326話祝福と魔王城生活スタート
「広い部屋だな……」
フェレンスから転移したレン達が立っているのは、広い建物の中だった。魔王城だろうと思う。
「よく来てくれた。まずは、感謝を」
直後はっきりした言葉を発する者の声に一同の視線が集まる。そこに立っていたのは、かつて王都で見た魔王だろう。
王都の時とは姿が違っていたが、変えたりすることも出来るのだろう。真っ白な髪に、左右の色の違う目が輝いている。
装備も相当に強力なものだろうと思う。
「我々への協力のためこれだけの者が集まってくださいました」
「ご苦労だったフィーズ、まずは、来てくれた者へ休息を与えねばな」
魔王は玉座から降りてきている。従者らしき者が数人現れ魔王の指示に従い案内を行おうとする。当然ながらみんな魔族だ。
それぞれ別れて部屋への案内を行うそうだが、レンは呼び止められた。
「レン・オリガミ、少しいいだろうか?」
「えっ?はい」
と言いながら立ち止まる。
エリアスとルティアも残りたそうな雰囲気を出していた。
「じゃあ、私がみんなの部屋の場所も聞いておくね!」
と察したミラが言いながら案内する魔族について行った。
「改めて、来てくれたこと感謝する。王都ではまともに話すこともなかったな……」
「そうですね。元々、呼ばれなくても来るつもりでしたから」
スティグマのベルゼが言った野望、それを成し遂げるための場所として魔王領を選んだ。
「奴らの目的は、魔門を開くこと……そのための生贄にクシフォンを狙っているな」
「ええ、そう聞きました。クシフォンは?」
「その内来るだろう。お前に会えるのを楽しみにしていたからな」
と言う。元気そうであれば何よりだなとレンは思っていると、魔王がエリアスとルティアの2人を見る。
「どうしました?」
「なに、どうやら結婚したのだなと思ってな。私も祝福を与えようと思ってな」
と言いながら手をかざす。魔王にはそう言うこともわかるのだなぁと思いながら話を聞く。
フィーズは、結婚したという言葉に目をパチパチさせながらこちらを見ていた。
「祝福は、身体の調子を少しでも上げるものだが、存外役に立つ。立派な子供も産めることだろう」
エリアスとルティアが真っ赤になる。魔王様は気が早いようだ。
「それは追々ですから、お気持ちありがとうございます」
と答えておく。
「おお!レンではないかぁ、久しぶりなのじゃ」
と大声をあげるのはクシフォンだ。相変わらずののじゃっぷりだ。
「狙われてる割に随分と元気そうね」
とルティアが言う。
「ふっふっふ、レンが来てくれたから安心なのじゃ!フィーズもいるし無敵!」
とピースする。かなり元気だ。
「娘が迷惑をかけるな、レンも部屋で休んでくれ」
と言われたため下がることにする。
魔王城での生活がスタートした。




