337話対マサトと多芸
「マサト!私がわかるか?カラミィだ。賢者カラミィ・テーリスだ!」
かつての仲間であるマサトに対して大声で呼びかけるが、返事が返ってくることはない。返ってきたのは、剣による攻撃だ。
それを悲しい表情を浮かべてカラミィは、回避する。
「お前は誰だ……?」
「わからないか!私のことが。マジックバレット!」
魔法を放ち返す。だが、マサトもそれを回避する。
剣を振りかぶりさらなる攻撃を仕掛けてくるが、今度は、杖を槍の様に使って攻撃を受け止めた。
「英雄なら1つの芸じゃ足りないぜ?」
「なに……を?」
カラミィは、かつてマサトが言っていた言葉を呟いた。
「落ち込んでるなぁ、カラミィ」
「マサトか……放っておいてくれ」
ボサボサの髪を掻きながらカラミィが言う。自分だけクエストで失敗したため落ち込んでいた。
「まあ、仕方ないだろ。魔法が効かない魔物なんてのもいるんだから!」
「あまりにも無様で情けなくなって……」
とため息を吐く。魔法が効かない魔物との戦いで自らは全く役に立てなかったのだ。そのせいでマサトにも迷惑をかけてしまった。
「確かに、英雄なら1つの芸じゃ足りないぜ?魔法だけじゃない他のことも学んでみるか?」
「魔法だけの私に出来るか?」
「ああ、大丈夫!俺も一緒に鍛えてやるから頑張ろうぜ?仲間なんだから頼れよ」
と言われてカラミィは、朗らかに笑った。
「そうだな、頑張るよ」
「あの後、少しの間は修行出来たけどお前はいなくなってしまった……だけど、私はお前の言っていた言葉を忘れなかった」
力でマサトを押し返した。マサトは、後ろの方に飛ばされて着地する。
「これは、いっ……たい」
マサトが困惑を感じているのがカラミィにはわかった。
「どうにかアイツを元に戻さないのか?」
未だにカラミィは、彼を元に戻すことを諦め切れてはいない。
直後、マサトが凄まじい速さで動いてカラミィに攻撃を放ってくる。
「ぐっ!駄目か!」
カラミィは、なんとか回避するが予想以上のマサトのスピードに驚く。自分がなんとか反応出来るかといった所、もしかするとこれ以上があるかもしれない。
「わからない……だが、殺す……だけ」
と言いマサトが突っ込んでくる。
「どうすれば……」
カラミィが呟く。
マサトが剣を振りかぶって攻撃しようとした所……
「ファイヤウォール!」
カラミィとマサトの間に炎の壁が広がりマサトが後ろに下がる。
「師匠!」
「ミラ……どうして!」
カラミィの視線の先、そこにはミラとルティアが立っているのだった。




