落下したサジャードであるが、そこまでダメージを受けたというわけでなく。すぐに起き上がって剣を構える。
「ヒャハハ!面白いですねぇ、会うたびに強くなっていく。こちらも上げていきますよぉ」
「細剣!」
何度も何度も金属同士がぶつかる音がひたすらに響く。お互いに一歩も引かない戦い。これが敵同士の戦いではなく、武道大会であれば大称賛ものだろう。
だが、ここは戦場。命の奪い合いだ。一瞬の油断が自らの人生を終わらせることになる。
「良い、良いですねぇ!シシシィィィ……このような者と戦えるとは、やはり狼人族の村を滅ぼしたのは間違いじゃなかった!」
「何が言いたいの?」
「簡単ですぉ、狼人族の村を焼いた私の行いは正しかったんです!こうして良いこととして返ってきてるんだからぁ。イヒヒヒ」
狂人が笑う。
「絶対に許さない!お前は!お前だけは」
エリアスが纏う雷がより一層強さを増す。
「冷静さを欠けば思う壺ですよぉ〜アヒャハハハ!」
サジャードは、わざとエリアスを怒らせようとしている。家族を殺したことをここまで話せば当然ながら怒るだろうと
そして、エリアスを殺す大きな機会になると
そして、サジャードがエリアスに向かって突っ込もうと思った瞬間……
ジャラジャラ……
音がなる。気がつくと、自らの足に鎖が絡まっていた。
「はぁ?」
鎖の出所を辿ると、近くの大木を経由してエリアスにあった。
「神獣の鎖!」
エリアスが鎖を思いっきり引っ張るとサジャードの身体が浮いて、木に激突する。さらに身体の上に鎖が巻かれ木に拘束された。
「まさか、怒りながらも冷静……」
「喰らえ、雷速!」
木に絡められたサジャードに向かってエリアスが雷の様な凄まじい速度で向かう。そのまま、サジャードに細剣を突き刺すのだった。




